JP4030653B2 - 合成樹脂用防曇剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂に添加することによって優れた防曇性能と耐ブロッキング性が付与できる合成樹脂用防曇剤組成物、及びそれを用いたベタツキやブロッキング性が改善され、かつ低温防曇性、初期防曇性、防曇持続性に優れた合成樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
農業用ハウスやトンネル栽培などの施設園芸に用いられる合成樹脂被覆材は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等が用いられている。これらの合成樹脂は疎水性であるため、地表や作物から蒸発した水分がフィルム表面に凝集し、微細な水滴の付着によって曇りを生じて光線透過率の低下と水滴のボタ落ちが起こり、作物の育成不良や病害を起こす。そのため、一般的には防曇剤と称するソルビタン脂肪酸エステルなどの界面活性剤を樹脂に練込み、ブリードアウトさせてフィルム表面を濡れやすくする方法が用いられている。
【0003】
一方、農業用フィルムとして最も多く用いられているポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、目的にあったフィルム物性や耐候性を得るために、多量の可塑剤や少量の安定剤が配合され、それが経時的にブリードアウトを起こすなど、軟質塩化ビニル自体の性質により、フィルム同士が強固に密着してブロッキング現象を生じやすい。又、防曇剤を配合しているため、フィルムが水分で濡れて防曇剤が溶けている状態でフィルムを巻き上げた場合、乾燥した後に防曇剤がフィルム同士を接着し、より強固にブロッキングを起こす。実際このようなフィルムを農業用ハウスやトンネルなどに使用した場合、出入り口や換気口などの開閉部はフィルム同士が重なっており、作業上フィルム同士を付けたり剥がしたりする機会が多く、特に換気口はフィルムを巻き上げるため、フィルムがブロッキングを起こすと、開閉時に大きな労力を必要とし、またフィルムを傷つけたり破損する等の問題を抱えていた。
【0004】
尚、一般的に農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに使用される防曇剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、それのエチレンオキサイド付加物の混合物である。そのエステルの脂肪酸はステアリン酸及びパルミチン酸が一般的に用いられ、またエチレンオキサイドの付加モル数は2〜3モルのものが多い。しかし、これらの防曇剤は優れた防曇性能を示すが、ブロッキングが最も大きい。
【0005】
このようなフィルムの防曇性を維持してブロッキング現象を解決する手段として、高融点の化合物を使用する手法が提案され、例えば、多価アルコールベヘニン酸エステル等(特公昭54-3692 号公報、特公昭54−30698 号公報)を防曇剤として使用しているが、防曇性(特に初期防曇性と低温防曇性)に劣り、又、グリセリン脂肪酸エステル(特開平2−281060号公報)や高級アルコール(特開平2−49050 号公報)を添加する方法もあるが、十分なブロッキング防止性能が得られない問題があり、防曇性と耐ブロッキング性能の両立は達成されていないのが現状である。
【0006】
従って、本発明の目的は、優れた防曇性能を付与し、かつブロッキング現象が改善できる合成樹脂用防曇剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
A成分:ソルビトール、グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル(A-1) 、ソルビタン脂肪酸モノ又はセスキエステル(A-2) 、及びソルビトール、ソルビタン、グリセリン若しくはポリグリセリンの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、又はソルビトール、ソルビタン、グリセリン若しくはポリグリセリンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(A-3) からなる群より選ばれた1種以上(但し、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸、エチレンオキサイド平均付加モル数は 0.1〜10モルである)、
B成分;ペンタエリスリトール脂肪酸エステル(B-1) 、ソルビタン又はソルビトールの脂肪酸エステルのプロピレンオキサイド付加物(B-2) 、及びソルビタン1モルに対し脂肪酸を 2.0モル以上エステル化したソルビタン脂肪酸エステル (B-3) からなる群より選ばれた1種以上(但し、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸、プロピレンオキサイド平均付加モル数は1〜4モルである)
を含有し、A成分とB成分の重量比がA/B=30/70〜90/10である合成樹脂用防曇剤組成物、及びこの防曇剤組成物を、合成樹脂 100重量部に対して0.1〜5.0重量部配合してなる合成樹脂フィルムである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のA成分は防曇性能を発現するための基剤であり、上記(A-1) 〜(A-3) からなる群より選ばれる。このA成分の脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸で、好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びこれらの混合物である。
本発明のA成分のエステル化度は、濡れ性の悪化とブリード速度の低下を生じないような防曇性の観点から、下記式で表されるエステル化度が0.5 未満であることが好ましい。
【0009】
【数1】
【0010】
上記(A-3) 中のエチレンオキサイドの平均付加モル数は 0.1〜10モルであり、1〜6モルが好ましい。これらのエチレンオキサイド付加物は2種以上の混合物として使用することもできる。
【0011】
本発明のA成分のうち、(A-1) としては、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンセスキステアレート、ジグリセリンモノパルミテート、テトラグリセリントリステアレート等が、(A-2) としては、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキパルミテート等が、(A-3) としては、POE(2)ソルビトールセスキステアレート、POE(1)ソルビタンモノパルミテート、POE(3)ソルビタンセスキステアレート、POE(6)ソルビタンモノステアレート等が挙げられ、これらは1種以上を使用することができる。又、(A-3) の中ではソルビトールのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、又はソルビタン、グリセリン若しくはポリグリセリンの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物が好ましい。尚、ここでPOE(n)とはポリオキシエチレンnモル付加物であることを示す。
【0012】
本発明のB成分は、A成分にさらに目的の防曇性、及びブロッキング現象の改善を付与するものであり、上記(B-1) 〜(B-3) からなる群より選ばれる。このB成分の脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸で、好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びこれらの混合物である。脂肪酸の炭素数が12より小さくなると防曇持続性を低下させ、18を超えると低温防曇性の低下やフィルム表面の白化現象を生じるため好ましくない。
【0013】
又、B成分のうち、(B-1) は、ペンタエリスリトール1モルに対して脂肪酸を1〜2.5 モルエステル化したものが好ましい。具体的には、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールセスキステアレート、ペンタエリスリトールセスキパルミテート、ペンタエリスリトールセスキミリステート、ペンタエリスリトールセスキラウレート、ペンタエリスリトールジラウレート等が挙げられる。
【0014】
(B-2) はソルビタン又はソルビトール1モルに対して脂肪酸を1〜2.5 モルエステル化したものが好ましい。プロピレンオキサイド付加モル数は、当該脂肪酸エステル1モルに対して1〜4モルであり、1モルより小さくなると十分なブロッキング現象の改善が得られなくなり、4モルを超えると防曇持続性が低下するので好ましくない。具体的には、POP(1)ソルビタンモノステアレート、POP(1)ソルビタンモノパルミテート、POP(1)ソルビタンセスキミリステート、POP(2)ソルビタンモノステアレート、POP(4)ソルビタンジステアレート等が挙げられる。尚、ここでPOP(n)とはポリオキシプロピレンnモル付加物であることを示す。
【0015】
(B-3) はソルビタン1モルに対し脂肪酸を2.0 モル以上エステル化したものであり、十分なブロッキング現象の改善と防曇性を両立させるためには、脂肪酸を2.0 〜2.5 モルエステル化したものが好ましい。具体的には、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタン2.5 ステアレート、ソルビタン2.5 ミリステート等が挙げられる。
【0016】
本発明のB成分を選定する際に、特に初期防曇性、低温防曇性に優れ、かつブロッキング現象を改善する場合は、(B-2) を使用するのが好ましく、又、防曇持続性に優れ、かつブロッキング現象を改善する場合は、(B-3) を使用するのが好ましい。特にブロッキング現象を重点的に改善したい場合は(B-1) を使用すると良い。又、B成分は1種以上を使用することができる。
【0017】
本発明の防曇剤組成物中のA成分とB成分の配合割合は、重量比でA/B=30/70〜90/10であり、50/50〜80/20が好ましい。A/Bが30/70より小さくなると、低温防曇性、又は防曇持続性の低下、あるいはフィルム表面の白化現象を起こすため好ましくない。また、A/Bが90/10より大きくなると、十分なブロッキング現象の改善が得られない。
【0018】
本発明の防曇剤組成物の使用方法としては、例えば合成樹脂成形時に混練する方法、又は本発明防曇剤組成物を適当な溶媒中に溶解し、この溶液を合成樹脂成形品に塗布する方法等が挙げられるが、成形時に混練する方法が好ましい。
【0019】
本発明の防曇剤組成物を使用することのできる合成樹脂は、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂等の塩化ビニル系樹脂、並びにポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等のポリオレフィン樹脂等が挙げられるが、特にブロッキング現象が問題になっている塩化ビニル系樹脂に適している。特に数重合度 800〜2000のポリ塩化ビニル、及び塩化ビニルを主体とする共重合体が好ましい。
【0020】
本発明の防曇剤組成物の合成樹脂への添加量は、樹脂 100重量部に対し、防曇性能の観点から 0.1重量部以上が好ましく、又、防曇剤の過剰のブリードアウト、表面のべたつき、ブルーミング現象を防止する観点から 5.0重量部以下が好ましく、特に 0.5〜4.0 重量部が好ましい。
【0021】
尚、本発明の合成樹脂フィルムには、本発明防曇剤組成物以外に、必要に応じて可塑剤、安定剤、安定化助剤(酸化防止剤、エポキシ化合物等)、滑剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤、光安定剤、防霧剤、帯電防止剤、加工助剤等を添加することができる。
【0022】
可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−イソデシルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルイソフタレート等のフタル酸エステル類、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル類、トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステル類、エポキシ化大豆油等が挙げられる。
【0023】
安定剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸バリウム等の金属石鹸系安定剤、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチルジラウリルメルカプタイド等の有機錫系安定剤等が挙げられる。
【0024】
安定剤と併用して使用される安定化助剤としては、トリフェニルフォスフェート、トリノニルフェニルフォスフェート等の亜リン酸エステル類、3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン等のフェノール系化合物、ジアルキルチオビスプロピオネート等の含硫黄系化合物等の酸化防止剤、エピクロロヒドリン−ビスフェノールA重合物(エポキシ樹脂)、エポキシ化脂肪酸エステル等のエポキシ化合物、ジベンゾイルメタン等のβ−ジケトン類化合物が挙げられる。
【0025】
滑剤としては、ステアリン酸、脂肪酸アマイド、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−3',5' −ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5'−メチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4 −ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート等のサリチル酸エステル系化合物等が挙げられる。
【0026】
充填剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、シリカ、アルミナ等の無機酸化物、タルク、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等の金属珪酸塩等の無機化合物が挙げられる。
着色剤としては、フタロシアニンブルー、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
【0027】
防霧剤としては、フッ素系の界面活性剤やフッ素系のオリゴマー等が挙げられる。
帯電防止剤としては、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0028】
本発明の合成樹脂フィルムとしては塩化ビニル系樹脂フィルムが好ましく、特に、農業用途に使用される農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
本発明の防曇剤組成物を合成樹脂フィルム、特に塩化ビニル系樹脂フィルムに添加することにより、優れた初期防曇性、低温防曇性、防曇持続性を付与し、又ブロッキング現象を改善することができる。
【0030】
【実施例】
実施例1〜16
表1に示すA成分及びB成分を、表1に示す割合で配合して本発明の防曇剤組成物を調製した。尚、A成分及びB成分のうち、市販されているものはそれを用い、市販されていないものは多価アルコールと脂肪酸を目的の配合比率で仕込み、温度190〜245℃、常圧又は減圧下でエステル化反応を行い、必要に応じてエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加を行った。A成分のうちソルビトールのEO付加物脂肪酸エステルについては、特公昭55−9431号公報2〜3頁、参考例1及び参考例2に記載の方法で合成した。
この防曇剤組成物を用い、下記方法によりフィルムを製造し、このフィルムについて、下記方法で防曇性、耐ブロッキング性及び透明性を評価した。結果を表2に示す。
なお、実施例1〜5は参考例である。
【0031】
<フィルムの製造法>
下記組成からなる配合物をヘンシェルミキサーに入れて10分間攪拌混合して、コンパウンドを作成した。これを表面温度 170℃のテストロールで7分間溶融混練した後、 170℃の温度で5分間プレスを行い、 100μm の厚さのフィルムを得た。
【0032】
組成:
ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100 重量部
ジ−2−エチルヘキシルフタレート 45 重量部
(花王(株) 、ビニサイザー80)
トリクレジルホスフェート 5 重量部
(大八化学工業所(株))
安定剤(Ba−Zn系) 1.5 重量部
(勝田加工(株)、BZ−330M)
安定剤 1.0 重量部
(勝田加工(株)、PSE −1020B)
エポキシ樹脂 1.5 重量部
(シェル、エピコート828)
メチレンビスステアリルアマイド 0.3 重量部
(日本化成(株)、ビスアマイドLA)
タルク 1.0 重量部
(林化成(株)、ミクロンホワイト#5000S)
防霧剤 0.1 重量部
(ダイキン工業(株)、ユニダインDS−403)
本発明の防曇剤組成物 2.0 重量部
<防曇性能試験>
ステンレスパイプ製小型ハウス(縦 330×横 290×高さ 250mm、水平面に対する屋根面角度12度)を作り、側面には市販の農業用塩化ビニル樹脂フィルムを、屋根面には防曇試験用フィルムサンプルを覆い、このハウスを一定温度に保たれた恒温水槽に浸け、恒温室に放置する(ハウス内は床面を水面で塞がれた密閉系であり、水蒸気が充満している)。この装置で室温5℃/水温15℃で2時間放置後の初期防曇性、室温5℃/水温15℃で6時間放置後の低温防曇性、並びに室温5℃/水温40℃で25日、50日、75日及び100 日間放置後の防曇持続性を下記基準で評価した。
【0033】
・評価ランク
5:完全に透明で曇りがない
4:ほとんど透明であるが、僅かに水滴がつく
3:大きい水滴が付着するが、かなり透明感がある
2:全体的に大きい水滴が付着し、不透明である
1:細かい水滴が全体的に付着し、不透明である
尚、例えば評価点が 3-4とは3と4の間のレベルで3に近く、4-3 とは3と4の間のレベルで4に近いことを意味し、3以上であれは実用に適している。
【0034】
又、初期防曇性については、上記評価ランクを下記の基準で評価した。
◎:2時間後に4を超えるレベルである
○:2時間後に4レベルである
△:2時間後に3レベルである
×:2時間後に2レベルである
××:2時間後に1レベルである
尚、例えば○〜△とは○と△の間のレベルにあり、○に近く、△〜○とは○と△の間のレベルにあり、△に近いことを意味する。
【0035】
<ブロッキング試験>
成形したポリ塩化ビニルフィルムからサンプル片(10×15cm)を採取し、これをイオン交換水に2時間浸漬した後、同一のフィルムを2枚張り合わせ、圧着クロールで水抜きを行った。さらにサンプル片から3×7cmの試験片を切り取り、16g/cm2 の圧力をかけながら70℃の恒温槽に2時間放置した。次に恒温槽から試験片を取り出して23℃の恒温室に放冷し、テンシロンで剥離試験を行った。その剥離に要した荷重[剥離強度(g)]が小さいほど耐ブロッキング性に優れている。
【0036】
<透明性試験>
フィルム表面での防曇剤によるブルーミング現象を試験するために、フィルムを40℃で2週間処理し、ヘイズメーターでフィルムの濁度を測定した。これから求められた透明性のランクを下記の5段階で表した。
【0037】
・透明性ランク
◎:まったく白化が認められない
○:ごくわずかにしか白化が認められない
△:少し白化が認められる
×:明らかに白化が認められる
××:不透明である
尚、例えば○〜△とは○と△の間のレベルにあり、○に近く、△〜○とは○と△の間のレベルにあり、△に近いことを意味する。
【0038】
比較例1〜5
比較のために、実施例で示した配合組成の本発明防曇剤組成物の代わりにソルビタンモノパルミテート(花王(株)、レオドールSP−P10)( 比較例1)、POE(2)ソルビタンモノステアレート(比較例2)、ソルビタンモノベヘネート(比較例3)、POE(2)ソルビタンモノステアレート/グリセリンモノステアレート=70/30(比較例4)、POE(2)ソルビタンモノステアレート/ステアリルアルコール=70/30(比較例5)をそれぞれ 2.0重量部添加したフィルムを製造し、実施例と同様に防曇性、耐ブロッキング性及び透明性を評価した。結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
Claims (2)
- A成分:ソルビトール、グリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル(A-1)、ソルビタン脂肪酸モノ又はセスキエステル(A-2) 、及びソルビトール、ソルビタン、グリセリン若しくはポリグリセリンの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、又はソルビトール、ソルビタン、グリセリン若しくはポリグリセリンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(A-3) からなる群より選ばれた1種以上(但し、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸、エチレンオキサイド平均付加モル数は 0.1〜10モルである)、
B成分;ペンタエリスリトール脂肪酸エステル(B-1) 、及びソルビタン1モルに対し脂肪酸を 2.0モル以上エステル化したソルビタン脂肪酸エステル(B-3) からなる群より選ばれた1種以上(但し、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸である)
を含有し、A成分とB成分の重量比がA/B=30/70〜90/10である塩化ビニル系樹脂用防曇剤組成物。 - 請求項1記載の防曇剤組成物を、塩化ビニル系樹脂 100重量部に対して 0.1〜5.0 重量部配合してなる塩化ビニル系樹脂フィルム。
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