JPH04307257A - インクジェットプリンタのメンテナンス方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タのメンテナンス方法、特に、ワイピング動作に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクを記
録ヘッドに設けたノズルから液滴として吐出させ、それ
を記録媒体に付着させて記録を行なう方法である。

【０００３】インクジェット記録方法による画像形成に
は、種々の記録方法が適用されており、記録媒体に対し
て記録ヘッドを走査させながら、記録ヘッドから記録情
報に応じてインクを吐出させる方法が一般的である。

【０００４】また、記録ヘッドからインクを吐出させた
際に、インクのしぶき等がノズル部に付着してノズル部
に濡れが生じる。また、印字中には、記録媒体に付着し
たインクから水分が蒸発し、記録ヘッドの周囲の雰囲気
は高湿となり、温度条件によっては、インク吐出面に結
露を生ずることがある。このように吐出面に濡れや結露
が生じた場合には、吐出面に不均一にインク滴等が付着
したり、吐出面への紙粉の付着により、インクが不吐出
となったり、吐出方向性が不良となる等、印字画質の低
下をもたらす。

【０００５】そこで、吐出面をゴム等の弾性材を用いた
ワイパーによる除去部材を摺接させてミストや紙粉を除
去する手段が採用されているが、ミストや紙粉の除去は
十分ではない。

【０００６】特開平１−２７５０４７号公報に記載され
たメンテナンス方法では、ノズル面の記録範囲外に突起
物を設けて、吐出面に付着するインクミストや紙粉を除
去する手段が採られている。しかしながら、このような
構成では、ヘッド部に突起物を設けるため、ヘッド部の
構造が複雑となったり、ヘッドが大型化するという問題
がある。また突起物と記録媒体との間隔が狭いため、吐
出面に紙粉を拾ってしまい、インク不吐出や吐出方向性
不良を起こす問題もある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、弾性部材のワイ
パーの硬度、厚さ、干渉量、さらには、キャリッジ速度
（ワイピング速度）を規制することにより、簡単なヘッ
ド構造で、インク飛散、濡れ、紙粉、ワイパーの劣化を
なくすことができるインクジェットプリンタのメンテナ
ンス方法を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、ワイパーを用
いてヘッド面をワイピングするインクジェットプリンタ
のメンテナンス方法において、請求項１においては、ワ
イパーとして、ショア硬度Ａ５〜６０度、厚さ０．１〜
２ｍｍの弾性材料を用い、ヘッドとワイパーとの干渉量
を０．２〜３ｍｍに規制して行なうことを特徴とするも
のであり、請求項２においては、請求項１において、ワ
イピングは、キャップを半解除状態にしてキャリッジ走
査して行ない、キャリッジ速度を１０〜５００ｍｍ／ｓ
に規制して行なうことを特徴とするものである。

【０００９】キャップを半解除状態にしてワイピングを
行なう際、メンテナンス機構の半解除モードを用いるこ
とができる。

【００１０】

【作用】図１は、本発明が適用されるメンテナンス機構
におけるワイピング動作を説明するための概略構成図で
ある。図中、１はメンテナンスステーション、２はキャ
ップ部材、３はキャップラバー、４は大気圧開放電磁弁
、５はポンプ、６は廃液タンク、７は駆動部材、８はワ
イパー、９はキャリッジ、１０は印字ヘッド、１１はイ
ンク供給チューブである。

【００１１】メンテナンスステーション１は、ヘッドの
ノズル部分を覆う弾性体のキャップラバー３、ノズルか
らインクを吸引するポンプ５、ヘッドをクリーニングす
るワイパー８を有している。

【００１２】メンテナンスステーションの動作は、ノズ
ル部の乾燥、固化防止等のために、キャッピング、プラ
イミング、ワイピング等が行なわれる。

【００１３】記録ヘッドを空気中に放置すると、ノズル
内のインクの増粘、固化によって吐出が不安定になって
くる。これを防ぐためにキャッピング動作を行なう。キ
ャッピング動作は、非印字時に、キャップ部材２を前進
させ、ヘッド面をキャップで覆い、ノズルの乾燥防止を
図るものである。ヘッドをキャッピングすることによっ
て、インクの増粘を最小限に抑えることができる。

【００１４】さらに長時間にわたって放置する場合には
、キャップをしていてもノズル内のインクは、増粘して
いく。このために、電源オン時には、ポンプ５によりイ
ンク吸引を行ない、ノズル内で増粘したインクを強制的
に排出させることにより吐出回復を行なっている。これ
がプライミング動作である。

【００１５】印字中においては、吐出面に濡れが発生し
たり、紙粉を拾ったりして吐出が不安定になったりする
。これを防ぐために、ワイピングを行なう。ワイピング
動作は、印字ヘッド１０のヘッド面がキャップラバー３
よりやや離れた半解除状態にして、キャリッジ９を移動
させてキャップラバー３に配設されたワイパー８によっ
て、印字ヘッド１０を擦らせながらヘッド表面のクリー
ニングを行なうものである。このワイピング動作は、電
源オン時には１往復（片道２５ｍｍ移動）させて１回行
なう。印字中には、１行ごとにワイピングを行なうよう
にしてもよい。

【００１６】ワイピング動作においては、ワイパーの硬
度、厚み、干渉量、さらには、キャリッジ速度（ワイピ
ング速度）が適度のものでないと、インクの飛散、濡れ
、紙粉の除去が不能となったり、ワイパーが劣化したり
、ノズルの表面処理の剥がれ等が発生することがわかっ
た。例えば、■　　弾性部材のワイパーの硬度が高いと
、インクの飛散が発生したり、ノズル部の表面処理が剥
がれたりする。また、ワイパーの硬度が低いと、ノズル
表面の紙粉、濡れの除去ができない。■　　ワイパーの
厚さが厚いと、ワイパーの腰が強くなり、インクの飛散
が発生したり、ノズル部の表面処理が剥がれる。ワイパ
ーの厚さが薄いと、ワイパーの腰が弱くなり、インクの
飛散はなくなるが、ノズル表面の紙粉、濡れの除去がで
きない。■　　ヘッドとワイパーとの干渉量が大きいと
、ヘッドとワイパーとの離散時にワイパーのモーメント
が大きくなって、インクの飛散が発生したり、ノズル部
を擦る量が多くなり表面処理が剥がれたり、ワイパーが
劣化したりする。また、ヘッドとワイパーとの干渉量が
小さいと、インクの飛散はなくなるが、ノズル表面の紙
粉、濡れの除去ができない。■　　キャリッジ速度が速
いと、インクの飛散が発生したり、ノズル部の表面処理
が剥がれたり、ワイパーが劣化したりする。また、キャ
リッジ速度が遅いと、ワイピングに時間がかかるという
問題がある。

【００１７】そこで、種々検討の結果、ワイピング条件
が下記の範囲の場合に、良好なワイピングができること
がわかった。

【００１８】ワイパーの硬度ショアＡが５〜６０度、ワ
イパーの厚さは０．１〜２ｍｍ、ヘッドとワイパーとの
干渉量は０．２〜３ｍｍ、キャリッジ速度は１０〜５０
０ｍｍ／ｓの条件を満たした時に、１０７　回のワイピ
ングによっても、インクの飛散が防止され、紙粉、濡れ
の除去は良好で、ワイパーの劣化や、ノズルの表面処理
の剥がれ等もなくノズルをきれいにクリーニングでき、
最も良好な結果の得られることが明らかになった。

【００１９】本発明に用いられる弾性素材として、ブチ
ルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、イソブレンゴム
、クロロブレンゴム、フッソゴム、シリコンゴム、ブチ
ルゴム等が挙げられ、中でも、シリコンゴムは好ましい
材料として挙げることができる。

【００２０】

【実施例】図２は、本発明にかかるインクジェットプリ
ンタの印字部の概略を示す平面図である。図中、９はキ
ャリッジ、１２は摺動軸、１３はモータ、１４はシンク
ロベルト、１５はプラテン、１６，１７はプラテンフレ
ーム、１８，１９はキャリッジフレーム、２０はホーム
ポジションである。

【００２１】プラテン１５は、プラテンフレーム１６，
１７に支持されている。このプラテン１５は、印字幅が
広いので平面プラテンを用いている。キャリッジフレー
ム１８と１９の間には、２本の摺動軸１２，１２がキャ
リッジフレーム１８，１９に支持され、プラテン１５と
平行に取り付けられている。キャリッジ９は、この摺動
軸１２，１２に摺動自在に取り付けられるとともに、キ
ャリッジ９には、シンクロベルト１４が取り付けられて
いる。シンクロベルト１４は、モータ１３の回転軸に連
結されている。したがって、モータ１３の回転により、
キャリッジ９は、印字時には、ホームポジション２０よ
り右側の記録領域を往復移動し、非印字時には、ホーム
ポジション２０に位置する。

【００２２】キャリッジ９には、印字ヘッド１０（図３
）が搭載されているが、この実施例では、４個の印字ヘ
ッド１０がプラテン１５に対向できるよう配置されてい
る。各印字ヘッド１０には、複数のオリフィスが形成さ
れている。また、キャリッジ９の上には、印字ヘッド部
１０へインクを供給するインク供給チューブ１１が設け
られている。

【００２３】また、キャリッジ９が非印字時に位置され
るホームポジション２０には、ノズルの乾燥防止のため
に、メンテナンスステーション１が配設されている。メ
ンテナンスステーション１には、図１で説明したように
、印字ヘッド１０のキャッピングを行なう。このキャッ
ピングに関連させて、メンテナンスステーション１（図
１）内に設けたポンプ５によりインクの吸引を行ない、
インクを吐出口より強制的に排出させることにより吐出
回復処理を行なう。また、印字終了時にキャップを施す
ことにより、ノズル周辺のインクの増粘を最小限に抑え
ることができる。

【００２４】８はキャップ３に配設されたワイパーであ
る。ヘッド回復を行なう場合と同様に、モータおよび伝
達機構によってキャップを半解除状態にして、キャリッ
ジ９を移動させてキャップの真横にあるワイパー８に擦
らせてワイピングを行なう。また記録ヘッド１０は、図
３に示すように、オリフィス部２１を有するが、突起部
のない構造になっている。

【００２５】図４は、キャップ部材の斜視図である。キ
ャップ部材２は、前面にキャップラバー３が設けられ、
キャップ口２２が開口している。８はワイパーである。 ２３はワイパーの幅を示している。

【００２６】さらに、図１を参照してワイピングについ
て今少し詳細に説明する。図１は、キャップ部材２が半
解除状態になった状態である。この状態で、ヘッドを搭
載しているキャリッジ９を真横に移動してワイパー８に
接触させてワイピングを行なう。このときに、上述した
ように、弾性部材のワイパーが、適度の硬度、厚さ、干
渉量、キャリッジ速度であればよいことがわかった。

【００２７】ワイパーの硬度、厚さ、干渉量、キャリッ
ジ速度を変化させてワイピングの実験を行なった。試験
結果を図５に示す。

【００２８】図中の試験番号１，２，３は本発明の実施
例であり、４，５，６，７は比較例である。ワイパー硬
度は、ショアＡである。また、結果を表示した◎印は効
果大、○印は効果あり、△印は効果なし、×印は逆効果
となった結果を示している。

【００２９】この結果から明らかなように、本発明によ
る弾性体のワイパーを用いた試験番号１，２，３の試料
のみがインク飛散、濡れ、紙粉、ワイパーの劣化、表面
処理の剥がれが防止されるために印字品質の低下、汚れ
を招くことのない優れたワイピング効果を有しているこ
とが確認された。そして、これらの規制をして行なうこ
とによりヘッドの構造を、図３に示すように突起をなく
した簡単な構造にすることができた。

【００３０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インク吐出面の表面処理の剥がれの抑制、ワ
イパーの劣化の抑制、インクの飛散、濡れ、紙粉を確実
に容易に除去できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明をメンテナンス機構に適用した一実施例
の構成図である。

【図２】本発明にかかるインクジェットプリンタの印字
部の概略を示す平面図である。

【図３】印字ヘッドの概略を示す斜視図である。

【図４】キャップ部材の斜視図である。

【図５】試験結果の説明図である。

【符号の説明】

１　　メンテナンスステーション ２　　キャップ部材 ３　　キャップラバー ８　　ワイパー ９　　キャリッジ １０　　印字ヘッド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ワイパーを用いてヘッド面をワイピン
   グするインクインクジェットプリンタのメンテナンス方
   法において、ワイパーとして、ショア硬度Ａ５〜６０度
   、厚さ０．１〜２ｍｍの弾性材料を用い、ヘッドとワイ
   パーとの干渉量を０．２〜３ｍｍに規制して行なうこと
   を特徴とするインクジェットプリンタのメンテナンス方
   法。
2. 【請求項２】　　請求項１において、ワイピングは、キ
   ャップを半解除状態にしてキャリッジ走査して行ない、
   キャリッジ速度を１０〜５００ｍｍ／ｓに規制して行な
   うことを特徴とするインクジェットプリンタのメンテナ
   ンス方法。