JPH04214482A - 深色化ポリエステル繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents

深色化ポリエステル繊維布帛およびその製造方法

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JPH04214482A
JPH04214482A JP3027775A JP2777591A JPH04214482A JP H04214482 A JPH04214482 A JP H04214482A JP 3027775 A JP3027775 A JP 3027775A JP 2777591 A JP2777591 A JP 2777591A JP H04214482 A JPH04214482 A JP H04214482A
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fiber fabric
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は深色化されたポリエステ
ル繊維布帛およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特にポリエステル繊維におい
て、深みのある色相、とりわけ黒の深色性を高めるため
の研究は数多く見られる。例えば、染色された繊維布帛
に屈折率の低い化合物、例えばフッ素系処理剤(特開昭
57−176275号公報など)、シリコン系処理剤(
特開昭64−45466号公報など)、ウレタン系処理
剤(特開昭57−29682号公報)などで繊維表面を
被覆する方法がある。これらの手段により深色化のレベ
ルは向上しうるが、深色性の向上にともない、ドライク
リーニング洗濯処理による深色度の低下とか、染料のブ
リードアウトによる色の泣き出しなどの問題が起こりや
すく、深色効果の耐久性には問題があった。また、他の
問題としては、ホコリなどの付着を防止するために帯電
防止剤を使用すると、深色性が低下するという問題があ
った。
【0003】一方では、繊維表面に微細な凹凸を形成さ
せ、繊維表面での光の乱反射を防ぎ深色化を狙う方法が
あり、この技術手段としては、微多孔形成剤を添加した
ポリエステル繊維をアルカリ処理により微多孔形成剤を
除去する方法(特開昭54−120728号公報など)
や、繊維表面をプラズマエッチングして微細な凹凸を形
成させる方法などがある(特公昭59−11709号公
報、特公昭60−37225号公報など)。さらには、
あらかじめ屈折率の低い化合物で繊維製品を処理し、次
いで低温プラズマ処理する方法もある(特開昭61−9
7490号公報など)。これらの方法で繊維表面に微細
な凹凸を形成させることにより、深色化も向上し、特に
屈折率の低い化合物を表面に被覆するとその深色度は相
当向上するが、繊維表面の凹凸部が破壊し易く、例えば
生地どうしがこすり合わされたり、洗濯で生地が絡みあ
うと深色効果は極端に低下し易く、深色性の耐久性とい
う点で必ずしも充分なレベルにあるとは言いがたい。ま
た、染色堅牢度面では、特に摩擦堅牢度のレベルが低い
という問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の深色
化技術手段での問題、特に深色性が高いレベルにおける
深色効果の耐久性および摩擦堅牢度を実用上問題ないレ
ベルにまで改善した染色されたポリエステル繊維布帛を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、染色されたポ
リエステル繊維布帛の表面がポリエポキシド化合物を介
して、アミノ基を有するシリカ微粒子およびアミノ変性
シリコンで被覆されていることを特徴とする深色化ポリ
エステル繊維布帛およびその製造方法を提供するもので
ある。
【0006】本発明においては、染色されたポリエステ
ル繊維を対象とする。ここで、染色されたポリエステル
繊維とは、染料を用いて100℃以上の高温度で熱処理
されたものをいい、一般には該染料としては分散染料を
用いるが、改質ポリエステル繊維の場合にはカチオン染
料または酸性染料を用いることもある。また、染色方法
としては、浸染、サーモゾル、捺染のいずれでも適用可
能である。本発明におけるポリエステル繊維とは、エチ
レングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブ
タンジオールなどのグリコール成分と、テレフタル酸、
イソフタル酸、マロン酸、コハク酸などのジカルボン酸
成分との重縮合体、グリコール成分またはジカルボン酸
成分の一部として、他の第3成分を共重合させたポリエ
ステル共重合体、あるいはこれらポリエステル重合体と
他の重合体とのブレンドからなる繊維などである。
【0007】なお、かかるポリエステル繊維には、必要
に応じて任意の添加剤、例えば触媒、着色防止剤、耐熱
剤、難燃剤、酸化防止剤、無機微粒子などが含まれてい
てもよい。本発明においては、ポリエステル繊維は、必
要に応じて、綿、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセ
テートなどの再生繊維およびポリエステル以外の合成繊
維との混紡、交編、交織などにより使用されてもかまわ
ない。また、本発明においては、ポリエステル繊維とし
て、アルカリ減量処理が行われたものであっても使用す
ることができ、これによっても充分な深色効果を発揮す
ることも可能である。
【0008】本発明において使用するポリエポキシド化
合物としては、1分子中に少なくとも2個以上のエポキ
シ基を、さらに好ましくは3個以上のエポキシ基を該化
合物100g当たり0.2g当量以上含有する化合物が
好ましく使用され、エチレングリコール、グリセロール
、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレン
グリコールなどの多価アルコール類とエピクロルヒドリ
ンのごときハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、
レゾルシン・ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチル
メタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシ
ン・ホルムアルデヒド樹脂などの多価フェノール類と前
記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酢酸ま
たは過酸化水素などで不飽和化合物を酸化して得られる
ポリエポキシド化合物、すなわち3,4−エポキシシク
ロヘキシル化合物、例えば3,4−エポキシシクロヘキ
センエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート
、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシ
ルメチル)アジペートなどを挙げることができる。 これらのうち、特に多価アルコールとエピクロルヒドリ
ンとの反応生成物、すなわち多価アルコールのポリグリ
シジルエーテル化合物が優れた性能を発現するので好ま
しい。
【0009】1分子中に含まれるエポキシ基が3個以上
の場合、ポリエステル繊維との親和性が特によく、後で
加工する深色加工剤の深色耐久性に優れたものが得られ
好ましい。さらに、ポリエポキシド化合物は、合成する
際にわずかに異性体や塩素を含む化合物が存在するのが
一般的である。この塩素を含むポリエポキシド化合物が
、ポリエステル繊維に反応する機構は判明していないが
、電気的な結合が作用しているものと推定され、本発明
のポリエポキシド化合物は塩素を含むことが好ましい。 ここで、全塩素量は、共有結合型塩素を金属ナトリウム
で分解し、ホルハルト法にて塩素量を定量し重量%で表
されが値であり、本発明のポリエポキシド化合物に含ま
れる全塩素量は深色性の耐久性の観点から好ましくは6
重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上である。
【0010】かかるポリエポキシド化合物は、通常乳化
液として使用に供するものがよい。乳化液または溶液と
するには、例えばかかるポリエポキシド化合物をそのま
まあるいは必要に応じて少量の溶媒に溶解したものを、
公知の乳化剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩、ノニ
ルフェノールエチレンオキサイド付加物などを用いて乳
化または溶解する。
【0011】本発明において、ポリエポキシド化合物の
使用量は特に制限されないが、ポリエステル繊維に耐久
性のある深色性を付与するには、ポリエステル繊維に対
して0.1〜10重量%の範囲で用いるものが例示され
る。ポリエポキシド化合物の使用量が0.1重量%未満
の場合には、耐久性のある深色効果が得られず、一方1
0重量%を超えると必ずしも深色性およびその耐久性が
よくなるわけでもなく、また風合その他の欠点が生じて
くるので好ましくない。
【0012】また、ポリエポキシド化合物の処理温度は
、70〜130℃の範囲が好ましく、80〜100℃の
範囲がさらに好ましい。ポリエポキシド化合物による処
理温度が70℃未満では、深色性の耐久性が不充分であ
り、一方130℃を超えると必ずしもこれらの性能の耐
久性がさらに向上するわけでもなく、かえって低下する
こともあるので前記範囲で処理するのが好ましい。また
、ポリエポキシド化合物の処理時間は、1分以上が好ま
しく、5〜60分であることがさらに好ましい。かかる
条件が満たされるならば、処理方法は、高温連続処理で
もよく、常温から繊維を投入し、次いで昇温して所定の
温度で処理をするいわゆるバッチ方式の処理であっても
かまわない。
【0013】次に、本発明において使用するアミノ基を
有するシリカ微粒子とは、好ましくは平均粒子径1μm
以下の微粉末シリカにアミノシランを水またはメタノー
ルのような低級アルコールに溶解した液を反応させて得
られる化合物である。アミノ基を有するシリカ微粒子の
平均粒子径が1μmを超えると深色効果が不充分となり
、かつ風合いが粗硬になる。
【0014】アミノ基を有するシリカ微粒子は、例えば
エアロジル#200(日本アエロジル社製)にガンマ(
2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラ
ンまたはアミノプロピルエトキシシランを水またはメタ
ノールのような低級アルコールに溶解した液をスプレー
などで接触させることにより容易に得られる。ここで、
エアロジル#200とアミノシランの比率(重量比)は
、一般には100:0.01〜100:100が好まし
く、100:0.1〜100:3がさらに好ましい。
【0015】これらのアミノ基を有するシリカ微粒子は
、例えばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、ヘプタン
、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ミネラルターペン、イ
ソプロピルアルコールなどの有機溶剤に溶解して処理液
を調製し、スプレー、マングル、浸漬などの方法によっ
てポリエステル繊維布帛に付着させてもよいし、そのま
ま自己乳化するか、または適当な乳化剤、例えば高級ア
ルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、高級アルコールポリオキシアルキレン付加物、高
級脂肪酸ポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸ソル
ビタンエステルなどにより乳化して、スプレー、マング
ル、浸漬などの方法によりポリエステル繊維布帛に付着
させてもよい。
【0016】本発明において、アミノ基を有するシリカ
微粒子の使用量は、ポリエステル繊維布帛に対して、好
ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5
〜3重量%である。使用量が多いほど深色効果は高くな
るが、反面、耐久性が損なわれたり、摩擦堅牢度が大き
く低下したり、さらには風合が粗硬になるなどの問題が
生じるようになる。一方、0.1重量%未満では、深色
効果に乏しいので好ましくない。
【0017】次に、本発明において使用するアミノ変性
シリコンは、下記一般式〔I〕で表されるものであるこ
とが好ましい。 (式中、mは5〜500の整数を、nは1〜50を、R
は水素原子、メチル基またはエチル基を、R′は2価の
炭化水素基を示す。)
【0018】一般式〔I〕中、mが5未満では安定な化
合物が合成し難く、逆に500を超えると本発明の目的
とする性能が得難いので、5〜500の範囲、好ましく
は100〜200の範囲である。また、nは、1〜50
が適当で、nが0では深色効果の耐久性が得られず、一
方50を超えると加工が不安定になり易い。
【0019】一般式〔I〕中、Rは、水素原子、メチル
基またはエチル基であることが必要で、これ以外のアル
キル基では製造が困難であるとともに深色効果の耐久性
も劣る。また、R′は二価の炭化水素基であり、例えば
−CH2 −、−(CH2 )2 −、−(CH2 )
3 −、−(CH2 )4 −、−CH2 CH(CH
3 )CH2 −  のようなアルキレン基、−(CH
2 )2 −C6 H4 −のようなアルキレンアリー
レン基が例示される。このうち、プロピレン基が最も一
般的である。
【0020】これらのアミノ変性シリコンは、例えばオ
クタメチルテトラシロキサンとガンマ−(2−アミノプ
ロピル)トリメトキシシランを原料として用い、これら
原料とアルカリ金属触媒、例えば水酸化ナトリウムある
いは水酸化カリウムと混合し、その混合物を原料の平衡
(シロキサン単位の再配列)が起きるまでに足る高さの
温度70〜120℃に加熱することにより容易に製造し
うる。
【0021】これらのアミノ変性シリコンは、例えばト
ルエン、キシレン、n−ヘキサン、ヘプタン、アセトン
、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸
エチル、酢酸ブチル、ミネラルターペン、イソプロピル
アルコールなどの有機溶剤に溶解して処理液を調製し、
スプレー、マングル、浸漬などの方法によってポリエス
テル繊維布帛に付着させてもよいし、そのまま自己乳化
するか、または適当な乳化剤、例えば高級アルコールの
硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級
アルコールポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸ポ
リオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸ソルビタンエス
テルにより乳化して、スプレー、マングル、浸漬などの
方法によりポリエステル繊維布帛に付着させてもよい。
【0022】本発明において、アミノ変性シリコンの使
用量は、ポリエステル繊維布帛に対して、好ましくは0
.05〜1重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重
量%である。アミノ変性シリコンの使用量が0.05重
量%未満では、深色効果が不充分であり、一方1重量%
を超えると、加工布帛の風合が必要以上に柔軟になりす
ぎたり、染色堅牢性の面で欠点が生じたりするので好ま
しくない。
【0023】本発明のアミノ基を有するシリカ微粒子お
よび  アミノ変性シリコンの屈折率は、1.5以下の
低屈折率であることが好ましい。ポリエステル繊維の屈
折率は1.7であるため、1.5を超え1.6程度の屈
折率でも深色性は認められるが不充分である。より望ま
しくは、前記アミノ基を有するシリカ微粒子およびアミ
ノ変性シリコンの屈折率は、1.4以下であると優れた
深色性が認められる。
【0024】本発明の深色化ポリエステル繊維布帛を製
造する方法としては、■染色されたポリエステル繊維布
帛をポリエポキシド化合物を含む処理液で加熱処理した
のち、該ポリエステル繊維布帛をアミノ基を有するシリ
カ微粒子および前記一般式〔I〕で表されるアミノ変性
シリコンで処理するか、あるいは■染色されたポリエス
テル繊維布帛をポリエキシド化合物を含む処理液で加熱
処理したのち、該ポリエステル繊維布帛をアミノ基を有
するシリカ微粒子で処理し、次いで前記一般式〔I〕で
表されるアミノ変性シリコンで処理する方法、を挙げる
ことができる。
【0025】本発明の製造方法では、染色されたポリエ
ステル繊維布帛をまずポリエポキシド化合物で前処理し
ないと、発明の効果(深色効果の耐久性および摩擦堅牢
度の向上)を奏しえない。また、前記ポリエポキシ化合
物で前処理後、シリカ微粒子とアミノ変性シリコンで処
理する際にも、まずアミノ変性シリコンで処理してから
シリカ微粒子で処理すると、深色性向上の効果が小さい
。これは、アミノ変性シリコンがやや撥水性を持つため
、シリカ微粒子を前記ポリエステル繊維布帛に付与する
ことができないためである。
【0026】前記製造方法のうち、■シリカ微粒子とア
ミノ変性シリコンを同浴で処理する場合には、深色性の
向上効果が良好である。さらに、■シリカ微粒子で処理
し、最後にアミノ変性シリコンで処理する場合には、特
に深色性の向上効果が極めて大となる。
【0027】
【作用】本発明は、ポリエステル繊維布帛をあらかじめ
ポリエポキシド化合物を含む処理液で前処理することに
特徴がある。この前処理により、ポリエポキシド化合物
がどのようにポリエステル繊維布帛に付着しているのか
明確ではないが、洗濯、ドライクリーニングおよび摩擦
処理を行っても初期の深色効果を損なうことがなく耐久
性に優れることから推定して、ポリエポキシド化合物が
ポリエステル繊維表面に強固に付着しているか、あるい
は一部ポリエステル繊維の内部にまで入り込んでいるた
めに、後に付与されるアミノ基を有するシリカ微粒子お
よびアミノ変性シリコンがポリエポキシド化合物のエポ
キシ基と反応してポリエステル繊維表面に耐久性よく被
覆されるものと考えられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、%は、特に断らないかぎり重量基準であ
る。また、実施例における性能の測定、洗濯、ドライク
リーニング、摩擦処理および評価は下記の条件で行った
【0029】■深色性の測定 深色効果を示す尺度としては、深色度(K/S)を用い
た。この値は、試料の500nmにおける反射率をRと
すると次に示すクーベルカムンク(Kubelka−M
unk)の式から求められるものである。K/S=(1
−R)2 /2Rこの値が大きいほど、深色効果が大き
いことを示す。測定は、マクベス  カラーアイ(Ma
cbethCOLOR−EYE  モデルM−2020
PL)を使用して行った。
【0030】■洗濯処理 家庭用電気洗濯機(ナショナル、NA−680L)を用
い、新酵素ザブ(花王製)2g/l溶液を30l入れ、
試料とともに綿の金巾を浴比が1:30になるように加
え40℃で10分間渦巻き水流にて洗濯した。その後脱
水し、40℃の温水30lで5分間湯洗、脱水し、オー
バーフロー水洗を10分間行い、脱水し、風乾した。こ
の処理を5回繰り返し洗濯5回処理とし、深色性を測定
した。
【0031】■ドライクリーニング処理JIS−L−0
844に定める方法によって行い、これを5回繰り返し
て、ドライクリーニング5回処理とし、深色性を測定し
た。■摩擦処理 JIS−L−0849の摩擦堅牢度試験に準じ、試料を
試験台にとりつけ、蒸留水で約100%湿潤状態とした
被摩擦試料と同一試料を摩擦布として摩擦子の接触面に
取付け、200gの荷重で20回往復摩擦し、摩擦布の
摩擦部分の深色性を測定した。
【0032】■深色性の評価 深色加工後と染色上がりのK/Sの差が10以上のもの
を○、5〜9.9を△、0〜4.9を×として評価した
。 ○;良好 △;やや良好 ×;不充分 ■耐久性の評価 深色加工上がりと洗濯5回後またはドライクリーニング
5回後または摩擦処理後のK/Sの低下が0〜3を○、
3.1〜5.0を△、5.1以上を×として評価した。 ○;良好 △;やや良好 ×;不充分
【0033】■摩擦堅牢度 JIS−L−0849−71の試験方法(乾式、湿式)
に従って評価した。 ○;良好 △;やや良好 ×;不充分
【0034】実施例1 紡糸速度3,200m/分の紡糸によって得られた伸度
115%のポリエステルフィラメント糸(115デニー
ル/24フィラメント)と紡糸速度1,380m/分の
紡糸によって得られた伸度345%のポリエステルフィ
ラメント糸(225デニール/72フィラメント)とを
引き揃えて、交絡処理および延伸仮撚加工を行った。す
なわち、インターレースノズルにより、オーバーフィー
ド率2.5%、圧空圧3.5kg/cm2 で60個/
mの交絡度を付与し、引き続いて延伸倍率1.56倍、
ヒーター温度180℃、摩擦仮撚装置の表面速度630
m/分、第2デリベリローラ速度350m/分、K値(
解撚張力/加撚張力)1.05の条件下で延伸仮撚加工
した。得られた加工糸は、巻き付き部分を平均8ケ/1
0mm、フィラメント間には空隙があり、かつ全体とし
て緩やかな収束巻付部分を平均2ケ所/10mm有して
いた。
【0035】このようにして得られた仮撚二層構造糸を
用い、下記表1の内容で梨地ジョーゼット織物を製織し
た。
【表1】   得られた織物を、通常のシボ立て、ヒートセットお
よびアルカリ減量(減量率20%)を実施したのち、下
記条件で染色、還元洗浄を行った。 染色条件:    Dianix Black HG−
FS 200% コンク品(三菱化成工業(株)製品)
              8%owf Dispe
r VG (明成化学工業(株)製品)  0.5g/
l 酢酸                     
         0.2g/l 浴比       
   1:20 染色温度・時間  130℃×30分 還元洗浄条件:  NaOH        1g /
l ハイドロサルファイト    2g /l 浴比 
                   1:20処理
温度・時間        80℃×30分以後、水洗
、乾燥した。
【0036】次いで、下記処方(A)に調整した処理液
に浸漬し(浴比1:20)、常温から2℃/分の速度で
昇温し、温度100℃で30分処理し、水洗乾燥した。 引き続き、該織物を下記処方(B)により調整したパデ
イング浴に含浸後、絞り率100%で絞液し、温度12
0℃で1分間乾燥した後、温度160℃で1分間熱処理
した。最後に、該織物を下記処方(C)により調整した
パディング浴に含浸後、絞り率100%で絞液し、温度
120℃で1分間乾燥したのち、温度160℃で1分間
熱処理した。処理後の織物について深色性、その耐久性
を評価し、その結果を表2に示す。
【0037】〔処方(A)〕 下記式(a)で表されるソルビトールポリグリシジルエ
ーテル  5%owf
【化1】 (商品名、デナコールEX−611、全塩素量13.5
%、長瀬化成(株)製)なお、このソルビトールポリグ
リシジルエーテル(デナコールEX−611は、あらか
じめ乳化剤(商品名、ネオコールSW、第一工業製薬(
株)製)で乳化(使用比率デナコールEX−611/ネ
オコールSW=5/4)したものを用いた。
【0038】〔処方(B)〕 アミノ基を有するシリカ微粒子1% エアロジル#200(日本アエロジル社製、粒子の大き
さ200m2 /g)にガンマ(2−アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシランを比率100:1で
水に溶解しスプレーで接触し、固形分20%に分散した
もの(屈折率:1.38)を用いた。 〔処方(C)〕 アミノ変性シリコン3% 一般式〔I〕において、m=100、n=10、R=−
CH3 、R′=−CH2 CH2 CH2 −である
アミノ変性シリコンを常法にて製造し、得られたアミノ
変性シリコン(屈折率:1.40)を通常の乳化剤を添
加し、乳化機により30%に乳化したアミノ変性シリコ
ン乳化物の3%液。
【0039】実施例2 実施例1と同じ織物を用い、処方(A)の処理後、処方
(B)と処方(C)を同浴処理で行った以外は、実施例
1と同様にして処理し、評価した。結果を表2に示す。 表2から明らかなように、深色性の向上効果が得られる
【0040】比較例1 実施例1と同じ織物を用い、処方(A)による処理を行
わなず、処方(B)の処理後、処方(C)の処理を行っ
た以外は、実施例1と同様にして処理し、評価した。結
果を表2に示す。表2から明らかなように、深色性の耐
久性が不充分であることが分かる。 比較例2 実施例1と同じ織物を用い、処方(A)の処理後、処方
(B)のみの加工を行った以外は、実施例1と同様にし
て処理し、評価した。結果を表2に示す。表2から明ら
かなように、深色性の耐久性および摩擦堅牢度が不良で
あることが分かる。
【0041】比較例3 実施例1と同じ織物を用い、処方(A)の処理後、処方
(C)のみの加工を行った以外は、実施例1と同様にし
て処理し、評価した。結果を表2に示す。表2から明ら
かなように、深色性の向上効果が不充分である。
【0042】
【表2】
【0043】実施例3 実施例1と同じ織物を用い、処方(A)の化合物の代わ
りに下記式(b)で表されるグリセロールポリグリシジ
ルエーテル
【化2】 (全塩素量9%、商品名:デナコールEX−313、長
瀬化成(株)製)を用いるほかは実施例1と同様にして
処理し、評価した。結果を表3に示す。
【0044】実施例4 実施例1と同じ織物を用い、処方(A)の化合物の代わ
りにエポキシ基の数が3個、全塩素量11.5%のトリ
グリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート5%(商品名:デナコールEX−301、長瀬産
業(株)製)を用いる以外は実施例1と同様にして処理
し、評価した。結果を表3に示す。 比較例4 実施例1と同じ織物を用い、処方(A)の化合物に代え
て実施例3で用いたデナコールEX−313を用いて処
理し、処方(B)として屈折率1.51の変性ウレタン
化合物(構造不明、花王(株)製)を使用するほかは実
施例1と同様に処理して評価した。結果を表3に示す。 表3に見るとおり、初期の深色性が不充分であった。
【0045】実施例5 実施例1と同じ織物を用い、実施例1の処方(A)の化
合物の代わりにエポキシ基の数が3個、全塩素量が5%
のグリセロールポリグリシジルエーテル5%を用いるほ
かは実施例1と同様に処理した。結果を表3に示す。 実施例6 実施例1と同じ織物を用い、実施例1の処方(A)の化
合物の代わりにエポキシ基の数が2個、全塩素量が9.
5%の下記式のエチレンジグリシジルエーテル5%を用
いる以外は、実施例1と同様に処理して評価した。結果
を表3に示す。
【0046】実施例7 実施例1と同じ織物を用い、実施例1の処方(A)の化
合物の代わりにエポキシ基の数が1個、全塩素量が1.
5%の下記式のラウリルアルコール(EO)15グリシ
ジルエーテル 5%を用いる以外は、実施例1と同様に処理し評価した
。結果を表3に示す。 比較例5 実施例1と同じ織物で、染色上がりのレベルを明らかに
すべく、処方(A)、(B)および(C)の処理をしな
い以外は、実施例1と同様に染色、還元洗浄を行ったも
のの深色性を測定し評価した。  結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、深色性のレベルが高く
、耐久性に優れ、かつ摩擦堅牢性に優れたポリエステル
繊維布帛を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  染色されたポリエステル繊維布帛の表
    面が、ポリエポキシド化合物を介して、アミノ基を有す
    るシリカ微粒子およびアミノ変性シリコンで被覆されて
    いることを特徴とする深色化ポリエステル繊維布帛。
  2. 【請求項2】  ポリエポキシド化合物が1分子中に3
    個以上のエポキシ基を含有し、かつ塩素を6重量%以上
    含有する請求項1記載の深色化ポリエステル繊維布帛。
  3. 【請求項3】  アミノ基を有するシリカ微粒子の平均
    粒子径が1μm以下である請求項1記載の深色化ポリエ
    ステル繊維布帛。
  4. 【請求項4】  アミノ変性シリコンが下記一般式〔I
    〕で表される請求項1記載の深色化ポリエステル繊維布
    帛。 (式中、mは5〜500の整数を、nは1〜50を、R
    は水素原子、メチル基またはエチル基を、R′は2価の
    炭化水素基を示す。)
  5. 【請求項5】  アミノ基を有するシリカ微粒子および
    アミノ変性シリコンの屈折率が1.5以下である請求項
    1記載の深色化ポリエステル繊維布帛。
  6. 【請求項6】  染色されたポリエステル繊維布帛をポ
    リエポキシド化合物を含む処理液で加熱処理したのち、
    該ポリエステル繊維布帛をアミノ基を有するシリカ微粒
    子および請求項1記載のアミノ変性シリコンで処理する
    ことを特徴とする深色化ポリエステル繊維布帛の製造方
    法。
  7. 【請求項7】  染色されたポリエステル繊維布帛をポ
    リエキシド化合物を含む処理液で加熱処理したのち、該
    ポリエステル繊維布帛をアミノ基を有するシリカ微粒子
    で処理し、次いで請求項1記載のアミノ変性シリコンで
    処理することを特徴とする深色化ポリエステル繊維布帛
    の製造方法。
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