JPH04219545A - 伝動用vベルト - Google Patents

伝動用vベルト

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JPH04219545A
JPH04219545A JP41209390A JP41209390A JPH04219545A JP H04219545 A JPH04219545 A JP H04219545A JP 41209390 A JP41209390 A JP 41209390A JP 41209390 A JP41209390 A JP 41209390A JP H04219545 A JPH04219545 A JP H04219545A
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JP
Japan
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belt
rubber layer
width direction
fiber
tensile
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Application number
JP41209390A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Onoe
尾上 勧
Hiroshi Matsuoka
宏 松岡
Tsutomu Shioyama
務 塩山
Shigeki Okuno
茂樹 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、とくに耐側圧性に優
れたローエッジタイプなどの伝動用Vベルトに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】Vベルトは、ゴム層中にベルトの長手方
向へ連続する複数の抗張体コードを幅方向に並列して埋
設し、ゴム層の上面に帆布層を貼着した構造のものが一
般的である。ゴム層には、柔軟性に富むゴム材料が使用
されているため、屈曲性は非常に優れている。
【0003】また最近は、高馬力の動力の伝達にVベル
トが使用されることが多いため、ゴム層中に多数の短繊
維をベルト幅方向と平行に且つ不連続に埋設して耐側圧
性の向上を図ったVベルトが開発されている。
【0004】そのほか、実公平1−10514号公報に
記載されているように、多数の合成繊維フィラメントを
集束し撚糸して接着処理を施した合成繊維フィラメント
束を、抗張体コードの上下部ゴム層中の幅方向に埋設し
た構造のVベルトが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の、短繊維をベルト幅方向に向けて埋設したVベ
ルトは、多数の短繊維が不連続に配列されているため、
側方の外力を受けた際にそれらの不連続部で座屈し易い
ので、高馬力の動力伝達には不十分である。しかも、抗
張体コード付近の横方向(ベルト幅方向)圧縮弾性率の
格差が非常に大きく、ベルトの走行中に応力がコード付
近に集中して亀裂が生じ、短期間でベルトが損傷するこ
とが多い。
【0006】また上記公報(実公平1−10514号)
に記載のVベルトは、抗張体の上下ゴム層内にゴムとの
接触が良好な合成樹脂フィラメント束をベルトの幅方向
に埋設することにより、耐側圧性および接触性を向上さ
せることをねらっているが、ベルトの側面から外力を受
けた際に、フィラメント束の全体が屈曲してゴム層との
境に応力が集中して亀裂が生じたり、フィラメント束が
ゴム層から剥離したりするおそれがある。さらに、フィ
ラメント束は繊維状態のフィラメント単位での接着処理
が十分でなく、界面から空気の出入りによるゴムの酸化
劣化およびベルト側面から外力を受けた時の接着不良か
らフィラメントが分離されて屈曲し、亀裂が生じるおそ
れがある。なお、簾構造のものをベルトの幅方向に用い
ても、上記と同様の問題が起こる。
【0007】この発明は上述の点に鑑みなされたもので
、抗張体コード付近の横方向弾性率格差が小さく、ベル
トの側面から大きな外力を繰り返し受けても抗張体コー
ド付近で亀裂が発生しにくく、またフィラメントとゴム
層間の接着性が良好で、接着不良箇所が生じにくくて、
寿命が長く、とくに高馬力の伝動用として長期間安定し
て使用できるVベルトを提供することを目的としている
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の伝動用Vベルトは、ゴム層中に長手方向へ
連続する複数の抗張体コードを幅方向に並列して埋設し
た伝動用Vベルトにおいて、前記抗張体コードの少なく
とも下部側のゴム層中に、開繊した多数の連続するモノ
フィラメント(長繊維フィラメント)を、エラストマー
、エラストマーコンパウンドなどの溶液又は分散液で接
着処理したうえで、抗張体コードに近づくにつれて徐々
にベルトの幅方向と平行になり、逆に遠ざかるにつれて
徐々にベルトの幅方向に対する傾斜角が大きくなるよう
に(各モノフィラメントの)配向方向を変化させて埋設
したものである。
【0009】また請求項2記載のように、前記抗張体コ
ードの上部側のゴム層中にも、開繊した多数の連続する
モノフィラメントを、エラストマー、エラストマーコン
パウンドなどの溶液又は分散液で接着処理したうえで、
抗張体コードに近づくにつれて徐々にベルト幅方向と平
行になり、逆に遠ざかるにつれてベルト幅方向に対する
傾斜角が大きくなるように(各モノフィラメントの)配
向方向を変化させて埋設することが好ましい。
【0010】さらに請求項3記載のように、前記モノフ
ィラメントとして、ポリエステル繊維、脂肪族ポリアミ
ド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリビニールアルコー
ル繊維、アクリル繊維、カーボン繊維、セラミック繊維
、ガラス繊維又は金属繊維を用いることができる。
【0011】
【作用】上記した構成を有するこの発明の伝動用Vベル
トによれば、抗張体コードの下部側のゴム層中に埋設さ
れた多数の連続するモノフィラメントの配向方向が、ベ
ルトの下面からその上方の抗張体コードにかけて徐々に
ベルト幅方向と平行になり、抗張体コードとの境界域で
はベルト幅方向と平行になるので、抗張体コードの埋設
部分とその近傍のモノフィラメント埋設部分との横圧縮
弾性率の格差が小さくなって、両部分の間(一種の境界
面)に応力が集中しにくい。また各モノフィラメントは
、あらかじめ接着処理が施されており、各モノフィラメ
ント内部にエラストマー溶液などが十分に浸透しゴム層
との接着性が良好なため、ベルトが側圧を受けた際にモ
ノフィラメントが屈曲しても剥離されないうえに、ゴム
層とモノフィラメントとの境界面での接着性にも優れ、
境界面に応力が集中することがない。しかも、抗張体コ
ードの下部側のゴム層中に充填された多数のモノフィラ
メントは連続しているので、ベルトの側方からの外力に
抗する横方向の耐圧縮弾性力(耐側圧性)が高く、ゴム
層部分の過度の弾力変形を抑制する。
【0012】請求項2記載のVベルトによれば、抗張体
コードの上部側のゴム層においても、上記した下部側ゴ
ム層、とくにゴム層中の多数のモノフィラメントの作用
と同様の作用を奏する。
【0013】さらに請求項3記載のVベルトによれば、
接着処理時にモノフィラメントが切断されにくく、また
モノフィラメント間における接着不良も生じにくい。
【0014】
【実施例】以下、この発明の伝動用Vベルトの実施例を
図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例にかか
るローエッジタイプのVベルトをその厚さ方向にかけて
段階的に切欠いた断面斜視図である。図1に示すように
、断面V形のベルト1は、全ゴム層中の中間位置よりや
や上部側に長手方向へ連続する複数の抗張体コード2が
、幅方向に一定の間隔をあけ並列して埋設されている。 抗張体コード2には、ポリエステル繊維、脂肪族ポリア
ミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、ガラ
ス繊維などを撚り合わせてコード状にした、低伸度高強
度の材料が用いられる。
【0015】抗張体コード2の上側に位置する上部ゴム
層(クッション層ともいう)4の上面には、複数の帆布
3aを積層してなる帆布層3が貼着されている。帆布3
aには、通常、綿糸又はポリエステル・綿混紡糸からな
るバイアス布や広角度帆布が用いられる。
【0016】抗張体コード2の下側に位置する下部ゴム
層(コンプレッション層ともいう)6および前記上部ゴ
ム層4中には、開繊した多数の連続するモノフィラメン
ト(長繊維からなるモノフィラメント)7をベルト1の
厚さ(上下)方向にわたりそれらの配向方向を段階的に
変化させて埋設している。すなわち、抗張体コード2に
近づくにつれて徐々にベルト1の幅方向に対するモノフ
ィラメント7の傾斜角が0になり、逆に遠ざかるにつれ
てベルト1の幅方向に対するモノフィラメント7の傾斜
角が徐々に大きく(下部ゴム層6では0<α<β<γ、
上部ゴム層4では0<α)なるように各モノフィラメン
ト7の配向方向を変化させて埋設している。
【0017】なお、モノフィラメントの開繊方法として
は、電気的方法、機械的方法および流体を用いた方法に
大別されるが、ヤーンを合糸した連続無撚繊維束(トウ
)を拡開整列させて分繊する方法であればどのような方
法を用いてもよい。これらの開繊方法は、例えば特公昭
45−32382号公報に記載のように公知であるので
、説明を省略する。また、下部ゴム層6および上部ゴム
層4には、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン・ブタ
ジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニ
トリルゴム)、水素添加ニトリルゴムなどの単一材又は
それらに補強剤、軟化剤、架橋剤などの任意の配合剤を
適宜ブレンドした架橋可能なゴムやオレフィン系、エス
テル系、アミド系、ウレタン系などの熱可塑性エラスト
マーが用いられる。さらに、前記上部ゴム層4および下
部ゴム層6中に埋設する各モノフィラメント7には、ポ
リエステル繊維、脂肪族ポリアミド繊維、芳香族ポリア
ミド繊維、ポリビニールアルコール繊維、アクリル繊維
等の有機繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、ガラス
繊維等の無機繊維、および金属繊維などを上記した公知
の方法によって開繊した、直径が0.5〜30μm程度
の、長繊維モノフィラメントが用いられる。
【0018】ところで、上記のように、ベルト1の厚さ
方向でモノフィラメント7の配向方向を徐々に変える具
体的な製造方法としては、例えば、次のような方法があ
る。すなわち、 ■開繊した多数のモノフィラメント7を平行に配列して
一層若しくは複数層としたテープ状のものを、上記した
エラストマーやエラストマーコンパウンドの溶液又は分
散液に浸漬したり、あるいはテープ状のものにエラスト
マーなどの溶液又は分散液をローラにより転写したり、
コータにより擦り込んだりしてコーティングすることに
より、テープ状のモノフィラメント7に接着処理を施す
【0019】■下部ゴム層6の成形に関しては、接着処
理後に乾燥させたテープ状のモノフィラメント7を、ベ
ルト1のゴム層成形用の所定周長をもつ円筒状マンドレ
ルの一端から他端にかけてスパイラル状に順に巻き付け
、他端にきたら既に巻き付けたモノフィラメント7の上
に、その他端から一端にかけて巻き付ける。これを繰り
返すことにより、所定厚みのゴム層を成形するが、ここ
で重要なことは、マンドレルに対しテープ状のモノフィ
ラメント7を巻き付ける際に、最初はマンドレルの軸方
向に対する傾斜角度が所定の角度(例えば、45°)で
、最後は傾斜角度が90°になるように、徐々に傾斜角
度が大きくしながら巻き付けることである。また、マン
ドレルの一端から他端まで所定の傾斜角度で巻き付けた
後、その他端から一端まではマンドレルの軸に対して対
称的に同じ傾斜角度で(向きだけを逆にして)巻き付け
、この1サイクルが終わってから、マンドレルに対する
テープ状のモノフィラメント7の傾斜角度を変更するこ
とである。
【0020】■上部ゴム層4の成形に関しては、接着処
理後に乾燥させたテープ状のモノフィラメント7を、ベ
ルト1のゴム層成形用の別の円筒状マンドレルの一端か
ら他端にかけてスパイラル状に順に巻き付けるが、下部
ゴム層6の成形とは逆に、最初はマンドレルの軸方向に
対する傾斜角度を90°にしておき、以後は傾斜角度を
徐々に小さくしながら巻き付け、所定厚みのゴム層を成
形する。
【0021】■上記のようにして成形した下部ゴム層成
形物および上部ゴム層成形物の一箇所を、マンドレルの
軸方向にそれぞれ切り開いて、単一のゴムシートとする
。 ■下部ゴム層側のゴムシートを90°回転させた状態で
、今度はベルト成形用マンドレルに巻き付ける。 ■上記ゴムシート上に、抗張体コードを並列に巻き付け
る。 ■上部ゴム層側のゴムシートを水平に90°回転させた
状態で、抗張体コード上に巻き付けて、ベルト成形物を
成形する。 ■従来のベルトの場合と同様に、未加硫ベルト成形物を
加硫する。
【0022】このようにして、下部ゴム層6および上部
ゴム層4中において、抗張体コード2に近づくにつれて
徐々にベルト1の幅方向に対する開繊した各モノフィラ
メント7の傾斜角が0になり、逆に遠ざかるにつれてベ
ルト1の幅方向に対するモノフィラメント7の傾斜角が
徐々に大きくなるように各モノフィラメント7の配向方
向を変化させて埋設したVベルト1が製造される。
【0023】−実施例− 1000デニール、250フィラメントのポリエステル
ヤーンの10本を合糸してトウとしたものを、エキスパ
ンションロールに3回ほど通過させて開繊し、2〜4フ
ィラメント層に積層してテープ状のモノフィラメントを
得た。このモノフィラメントを、下記の表1に示すコン
パウンドのトルエン溶液に浸漬して乾燥した。なお、同
溶液のゴム糊固形分を5〜20重量%とし、浸漬回数を
1〜3回として、繊維(フィラメント)充填量が10重
量%の開繊テープを得た。
【0024】開繊テープ(テープ状モノフィラメント)
が乾燥した後、ベルトゴム層成形用の、周長1m、幅1
mの円筒状マンドレルに、上記したように開繊テープを
マンドレルの軸方向に対する傾斜角度が徐々に大きく(
最終的には90°)なるように変更しながらスパイラル
状に巻き付け、所定厚さ(4mm)の下部ゴム層成形物
を成形した。また開繊テープ(テープ状モノフィラメン
ト)を、別のベルトゴム層成形用の、周長1m、幅1m
の円筒状マンドレルに、開繊テープをマンドレルの軸方
向に対する傾斜角度が90°から徐々に小さくなるよう
に変更しながらスパイラル状に巻き付け、所定厚さ(3
mm)の上部ゴム層成形物を成形した。下部ゴム層成形
物および上部ゴム層成形物を、それぞれマンドレルの軸
方向に沿って切り開き、下部ゴム層用および上部ゴム層
用の2枚の未加硫ゴムシートを得た。各ゴムシートをそ
れぞれ水平に90°ずつ回転させ、ベルト成形用の金型
に、下部ゴム層用ゴムシート、抗張体コードおよび上部
ゴム層用ゴムシートはこの順番で、帆布などの他のベル
ト構成部材とともに巻き付け、Vベルト成形物を成形し
た。そして、加硫工程を経て、金型から加硫済みベルト
成形物(スラブともいう)を取り外し所定幅に切断して
、長さ975mmのA形のVベルトを製造した。
【0025】   表1     組成物                  
重量部          組成物         
   重量部    クロロプレンゴム       
 100          ステアリン酸     
     2    酸化マグネシウム       
     4          酸化亜鉛     
         5    老化防止剤      
            3          カー
ボンブラック    50    軟化剤      
                5        
  加硫促進剤            0.5
【00
26】−比較例− 下記の表2に示すゴム組成物をバンバリーミキサーで混
練りした後、カレンダーロールにより圧延すると同時に
、直径が4デニールで、長さが3mmの、多数のポリエ
ステル短繊維を、ベルト幅方向に配向させて未加硫ゴム
シートを形成した。このゴムシートを用いて、ベルト成
形用金型に抗張体コードや帆布などの他のベルト構成部
材とともに順次巻き付け、Vベルト成形物を成形した。 そして、加硫工程を経て、金型から加硫済みベルト成形
物を取り外し所定幅に切断して、長さ975mmのA形
のVベルトを製造した。
【0027】   表2     組成物                  
重量部          組成物         
   重量部    クロロプレンゴム       
 100          ステアリン酸     
     2    酸化マグネシウム       
     4          酸化亜鉛     
         5    老化防止剤      
            3          カー
ボンブラック    50    軟化剤      
                5        
  加硫促進剤            0.5   
 短繊維                    1
【0028】試験結果   一定間隔をあけて配設された2組の直径125mm
の駆動プーリと直径125mmの従動プーリ間に、実施
例のVベルトおよび比較例のVベルトをそれぞれ巻き掛
け、従動プーリ側の負荷を12馬力に調整して、回転速
度4900r.p.mで各Vベルトを走行させた。そし
て、抗張体コードの近傍で亀裂(セパレーション)が発
生するまでの時間を測定し、この時間をベルトの寿命と
した。結果は、実施例のVベルトが300時間、比較例
のVベルトが100時間で、実施例のVベルトの寿命は
比較例(従来)のVベルトの3倍であった。
【0029】次に、図2は本発明の他の実施例にかかる
ローエッジコグタイプのVベルトの一部を示す。同図に
示すように、ベルト1’の下面には、その長手方向に沿
って波状にコグ部8が一定ピッチで形成されている。本
実施例のベルト1’は、下部ゴム層6中に、上記実施例
と同様に開繊した多数の連続するモノフィラメント7を
、抗張体コード2に近づくにつれてベルト1’の幅方向
に対し平行になり、逆にコグ部8に近くなるほどベルト
1’の幅方向に対する傾斜角が大きくなるように埋設し
ている。これにより、抗張体コード2と下部ゴム層6と
の境界面での弾性率の格差が緩和され、従来のベルトで
はその境界面で生じ易かった応力集中による分離(剥離
)が原因の、ベルト1’破壊が阻止される。またコグ部
8付近では、モノフィラメント7の傾斜角がかなり大き
くなるため、ベルト1’の側方からの外力に抗する力が
小さくなることにより、コグ部8からのクラックの発生
も抑えられる。しかも、コグ部8の形成により、ベルト
1’の長手方向での屈曲性は一層向上する。なお、図2
において、上記実施例と共通する部材は、第1図で用い
た符号と同一の符号を用いて示している。
【0030】上記第2実施例では、プーリなどにVベル
ト1’を巻き掛けて走行させる時にとくに側方からの外
圧が大きく作用する下部ゴム層6の耐側圧性を向上する
ため、開繊した多数のモノフィラメント7を下部ゴム層
6にだけ埋設したが、第1実施例と同様にモノフィラメ
ント7を上部ゴム層4にも埋設することもできる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明の伝動用Vベルトは、次のような効果がある。 (1) 抗張体コードとその近傍の開繊モノフィラメン
トの埋設部分との横圧縮弾性率の格差が非常に小さいの
で、ベルトの側方からの大きな外力をうけても、両部分
の間の境界面に応力が集中しにくいため、従来のベルト
と違って、抗張体コード付近で亀裂が生じることがない
。また各モノフィラメントが連続し且つほぼ平行に配列
されているので、従来の短繊維フィラメントをゴム層に
埋設したベルトと違ってフィラメントが不連続部で座屈
することがなく、さらに各モノフィラメントに開繊した
状態で接着処理を施しているので、モノフィラメントと
ゴム層との間で接着不良箇所が生じたり、亀裂が生じた
りすることがない。したがって、ベルトの耐側圧性に優
れ、高馬力の動力でも確実に伝達するとともに、ベルト
の寿命も従来のものに比べて大幅に延び、長期間安定し
て使用できる。
【0032】(2) 抗張体コードの少なくとも下部側
のゴム層は、抗張体コードから遠ざかる(ベルトの下面
に近づく)ほど、モノフィラメントの向きがベルトの幅
方向に対し大きく傾斜し、ベルトの側方からの外力に抗
する力が小さくなるので、ゴム層の下面付近での過度の
弾力抑制がなく、クラックの発生が防止される。
【0033】(3) 請求項2に記載のVベルトでは、
抗張体コードの上部側のゴム層においても、上記した下
部側ゴム層と同様の効果があるので、抗張体コードと上
部ゴム層との境界面における応力集中も起こりにくく、
ベルトの寿命がより一層延びる。
【0034】(4) 請求項3に記載のVベルトは、接
着処理時にモノフィラメントが切断されにくく、またモ
ノフィラメント間における接着性も良好で、側圧を受け
ても分離しにくいので、応力集中による亀裂が一層生じ
にくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例にかかるローエッジタイ
プの伝動用Vベルトの一部をその厚さ方向にかけて段階
的に切欠いた状態を示す断面斜視図である。
【図2】この発明の第2実施例にかかるローエッジコグ
タイプの伝動用Vベルトの一部を示す断面斜視図である
【符号の説明】
1、1’  Vベルト 2  抗張体コード 3  帆布層 4  上部ゴム層 6  下部ゴム層 7  モノフィラメント 8  コグ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ゴム層中に長手方向へ連続する複数の
    抗張体コードをベルトの幅方向に並列して埋設した伝動
    用Vベルトにおいて、前記抗張体コードの少なくとも下
    部側のゴム層中に、開繊した多数の連続するモノフィラ
    メントを、エラストマー、エラストマーコンパウンドな
    どの溶液又は分散液で接着処理したうえで、抗張体コー
    ドに近づくにつれて徐々にベルトの幅方向と平行になり
    、逆に遠ざかるにつれて徐々にベルトの幅方向に対する
    傾斜角が大きくなるように配向方向を変化させて埋設し
    たことを特徴とする伝動用Vベルト。
  2. 【請求項2】  前記抗張体コードの上部側のゴム層中
    にも、開繊した多数の連続するモノフィラメントを、エ
    ラストマー、エラストマーコンパウンドなどの溶液又は
    分散液で接着処理したうえで、抗張体コードに近づくに
    つれて徐々にベルト幅方向と平行になり、逆に遠ざかる
    につれて徐々にベルト幅方向に対する傾斜角が大きくな
    るように配向方向を変化させて埋設した請求項1記載の
    伝動用Vベルト。
  3. 【請求項3】  前記モノフィラメントとして、ポリエ
    ステル繊維、脂肪族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド
    繊維、ポリビニールアルコール繊維、アクリル繊維、カ
    ーボン繊維、セラミック繊維、ガラス繊維又は金属繊維
    を用いた請求項1又は2記載の伝動用Vベルト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001330083A (ja) * 2000-05-22 2001-11-30 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルト
JP2018119680A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 三ツ星ベルト株式会社 伝動用vベルトおよびその製造方法
WO2018139578A1 (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 三ツ星ベルト株式会社 伝動用vベルトおよびその製造方法

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