JPH04283526A - 光学活性アリルアルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アリルアルコールの製造方法

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JPH04283526A
JPH04283526A JP3072443A JP7244391A JPH04283526A JP H04283526 A JPH04283526 A JP H04283526A JP 3072443 A JP3072443 A JP 3072443A JP 7244391 A JP7244391 A JP 7244391A JP H04283526 A JPH04283526 A JP H04283526A
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JP
Japan
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formula
group
compound
optically active
mmol
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JP3072443A
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English (en)
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Fumie Satou
史衛 佐藤
Kazutaka Arai
和孝 新井
Katsuaki Miyaji
克明 宮地
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医農薬品の中間体等とし
て有用な下記式(III)で表わされる光学活性アリル
アルコールの製造方法に関する。
【0002】
【化3】 (式中、R4は一価炭化水素基を示す。R5は水素原子
、R7R8R9Si基又はR10S基を示し、R7,R
8,R9,R10はそれぞれ同一又は異種の一価炭化水
素基を示す。 Z1は水素原子又は水酸基の保護基を示す。Z2は水素
原子又はR1R2R3Si基を示し、R1,R2,R3
基はそれぞれ同一又は異種の一価炭化水素基を示す。ま
た、*は不斉中心を示す。)
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】上記式
(III)で示される光学活性アルコール、例えば式(
III−1)でで示される化合物は、強い生理活性で知
られているトキシン類(参考文献:例えば、アール・デ
ィー・ワークアップ等,テトラヘドロン・レターズ,2
8,  4019(1978))やロイコトリエン類(
参考文献:例えば、エー・ブイ・アール・ラオ等,テト
ラヘドロン・レターズ,28,6479(1987))
などの合成中間体として有用である。
【0004】
【化4】 (但し、Phはフェニル基を示す。)
【0005】この化合物(III−1)の合成法として
は、従来数通り知られており、その主なものとしては、
(a)糖類から5工程を要して合成する方法(参考文献
:例えば、ディー・イー・マックラー等,ジャーナル・
オルガニック・ケミストリー,43,4876(197
8)及び高野等,シンセシス,1988,610)、(
b)酒石酸から5工程を要して合成する方法(参考文献
:例えば、エー・ブイ・アール・ラオ等,テトラヘドロ
ン・レターズ,28,6479(1987))、(c)
不斉シャープレス酸化反応で得られる光学活性γ−シリ
ル−β,γ−エポキシアルコールから2工程で得る方法
(参考文献:佐藤等,ケミストリー・レターズ,216
3(1987))などが挙げられる。
【0006】しかし、(a),(b)の方法は多工程を
要し、しかも重金属試剤を用いる工程や低収率の工程を
含むなどの問題がある。また、(c)の方法も、不斉酸
化反応を速度論的光学分割として用いているため、収率
が50%を超えられない点や酸化で得られるエポキシア
ルコールと原料アルコールの分離があまり容易でないな
どの問題があり、上記方法はいずれも工業的生産方法と
して実用性に劣る。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
上記式(III)の光学活性アリルアルコールを工業的
有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、下記一般
式(I)で示される光学活性なシリル置換エポキシ化合
物と一般式(II)で示される活性メチレン化合物とを
塩基の存在下に反応させ、必要により脱シリル化剤で処
理した場合、一般式(III)で示される光学活性アリ
ルアルコールが短工程で重金属試剤などを必要とせずに
高収率で製造し得、しかもこの場合立体構造を予測して
合成できること、更に原料となる光学活性なシリル置換
エポキシ化合物は、一般式(I)においてR4及びZ1
が水素原子である場合、不斉シャープレス酸化反応で用
いる不斉源が触媒量でも、前述の(c)の方法と異なり
速度論的光学分割としての利用でないため、98%ee
以上の高光学純度かつ90%以上の高収率で得られ、原
料エポキシ化合物を高純度で簡単に入手使用し得ること
を知見し、本発明を完成した。
【0009】
【化5】 (式中、R1,R2,R3,R4,R6はそれぞれ同一
又は異種の一価炭化水素基を示す。R5は水素原子、R
7R8R9Si基又はR10S基を示し、R7,R8,
R9,R10はそれぞれ同一又は異種の一価炭化水素基
を示す。Z1は水素原子又は水酸基の保護基を示し、Z
2は水素原子又はR1R2R3Si基を示す。nは0,
1又は2である。 また、*は不斉中心を示す。)
【0010】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の一般式(III)の光学活性アリルアルコールの製
造方法は、上記一般式(I)で表わされる光学活性なシ
リル置換エポキシ化合物と、上記一般式(II)で表わ
される活性メチレン化合物とを塩基の存在下で反応させ
た後、必要に応じて脱シリル化剤で処理するものである
【0011】ここで、一般式(I)で表わされる光学活
性アリルアルコールは、具体的に下記一般式(Ia)及
び(Ib)のように表わすことができ、従って本発明製
造法を反応式で表わすと、アリルアルコールとして式(
Ia)又は(Ib)を用いることによりそれぞれ〔A〕
又は〔B〕のようになり、出発原料(I)の立体を選択
することで目的の立体異性体の光学活性体(IIIa)
又は(IIIb)を任意に製造することができる。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】この場合、本発明製造法の原料となる上記
一般式(I)乃至は一般式(Ia),(Ib)の光学活
性アリルアルコールにおいて、R1,R2,R3は上述
したようにいずれも一価炭化水素基であり、好ましくは
炭素数1〜10の一価炭化水素基で、通常はアルキル基
である。具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル
基,i−プロピル基,n−ブチル基,i−ブチル基,t
−ブチル基,アシル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オク
チル基,ノニル基,デシル基等を例示することができる
。なお、R1,R2,R3は互いに同一でも異なってい
てもよい。
【0015】また、置換基R4は、一価炭化水素基であ
り、これには置換もしくは未置換のアルキル基、シクロ
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基
、アラルキル基などが挙げられ、その炭素数は好ましく
は1〜10である。具体的にはメチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−
ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、2−メチルヘキシル、2−ヘキシル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、
ヘキサ−4−イン−2−イル、ヘプタ−4−イン−2−
イル、2,6−ジメチル−ヘプタ−5−エン−1−イル
、ペンタ−1−エン−1−イル、ペンタ−2−エン−1
−イル、ヘキサ−1−エン−2−イル、3−エトキシ−
2−メチル−プロパン−2−イル、エトキシエチル、5
−メトキシヘキシル、6−メトキシ−2−ヘキシル、ハ
ロゲン化メチル、ハロゲン化n−ブチル、ハロゲン化n
−ペンチル、ハロゲン化ノニル、フェニルp−トリル、
ベンジル、ハロゲン化フェニル、n−ペンチルオキシメ
チル、1−エトキシ−2−メチル−プロパン−2−イル
、フェノキシメチル、ベンジロキシメチル、p−クロル
−フェノキシメチル、2−フェニルエチル、ベンジロキ
シエチル、フェニルアセチレニル、m−クロル−フェノ
キシメチル、m−トリフルオロメチル−フェノキシメチ
ル、1−ブチル−シクロプロピル、3−エチル−シクロ
ペンチル、2−オクテニル、ビニル等の基を挙げること
ができる。
【0016】Z1は水素原子又は水酸基の保護基であり
、水酸基の保護基としては、例えばトリアルキルシリル
基(例えばトリメチルシリル基,t−ブチルジメチルシ
リル基,フェニルジメチルシリル基)、アルコキシアル
キル基(例えばメトキシメチル基,エトキシエチル基,
テトラヒドロピラニル基)、アラルキル基(例えばベン
ジル基,p−トリルメチル基,p−クロロフェニルメチ
ル基)、アラルキル基(例えばベンジル基,p−トリル
メチル基,p−クロロフェニルメチル基)、アラルキル
オキシアルキル基(例えばベンジルオキシメチル基)、
トリチル基等が挙げられる。
【0017】上記式(Ia)又は(Ib)の光学活性な
シリル置換エポキシ化合物は、下記一般式(IV)で示
されるアリルアルコールを不斉シャープレス酸化する(
香月、テトラヘドロン・レターズ,25,2821(1
984)及び特開平1−228994号公報)等の方法
により得ることができる。
【0018】
【化8】
【0019】この場合、式(Ia)の化合物を得るか式
(Ib)の化合物を得るかの立体選択性は、不斉源にL
−酒石酸ジエステルを用いるか又はD−酒石酸ジエステ
ルを用いるかで制御でき、R4が水素原子である場合、
不斉錯体が3〜5%モルでも98%ee以上の高光学純
度で式(Ia)又は(Ib)の化合物が90%以上の高
収率で得られる。なお、Zが水酸基の保護基の場合は、
こうして得られたZが水素原子である式(Ia)又は(
Ib)の化合物に既知の方法で保護基を導入すればよい
【0020】本発明のもう一方の原料である一般式(I
I)〔R5CH2S(O)nR6〕の活性メチレン化合
物において、R5は水素原子、R7R8R9Si基又は
R10S基を示すが、R7,R8,R9,R10はR4
と同様な一価炭化水素基である。このようなR7R8R
9Si基の具体例としては、トリメチルシリル基,トリ
エチルシリル基,t−ブチルジメチルシリル基,フェニ
ルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基やジアル
キルフェニルシリル基などが挙げられ、R10S基の具
体例としては、メチルチオ基,エチルチオ基,オクチル
チオ基等のアルキルチオ基やフェニルチオ基,p−トリ
ルチオ基,o−クロロフェニルチオ基等の未置換もしく
は置換のフェニルチオ基などが挙げられる。また、R6
はR4と同様の一価炭化水素基であり、nは0,1又は
2である。
【0021】上記式(II)の活性メチレン化合物は、
既知の各種方法で得られるほか、市販のDMSO(CH
3SOCH3),FAMSO(CH3CH2SOCH3
),MT−スルホン(CH3SCH2SO2−C6H4
−CH3)等をそのまま利用することができる。
【0022】本発明は、上記式(I)のエポキシ化合物
と式(II)の活性メチレン化合物とを反応させて、目
的の式(III)のアリルアルコールを得るものである
が、この際式(I)のエポキシ化合物と式(II)の活
性メチレン化合物とは、通常前者1モルに対し後者0.
1〜10モルの割合で使用することが好ましい。
【0023】また、この反応は、塩基の存在下で行なわ
れるが、ここで用いる塩基としては、アルキルリチウム
(例えばn−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム、メチルリチウム等)、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等が挙げられる。塩基の使用量は
、エポキシ化合物(I)に対して0.8〜8当量で、活
性メチレン化合物(II)のモル数を越えない量が好ま
しい。。
【0024】反応は溶媒を使用することもできるが、溶
媒としては、反応を阻害したり他の反応を引き起こすこ
とがなければいずれのものも使用することができ、例え
ばテトラヒドロフラン(THF)、エチルエーテル、ヘ
キサン、ヘプタン、DMSO(CH3SOCH3)、ヘ
キサメチルホスホアミド(HNPA)等が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上を混合して用いることができる
【0025】反応温度は、反応液の凝固温度から還流温
度までのいずれでも良いが、通常−80℃〜80℃、好
ましくは−40℃〜40℃である。また、反応時間は通
常10分〜50時間である。
【0026】反応終了後、必要に応じ脱シリル化剤で処
理するが、その処理法としては、例えば(イ)pH2〜
4の酸性条件下での処理、例えば0.01N塩酸処理、
(ロ)p−トルエンスルホン酸処理、(ハ)フッ化テト
ラ(n−ブチル)アンモニウム処理等が挙げられるが、
勿論これに制限されない。
【0027】以上のようにして、本発明の目的物質であ
る式(III)の光学活性アリルアルコールが得られる
が、この場合、上述したように原料物質として式(Ia
)のエポキシ化合物を用いた場合は式(IIIa)のア
リルアルコールが製造され、式(Ib)のエポキシ化合
物を用いた場合は式(IIIb)のアリルアルコールが
製造される。
【0028】
【化9】
【0029】なお、上記式中、R4,R5,Z1は上記
と同様の意味を示し、Z2は水素原子又はR1R2R3
Si基である。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び参考例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例においてMeはメチル基、n−
Buはn−ブチル基、t−Buはt−ブチル基、Phは
フェニル基を示す。
【0031】〔参考例1〕(E)−3−トリメチルシリ
ル−2−プロペン−1−オールの不斉エポキシ化
【00
32】
【化10】
【0033】4Aモレキュラーシーブ15gを塩化メチ
レン9mlに混合した混合物に、チタニウムテトライソ
プロポキシド0.29ml(0.97mmol,3モル
%)、L−(+)−酒石酸ジイソプロピル0.25ml
(0.16mmol,3.6モル%)及び式(1)のア
ルコール5ml(32.2mmol)を−20℃で順次
加え、得られた混合物を−20℃で30分間撹拌した。 これに過酸化t−ブチル17.9ml(塩化メチレン中
3.6モル,64.4mmol)を−20℃で30分間
かけて滴下した。次いで、この混合物を−20℃で3.
5日間撹拌した後、水0.35ml(19mmol)、
エチルエーテル30ml,フッ化ナトリウム0.8g(
19mmol)及びセライト1.6gを加え、室温で6
時間激しく撹拌した。その後、セライトのパッドで濾過
し、エチルエーテルで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、式(
I−1)の(2S,3R)−(E)−2,3−エポキシ
−3−トリメチルシリル−1−プロパノール2.23g
(収率90%)を得た。これを対応するα−メトキシ−
α−トリフロロメチルフェニル酢酸(MTPA)エステ
ルに誘導し、その1H  NMR分析(500MHz)
によって光学純度を調べた結果は98.8%eeであっ
た。式(I−1)の化合物の特性値を下記に示す。
【0034】
【化11】
【0035】〔参考例2〕(2S,3R)−1−ベンジ
ルオキシ−2,3−エポキシ−3−トリメチルシリルプ
ロパンの合成
【0036】
【化12】
【0037】オイルフリーの水素化ナトリウム488m
g(20mmol)をTHF30mlに懸濁した懸濁液
に0℃でメタノールを5μl加えた。5分後、式(I−
1)のエポキシアルコール1.98g(13.6mmo
l)を0℃で上記懸濁液に滴下し、0℃で30分間撹拌
した後、臭化ベンジル2.42ml(20mmol)を
加えた。得られた混合物を0〜15℃の温度で10時間
撹拌し、次いでメタノール1mlと水20mlを0℃で
添加して過剰の水素化ナトリウムを失活させた。この混
合物にエチルエーテル200mlと飽和塩化アンモニウ
ム水溶液200mlを加え、有機層を分離すると共に、
水層をエチルエーテル100mlで抽出した(3回)。 有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製して、式(I−2)のエポキサイド2.84g(収率
89%)を得た。この式(I−2)の化合物の特性値を
下記に示す。
【0038】
【化13】
【0039】〔参考例3〕ソジウムメチルスルフィニル
メチリドの合成 水素化ナトリウム2.88g(ミネラルオイル中50%
含有,60mmol)を100mlの丸底フラスコに入
れ、ヘキサン20mlを加え、室温で5分間撹拌した。 ヘキサンをデカンテーション、次いでロータリーポンプ
により除去し、オイルフリーの水素化ナトリウムを得た
。これにDMSO30mlを加え、約65℃に加熱し、
65〜70℃の温度で3時間撹拌して、ソジウムメチル
スルフィニルメチリド(NaCH2S(O)CH3)の
DMSO溶液(2モル/l=2M)を得た。
【0040】〔実施例1〕(2R)−1−ベンジルオキ
シ−3−プロペン−2−オールの合成
【0041】
【化14】
【0042】参考例2で得られた式(I−2)のエポキ
シド122mg(0.52mmol)をTHF4mlに
溶解した溶液に参考例3で得られたNaCH2S(O)
CH31.04ml(DMSO溶液,2.0M,2.0
8mmol)を0℃で加え、その混合物を0℃で4時間
撹拌した。反応液をヘキサン15mlで希釈し、これを
飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。有機層を分離す
ると共に、水層をヘキサンとエチルエーテルとの混合液
(1:1)15mlで2回抽出し、有機層を合わせ、硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(III−
1)の(2R)−1−ベンジルオキシ−3−プロペン−
2−オール90mg(収率98%)を得た。
【0043】〔実施例2〕オイルフリーの水素化ナトリ
ウム0.5g(21mmol)をTHF50mlに懸濁
した懸濁液に、メタノールを5μl及び参考例1で得ら
れた式(I−1)のエポキシアルコール1.53g(1
0.5mmol)をTHF5mlに溶解した溶液を0℃
で加え、0℃で30分間撹拌した。これに臭化ベンジル
1.9ml(16.0mmol)を加え、0〜10℃の
温度で5時間撹拌した。TLC分析の結果、反応は完結
し、上記式(I−2)のエポキシドが得られていること
が確認された(Rf(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
:式(I−1)のエポキシアルコール=0.30,式(
I−2)のエポキシド=0.63)。
【0044】次に、上記反応液に参考例3のNaCH2
S(O)CH314ml(DMSO溶液,3.0M,4
2mmol)を0℃で加え、0℃で2時間撹拌した。得
られた反応液を0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液に注
ぎ、生成物をエチルエーテルで抽出した。更に水層の抽
出を30mlのエチルエーテルで2回行ない、有機層を
合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、
式(III−1)の(2R)−1−ベンジルオキシ−3
−プロペン−2−オール1.53g(式(I−1)のエ
ポキシアルコールからの収率82%)を得た。
【0045】実施例1,2で得られた(2R)−1−ベ
ンジルオキシ−3−プロペン−2−オールの光学純度は
、対応するMTPAエステルに誘導し、その1H  N
MR分析及びHPLC分析の結果、いずれも99%ee
であった。また、得られた(2R)−1−ベンジルオキ
シ−3−プロペン−2−オールの1H  NMRスペク
トルは、文献に記載されたものと一致した。下記に1H
  NMRの結果及び他の特性値を示す。
【0046】
【化15】
【0047】〔実施例3〕(R)−1−ベンジルオキシ
−4−トリメチルシリル−3−ブテン−2−オールの合
【0048】
【化16】
【0049】フェニル(トリメチルシリル)スルフィド
252mg(1.28mmol)及び2,2’−ジピリ
ジル約5mgのTHF4ml溶液を氷冷し、これにn−
BuLi0.63ml(ヘキサン溶液,2.05M,1
.28mmol)を滴下した。得られた深赤色の溶液を
0℃で30分間撹拌した後、式(I−2)のエポキシド
100mg(0.427mmol)をゆっくり加えた。 0〜10℃の温度で3時間撹拌を続けた後、反応液を飽
和塩化アンモニウム溶液に注ぎ、生成物をエチルエーテ
ルで3回抽出した。
【0050】抽出液を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥
し、次いで濃縮した。粗生成物をエチルエーテルとメタ
ノールの混合物(1:1容量)6mlに溶解し、これに
3N塩酸溶液を7滴加えた。室温下に15分間撹拌した
後、この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ
、生成物をエチルエーテルで3回抽出した。抽出液を合
わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、エチルエーテルを留
去して、オイル状物を得た。これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、式(III−2)の(R)−
1−ベンジルオキシ−4−トリメチルシリル−3−ブテ
ン−2−オールをトランス体とシス体との混合物(7:
3)として76mg(収率69%)得た。その1H  
NMRの結果を下記に示す。
【0051】
【化17】
【0052】次に、上記式(III−2)のトランス体
及びシス体の混合物33mg(0.13mmol,トラ
ンス体:シス体=7:3)、チオフェノール10μl(
0.1mmol)及びアゾイソブチロニトリル約3mg
のベンゼン3ml溶液を20時間還流した後、室温に冷
却した。得られた反応液を濃縮し、オイル状物を得、こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下
記式(III−3)で示されるトランス−(R)−1−
ベンジルオキシ−4−トリメチルシリル−3−ブテン−
2−オールを32mg(収率97%)得た。その1H 
 NMRの結果を下記に示す。
【0053】
【化18】
【0054】
【化19】
【0055】〔実施例4〕(R)−1−ベンジルオキシ
−4−フェニルチオ−3−ブテン−2−オールの合成

0056】
【化20】
【0057】ビス(フェニルチオ)メタン397mg(
1.71mmol)及び2,2’−ジピリジル約5mg
のTHF4ml溶液を氷冷し、これにn−BuLi0.
63ml(ヘキサン溶液,2.05M,1.28mmo
l)を滴下した。得られた深赤色の溶液を0℃で30分
間撹拌した後、式(I−2)のエポキシド100mg(
0.427mmol)をゆっくり加え、0℃で30分間
撹拌した。反応液をブライン中に注ぎ、エチルエーテル
で繰り返し抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮した。
【0058】粗生成物をTHF5mlに溶解し、これに
n−Bu4NF1ml(THF溶液,1M,1mmol
)を加え、0℃で30分間撹拌した。反応液をブライン
に注ぎ、生成物をエチルエーテルで数回抽出した。抽出
液を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、
オイル状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、式(III−4)の(R)−1−ベ
ンジルオキシ−4−フェニルチオ−3−ブテン−2−オ
ールをトランス体及びシス体の混合物(7:3)として
96mg(収率78%)得た。その1HNMRの結果を
下記に示す。
【0059】
【化21】
【0060】〔実施例5〕(R,Z)−4−メチルチオ
−1−トリメチルシリルオキシ−3−ブテン−2−オー
ルの合成
【0061】
【化22】
【0062】メチル(メチルスルフィニルメチル)スル
フィド338mg(2.74mmol)及び2,2’−
ジピリジル約5mgのTHF4ml溶液を氷冷し、これ
にn−BuLi1.0ml(ヘキサン溶液,2.05M
,2.1mmol)を滴下した。得られた赤褐色の溶液
を0℃で30分間撹拌した後、式(I−1)のエポキシ
アルコール100mg(0.685mmol)をゆっく
りと加え、0℃で30分間撹拌を続けた。反応液を飽和
塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、生成物をヘキサンで2
回抽出した。抽出液を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮してオイル状物を得た。これをシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、式(III−5)
の(R,Z)−4−メチルチオ−1−トリメチルシリル
オキシ−3−ブテン−2−オール90mg(収率64%
)を得た。その1H  NMRの結果を下記に示す。
【0063】
【化23】
【0064】〔実施例6〕(3S,4S)−1−ノネン
−3,4−ジオールの合成
【0065】
【化24】
【0066】式(I−3)のエポキシアルコール108
mg(0.50mmol)の氷***液に参考例3で得ら
れたNaCH2SOCH32ml(DMSO溶液,1M
,2mmol)を滴下し、室温で4時間撹拌した後、反
応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。生成物を
エチルエーテルで数回抽出し、抽出液を合わせ、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、濃縮してオイル状物を得た。これ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(
III−6)の(3S,4S)−1−ノネン−3,4−
ジオール63mg(収率80%)を得た。その特性値を
下記に示す。
【0067】
【化25】
【0068】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、医農薬の合
成中間体として有用な一般式(III)で表わされる光
学活性アルコールを短工程でかつ高い収率において、し
かも高い光学純度の任意の光学活性体として製造するこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(I) 【化1】 (式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ同一又は異
    種の一価炭化水素基を示し、Z1は水素原子又は水酸基
    の保護基を示す。また、*は不斉中心を示す。)で表わ
    される光学活性なシリル置換エポキシ化合物と、一般式
    (II)     R5CH2S(O)nR6         
                       …(II)(
    式中、R5は水素原子、R7R8R9Si基又はR10
    S基を示し、R6,R7,R8,R9,R10はそれぞ
    れ同一又は異種の一価炭化水素基を示す。また、nは0
    ,1又は2である。)で表わされる活性メチレン化合物
    とを塩基の存在下で反応させた後、必要に応じ脱シリル
    化剤で処理することを特徴とする一般式(III)【化
    2】 (式中、R4,R5,Z1は上記と同様の意味を示し、
    Z2は水素原子又はR1R2R3Si基を示す。*は不
    斉中心を示す。)で表わされる光学活性アリルアルコー
    ルの製造方法。
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