JPH04293949A - 防曇性塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は温室などに、農業用被覆
材料として利用される防曇性塩化ビニル樹脂組成物に関
する。

【０００２】

【従来の技術】農業用の温室、トンネル栽培などに使用
される農業用被覆材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などをフィル
ムに成形したものが使われる。これらのフィルムは元来
疎水性であるため、フィルムを介して室内側の気温が高
いとフィルムの内側に発生した水蒸気がフィルム表面近
くで凝縮して微細水滴としてフィルム表面に付着して曇
りを生じる。

【０００３】この曇りによりフィルムの透明性が損なわ
れ、太陽光線の透過性が低下し、農作物や果実類の発芽
に悪影響を及ぼし、発育成長が阻害されやすい。また、
水滴がフィルム表面に沿って流下せずに農作物や果実類
上に直接落下するため、農作物や果実類に有害な病原菌
が増殖しがちである。

【０００４】そこで、このような弊害を防止するために
、例えばグリセリン脂肪酸部分エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸部分エステル、ソルビタン脂肪酸部分エステル
、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、Ｎ，Ｎ
−ビス（２−ビドロキシエチル）脂肪酸アミドなどの非
イオン界面活性剤を防曇剤として合成樹脂に配合して成
形することが試みられており、また、防曇性と防曇持続
性を改良するために、前記の非イオン界面活性剤を２種
類以上併用することも行われている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の防曇剤を配合するとフィルムの耐候性が低下し、その
結果、褐色や黒色に変色して光の透過性が低下したり、
またフィルムの機械的物性も悪化しがちである。この傾
向は塩化ビニル樹脂にポリオキシアルキレンエーテル誘
導体を配合したときに著しい。本発明は耐候性の改良さ
れたポリオキシアルキレンエーテル誘導体を含有する防
曇性塩化ビニル樹脂フィルムを提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の構成は、塩化ビ
ニル樹脂１００重量部に対して、ポリオキシアルキレン
エーテル誘導体を、そのオキシアルキレン基部分が０．
４〜２．５重量部である量と塩素原子を有するベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤０．０５〜０．５重量部とを
含有することを特徴とする。

【０００７】本発明で使用するポリオキシアルキレンエ
ーテル誘導体は公知のものでよく、例えばポリオキシア
ルキレンソルビタン脂肪酸エステル、Ｎ，Ｎ−ビスポリ
オキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン
脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルな
どがある。更に、特開昭５８−１３６８５号公報に開示
されたようなポリオキシアルキレンエーテル誘導体も使
用できる。

【０００８】本発明で使用するポリオキシアルキレンエ
ーテル誘導体はエチレンオキシドまたはプロピレンオキ
シドのいずれか、または両者を活性水素を有する化合物
に付加反応して得られるものである。本発明におけるポ
リオキシアルキレンエーテル誘導体の配合量は、ポリオ
キシアルキレンエーテル部分が塩化ビニル樹脂１００重
量部に対して０．４〜２．５重量部である。０．４重量
部に満たない場合はフィルムの防曇性はほとんど向上せ
ず、２．５重量部を超えるとフィルムの表面がベタつい
て好ましくない。

【０００９】本発明で使用する塩素原子を有するベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤には、２−（２’−ヒドロ
キシ−３’−ｔ−ブチル−５’−メチルフェニル）−５
−クロロベンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロキシ
−３’，５’−ジ−ｔ−ブチルフェニル）−５−クロロ
ベンゾトリアゾールなどがあり、塩化ビニル樹脂１００
重量部に対して０．０５〜０．５重量部配合される。０
．０５重量部に満たないときは耐候性の改良効果がほと
んどなく、また０．５重量部を超えて配合しても耐候性
はそれほど向上しない。

【００１０】本発明で使用する塩化ビニル樹脂は塩化ビ
ニルのホモポリマーまたはコポリマーである。

【００１１】本発明の防曇性塩化ビニル樹脂組成物には
必要に応じて可塑剤；有機スズ、金属石けん、有機リン
化合物、エポキシ化大豆油などの安定剤；脂肪酸、Ｎ，
Ｎ’−メチレンビス脂肪酸アミド、Ｎ，Ｎ’−エチレン
ビス脂肪酸アミドなどの滑剤；着色剤；他の防曇剤；他
の紫外線吸収剤などを配合してもよい。

【００１２】

【発明の効果】本発明の防曇性塩化ビニル樹脂組成物は
耐候性が従来のものと比して大きく改良され、防曇性も
優れている。

【００１３】

【実施例】下記の割合で配合した塩化ビニル樹脂組成物
を１７５℃のロールで５分間混練した後、そのロールか
ら厚さ０．１ｍｍのフィルムを引出した。なお、以下の
実施例および比較例において部および％は重量基準であ
る。

【００１４】 　　配合比 塩化ビニル樹脂（日本ゼオン（株）：ゼオン１０３ＥＰ
　　　　　　　　　　　　　　１００部ジ−２−エチル
ヘキシルフタレート　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　４５部トリクレ
ジルホスフェート　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　５部エポキシ樹脂（シェル化学（株）：エピコート
８２８）　　　　　　　　　　　　　　　　　　１部Ｎ
−Ｎ’エチレンビスステアリン酸アミド　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　０．５部ステ
アリン酸バリウム　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　０．３部ステアリン酸亜鉛　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　０．３部バリウム−亜鉛液体
安定剤（共同薬品（株）：ＫＶ−８２Ｅ−７）　　　　
　　　　１部ポリオキシアルキレン誘導体（表１に記載
の種類）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　２部ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤　　　　　　
　　　　　　　　　　　　表１に記載の種類及び量

【０
０１５】フィルムの防曇性と耐候性を次の方法で試験し
、その結果を表１に示した。縦８０ｃｍ、横２５ｃｍの
フィルム１２種類を熱で融着し、縦８０ｃｍ、横２７６
ｃｍの１枚のフィルムを作製した。このフィルムを幅２
７５ｃｍ、奥行８１ｃｍ、手前の高さ４０ｃｍ、奥の高
さ５２ｃｍの小屋に展張し、防曇性と耐候性を１１月か
ら翌年６月までの７ケ月間にわたって観察した。なお、
フィルムの傾斜角度は８度であった。

【００１６】防曇性は水滴なしの状態を１０、防曇剤未
配合のフィルムの水滴付着状態を０として１１段階で評
価した。耐候性は、フィルムに変化のない状態を５、全
体が褐色になったものを０として６段階で評価した。

【００１７】表１より、本発明の塩素原子を有するベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有する防曇性塩化ビ
ニル樹脂組成物のフィルムは防曇性に優れており、また
、耐候性も向上していることが理解される。また、塩素
原子のない２−（２’−ヒドロキシ−３’，５’−ジ−
ｔ−ペンチルフェニル）ベンゾトリアゾールを配合した
フィルムや紫外線吸収剤を配合しない塩化ビニル樹脂フ
ィルムは耐候性に劣っていることが理解される。

【００１８】

【表１】

【００１９】※１）Ａ：ポリオキシエチレン（１０モル
）ノニルフェニルエーテル （分子量　　６６０、オキシアルキレン基　　６６．６
％）Ｂ：ポリオキシエチレン（３モル）ソルビタンモノ
ステアレート （分子量　　５６２、オキシアルキレン基　　２３．５
％）（分子量　　５５６０、オキシアルキレン基　　９
２．８％） Ｄ：ソルビタンモノステアレート ※２）ａ：２−（２’−ヒドロキシ−３’−ｔ−ブチル
−５’−メチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾ
ールｂ：２−（２’−ヒドロキシ−３’，　５’−ジ−
ｔ−ブチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール
ｃ：２−（２’−ヒドロキシ−３’，　５’−ジ−ｔ−
ペンチルフェニル）ベンゾトリアゾール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　塩化ビニル樹脂１００重量部に対して
   、ポリオキシアルキレンエーテル誘導体を、そのオキシ
   アルキレン基部分が０．４〜２．５重量部である量と塩
   素原子を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤０．
   ０５〜０．５重量部とを含有する防曇性塩化ビニル樹脂
   組成物。