JPH0427662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案はサーマルヘツドに係り、特に印刷テー
プの末端を検出する末端検出部に関するものであ
る。

〔考案の背景〕

従来、記録紙とサーマルヘツドとの間に、熱溶
融性材料を有する印刷テープを配置し、サーマル
ヘツドに備えられた複数の発熱要素をサーマルヘ
ツドの移動に伴つて選択的に発熱させ、印字テー
プの熱溶融性材料を溶融させて記録紙上に転写さ
せるようにしたサーマルプリンタが提案されてい
る。このサーマルプリンタは印刷時に騒音を生じ
ない利点があるとともに、使用される記録紙の種
類に制約を受けない利点がある。

ところで、この従来のサーマルプリンタは、プ
ラテンに沿つて往復動可能なキヤリツジにサーマ
ルヘツドが支持され、かつこのキヤリツジに印刷
テープが収納されるテープカセツトが装着される
ようになつているが、このキヤリツジの往復動作
に際して、片道移動時にのみしか印刷をおこなう
ことができず、印刷に関与しないむだ時間が多
く、すなわち、もう一方の片道移動時にはサーマ
ルヘツドによる印刷テープへの圧接が解かれ、単
に復帰のための移動がおこなわれるようになつて
いる。したがつて、キヤリツジ１往復つまりキヤ
リツジの２度の移動機会のうちの１度の移動機会
においてのみしか印刷を実施することができず、
それ故当該サーマルヘツドによつておこなわれる
記録紙上の所定の総記録量に対する印刷作業に要
するトータルの時間の割合、つまり印刷速度が遅
くなり、印刷作業の能率向上を見込めない。

また上記した従来のサーマルプリンタは、印刷
テープの幅方向に対して例えば１文字のみの印刷
が実施可能なように設定されているため、印刷テ
ープの使用量が多く、したがつてランニングコス
トが高くなり、不経済な不具合がある。

また上記のように印刷テープの使用量が多いこ
とから、印刷テープが収納されるテープカセツト
の交換の頻度、すなわちテープカセツトのキヤリ
ツジへの取付け、取外し作業の頻度が多くなり、
上記とは別の観点から印刷作業の能率向上を見込
めない。

なお、上述した不具合を解消するものとして、
従来、印刷テープの幅方向に対して２文字の印刷
が可能な別のサーマルプリンタが提案されてい
る。これは印刷テープの上側部分と下側部分の双
方を個別の印刷領域に設定したもので、例えば上
側部分の全印刷領域における印刷の終了後にテー
プカセツトを上昇させ、このテープカセツト内の
印刷テープをそれまでの走行方向と反対方向に送
行させ、未使用の下側部分の印刷領域によつて印
刷をおこなわせるようにしたものである。

この従来の別のサーマルプリンタにあつては、
印刷テープの使用量およびテープカセツトの交換
頻度を前述の従来のサーマルプリンタに比べて抑
制できるものの、キヤリツジの１往復（２度の移
動機会）の間の１移動機会においてのみしか印刷
を実施することができず、それ故、結局前述の従
来のサーマルプリンタと同等の印刷速度しか得ら
れず、印刷作業能率の向上を見込めない不具合が
ある。

また、電気絶縁性の印刷テープとテープカセツ
ト内のガイドピン、ケース等との摺接によつて印
刷テープが静電気を帯び、この静電気の影響によ
つて印刷テープの末端検出部が誤動作する欠点が
あつた。

〔考案の目的〕

本考案はかかる従来の欠点を解消しようとする
もので、その目的とするところは、静電気の影響
による印刷テープの末端検出部が誤動作を行なう
ことがないサーマルプリンタを得ようとするもの
である。

〔考案の概要〕

本考案は前述の目的を達成するために、サーマ
ルプリンタの末端検出部を導電性のケースで覆
い、印刷テープとテープカセツトの摺接による静
電気を導電性のケース側へ逃がすようにしたもの
である。

〔考案の実施例〕

以下、本考案のサーマプリンタを図に基づいて
説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すキヤリツジの
平面図、第２図ａ，ｂはテープカセツトの平面図
および側面図、第３図ａ，ｂはサーマルプリンタ
の全体構成を示す平面図および側面図である。

はじめに、これらの第３図ａ，ｂに基づいてキ
ヤリツジの駆動機構および紙送り機構について述
べる。

第３図において、１は本体を形成するフレー
ム、２は記録紙が巻回されるプラテン、３はこの
プラテン２の前面の印刷位置に装着されたプラテ
ンゴムである。４はプラテン２に沿つて移動可能
なキヤリツジ、５はプラテン２に対向するように
配置されるサーマルヘツド、６はキヤリツジ４上
に配置されるテープカセツトである。

７はプラテン２に沿つて、かつキヤリツジ４を
貫通するように伸長し、回動可能なシヤフト、８
はこのシヤフト７に一体に設けたカム、９はウオ
ーム、１０はウオーム９を回転させるステツピン
グモータである。

第３図ａに示す１２はカム８の溝部１１に係合
する一端部を有するレバーで、支軸１３を中心に
回動可能になつており、他端部は同第３図ａの左
右方向に移動可能なスライダ１４の胴部に係合し
ている。なおこのスライダ１４は、ステツピング
モータ１５の出力軸に一体的に回転可能に設けら
れており、両側部にはギヤが形成されている。こ
のスライダ１４の両側部のギヤは、ステツピング
モータ１５の出力軸に遊嵌されるギヤ１６，１７
に選択的に係合可能になつている。

また１８はギヤ１６に係合し、このギヤ１６と
一体的に回転するギヤで、側部にはすば歯車１９
を有している。２０ははすば歯車１９と係合する
はすば歯車で、周側に突起２１を有するプーリ２
２に一体に設けてある。２３は両端をキヤリツジ
４に連結されるメタルベルトで、プーリ２２の突
起２１に係合する角穴２４を有している。２５は
プーリ２２の反対側に配置され、メタルベルト２
３が巻回されるプーリである。

上述したメタルベルト２３、プーリ２２，２
５、はすば歯車２０、はすば歯車１９を有するギ
ヤ１８、ギヤ１６、スライダ１４、およびステツ
ピングモータ１５はキヤリツジ４をプラテン２に
沿つて、すなわち第３図ａの左右方向に移動させ
るキヤリツジ駆動手段を構成している。

また２６はギヤ１７に係合するギヤで、側部に
小径のギヤ２７を有しており、紙送り軸２８に回
転自在に遊嵌されている。２９はギヤ２７に係合
するギヤで、側部に小径のギヤ３０を有してい
る。３１はギヤ３０に係合するギヤで、紙送り軸
２８に一体的に回転可能に装着してある。なお３
２は紙送り軸２８に一体に設けたスプロケツト
で、周面に例えば記録紙の両縁部に形成される穴
に嵌入される突起３３を有している。

上述したスプロケツト３２、紙送り軸２８、ギ
ヤ３１、ギヤ３０を有するギヤ２９、ギヤ２７を
有するギヤ２６、ギヤ１７、スライダ１４、およ
びステツピングモータ１５は、プラテン２に巻回
される記録紙を送る紙送り機構を構成している。

なお、第３図ａ，ｂにおいて、３４はサーマル
ヘツド５へ通電を行なうリード体である。

第２図ａ，ｂはテープカセツトの平面図および
側面図を示す。

第２図ａ，ｂにおいて、３５はテープカセツト
６のケース、３６はテープカセツト６の内部に収
納された熱溶融性材料の印刷テープ、３７はサー
マルヘツド５が挿入される空隙部、３８，３９は
印刷テープ３６が巻回される１対のコアで、それ
ぞれテープカセツト６内に回転自在に配置されて
おり、中央に穴４０，４１が形成されている。４
２はガイドピン、４３は印刷テープ３６の末端検
出用開口である。

第１図はキヤリツジの平面図を示す。第１図に
おいて、４４はキヤリツジ４に回動可能に装着さ
れるテープカセツト６の取付部材、４５，４６は
テープカセツト６の穴４０，４１に係合する印刷
テープ３６を巻取る巻取用ハブ、４７，４８はテ
ープカセツト６を挟持する挟持片、４９は紙送り
ローラ、５０は紙送り軸、５１は一対の発光素子
と受光素子を有する印刷テープ３６の末端検出
部、５２は末端検出部５１を覆つたカーボン入り
ポリアミド樹脂、金属などで形成した導電性のケ
ースである。

この様な構造において、第３図ｂに示すステツ
ピングモータ１０の回転に伴つて、ウオーム９が
回転し、このウオーム９の回転によつて図示して
いないウオームホイルが回転し、このウオームホ
イールの回転と一体的にカム８が回転する。そし
て、このカム８が45°〜60°、135°〜150°、225°〜
330°で示す特性範囲にそれぞれ至ると、レバー１
２が支軸１３を中心に第３図ａの図示反時計方向
に回動する。したがつて、レバー１２に係合して
いるスライダ１４が同第３図ａの左方向に移動
し、該スライダ１４の左側部に形成されているギ
ヤがギヤ１６に係合する。ここでステツピングモ
ータ１５が回転するとスライダ１４が回転し、こ
のスライダ１４の回転に伴つてギヤ１６が回転
し、このギヤ１６の回転に伴つてギヤ１８すなわ
ちはすば歯車１９が回転し、はすば歯車１９の回
転に伴つてはすば歯車２０、すなわちプーリ２２
が回転する。そしてプーリ２２が回転するとメタ
ルベルト２３が移動し、これによつてキヤリツジ
４は第３図ａの左右方向、すなわちプラテン２に
沿うように移動する。

この様にキヤリツジ４の移動に伴つて、テープ
カセツト６も移動し、サーマルヘツド５にリード
体３４より通電を行なうと、印刷テープ３６の熱
溶融性材料が溶かされ図示していない記録紙に転
写され印刷が行なわれるのである。

ところが、従来のサーマルプリンタにおいては
印刷テープ３６とテープカセツト６内のガイドピ
ン４２，４３、あるいはケース３５との摺接によ
つて、印刷テープ３６が熱電気を帯び、この静電
気の影響で末端検出部５１が誤動作をする欠点が
あつた。

本考案はこの印刷テープ３６への静電気による
末端検出部５１での誤動作を防止するために、こ
の末端検出部５１をカーボン入りポリアミド樹
脂、金属などで形成した導電性のケース５２で覆
つたのである。

この様に末端検出部５１を導電性のケース５２
で覆うことによつて、印刷テープ３６が静電気を
帯びても導電性のケース５２を経てテープカセツ
ト６の取付部材４４やフレーム１へこの静電気を
逃すことができる。

従つて、印刷テープ３６が静電気を帯びても末
端検出部５１は静電気による誤動作から解放され
ることになる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、末端検
出部を導電性のケースで覆うことで、従来に比べ
て簡単な構成で帯電防止効果が得られ、末端検出
部の静電気による誤動作防止ができ、印刷テープ
の末端検出が確実に行なえるサーマルプリンタを
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るキヤリツジの
平面図、第２図ａ，ｂはテープカセツトの平面図
および側面図、第３図ａ，ｂはサーマルプリンタ
の全体構成を示す平面図および側面図である。 ４……キヤリツジ、６……テープカセツト、３
６……印刷テープ、４３……末端検出用開口、５
１……末端検出部、５２……導電性のケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端末に反射部がある印刷テープを収納したテー
   プカセツトの側面に末端検出用開口が形成され、
   テープカセツトを搭載するキヤリツジに１対の発
   光素子と受光素子とを有する印刷テープの末端検
   出部を設け、末端検出用開口と末端検出部を対向
   する位置に配置されたサーマルプリンタにおい
   て、前記末端検出部を導電性のケースで覆つたこ
   とを特徴とするサーマルプリンタ。