JPH04241756A - 内燃機関の空燃比学習制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比学習制御装置

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JPH04241756A
JPH04241756A JP196391A JP196391A JPH04241756A JP H04241756 A JPH04241756 A JP H04241756A JP 196391 A JP196391 A JP 196391A JP 196391 A JP196391 A JP 196391A JP H04241756 A JPH04241756 A JP H04241756A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
learning
fuel
map
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Application number
JP196391A
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English (en)
Inventor
Shinpei Nakaniwa
伸平 中庭
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Japan Electronic Control Systems Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Japan Electronic Control Systems Co Ltd filed Critical Japan Electronic Control Systems Co Ltd
Priority to JP196391A priority Critical patent/JPH04241756A/ja
Publication of JPH04241756A publication Critical patent/JPH04241756A/ja
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の空燃比学習制
御装置に関し、詳しくは、機関加減速時の空燃比ずれに
よる空燃比学習の誤学習を防止し得る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空燃比フィードバック補正制御機
能をもつ電子制御燃料噴射装置を備えた内燃機関におい
ては、特開昭60−90944号公報,特開昭61−1
90142号公報等に開示されるように、空燃比の学習
制御が採用されているものがある。
【0003】空燃比フィードバック補正制御は、目標空
燃比(例えば理論空燃比)に対する実際の空燃比のリッ
チ・リーンを機関排気系に設けた酸素センサにより判別
し、該判別結果に基づき空燃比フィードバック補正係数
LMDを比例・積分制御などにより設定し、機関に吸入
される空気量に関与する機関運転状態のパラメータ(例
えば吸入空気流量Qと機関回転速度N)から算出される
基本燃料噴射量Tpを、前記空燃比フィードバック補正
係数LMDで補正することで、実際の空燃比を目標空燃
比にフィードバック制御するものである。
【0004】ここで、前記空燃比フィードバック補正係
数LMDの基準値(目標収束値)からの偏差を、予め定
めた複数に区分された運転領域毎に学習して学習補正係
数KBLRC を定め、基本燃料噴射量Tpを前記学習
補正係数KBLRC により補正して、補正係数LMD
なしで得られるベース空燃比が略目標空燃比に一致する
ようにし、空燃比フィードバック制御中は更に前記補正
係数LMDで補正して燃料噴射量Tiを演算するもので
ある。
【0005】これにより、運転条件毎に異なる空燃比補
正の要求値に対応した補正が行え、空燃比フィードバッ
ク補正係数LMDを基準値付近に安定させて、空燃比制
御性を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機関の過渡
運転時には、燃料壁流の影響や、燃料噴射量Tiのセッ
ト時と吸気バルブ開時との間における吸入空気流量の段
差などを原因として、加速時には空燃比のリーン化が発
生し、逆に減速時には空燃比のリッチ化が発生し、加減
速度合いが大きくなると前記リーン化又はリッチ化の傾
向もより顕著となる。
【0007】このように機関の過渡運転時に比較的大き
な空燃比ずれが発生すると、空燃比フィードバック補正
係数LMDは前記空燃比ずれを解消する方向に増減設定
されるから、機関加速時で空燃比がリーン化するときに
は空燃比フィードバック補正係数LMDは例えば図17
に示すような挙動を示し、かかる過渡運転のために発生
した空燃比ずれを解消するような学習がこのときになさ
れることになる。このため、この加速運転による空燃比
リーン化が学習された領域で、次に減速運転や定常運転
されると、図18に示すように要求とは大きく異なる学
習補正値に基づいて燃料噴射量が補正設定されることに
なり、学習補正値を用いることで逆に空燃比ずれを助長
させるような結果となり、大きな空燃比段差が発生し排
気中のCO,HC又はNOx を増大させてしまうとい
う問題があった。
【0008】特に、学習補正係数KBLRC を記憶さ
せるマップとして、全運転領域を細かな単位領域で分け
た学習マップと、より大きな単位領域で分けた学習マッ
プとを備えて構成した場合には、より小さな運転領域毎
に空燃比を学習するマップでは、各運転領域毎の学習機
会が少なく、然も、運転領域が狭いからスポット的に空
燃比ずれを拾うことになるため、機関過渡運転による空
燃比ずれを学習し易く、次回に前記誤学習領域に入った
ときに、より大きな空燃比段差が発生するという問題が
あった。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、例えば機関の加速運転によって大きな空燃比ずれ
が発生し、かかる空燃比ずれを解消する方向の学習がな
され、次回に同じ運転領域で定常運転や減速運転されて
も、前記加速時の学習結果に影響されることなく、その
ときの運転状況に応じた学習補正が行えるようにするこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
内燃機関の空燃比学習制御装置は、図1に示すように構
成される。図1において、機関運転条件検出手段は、機
関に吸入される空気量に関与する運転パラメータを少な
くとも含む機関運転条件を検出し、該検出された機関運
転条件に基づいて基本燃料供給量設定手段が基本燃料供
給量を設定する。
【0011】また、空燃比フィードバック補正値設定手
段は、空燃比検出手段で検出される実際の空燃比と目標
空燃比とを比較して実際の空燃比を前記目標空燃比に近
づけるように前記基本燃料供給量を補正するための空燃
比フィードバック補正値を設定する。一方、空燃比学習
補正値記憶手段は、機関運転条件に基づき複数に区分さ
れる運転領域毎に前記基本燃料供給量を補正するための
空燃比学習補正値を書き換え可能に記憶する学習マップ
を機関の加減速度合いに応じて複数備えており、学習マ
ップ選択手段は、加減速度合い検出手段で検出された機
関の加減速度合いに基づいて前記複数の学習マップの中
から1つを選択する。
【0012】そして、空燃比学習補正値修正手段は、前
記空燃比フィードバック補正値の目標収束値からの偏差
を学習し、前記選択された学習マップ上の該当運転領域
に記憶されている空燃比学習補正値を、前記偏差を減少
させる方向に修正して書き換える。ここで、燃料供給量
設定手段は、前記基本燃料供給量,空燃比フィードバッ
ク補正値,及び、前記選択された学習マップ上の該当す
る運転領域の空燃比学習補正値に基づいて最終的な燃料
供給量を設定し、燃料供給制御手段は、前記設定された
燃料供給量に基づいて燃料供給手段を駆動制御する。
【0013】
【作用】かかる構成によると、空燃比学習補正値を書き
換え可能に記憶する学習マップが、機関の加減速度合い
に応じて複数備えられており、実際の加減速度合いに応
じてこれらの中から1つの学習マップが選択されるので
、例えば加速時に発生した空燃比ずれを学習した結果を
、加速時に対応する学習マップに記憶させ、逆に、減速
時の学習結果は減速時に対応する学習マップに記憶させ
ることが可能となり、然も、実際に燃料供給量の補正に
用いるときにも、実際の加減速度合いに応じた学習マッ
プ上の空燃比学習補正値が参照されるので、加速時に学
習した結果が例えば減速時や定常時に用いられてしまう
ことがない。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、内燃機関1にはエアクリーナ2か
ら吸気ダクト3,スロットル弁4及び吸気マニホールド
5を介して空気が吸入される。吸気マニホールド5のブ
ランチ部には各気筒別に燃料供給手段としての燃料噴射
弁6が設けられている。この燃料噴射弁6は、ソレノイ
ドに通電されて開弁し、通電停止されて閉弁する常閉型
の電磁式燃料噴射弁であって、後述するコントロールユ
ニット12からの駆動パルス信号により通電されて開弁
し、図示しない燃料ポンプから圧送されてプレッシャレ
ギュレータにより所定の圧力に調整された燃料を噴射供
給する。
【0015】機関1の各燃焼室には点火栓7が設けられ
ていて、これにより火花点火して混合気を着火燃焼させ
る。そして、機関1からは、排気マニホールド8,排気
ダクト9,三元触媒10及びマフラー11を介して排気
が排出される。コントロールユニット12は、CPU,
ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェイ
スを含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各
種のセンサからの入力信号を受け、後述の如く演算処理
して、燃料噴射弁6の作動を制御する。
【0016】前記各種のセンサとしては、吸気ダクト3
中にエアフローメータ13が設けられていて、機関1の
吸入空気流量Qに応じた信号を出力する。また、クラン
ク角センサ14が設けられていて、4気筒の場合には、
クランク角180 °毎の基準信号REFと、クランク
角1°又は2°毎の単位信号POSとを出力する。ここ
で、基準信号REFの周期、或いは、所定時間内におけ
る単位信号POSの発生数を計測することにより、機関
回転速度Nを算出できる。
【0017】また、機関1のウォータジャケットの冷却
水温度Twを検出する水温センサ15が設けられている
。 ここで、上記エアフローメータ13,クランク角センサ
14,水温センサ15等が機関運転条件検出手段に相当
する。また、排気マニホールド8の集合部に空燃比検出
手段としての酸素センサ16が設けられ、排気中の酸素
濃度を介して吸入混合気の空燃比を検出する。前記酸素
センサ16は、排気中の酸素濃度が理論空燃比を境に急
変することを利用して、実際の空燃比の理論空燃比(本
実施例における目標空燃比)に対するリッチ・リーンを
検出する公知のものである。
【0018】ここにおいて、コントロールユニット12
に内蔵されたマイクロコンピュータのCPUは、図4〜
図13のフローチャートにそれぞれ示すROM上のプロ
グラムに従って演算処理を行い、空燃比フィードバック
補正制御及び運転領域毎の空燃比学習補正制御を実行し
つつ燃料噴射量Tiを設定し、機関1への燃料供給を制
御する。
【0019】尚、本実施例において、基本燃料供給量設
定手段,燃料供給量設定手段,燃料供給制御手段,空燃
比フィードバック補正値設定手段,学習補正値修正手段
,加減速度合い検出手段,学習マップ選択手段としての
機能は、前記図4〜図13のフローチャートに示すよう
にソフトウェア的に備えられており、また、空燃比学習
補正値記憶手段としてはマイクロコンピュータのバック
アップ機能付のRAMが相当する。
【0020】前記図4〜図13のフローチャートに示さ
れる本実施例の空燃比学習制御を詳細に説明する前に、
図3に従って本実施例における空燃比学習制御の概要を
説明する。図3において、まず、ステップ101 (図
中ではS101 としてある。以下同様)では、酸素セ
ンサ16で検出される実際の空燃比が目標空燃比に対し
てリッチであるかリーンであるかを判別し、かかる判別
に基づいて実際の空燃比を目標空燃比に近づける方向に
空燃比フィードバック補正係数LMD(初期値=1.0
 )を増減させる。
【0021】次のステップ102 では、機関の加速・
定常・減速運転を判別し、かかる判別結果に基づいて予
め設定されている3つの学習マップのいずれかを選択し
、該選択された学習マップ上で現在の運転条件が含まれ
る領域に対応して記憶されている空燃比学習補正係数K
BLRC を書き換え修正する。前記学習マップは、吸
入空気流量Qと機関回転速度Nとから算出される基本燃
料噴射量Tp(←K×Q/N,Kは定数)と、機関回転
速度Nとをパラメータとして運転領域を複数に区切って
、前記複数の運転領域毎に空燃比学習補正係数KBLR
C を書き換え可能に記憶したものであり、最新の基本
燃料噴射量Tp及び機関回転速度Nから学習マップ上で
の該当領域を特定し、該特定された領域における前記空
燃比フィードバック補正係数LMDによる補正要求値を
空燃比学習補正値として書き換え記憶する。
【0022】本実施例では、前記学習マップとして加速
時用・定常時用・減速時用の3つを個別に備えており、
ステップ102 における加速・定常・減速の判別結果
に応じて対応する学習マップを選択し、選択された学習
マップ上の該当領域を学習させるものである(ステップ
103 〜ステップ105 )。次のステップ106 
では、前記空燃比フィードバック補正係数LMD及び選
択された学習マップ上の該当領域に対応する空燃比学習
補正係数KBLRC に基づいて基本燃料噴射量Tpを
補正して、最終的な燃料噴射量Tiを設定し、該燃料噴
射量Tiに基づいて燃料噴射弁6による噴射燃料量を制
御する。
【0023】上記のように、加速・定常・減速でそれぞ
れ個別に空燃比学習用の学習マップを備え、そのときの
過渡運転状態に応じて対応する学習マップを選択し、選
択された学習マップ上で学習を行わせ、かつ、選択され
た学習マップ上に記憶されている空燃比学習補正係数K
BLRC に基づいて燃料噴射量の補正を行う。従って
、例えば加速時に発生した空燃比リーン化を補償すべく
設定された空燃比フィードバック補正係数LMDの学習
結果が、定常運転時や減速運転時に用いられることがな
く、加速時に学習された結果は同じ運転領域で再び加速
されたときに用いられることになるから、過渡時を含め
た空燃比の学習制御の精度が向上する。
【0024】特に、学習領域を細かく区分して、運転条
件の違いによる補正要求の違いに精度良く対応できるよ
うにすると、各運転領域毎の学習機会が少なく、過渡時
のベース空燃比のずれを学習し易くなるが、上記のよう
に予め機関の加減速度合いに応じて学習マップを分けて
設定してあれば、学習領域を狭く設定してあっても、上
記のように加速時に学習された結果が定常時や減速時に
用いられることがないから、過渡時のベース空燃比ずれ
の学習を回避するために運転領域を態々広くする必要が
なく、運転条件別の補正要求に精度良く対応することが
できるようになる。
【0025】尚、上記では学習マップを加速・定常・減
速の3つの運転状態にそれぞれ対応して3つ備える構成
としたが、以下に述べる詳細な実施例では、この他に過
渡状態に関係なく学習される学習マップが個別に備えら
れており、前記過渡運転状態毎の3つ学習マップがそれ
ぞれ256 領域に全運転領域を区切ってあるのに対し
、前記過渡状態に関係なく学習される学習マップは16
領域に全運転領域を区切ってあり、16領域に区分され
る学習マップ(以下、16区分学習マップと略す。)上
での該当領域に対応する学習補正係数KBLRC1が学
習されてから、256 領域に区分される学習マップ(
以下、256 区分学習マップと略す。)の学習補正係
数KBLRC2の学習に移行するようにしてある。
【0026】また、本実施例では、図14に示すように
、運転条件に関係なく用いられる学習補正係数KBLR
C φを別途設定してあり、かかる学習補正係数KBL
RC φが学習されてから、16区分学習マップ、更に
、256 区分学習マップの学習へと移行させるように
して、大きな範囲の領域に対応する学習が進行してから
、より小さな範囲の領域での学習に移行させる。
【0027】次に図4〜図13に示すフローチャートに
従って図3のフローチャートにその概略を示した空燃比
学習制御を詳細に説明する。図4及び図5のフローチャ
ートに示すプログラムは、基本燃料噴射量Tpに乗算さ
れる空燃比フィードバック補正係数LMD(空燃比フィ
ードバック補正値)を、比例・積分制御により設定する
プログラムであり、機関1の1回転(1rev )毎に
実行される。尚、前記空燃比フィードバック補正係数L
MDの初期値は、1.0 である。
【0028】まず、ステップ1では、酸素センサ(O2
 /S)16から排気中の酸素濃度に応じて出力される
電圧信号を読み込む。そして、次のステップ2では、ス
テップ1で読み込んだ酸素センサ16からの電圧信号と
、目標空燃比(理論空燃比)相当のスライスレベル(例
えば500mV)とを比較して、機関吸入混合気の空燃
比が目標空燃比に対してリッチであるかリーンであるか
を判別する。
【0029】酸素センサ16からの電圧信号がスライス
レベルよりも大きく空燃比がリッチであると判別された
ときには、ステップ3へ進み、今回のリッチ判別が初回
であるか否かを判別する。リッチ判別が初回であるとき
には、ステップ4へ進んで前回までに設定されている空
燃比フィードバック補正係数LMDを最大値aにセット
する。リッチ判別が初回であるということは、前回まで
はリーン判別がなされており、これによって空燃比フィ
ードバック補正係数LMDの増大制御(=燃料噴射量T
iの増大補正)が行われていたものであり、リッチ判別
されると今度は補正係数LMDを減少制御するから、リ
ッチ判別初回の減少制御前の値が補正係数LMDの最大
値ということになる。
【0030】次のステップ5では、前回までの補正係数
LMDから所定の比例定数Pだけ減算して補正係数LM
Dの減少制御を図る。また、ステップ6では、比例制御
を実行したことを示すフラグであるP分付加に1をセッ
トする。一方、ステップ3で、リッチ判別が初回でない
と判別されたときには、ステップ7へ進み、積分定数I
に最新の燃料噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補
正係数LMDから減算して補正係数LMDを更新し、空
燃比のリッチ状態が解消されてリーンに反転するまでの
間、本プログラムが実行される毎にこのステップ7でI
×Tiずつの減少制御を繰り返す。
【0031】また、ステップ2で空燃比が目標に対して
リーンであると判別されたときには、リッチ判別のとき
と同様にして、まず、ステップ8で今回のリーン判別が
初回であるか否かを判別し、初回であるときには、ステ
ップ9へ進んで前回までの補正係数LMD、即ち、リッ
チ判別時に徐々に減少制御されていた補正係数LMDを
最小値bにセットし、ステップ10では、前回までの補
正係数LMDに比例定数Pを加算して更新することによ
り燃料噴射量Tiの増量補正を図り、ステップ11では
、比例制御が実行されたことを示すフラグである前記P
分付加に1をセットする。
【0032】ステップ8でリーン判別が初回でないと判
別されたときには、ステップ12へ進み、積分定数Iに
最新の燃料噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補正
係数LMDに加算し、補正係数LMDを徐々に増大させ
る。リッチ・リーン判別の初回で補正係数LMDの比例
制御を実行したときには、更に、空燃比学習補正制御に
関わる後述するような各種処理を行う。
【0033】まず、ステップ13では、過渡状態に関係
なく学習される16区分学習マップ上で該当する運転領
域が安定しているか否かを判別するためのカウント値c
ntを判別する。後述する図6〜図10のフローチャー
トに示されるプログラムにおいて、16区分学習マップ
上で該当する運転領域が所定微小時間毎に変化している
ときに、前記カウント値cntには所定値(例えば4)
がセットされるようになっており、ステップ13でカウ
ント値cntがゼロでないと判別されると、ステップ1
4へ進んでカウント値cntを1ダウンさせる処理を行
う。従って、16区分学習マップ上の1つの運転領域に
止まるようになってから、カウント値cntは補正係数
LMDの比例制御毎に1ダウンされることになり、カウ
ント値cntがゼロであるときには16区分学習マップ
上の1つ領域に安定して止まっている状態であると見做
すことができるようにしてある。
【0034】尚、前記カウント値cntがゼロであるか
否かを判別することで、後述するように学習更新を行う
か否かを判別し、運転領域が変化した初期には学習が行
われないようにしてある。ステップ15では、後述する
ように、前記16区分学習マップ上のそれぞれの運転領
域に対応する空燃比学習が殆ど学習済であるかを判別す
る。 後述するように、16区分学習マップの各領域別に学習
済か否かを示すフラグF〔B,A〕が設定されるので、
かかるフラグF〔B,A〕に基づき上記ステップ15の
判別を行うことができる。
【0035】16区分学習マップが殆ど学習済であると
きには、ステップ16へ進む。ステップ16では、運転
条件が全体の比例制御時と略同じであるか否かを、25
6 区分学習マップ上で該当する領域が前回と同じであ
るか否かによって判別し、運転条件が変化しているとき
にはステップ17へ進む。ステップ17では、最新の補
正係数LMD平均値(a+b)/2の目標収束値(初期
値である1.0 )に対する偏差の絶対値を求め、かか
る値に基づいて学習値の不適切度合いを示すΔストレス
のマップを参照し、Δストレスを設定する。
【0036】即ち、16区分学習マップが略学習済の状
態であるから、運転条件の変化によるベース空燃比は充
分に小さなレベルに抑止されていることが望まれるが、
運転条件の変化に伴って空燃比フィードバック補正係数
LMDが目標収束値から大きく変化してベース空燃比の
ずれを補償した場合には、現状の空燃比学習値が不適切
であることを示す。
【0037】このため、補正係数LMDの平均値が、目
標収束値に対して大きな偏差を有しているときほど前記
Δストレスを大きく設定し、次のステップ18で求めら
れる前記Δストレスの積算値である「ストレス」が所定
以上になったときには、充分な精度をもって空燃比学習
が行われていないものと判断し、後述するように最初か
ら学習をやり直すようにしてある。
【0038】図6〜図10のフローチャートに示すプロ
グラムは、運転領域別の空燃比学習プログラムであり、
所定微小時間(例えば10ms) 毎に実行される。ス
テップ21では、最近の100ms 間における基本燃
料噴射量Tpの変化量ΔTpを演算する。前記変化量Δ
Tpは、後述するように、機関の加減速度合いを判別す
るために用いられる。
【0039】ステップ22では、前記図4及び図5のフ
ローチャートに示すプログラムで空燃比フィードバック
補正係数LMDの比例制御を行ったときに1がセットさ
れるフラグであるP分付加の判別を行い、P分付加が1
であるときには、ステップ23へ進みP分付加をゼロリ
セットした後、本プログラムによる各種処理を行い、ゼ
ロであるときにはそのまま本プログラムを終了させる。
【0040】ステップ23でP分付加をゼロリセットす
ると、次のステップ24では、全運転領域に共通の空燃
比学習補正値である学習補正係数KBLRC φ(初期
値1.0 )が学習済であるか否かを示すフラグFφの
判別を行う。ここで、前記フラグFφは、1がセットさ
れているときに前記学習補正係数KBLRC φが学習
済であることを示すものであり、フラグFφがゼロであ
って学習補正係数 KBLRCφの学習が済んでいない
ときには、ステップ25へ進み、前記補正係数LMDの
最大・最小値a,bの平均値(←(a+b)/2)が略
1であるか否かを判別する。
【0041】(a+b)/2が略1でないときには、ス
テップ27へ進み、(a+b)/2から補正係数LMD
の目標収束値Target(本実施例では1.0 )を
減算した値に所定係数Xを掛けた値を前回までの学習係
数KBLRC φに加算し、該加算結果を新たな学習係
数KBLRC φとして更新設定する。 KBLRC φ←KBLRC φ+X{(a+b)/2
−Target}  また、ステップ27では、16区
分学習マップ及び過渡状態に応じて3つ備えられた25
6 区分学習マップのそれぞれの運転領域に記憶されて
いる学習補正係数KBLRC1及び学習補正係数KBL
RC2を全て初期値である1.0 にリセットする。
【0042】従って、上記学習補正係数KBLRC φ
を学習更新するときには、たとえ16区分学習マップ及
び256 学習マップで学習値が記憶されていても、そ
のデータをリセットして新たに学習を行わせるものであ
る。前記ステップ25で(a+b)/2が略1であると
判別された場合には、ステップ26で前記フラグFφに
1をセットすることにより、全運転領域に対応する学習
補正係数 KBLRCφの学習が済んでいること、換言
すれば、学習補正係数 KBLRCφを学習更新させた
結果空燃比フィードバック補正係数LMDが略1に収束
したことが判別できるようにする。
【0043】一方、ステップ24で前記フラグFφが1
であると判別された場合には、全運転領域に対応する学
習補正係数 KBLRCφの学習が済んでいることを示
すから、今度は運転領域を基本燃料噴射量Tpと機関回
転速度Nとに基づいて複数に区分して各領域毎に空燃比
学習を行う。まず、ステップ28では、最新に演算され
た基本燃料噴射量Tp及び機関回転速度Nとに基づいて
、256 区分学習マップ上ので該当領域を示す座標〔
K,I〕(図15参照)を求める。ここで、前記Kは、
現在の機関回転速度Nが該当するブロックを示し、Iは
現在の基本燃料噴射量Tpが該当するブロックを示す。
【0044】次のステップ29では、前記ステップ21
で演算された基本燃料噴射量Tpの変化量ΔTpと、正
の所定値Tp1 とを比較し、基本燃料噴射量Tpが所
定以上の割合で増大変化していてTp>Tp1 である
ときには、所定の加速状態であると見做しステップ30
へ進む。 ステップ30では、前述のように過渡状態に応じて3つ
設定されている256 区分学習マップのうち、加速時
用として予め設定されている学習マップを選択し、後に
学習マップの選択が新たに行われるまでの間は、かかる
加速時用の学習マップ上で空燃比学習修正が行われ、か
つ、加速時用の学習マップから検索して求めた学習補正
係数KBLRC2に基づいて燃料補正が行われるように
する。
【0045】一方、ステップ29でTp≦Tp1 であ
ると判別されたときには、ステップ31へ進み、負の所
定値Tp2 と変化量ΔTpとを比較し、基本燃料噴射
量Tpが所定以上の割合で減少変化していてTp<Tp
2 であるときには、所定の減速状態であると見做しス
テップ32へ進む。ステップ32では、前述のように過
渡状態に応じて3つ設定されている256 区分学習マ
ップのうち、減速時用として予め設定されている学習マ
ップを選択する。
【0046】更に、ステップ31でTp≧Tp2 であ
ると判別されたときには、基本燃料噴射量Tpが略一定
している定常状態であると見做し、ステップ33へ進ん
で前述のように過渡状態に応じて3つ設定されている2
56 区分学習マップのうち、定常時用として予め設定
されている学習マップを選択する。即ち、基本燃料噴射
量Tpの変化量ΔTpに基づいて、機関の運転状態を加
速・定常・減速の3つの状態に判別し、3つの256 
区分学習マップの中から前記判別結果に対応する学習マ
ップを選択させるものであり、例えば加速時には、加速
時用として予め設定されている学習マップ上で学習補正
係数KBLRC2の学習修正が行われ、かつ、加速時用
の学習マップを参照して空燃比学習補正を施すものであ
る。
【0047】尚、本実施例では、基本燃料噴射量Tpの
変化量ΔTpに基づいて機関の過渡状態を判別するよう
にしたが、スロットル弁開度や吸入空気流量などの変化
に基づいて過渡状態を判別しても良く、また、過渡状態
の区分を3つ以上に細分して判別させ、該細分数に対応
する数の256 区分学習マップを備えるようにしても
良い。また、運転領域の区分数を256 領域に限定す
るものではない。
【0048】次のステップ34,ステップ35では、1
6区分学習マップ上で該当する領域を示す座標〔B,A
〕の特定を行う。前述のステップ28で、256 区分
学習マップ上での該当領域を示す座標〔K,I〕が求め
られており、図15に示すように16区分学習マップに
おける1つの運転領域は、256 区分学習マップにお
ける16領域を1ブロックとして区切ったものであるか
ら、前記I,Kに基づいて16区分学習マップにおいて
現在の運転条件が該当する領域を特定できる。
【0049】即ち、ステップ34では、前記Tpのブロ
ック番号Iを4で除算して、その結果の少数点以下を切
り捨てた整数値をAにセットし、また、ステップ35で
は、Nのブロック番号Kを同様にして4で除算して、そ
の結果の少数点以下を切り捨てた整数値をBにセットす
る。 これにより、今回の運転条件が該当する16区分学習マ
ップ上の領域位置は〔B,A〕の座標で表される。
【0050】次のステップ36では、16区分学習マッ
プ上の該当する領域位置を示す前記座標〔B,A〕を用
い、16区分学習マップ上で該当する運転領域が変化し
たか否かを判別するために、前記Aに16を乗算した値
とBとを加算してその結果をABにセットする。そして
、ステップ37では前回演算されたABであるABOL
D と最新のABとを比較することにより、今回が該当
する領域と前回とが同じであるか否かを判別する。AB
≠ABOLD であって、16区分学習マップ上での該
当領域が前回と異なるときには、ステップ38でカウン
ト値cnt に所定値(例えば4)をセットする。
【0051】ステップ39では、次回におけるステップ
43での判別のために、今回ステップ37で演算したA
Bを前回値としてABOLD にセットする。ステップ
40では、16区分学習マップにおいて〔B,A〕を座
標として指示される現在の運転条件が含まれる運転領域
が、学習済であるか否かを示すフラグF〔B,A〕を判
別し、このフラグF〔B,A〕がゼロであって現在の運
転条件が含まれる16区分学習マップの1つの運転領域
で学習が終了していないときには、ステップ41へ進む
【0052】ステップ41では前記カウント値cnt 
がゼロであるか否かを判別し、ゼロでなく16区分学習
マップにおける該当領域の変動があるときには、そのま
ま本プログラムを終了させ、カウント値cnt がゼロ
であって該当する運転領域に安定して止まっているとき
にのみステップ42へ進む。ステップ42では、前記図
4及び図5のフローチャートに示すプログラムでサンプ
リングされる空燃比フィードバック補正係数LMDの最
大・最小値a,bの平均値(a+b)/2、即ち、補正
係数LMDの中心値が、目標収束値である初期値(=1
)付近であるか否かによって学習の進行を判別し、略1
であると認められず、学習が済んでいないときにはステ
ップ44へ進む。
【0053】ステップ44では、16区分学習マップ上
で今回の該当領域〔B,A〕に対応して記憶されている
学習補正係数KBLRC1に対して、最大・最小値a,
bの平均値から目標収束値Targetを減算した値に
所定係数X1を掛けた値を加算し、その結果を16区分
学習マップ上の今回の該当領域〔B,A〕に対応する学
習補正係数KBLRC1として新たに設定記憶させる。
【0054】 KBLRC1←KBLRC1+X1 {(a+b)/2
−Target}一方、ステップ42で、(a+b)/
2が略1であると判別されれば、現状の運転条件が含ま
れる16区分学習マップの該当領域での学習が終了した
ことになるから、ステップ43でフラグF〔B,A〕に
1をセットし、フラグF〔B,A〕が1である領域につ
いては学習が終了していることが判別されるようにする
【0055】このような16区分学習マップの学習中に
おいて、更に細かい256 区分学習マップ上で前記領
域〔B,A〕に含まれる16領域における学習補正係数
KBLRC2については、ステップ44でこれを全て初
期値1.0 にリセットする。このように、16区分学
習マップで学習が終了していない領域があるときには、
その運転領域で安定したときに(a+b)/2の目標値
Targetからの偏差の所定割合を、それまでに記憶
されていた学習補正係数KBLRC1に加算して更新す
ることにより、空燃比フィードバック補正係数LMDの
代わりに学習補正係数KBLRC1による補正で目標空
燃比が得られるようにし、空燃比フィードバック補正係
数LMDが目標収束値である初期値1に略収束した時点
でその運転領域の学習が終了したものとする。
【0056】一方、ステップ40で、フラグF〔B,A
〕が1であると判別され、16区分学習マップ上で該当
する運転領域に学習済の学習補正係数KBLRC1が記
憶されているときには、16区分学習マップ上の1つの
運転領域〔B,A〕に含まれる256 区分学習マップ
上の該当領域の学習へ移行する。ステップ45では、補
正係数LMDの平均値である(a+b)/2が、目標収
束値の1.0 に略一致しているか否かの判別を行い、
(a+b)/2が略1.0 でなく空燃比フィードバッ
ク補正係数LMDによる補正を必要としている未学習状
態であるときには、ステップ46へ進む。
【0057】ステップ46では、(a+b)/2から目
標収束値Target(本実施例では1.0 )を減算
した値に所定係数X2を掛けた値を、過渡状態に基づく
選択された256 区分学習マップ上で現在の運転条件
が含まれる運転領域〔K,I〕に対応して記憶されてい
る学習補正係数KBLRC2〔K,I〕に加算し、この
加算結果を当該運転領域〔K,I〕における新たな補正
係数KBLRC2〔K,I〕として更新設定する。
【0058】     KBLRC2〔K ,I〕←KBLRC2〔K
 ,I〕+X2 {(a+b)/2−Target} 
 一方、ステップ45で、補正係数LMDの平均値であ
る(a+b)/2が目標収束値Targetの1に略一
致していると判別されたときには、ステップ47へ進む
。そして、このステップ47では、過渡運転状態に基づ
く選択された256 区分学習マップ上で現在の運転条
件が含まれる運転領域〔K,I〕の学習が終了したこと
が判別されるように、フラグFF〔K,I〕に1をセッ
トする。尚、過渡状態に基づき256 区分学習マップ
が3つ備えられているので、前記フラグFF〔K,I〕
は、各256 区分学習マップ別に同じ領域〔K,I〕
に対して個別に設定されることになる。
【0059】そして、ステップ48以降では、今回学習
が終了したと判別され対応するフラグFF〔K,I〕に
1がセットされた256 区分学習マップの所定運転領
域〔K,I〕に基づき、この領域〔K,I〕に隣接する
運転領域(図16参照)で学習が終了していない運転領
域がある場合に、その運転領域に今回の運転領域〔K,
I〕に対応して記憶されている学習補正係数KBLRC
2を記憶させる制御を行う。
【0060】ステップ48では、256 区分学習マッ
プにおいて現在の運転条件が含まれる領域位置を示す〔
K,I〕からそれぞれ1を減算した値をm,nにセット
し、次のステップ49ではm=K+2であるか否かを判
別する。ステップ48からステップ49へ進んだときに
は、ステップ49でNOの判別が下されるから、ステッ
プ50に進んで〔m,n〕で示される256 区分学習
マップ上の領域の学習が終了しているか否かを、フラグ
FF〔m,n〕が1であるかゼロであるかによって判別
する。
【0061】ここで、フラグFF〔m,n〕がゼロであ
って学習が終了していないときには、ステップ51へ進
む。 このステップ51では、前記256 区分学習マップ上
における該当座標〔m,n〕を16区分学習マップ上で
の該当座標〔m/4,n/4〕に変換し、これが現在該
当すると判別されている16区分学習マップ上の領域〔
B,A〕と一致するかを判別する。
【0062】即ち、〔K,I〕は〔B,A〕に含まれる
領域であるが、〔K,I〕の周囲の領域は、16区分学
習マップ上で〔B,A〕に隣接する領域に含まれる場合
があるためであり、同じ〔B,A〕に含まれる領域であ
るときには(〔m/4,n/4〕=〔B,A〕)、ステ
ップ52へ進み、今回学習済であると判別された〔K,
I〕領域に対応する学習補正係数KBLRC2を、その
まま〔m,n〕領域の学習値として更新記憶させる。一
方、ステップ51で〔K,I〕に隣接する〔m,n〕が
、16区分学習マップ上で異なる領域に含まれると判別
されたときには、ステップ53へ進み、かかる領域〔m
,n〕に以下の式で算出される学習補正係数KBLRC
2を格納させる。
【0063】   KBLRC2〔m,n〕←KBLRC1〔B, A
〕+KBLRC2〔K ,I〕−KBLRC1〔m/4
 ,n/4〕  上記のKBLRC2〔m,n〕を求め
る演算式は、〔K,I〕と〔m,n〕とは256区分学
習マップ上で隣接する領域であるから、最終的な補正要
求としては近似しているはずであるという推測に基づく
ものであり、それぞれが含まれる16区分学習マップの
学習補正係数KBLRC1が異なるので、それぞれ異な
るKBLRC1〔B,A〕,KBLRC1〔m/4,n
/4〕との合計が、以下の式のように近似するものとし
て設定されている。
【0064】KBLRC1〔B,A〕+KBLRC2〔
K,I〕=KBLRC1〔m/4,n/4〕+KBLR
C2〔m,n〕上記のようにして〔m,n〕領域が学習
済であるときには、その学習値を更新することなく、ま
た、未学習であるときには、KBLRC2〔K,I〕に
基づきKBLRC2〔m,n〕を更新設定すると、ステ
ップ54では、前記mを1アップさせて再びステップ4
9に戻り、m=K+2となるまで、即ち、nを一定とし
てmをKを中心とする±1の範囲で動かし、各運転領域
毎に学習済・未学習を判別する。
【0065】そして、ステップ54におけるmの1アッ
プ処理の結果ステップ49でm=K+2であると判別さ
れると、今度はステップ55へ進みn=I+2であるか
否かを判別し、n≠I+2であるときには、ステップ5
6で再びmをK−1にセットし、次のステップ57では
nを1アップさせた後、ステップ50へ進む。従って、
最初はn=I−1としてmをKを中心とする±1の範囲
で動かして隣接する領域の判別を行わせたのに対し、次
はn=IとしてmをKを中心とする±1の範囲で動かし
、更に、次にはn=I+1としてmをKを中心とする±
1の範囲で動かし、結果、〔K,I〕を囲む8つの運転
領域(図16参照)について未学習であるときには、学
習補正係数KBLRC2〔K,I〕に基づく値をその運
転領域の学習補正係数KBLRC2〔m,n〕として記
憶させるものである。
【0066】このように学習済の領域の学習結果を回り
の未学習領域にも適用させるようにすれば、256 区
分学習マップのように運転領域を細分化して各運転領域
の学習機会が少ない場合であっても、運転領域間で空燃
比制御性に段差が発生することを防止できる。ステップ
55でn=I+2であると判別されたときには、〔K,
I〕を囲む8つの運転領域全ての判別処理が終わったこ
とになるので、このときには、ステップ46へ進んで、
今回の領域〔K,I〕において既に学習済であると判断
されている学習補正係数KBLRC2の学習更新を行わ
せ、更に学習精度の向上を図る。
【0067】このように、本実施例では、まず、全運転
領域に対応する学習補正係数KBLRC φを学習した
後に、16区分学習マップ上での該当領域の学習を行わ
せ、更に、この16区分学習マップで学習が済んでいる
領域については、その領域を更に16領域に分けた領域
別の学習を行わせるようにしたので、大きな運転領域か
ら小さな運転領域での学習へと進行することになり、大
きな運転領域での学習により空燃比の収束性が確保され
ると共に、学習が進行すれば細かな運転領域毎の学習が
行われるから、運転領域の違いによる要求補正値の違い
に精度良く対応できる。
【0068】上記のようにして学習される3つの学習補
正係数KBLRC φ,KBLRC1, KBLRC2
に基づく最終的な空燃比学習補正係数KBLRC の設
定は、図11のフローチャートに示すプログラムに従っ
て行われる。図11のフローチャートに示すプログラム
は、バックグラウンドジョブとして処理されるものであ
り、まず、ステップ71では、16区分学習マップ上で
の該当領域〔B,A〕に記憶されている学習補正係数K
BLRC1を読み出し、次のステップ72では、過渡運
転状態に応じて選択された256 区分学習マップ上で
の該当〔K,I〕に記憶されている学習補正係数KBL
RC2を読み出す。尚、フローチャート中に示すB×4
+A及びK×16+Iは、それぞれの該当領域位置を示
す座標をメモリ上の番地に換算するものである。
【0069】ステップ73では、KBLRC φ+KB
LRC1+KBLRC2−2.0 →KBLRC とし
て最終的な学習補正係数KBLRC を設定する。上記
図11のフローチャートに示すプログラムで設定される
学習補正係数KBLRC は、図12のフローチャート
に示すプログラムにおける燃料噴射量Tiの演算設定に
用いられる。
【0070】図12のフローチャートに示すプログラム
は、所定微小時間(例えば10ms) 毎に実行される
ものであり、まず、ステップ81では、エアフローメー
タ13で検出された吸入空気流量Q及びクランク角セン
サ14からの検出信号に基づき算出した機関回転速度N
を入力する。 そして、次のステップ82では、ステップ81で入力し
た吸入空気流量Qと機関回転速度Nとに基づいて単位回
転当たりの吸入空気流量Qに対応する基本燃料噴射量T
p(←K×Q/N;Kは定数)を演算する。
【0071】次のステップ83では、前記ステップ82
で演算した基本燃料噴射量Tpに各種の補正を施して最
終的な燃料噴射量(燃料供給量)Tiを演算する。ここ
で、基本燃料噴射量Tpの補正に用いられる補正値は、
前記学習補正係数KBLRC 、空燃比フィードバック
補正係数LMD、更に、水温センサ15で検出される冷
却水温度Twに基づく基本補正係数や始動後増量補正係
数等を含んで設定される各種補正係数COEF、バッテ
リ電圧の変化による燃料噴射弁6の有効噴射時間の変化
を補正するための補正分Tsであり、Ti←Tp×LM
D×KBLRC ×COEF+Tsを演算して最終的な
燃料噴射量Tiが所定時間毎に更新される。
【0072】コントロールユニット12は所定の燃料噴
射タイミングになると、最新に演算された燃料噴射量T
iに相当するパルス巾の駆動パルス信号を燃料噴射弁6
に対して出力し、機関1への燃料供給量を制御する。ま
た、図13のフローチャートに示すプログラムは、前記
図4及び図5のフローチャートに示すプログラムに従っ
てサンプリングされるストレスに基づく学習反復処理を
行うプログラムであり、バックグラウンドジョブ(BG
J)として実行される。
【0073】ステップ91では、空燃比学習補正値の不
適切度合いを示す前記ストレスと、所定値(例えば0.
8)とを比較する。ここで、前記ストレスが所定値を越
えるときには、学習が殆ど終了しているものの、その学
習結果が不適切で所望の空燃比補正が行えていないもの
と判断し、再度の学習(学習反復)を行わせるためにス
テップ92へ進む。
【0074】ステップ92では、各運転領域の空燃比学
習が終了しているか否かを判別するためのフラグFφ,
F〔0,0〕〜F〔3,3〕,FF〔0,0〕〜FF〔
16,16〕を全てゼロリセットすると共に、前記スト
レスもゼロリセットする。このように、空燃比学習補正
によって運転条件の違いによるベース空燃比変化を補償
できなくなっていて、前記ストレスが所定以上に大きく
なったときに、学習をやり直すようにすれば、例えば吸
気系に穴が開くなどの事故によって空燃比が急激に変化
したときに、大きな運転領域毎の学習が再度行われるこ
とになるから、空燃比を速やかに収束させることができ
る。
【0075】尚、上記実施例では、過渡状態に応じて使
い分けられる学習マップの他に、過渡状態とは関係のな
く学習され、比較的運転領域を大きく区分してある学習
マップを備える構成としたが、過渡状態に応じた学習マ
ップのみを備える構成であっても良い。また、本実施例
では、過渡状態に応じて使い分けられる学習マップは、
全て運転領域を同じ領域数に区分したものであったが、
過渡状態に応じて区分領域数や格子位置を変更しても良
い。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、機
関の加減速度合いに応じた個別に学習マップを備え、そ
のときの加減速度合いに対応する学習マップ上の空燃比
学習補正値を学習させ、かつ、対応する学習マップ上の
空燃比学習補正値を用いて燃料供給量を補正するように
したので、たとえ運転領域を細かく区分しても例えば加
速時に学習された結果が定常時や減速時に用いられて大
きな空燃比段差が発生することを防止でき、過渡時を含
めた空燃比の学習制御性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】実施例における空燃比制御の概要を示すフロー
チャート。
【図4】実施例における空燃比フィードバック制御の内
容を示すフローチャート。
【図5】図4と共に実施例における空燃比フィードバッ
ク制御の内容を示すフローチャート。
【図6】実施例における空燃比学習制御の内容を示すフ
ローチャート。
【図7】実施例における空燃比学習制御の内容を示すフ
ローチャート。
【図8】実施例における空燃比学習制御の内容を示すフ
ローチャート。
【図9】実施例における空燃比学習制御の内容を示すフ
ローチャート。
【図10】実施例における空燃比学習制御の内容を示す
フローチャート。
【図11】実施例における最終的な学習補正係数KBL
RC の設定の様子を示すフローチャート。
【図12】実施例における燃料噴射量の設定の様子を示
すフローチャート。
【図13】実施例における空燃比学習の反復に関わる制
御内容を示すフローチャート。
【図14】実施例における学習マップの構成を示す線図
【図15】実施例における学習マップの区分状態及び該
当領域の座標を示す線図。
【図16】実施例において学習済の運転領域に隣接する
運転領域の座標位置を示す線図。
【図17】従来の学習制御の問題点を説明するためのタ
イムチャート。
【図18】従来の学習制御の問題点を説明するためのタ
イムチャート。
【符号の説明】
1    機関 6    燃料噴射弁 12    コントロールユニット 13    エアフローメータ 14    クランク角センサ 15    水温センサ 16    酸素センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関に吸入される空気量に関与する運転パ
    ラメータを少なくとも含む機関運転条件を検出する機関
    運転条件検出手段と、該機関運転条件検出手段で検出し
    た機関運転条件に基づいて基本燃料供給量を設定する基
    本燃料供給量設定手段と、機関吸入混合気の空燃比を検
    出する空燃比検出手段と、該空燃比検出手段で検出され
    た空燃比と目標空燃比とを比較して実際の空燃比を前記
    目標空燃比に近づけるように前記基本燃料供給量を補正
    するための空燃比フィードバック補正値を設定する空燃
    比フィードバック補正値設定手段と、機関運転条件に基
    づき複数に区分される運転領域毎に前記基本燃料供給量
    を補正するための空燃比学習補正値を書き換え可能に記
    憶する学習マップを機関の加減速度合いに応じて複数備
    えてなる空燃比学習補正値記憶手段と、機関の加減速度
    合いを検出する加減速度合い検出手段と、前記検出され
    た加減速度合いに基づいて前記空燃比学習補正値記憶手
    段における複数の学習マップの中から1つを選択する学
    習マップ選択手段と、前記空燃比フィードバック補正値
    の目標収束値からの偏差を学習し、前記選択された学習
    マップ上の該当運転領域に記憶されている空燃比学習補
    正値を、前記偏差を減少させる方向に修正して書き換え
    る空燃比学習補正値修正手段と、前記基本燃料供給量,
    空燃比フィードバック補正値,及び、前記選択された学
    習マップ上の該当する運転領域の空燃比学習補正値に基
    づいて最終的な燃料供給量を設定する燃料供給量設定手
    段と、該燃料供給量設定手段で設定された燃料供給量に
    基づいて燃料供給手段を駆動制御する燃料供給制御手段
    と、を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の空
    燃比学習制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7318412B2 (en) 2005-03-18 2008-01-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
US9349930B2 (en) 2011-01-26 2016-05-24 Chung Hoon Lee LED module and lighting assembly

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