JPH042453Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は少くとも１つの弾性フツク部材に係止
片を有し、複数の固定係止片を備えた保持体によ
り係止保持された記録デイスク等の板状体を、記
録再生機に上記保持体ごと装填し、再生前に記録
デイスクを保持体から外すための弾性係止片の押
圧保持解除装置に関する。

「従来の技術」 従来、コンパクトデイスクあるいは磁気又は光
磁気デイスク等のように情報を記録した板状体
は、デイスクの保護とホルダを兼ねたケース又は
トレイ等に収蔵し、上記記録の読み出し即ち再生
時に再生機に装着してデイスクを回転させつつ読
取りヘツドによつて再生する方法がある。例えば
光学式CDプレーヤにおいては、第１図に示すよ
うなイレイ即ち保持体３上に板状体１を載置し、
固定係止片５と弾性フツク部２の係止片４とによ
つて上記板状体の外周縁を係止し保持体上に一体
に保持する簡易な構成をとつていて、このままプ
レーヤの駆動回転軸に板状体を装着後、保持体は
上記弾性フツクを指先で引張つて板状体との係止
を解いてから引抜かれるというマニユアル操作に
頼つていたり、あるいは保持体を引出さずに前記
係止片から板状体をひき離して自由に回転できる
状態にして再生しようとする使い方も知られてい
るが、上記係止片の弾性部材を引張り放しにして
いるために弾性体の劣化，損傷を来たし甚が不都
合であつた。

しかしながら再生機の外形寸法、殊に高さを極
力小さくして正面の狭小な開口部しか設けること
ができない場合には、前記弾性フツクに指を引掛
ける空間がないため、何等かの手段を講じなくて
はならなくなる。

「考案が解決しようとする問題点」 そこで本考案は前記の難点を解決するため、板
状体を係止保持している保持体に設けられている
弾性フツク部の係止片を再生機の筐体内の僅少な
スペースを利用して保持体の筐体への装填に伴な
うスイツチの入接により自動的に係止保持を電気
機械的に解除することができる機構を提案するも
のである。

「考案の構成」 第１図は板状体１が仮想の点線部のように保持
体３上に載置され、その外周縁を係止片５と弾性
フツク部２の係止片４とで係止保持された状態に
対して、上記保持体の下側に中心軸６と同軸に周
縁に動力伝達のためのギヤ１３と、同心円上に少
なくとも１つの貫通ロツド８とを備えた回転体７
を、軸受９に上記中心軸が回動可能のように挿通
され、周縁の起立壁の高さが連続的に変る環状壁
１０の頂面１１に上記貫通ロツドの下端が摺動す
るように基台１２に組合わせ、上記保持体の弾性
フツク部の係止片４の端面に上記貫通ロツドの上
端周縁が当接するような配置を説明する分解斜視
図で再生機内での配置関係を表わす。

「作用」 前記の構成、配置状態は回転体７の周縁に刻設
されたギヤ１３に動力源から伝動力が加えられて
図示の位置まで貫通ロツド８が基台の環状壁頂面
に沿つて中心軸方向と回転体板面方向とに移動
し、上記貫通ロツドの上端が保持体のハンドル１
４側に設けられた弾性フツク部の係止片４の直立
側部４１に当接して上記弾性フツク部の弾力に抗
して更にハンドル側へと移動しようとする模様を
表わしている。

また筐体内での実装は、保持体を太矢示の方向
へ装填するためのガイドレールが利用され、回転
円板と基台とを貫通する中心軸はシヤーシ底部と
渡し桟とに固定すればよい。

第２図は基台環状壁の頂面に沿つて移動する貫
通ロツドの動きと板状体を載置収納した保持体の
相互の動作を段階的に説明する要部の上面と側面
を表わしている。

第２図Ａは本考案装置の始動開始点での状態を
上面及び側面から見た図、第２図Ｂは本装置の最
終段階における状態の上面および側面から見た図
であり、回転円板の回動に伴なつて貫通ロツドの
上端がたどる方向は矢示の如く垂直方向と水平方
向の両方向に移動し、弾性フツク部の係止片４の
直立側部４１に当接し更にその弾力に抗して矢印
方向に押すことによつて、板状体の周縁と局部的
に係合している係止片が離間し、係合保持が外さ
れて、板状体はそのセンタホール部がスピンドル
上にクランプされ、回転駆動されて記録情報の読
み出し開始直前の準備が整う。即ち第２図Ｂの状
態から更に回転体が時計方向（矢示）に回転し、
元の位置に戻つてきたときには、弾性フツク部は
何等の拘束を受けない自由状態に保たれる。

「効果」 かくて本考案によれば回転円板の１回の回動に
伴つて偏心位置に設けた貫通ロツドの運動軌跡が
垂直方向と水平方向の両方向に移動する簡易な原
理を利用し、弾力ある係止片の係止を簡単容易に
解除できる構成のため、狭い空間であつても上記
回転体に回転駆動力を加える手段を動作させるた
めのスイツチの入接に連動した装置を簡単に造る
ことができ、更に弾性フツク部の疲労、劣化、或
いは損傷を起こさない等実用上の便益は非常に大
きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置をコンパクトデイスク等の
板状体を収蔵した保持体に対して適用した斜視分
解図であり、第２図は第１図の配置関係で上面及
び側面から見た図で、同図Ａは本考案装置の始動
開始時の状態を、また同図Ｂは最終段階での状態
を夫々あらわしたものである。 １……板状体、２……弾性フツク部、３……保
持体、４，５……係止片、７……回転体、８……
貫通ロツド、１０……環状壁、１１……頂点、１
２……基台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録デイスク等の板状体を、その周縁に対して
   少くとも１箇所に弾発性フツク部に係止片を備え
   た保持体によつて着脱自在に係止保持せられた装
   置において、中心軸周を回転可能であつて同心円
   上の少くとも１個所に貫通ロツドを備えた回転体
   と、上記中心軸の軸受を有し、上記貫通ロツドの
   一端がその頂面を摺動し、高さが連続的に変化す
   る環状起立壁を備えた基台とより成り、前記回転
   体の回動に伴ない前記貫通ロツドの他端が垂直方
   向及び水平方向に夫々距離を変えることにより上
   記弾発性フツク部の係止片の押圧方向に抗する力
   を作用せしめ、上記記録デイスクの係合保持を解
   くようにしたことを特徴とする弾性係止片の押圧
   保持解除装置。