JPH04220494A - 高濃度石炭−水スラリーの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高濃度の石炭−水スラ
リーの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】石炭の
輸送性、貯蔵性、取り扱い易さを改善するため、石炭を
微粉化して水にスラリー状に分散させることが行われて
いる。この石炭−水スラリーは直接燃焼可能な燃料であ
るが、燃焼効率の点から高濃度が要求され、また輸送、
取り扱い易さなどの点から低粘度が要求されている。こ
の高濃度でかつ低粘度という相反する要求を充たすべく
、従来から種々の方法が研究されている。

【０００３】しかして、高濃度石炭−水スラリーの湿式
製造方法としては、ボールミルに比較的多量の破砕炭と
水と分散剤とを入れ粉砕処理し、次いで粗粒子を除去し
て最初から石炭濃度６０重量％以上の高濃度の石炭−水
スラリーを調製するいわゆる高濃度粉砕法、及びボール
ミルに比較的少量の破砕炭と水とを入れ石炭濃度６０重
量％以下の低濃度の石炭−水スラリーを作り、このスラ
リーを脱水して脱水ケーキとなし、この脱水ケーキを水
に分散して高濃度の石炭−水スラリーを調製するいわゆ
る低濃度粉砕法とが知られている。

【０００４】そして、従来は低濃度粉砕法が、分級によ
る粗粒子の除去操作の容易などから多く採用されている
。例えば、石炭を水と共に第１ボールミルに供給して低
濃度石炭−水スラリーを調製し、該スラリーを水で希釈
して篩分し、粗粒子を除去してから脱水機にかけて脱水
ケーキを得、該ケーキを水及び分散剤と共に第２ボール
ミルに供給して高濃度石炭−水スラリーを調製する方法
（特開昭６３−１５８９３号）、破砕した石炭を水と共
にチューブミルで処理した低濃度スラリーをつくり、該
スラリーを２分し、一方のスラリーを分級により粗粒子
を除去し、脱水して得た微細成分の脱水ケーキと、他方
のスラリーを湿式超微粉砕ミルで処理して得た成分とを
混合して高濃度石炭−水スラリーを調製する方法（特開
昭６３−５１４９３号）などが採用されている。

【０００５】しかし、これらの方法は、いずれも高濃度
且つ低粘度の点で満足する製品が得られ難かったり、操
作が煩雑であったり、また脱水機を必要とするなど動力
を多量に要する問題点があった。本発明は、高濃度にし
て且つ低粘度の石炭−水スラリーを、低動力で能率的に
製造し、しかも安定した製品を得る方法を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、高濃度且
つ低粘度の石炭−水スラリーは、スラリー中の石炭微粒
子間に形成される空隙の割合、すなわち空隙率に左右さ
れ、空隙率が小さいほど高濃度且つ低粘度の石炭−水ス
ラリーが得られることに注目し、石炭微粒子の粒子径分
布と空隙率との関係について検討した。

【０００７】その結果、空隙率は、粒子径の大きい粗粒
子を含む石炭−水スラリーと粒子径の小さい微粒子を含
む石炭−水スラリーとを剪断力の存在下で混合すること
により小さくすることができ、しかもこの際の空隙率は
、粗粒子の粒子径、微粒子の粒子径及びこれら両者の混
合比とに影響されること、また塔型磨砕機の採用により
上記粒子径の小さい微粒子を含む高濃度石炭−水スラリ
ーを好適に調製しえることを見出し、本発明を完成した
。

【０００８】すなわち本発明は、原炭を破砕機により３
００〜８００μの平均粒径に破砕し、この破砕物に水及
び分散剤を添加してボールミル又はロッドミルで粉砕処
理し石炭平均粒径２０〜６０μ、石炭濃度６０〜８０重
量％の高濃度石炭−水スラリーを調製し、次いでこの高
濃度石炭−水スラリーの一部を塔型磨砕機に供給し磨砕
処理し石炭平均粒径５〜１０μ、石炭濃度６０〜８０重
量％の高濃度石炭−水スラリーとなし、該スラリー１０
〜４０重量％と前記ボールミル又はロッドミルで粉砕処
理したスラリー９０〜６０重量％とを、剪断力の存在下
で混合して空隙率を低下させることを特徴とする高濃度
石炭−水スラリーの製造方法である。

【０００９】本発明の１例を示す図を用いて詳細に説明
する。図１において、１は原炭、２は　　原炭ホッパー
、３は破砕機、４は破砕炭ホッパー、５は定量給炭機、
６は添加水、７は添加剤、８はボールミル又はロッドミ
ル、９はコレクトタンク、１０は循環スラリー、１１は
塔型磨砕機、１２はコレクトタンク、１３は混合機、１
４は製品である。またＦは流量計、Ｐはポンプである。

【００１０】まず、原炭１を原炭ホッパーから破砕機３
、例えばハンマークラッシャー、インパクトクラッシヤ
ーに供給して、原炭を３００〜８００μの平均粒径に破
砕する。この破砕した石炭を破砕炭ホッパー４から定量
給炭機５を通じて、添加水６及び分散剤例えばアニオン
界面活性剤７と共にボールミル又はロッドミル８に投入
する。このボールミル又はロッドミル８において、石炭
粒子は２０〜６０μに粉砕され、石炭濃度６０〜８０重
量％の高濃度石炭−水スラリーが調製される。

【００１１】ボールミル又はロッドミル８から出たスラ
リーはコレクトタンク９に貯蔵し、その一部６を再びボ
ールミル又はロッドミル８に返還し、循環させる。この
循環させる量はボールミル又はロッドミルからでるスラ
リーの１０〜５０重量％が好ましい。このように循環さ
せると、ボールミル又はロッドミルから出たスラリーは
微粒子であるため、この微粒子がボールミル又はロッド
ミル中の粗粒子と混合されることによりボールミル又は
ロッドミル中の粒子の空隙率が下がり、粘度低下を来し
流動化がよくなり、ミルボールの動きが良くなる。その
ため粉砕が円滑に行え、しいては動力の低減になる。

【００１２】コレクトタンク９の高濃度石炭−水スラリ
ーの一部は、そのまま混合装置１３に供給する。またコ
レクトタンク９の高濃度石炭−水スラリーの一部は塔型
磨砕機１１に供給する。この塔型磨砕機１１は、例えば
登録商標名タワーミルで、中心部に低速回転するスクリ
ューが設けられた塔状のミルで、その中に充填されたボ
ールと原料がスクリューの回転によって上昇する間に磨
砕される構造になっている。この塔型磨砕機１１により
石炭粒子を５〜１０μに磨砕する。この塔型磨砕機は高
濃度の石炭−水スラリーを効率的に磨砕できるので有利
である。

【００１３】この塔型磨砕機１１で処理したスラリー１
０〜４０重量％と前記ボールミル又はロッドミル８で処
理したのみのスラリー９０〜６０重量％とを混合機１３
に供給して混合する。この際の混合においては、塔型磨
砕機１１で処理したスラリーに含まれる平均径５〜１０
μの石炭粒子とボールミル又はロッドミルで処理したの
みのスラリーに含まれる平均粒径２０〜６０μの石炭粒
子とを均一に混合して空隙率を底下させるために、剪断
力が働く混合機を用いて混合する必要がある。混合機は
２機以上直列に設けるのが好ましい。この混合機を出た
スラリーは空隙率が低下し、粘度が著しく低下している
。そこでこの粘度低下したスラリーを必要に応じて分級
して製品１４となす。かくして、脱水機を用いることな
く、所望とする高濃度で、且つ低粘度の石炭−水スラリ
ーを得ることができる。

【００１４】本発明においては、ボールミル又はロッド
ミルで処理したスラリーの石炭粒子の平均粒径は２０〜
６０μであり、これを更に塔式磨砕機で処理したスラリ
ーの石炭粒子の平均粒径は５〜１０μであつて、これら
両者を所定の割合、すなわち前者９０〜６０重量％と後
者１０〜４０重量％とを剪断力の存在下で混合すること
により、空隙率を小さくすることができ、また粘度を著
しく低下させることができる。この点について更に詳し
く実施例にもとづいて説明する。

【００１５】ボールミル又はロッドミルで処理したのみ
の平均粒径５１μの石炭−水スラリーと、これを更に塔
型磨砕機で磨砕した平均粒径５．２μの石炭−水スラリ
ーとの混合物（石炭濃度６８．５％）について、両者の
混合割合と空隙率、及び混合割合と粘度との関係を第２
図に示す。この図から分かるように、ボールミル又はロ
ッドミル処理したのみのスラリー上記塔型磨砕機で磨砕
したスラリーを添加すると、その添加量が増加するに従
い空隙率が低下し、また粘度も低下するが、その添加量
が約２０％を超えると空隙率が高くなり、また粘度も急
激に上昇する。したがって上記平均粒径の二種のスラリ
ーを使用した場合には、上記塔型磨砕機で処理したスラ
リー２０％と上記ボールミル又はロッドミルで処理した
のみのスラリー８０％とを混合して高濃度石炭−水スラ
リーを調製する。このものは石炭濃度６８．５重量％と
いう高濃度においても８００ｃｐ以下という低粘度であ
り、安定性が良く、極めて優れたものであった。

【００１６】また、ボールミル又はロッドミルで処理し
たのみの平均粒径４０μの石炭−水スラリーとこれを更
に塔型磨砕機で処理した平均粒径８．４μの石炭−水ス
ラリーとの　　混合物（石炭濃度６７．１重量％）にお
ける両者の混合割合と空隙率、及び混合割合と粘度の関
係を第３図に示す。この場合は、ボールミル又はロッド
ミルで処理したのみの石炭−水スラリー７５重量％と、
これを更に塔型磨砕機で処理した石炭−水スラリー２５
重量％の混合物が空隙率、粘度において最低となり、約
５００ｃｐの粘度を有していた。

【００１７】上記の如く、本発明におけるボールミル又
はロッドミルで処理したのみのスラリーと、これを更に
塔型磨砕機で処理したスラリーとの混合比は、それぞれ
の平均粒径によって相違する。そして、このそれぞれの
平均粒径と混合比を適正に調整することにより、高濃度
且つ低粘度で、安定性の良い石炭−水スラリーを簡単に
得ることが出来る。

【００１８】まし、石炭をインパクトクラッシャー等の
破砕機で破砕するとき、粒径が小さくなればなるほど大
きな動力が必要となるが、平均粒径３００μ程度の大き
さまでは破砕するのにそれほど大きな動力を必要としな
い。しかし、平均粒径３００μ程度より細かく破砕しよ
うとすると急激に大きな動力が必要になり、平均粒径３
００μより細かくするには、ボールミル又はロッドミル
での粉砕の方が動力が少なくて済む。またボールミル又
はロッドミルでの粉砕においては、平均粒径２０μ程度
以下の大きさに粉砕しようとすると、急激に大きな動力
が必要となり、平均粒径２０μ程度より細かくするには
、塔型磨砕機での磨砕の方が動力が少なくて済む。本発
明では、平均粒径３００〜８００μまでの破砕をインパ
クトクラッシャー等の破砕機で行ない、平均粒径２０〜
６０μまでの粉砕をボールミル又はロッドミルで行ない
、また平均粒径５〜１０μまでの磨砕を塔型磨砕機で行
なったので、石炭の微細化に要する動力を大幅に低減で
きる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、ボールミル又はロッドミルを
用いて高濃度において粉砕した平均粒径２０〜６０μの
石炭粒子を含むスラリーと塔型磨砕機を用いて高濃度に
おいて磨砕した平均粒径５〜１０μの石炭粒子を含むス
ラリーとを、適正割合で剪断力の存在下で混合したので
、空隙率が最低のスラリーを得ることができ、そのため
、高濃度にして低粘度の安定な石炭−水スラリーを得る
ことができる。また本発明では、粉砕処理、磨砕処理を
高濃度で行うので、スラリーの脱水処理の必要がなく、
動力の低減ができ、操作も簡単になる。しかも本発明で
は、破砕機、粉砕機、磨砕機を石炭粒子の大きさに合わ
せて、組み合わせて使用したので、この点でも動力の低
減ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施態様を示す工程略図である。

【図２】本発明の実施例を示した図面である。

【図３】本発明の他の実施例を示した図面である。

【符号の説明】

１…原炭　　２…原炭ホッパー　　３…破砕機　　４…
破砕炭ホッパー ５…定量給炭機６…添加水　　７…添加剤　　８…ボー
ルミル又はロッドミル ９…コレクトタンク　　１０…循環スラリー　　１１…
塔型磨砕機 １２…コレクトタンク　　１３…混合機　　１４…製品
　　Ｆ…流量計　　Ｐ…ポンプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原炭を破砕機により３００〜８００μの平
   均粒径に破砕し、この破砕物に水及び分散剤を添加して
   ボールミル又はロッドミルで粉砕処理し石炭平均粒径２
   ０〜６０μ、石炭濃度６０〜８０重量％の高濃度石炭−
   水スラリーを調製し、次いでこの高濃度石炭−水スラリ
   ーの一部を塔型磨砕機に供給し磨砕処理し石炭平均粒径
   ５〜１０μ、石炭濃度６０〜８０重量％の高濃度石炭−
   水スラリーとなし、該スラリー１０〜４０重量％と前記
   ボールミル又はロッドミルで粉砕処理したスラリー９０
   〜６０重量％とを、剪断力の存在下で混合して空隙率を
   低下させることを特徴とする高濃度石炭−水スラリーの
   製造方法。
2. 【請求項２】　　ボールミル又はロッドミルでの粉砕処
   理において、ボールミル又はロッドミルから出たスラリ
   ーの１０〜５０重量％をボールミル又はロッドミルに返
   還し、循環させる請求項１記載の高濃度石炭−水スラリ
   ーの製造方法。