JPH04214091A - 結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長方法

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JPH04214091A
JPH04214091A JP3545491A JP3545491A JPH04214091A JP H04214091 A JPH04214091 A JP H04214091A JP 3545491 A JP3545491 A JP 3545491A JP 3545491 A JP3545491 A JP 3545491A JP H04214091 A JPH04214091 A JP H04214091A
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JP
Japan
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layer
crucible
impurities
melt
solid layer
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JP3545491A
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English (en)
Inventor
Toshinori Rokusha
六車 俊範
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体材料とし
て使用されるシリコン単結晶等の結晶成長方法に関する
。 【0002】 【従来の技術】図8はチョクラルスキー法(CZ法)に
よる結晶成長装置の模式的縦断面図であり、図中11は
坩堝、12はヒータを示している。坩堝11は有底円筒
状をなす石英製の内層保持容器11a と、この内層保
持容器11a の外側に配置された同じく有底円筒状を
なす黒鉛製の外層保持容器11b とにて二重構造に構
成され、軸19にて回転可能に支持されている。ヒータ
12は抵抗加熱式であって、坩堝11の外側に同心円状
に配設されている。坩堝11の中心軸上には引き上げ棒
、或いはワイヤー等からなる引き上げ軸14が配設され
、この引き上げ軸14の先に取り付けた種結晶15を坩
堝11内の溶融液13の表面に接触させた後、引き上げ
軸14を回転させつつ引き上げていくことにより、単結
晶16を成長させてゆくようになっている。 【0003】ところでチョクラルスキー法に依る場合、
単結晶16の電気抵抗率、電気導電型を調整すべく、引
き上げ前に溶融液13中に不純物元素を添加するが、こ
の不純物は単結晶16の結晶成長方向において偏析する
ため結晶成長方向に均一な電気的特性を有する単結晶1
6が得られないという問題があった。この偏析は、凝固
開始時の不純物濃度と凝固終了時の不純物濃度との比、
換言すれば凝固の際に溶融液−単結晶界面において生じ
る単結晶中の不純物濃度Csと溶融液中の不純物濃度C
lとの比Cs/Cl、所謂実効偏析係数Keが1でない
ことに起因して生じる。例えばKe<1の場合には単結
晶16が成長するに伴って溶融液中の不純物濃度が高く
なり、単結晶16に不純物の偏析が生じる。 【0004】このような不純物の偏析を抑制しながら結
晶を成長させる方法として、溶融層法が知られている。 図9は溶融層法の実施状態を示す模式的縦断面図であり
、溶融層法は図9に示す如く、溶融液層17と固体層1
8とを坩堝11内の上, 下に共存させ、この状態で溶
融液層17中の不純物濃度を一定に保ちつつ、溶融液層
17に種結晶15を接触させた後、引き上げ軸14を引
き上げ、単結晶16を成長させる方法である。なお、こ
の過程において溶融液層17中の不純物濃度を一定に維
持する方法として、溶融層厚一定法及び溶融層厚変化法
がある。 【0005】溶融層厚一定法は下部の固体層18を溶融
させて溶融液層17の体積を一定に保ちつつ単結晶16
の引き上げを行い、不純物は単結晶16の引き上げ中に
連続的に添加し、溶融液層17中の不純物濃度を一定に
維持する方法である(特公昭34−8242 号、実開
昭61− 150862号、特公昭62−880号及び
特開昭63−252989 号公報)。一方、溶融層厚
変化法は単結晶16の成長に伴って坩堝11又はヒータ
12を昇降させて坩堝11内の溶融液層17の体積を変
化させ、不純物を単結晶16の引き上げ中に添加するこ
となく溶融液層17中の不純物濃度を一定に維持する方
法である(特開昭61−205691 号、特開昭61
−205692 号、特開昭61−215285 号公
報)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した溶
融層厚一定法では、単結晶16の引き上げ中に不純物を
連続的に添加するが、この添加不純物を溶融液層17内
にて均一に拡散すべく溶融液の対流を十分行わせること
が望ましいが、溶融液を対流させると、石英製の内層保
持容器11a が溶解して酸素が溶出し、成長した単結
晶16中に酸素が含有され、結晶欠陥の原因となるため
、結晶内酸素含有量の低減上の観点からは対流は望まし
くなく、これら両条件を満足させるのが難しいという問
題があった。一方、溶融層厚変化法では不純物を単結晶
16の引き上げ中に添加しないため上述した如き不純物
が溶融液に十分に拡散されないことによる偏析は生じな
いが、坩堝11内の溶融液層17の体積の制御は、溶融
液層17の厚み(深さ)を制御することにより行なわれ
ねばならず、正確な体積の制御が難しいという問題があ
った。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり
、溶融液層の体積制御が容易で偏析を大幅に低減し得る
結晶成長方法を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】第1の本発明に係る結晶
成長方法は、坩堝内に溶融液層と、これと略同材質の固
体層とを上下に共存させ、前記固体層を溶解して溶融液
層の体積を略一定に保ちつつ結晶を成長させる方法にお
いて、結晶成長に先立ち結晶用原料及び結晶に含有させ
るべき不純物を坩堝内で溶融させる工程と、前記溶融液
を前記坩堝の底部側から凝固させて固体層を形成しつつ
、溶融液中にこれよりも低い濃度の不純物を含む結晶用
原料を溶融させていく工程とを含むことを特徴とする。 第2の本発明に係る結晶成長方法は、坩堝内に溶融液層
と、これと略同材質の固体層とを上下に共存させ、前記
固体層を溶解して溶融液層の体積を略一定に保ちつつ結
晶を成長させる方法において、結晶成長に先立ち結晶用
原料及び結晶に含有させるべき不純物を坩堝内で溶融さ
せる工程と、前記溶融液を前記坩堝の底部側から凝固さ
せて固体層を形成しつつ、溶融液層の深さを一定に維持
するに必要な結晶用原料及び溶融液中における不純物の
濃度比を固体層における不純物の濃度比と等しくするに
必要な不純物を溶融液中に投入しつつ溶融させる工程と
を含むことを特徴とする。 【0008】 【作用】第1の本発明にあってはこれによって、坩堝内
に不純物濃度が一定の固体層を存在させ得て、結晶成長
途中で不純物投入の必要がなく、しかも所定体積(所定
厚さ)に保った溶融液中の不純物濃度も一定に維持する
ことができて結晶中における不純物の偏析を抑制し得る
こととなる。また第2の本発明にあってはこれによって
、第1の本発明よりも大きな固体層を形成することがで
き、坩堝内の溶融液中の不純物限度比を固体層中の不純
物濃度比と一定に維持し得て同様に結晶中における不純
物の偏析を抑制し得ることとなる。 【0009】 〔原理〕 本発明においては坩堝内の固体層の不純物濃度Cso 
を一定とすれば、溶融液層の厚みを一定に保ちながら単
結晶を引き上げる過程で、溶融液層での初期不純物濃度
がCso/Ke (Keは実効偏析係数) の場合、引
き上げた単結晶に含まれる不純物濃度は一定になるとい
う原理を利用する。これは次の如くに証明される。単結
晶成長中における不純物の質量バランスに関して、単結
晶内での不純物の拡散を無視すると下記(1) 式が成
立する。 【0010】 【数1】 【0011】但し、 gs:単結晶用原料及び不純物の全重量Wに対する単結
晶引き上げ総重量の比率 Cs(g) :比率gの時の単結晶中の溶融液と接する
界面における不純物濃度 Css(g):比率gの時の固体層と溶融液層とが接す
る界面における不純物濃度 Cl(gs):比率がgsのときの溶融液中の不純物濃
度gl(gs):比率がgsのときのWに対する坩堝内
の溶融液重量の比率 A:定数 上記(1) 式をgsにて微分すると、【0012】 【数2】 【0013】ここで溶融液層厚みが一定ならばglは一
定、またCss(g)=Cso(定数)、Cs= Ke
Cl であるから下記(3) 式を得る。 【0014】 【数3】 【0015】ここで未定係数法を用いて下記(4) 式
を(3) 式に代入すると下記(5) 式が得られる。 【0016】Cs=f(gs) e−(Ke・ gs)
/gl…(4) 【0017】 【数4】 【0018】従ってgs=0の時、Cl=Cso /K
eならば、Cs=f(0) =Cso であるから下記
(6)式が成立する。 【0019】 【数5】 【0020】(4),(6) 式より下記(7) 式が
成立し、単結晶中の不純物濃度は一定となる。 【0021】Cs(gs)=Cso     …(7)
 【0022】ところでこれを実現するためには坩堝内
に不純物濃度が一定の固体層を形成し得ればよいことと
なるが、これには次の4つの方法が考えられる。■坩堝
内の結晶用原料を一旦全部溶かした後、不純物を投入し
て溶融し、坩堝の底の方から固体層を形成してゆく過程
で、固体層に一定濃度の不純物が含まれるよう、インゴ
ット原料を坩堝内の溶融液に溶かし込む方法。■  坩
堝内の結晶用原料を一旦全部溶かした後、不純物を投入
して溶融し、坩堝の底の方から固体層を形成してゆく過
程で固体層に含まれて不純物の濃度が略一定になるよう
、顆粒状原料(チップ)を坩堝内の溶融液に溶かし込む
方法。 【0023】■  坩堝内の結晶用原料を一旦全部溶か
した後、不純物を投入して溶融し、坩堝の底の方から固
体層を形成してゆく過程で、溶融液層の厚みを一定に保
つようインゴット原料を溶かし込むと共に、その溶かし
たインゴット原料の量に対して、固体層の不純物濃度比
と一致させるに必要な不純物を溶かし込む方法。■  
坩堝内の結晶用原料を一旦全部溶かした後、不純物を投
入して溶融し、坩堝の底の方から固体層を形成してゆく
過程で、溶融液層の厚みを一定に保つよう顆粒状原料を
溶かし込むと共に、その溶かした顆粒状原料の量に対し
て、固体層の不純物濃度比と一致させるに必要な不純物
を溶かし込む方法。以下このような方法で不純物の濃度
が一定の固体層の形成が可能となることを説明する。 【0024】先ず前記■,■の方法の場合についてみる
と、坩堝内底部に固体層を形成している状態における不
純物の質量バランスに関し、下記の(8) 式が成立す
る。 なお、固体層内での不純物の拡散を無視するものとする
。 【0025】 【数6】 【0026】但し、 gs:単結晶用原料及び不純物の全重量Wに対する形成
した固体層総重量の比率 Cs(g) :比率gの時の固体層と溶融液層とが接す
る界面における不純物濃度 Cl(gs):比率gsの時の溶融液層中の不純物濃度
gl(gs):比率がgsのときの全重量Wに対する坩
堝内の溶融液層重量の比率 A:定数 上記(8) 式をgsにて微分すると、下記(9) 式
が得られる。 【0027】 【数7】 【0028】但し、 Cs(gs):比率がgsの時の固体層中の不純物濃度
Cl:溶融液層中の不純物濃度 gl:全重量Wに対する溶融液重量の比率ところで、固
体層−溶融液界面(以下固液界面という)では、 【0029】Cs(gs)=Ke・Cl(gs)…(1
0)【0030】但し、Ke:実効偏析係数が成立する
ので、上記(9) 式は下記(11)式のようになる。 【0031】 【数8】 【0032】この(11)式において、左辺第1項中の
dgl /dgs を、 【0033】dgl /dgs =−Ke  …(12
)【0034】とすると、固体層の形成が完了するまで
glを零とするような結晶成長は実質的に行われないか
ら、左辺第2項中のgl/Keは結晶成長中零とはなら
ず、下記(13)式が成立する。 【0035】dCs /dgs =0  …(13)【
0036】従って、上記(12),(13) 式より単
結晶成長途中のある時点でのgs(全重量Wに対する固
体層総重量の比率)の変化量に対するgl(全重量Wに
対する坩堝内の溶融液重量の比率)の変化量の比を−K
e(実効偏析係数の負の値)に一致させることにより、
gs変化量に対するCs(固体層中の不純物濃度)の変
化量が零となる。 【0037】これは実効偏析係数Keに基づいて固液界
面で不純物濃度に差が生じ、仮に溶融液が固体層の形成
開始から終了までの間で補充されないとすると、当然溶
融液中の不純物濃度は徐々に高くなるが、gsの変化量
に対するglの変化量の比が−Keとなるように原料イ
ンゴット, 或いは顆粒状原料(チップ)を補充するこ
とにより、溶融液中の不純物濃度が常に一定に保たれ、
またこれにより固体層中の不純物濃度がその形成方向に
常に一定に維持されるからである。なおこの過程での溶
融液層厚の制御は溶融液層厚さの測定が容易なため正確
に行い得る。 【0038】またこの方法で固体層を形成した場合、溶
融液中の不純物濃度Clは、固体層中の不純物濃度をC
so とするとCso /Keに保たれているので、所
定厚さの固体層が形成された時、残っている溶融液を使
って更に単結晶を引き上げられるという利点もある。 【0039】次に■,■の方法の場合についてみると前
述の場合と同様に坩堝内の底部に固体層を形成している
状態における不純物の質量バランスに関し、前記(8)
 式に対応する下記 (8)′式が成立する。なお、固
体層内での不純物の拡散を無視するものとする。 【0040】 【数9】 【0041】但し、Ct(g) :比率gの時の溶融液
中に投入した不純物濃度上記 (8)′式をgsにて微
分すると、前記(9) 式に対応する (9)′式が得
られる。 【0042】 【数10】 【0043】但し、Ct(gs):比率gsの時の溶融
液中に投入した不純物濃度ところで、固体層−溶融液界
面(以下固液界面という)では、前述した(10)式が
成立するので、上記 (9)′式は前記(11)式と対
応する下記(11)′式の如くになる。 【0044】 【数11】 【0045】この(11)′式において、左辺第一項中
のdgl /dgs を零、即ちdgl /dgs =
0とし、またCs=Ctとすると前述の場合と同様に(
13)式が成立する。従ってgl (全重量Wに対する
坩堝内の溶融液重量の比率)を一定に保持し、固体層に
取り込まれた量(glを保つために入れた原料に対する
固体層の不純物濃度比にあたる量) の不純物を溶かす
ことによってgsの変化量に対するCs (単結晶中の
不純物濃度) の変化量が零となり偏析を防止できるこ
ととなる。 【0046】これは実効偏析係数Keに基づいて固液界
面で不純物濃度に差が生じ、仮に溶融液に不純物を補充
することがなくても溶融液が固体層の形成開始から終了
までの間で補充されないとすると、当然溶融液中の不純
物濃度は徐々に高くなるが、溶融液量を一定に保つよう
に原料インゴット、顆粒状原料(チップ) を補充し、
固体層に取り込まれた量 (補充した原料に対する固体
層不純物濃度比と対応する量) の不純物を溶融液に投
入することにより、溶融液中の不純物濃度が常に一定に
保たれ、またこれにより固体層中の不純物濃度がその形
成方向に常に一定に維持されるからである。この方法で
固体層を形成した場合は、前述した■, ■の方法の利
点に加えて大きな固体層の形成が可能で、坩堝の底部が
溶融液の熱で劣化しにくくなり、坩堝の長期間使用が可
能になるという利点がある。 【0047】 【実施例】以下、本発明方法をその実施状態を示す図面
に基づいて具体的に説明する。 (実施例1) 図1は本発明方法の実施状態を示す模式的断面図であり
、図中21はチャンバを示している。チャンバ21は軸
長方向を垂直とした略円筒形状の真空容器であり、チャ
ンバ21の略中央位置に坩堝23が配設され、その外周
には、誘導加熱コイル等で構成されるヒータ22が昇降
可能に配設され、更にヒータ22の外側には、保温筒3
0が周設されている。坩堝23は、有底円筒状をなす石
英製の内層保持容器23a とこの内層保持容器23a
 の外側に嵌合された同じく有底円筒形状をなす黒鉛製
の外層保持容器23b とから構成されている。この坩
堝23の外層保持容器23bの底部には、坩堝23を回
転、並びに昇降させる軸29が設けられ、坩堝23とヒ
ータ22との相対的な上下方向位置調節によって坩堝2
3内の溶融液層27,固体層28夫々の厚さを相対的に
調節し得るようになっている。 【0048】一方、坩堝23の上方には、チャンバ21
の上部に連設形成された小形の略円筒形状のプルチャン
バ31を通して、引き上げ軸24が回転、並びに昇降可
能に垂設されており、引き上げ軸24の下端には図示し
ないチャックを用いて種結晶25が着脱可能に装着され
ている。そして、この種結晶25の下端を溶融液層27
中に浸漬した後、これを回転させつつ上昇させることに
より、種結晶25の下端に単結晶26を成長させていく
ようになっている。 【0049】以上のように構成された装置を用いて本発
明方法の実施手順を具体的に説明する。先ず坩堝23内
に結晶用原料である初期溶融液分の塊状、又は顆粒状の
多結晶シリコンを投入する。ヒータ22を加熱し、坩堝
23内の多結晶シリコンを一旦全て溶かした後、不純物
として例えばリンを投入し、リンを溶融拡散させる。そ
の後本発明方法においては、図2に示す如く引き上げ軸
24のチャック32にインゴットシリコン33を取り付
け、坩堝23,引き上げ軸24を回転させながらインゴ
ットシリコン33を溶融液に溶かし込みつつヒータ22
の温度制御、位置制御によって溶融液層27の厚み(深
さ)を(12)式に示す如く、不純物の実効偏析係数の
負の値−Keに一致するように減少させて固体層28を
形成する。 【0050】図3は固体層28及び溶融層27の層厚の
測定態様を示す説明図であり、図3に示すようにワイヤ
ー44の先に取り付けた石英製の管45を溶融層27中
に挿入することによって測定する。この層厚の変化を測
定することによって、上記のように溶融層27の厚さが
(12)式に従って変化するように制御する。 【0051】以上のように固体層28を形成した後、溶
融層の厚みを一定に保つようにヒータ22の温度制御、
位置制御によって固体層28を溶融させながら、図1に
示した如くにして溶融液層27に種結晶25の下端を浸
漬し、引き上げ軸24を回転させつつ単結晶26を引き
上げる。これによって先に述べた原理により溶融液層2
7中の不純物濃度が一定に保たれ、種結晶の下端に不純
物の偏析のない単結晶を成長させることができる。坩堝
23、引き上げ軸24を回転させながら行うのは、溶融
液層内の不純物濃度を一様にするためである。 【0052】(実施例2)図4は実施例2の実施状態を
示す模式的縦断面図である。この実施例2においては坩
堝23内に固体層28を形成する過程で、図2に示す如
きインゴットシリコン33に代えて原料供給装置51に
より顆粒状原料(チップ)53を少しづつ溶融液層27
に投入しながら実施例1の場合と同様な制御を行いつつ
固体層28を形成する。この方法の場合、固体層28及
び溶融層27の層厚は実施例1と同様な手段で測定する
。 【0053】なお、実施例1,2において溶融液中に投
入するインゴットシリコン,顆粒状シリコン等の原料の
組成は、結晶に含有させるべき不純物を含むものであっ
ても差し支えない。この場合、不純物の濃度は最初に坩
堝内で溶融させる溶融液の濃度より低くなければならな
い。 【0054】実施例1,2に示した方法により、固体層
形成開始時における坩堝23内のシリコン溶融液重量を
35kgとした後、固体層28の形成を開始し、35k
gのインゴットシリコン、若しくはチップを補充しなが
ら固体層28を約54kg形成し、その後溶融液層27
を約16kgに保ちながら直径6インチ、長さ約70c
mのシリコン単結晶を成長させ、その抵抗率分布を測定
した。 【0055】その結果を図5のグラフに示す。グラフは
横軸にgs (単結晶用原料及び不純物の全重量に対す
る単結晶引上げ総重量の比率) を、また縦軸に抵抗率
分布(ρ/ρ0 ) をとって示してあり、グラフ中○
は実施例1を用いて得たシリコン単結晶の抵抗率分布を
、また●は実施例2を用いて得たシリコン単結晶の各抵
抗率分布を示している。なおグラフ中の破線は、従来の
チョクラルスキー法により形成されたシリコン単結晶の
抵抗率分布を示している。 【0056】図5から明らかな如く、従来のチョクラル
スキー法により形成されたシリコン単結晶に比べて、上
記実施例1,2に係る装置を用いて形成されたシリコン
単結晶は、単結晶の成長に伴う抵抗率の分布のバラツキ
が±10%の範囲内に納まっており、不純物の偏析が大
幅に低減されていることがわかる。なお、本発明の方法
はシリコン単結晶ばかりでなく、GaAsの結晶成長等
にも適用可能である。 【0057】(実施例3)図6は実施例3の実施状態を
示す模式的縦断面図である。この実施例3においては坩
堝23内に初期結晶用原料として投入した原料を一旦全
て溶融した後、不純物を不純物投入口20から投入し、
溶融拡散した後、チャック32にインゴットシリコン3
3を取り付け、坩堝23, 引き上げ軸24を回転させ
て溶融しつつ、溶融液層深さを予め定めた値に維持した
状態で坩堝23の底に固体層28を形成し、同時にイン
ゴットシリコン33の溶融量に対応して、溶融液層27
における不純物濃度比が固体層28における不純物濃度
比と等しくなるように不純物投入口20より、不純物を
投入して溶融拡散させる。他の構成及び作用は実施例1
の場合と実質的に同じであり、対応する部分には同じ番
号を付して説明を省略する。 【0058】(実施例4)図7は本発明の実施例4の実
施状態を示す模式的縦断面図である。この実施例4にあ
っては実施例3のインゴットシリコンに代えて顆粒状シ
リコン53を投入する。即ち坩堝23内に初期結晶用原
料として投入した原料を一旦全部溶かした後、不純物を
投入し、これを溶融拡散した後、固体層28の形成を開
始するが、溶融液層の厚さを予め定めた値に保持すべく
固体層28の形成に伴って原料供給装置51から顆粒状
原料 (チップ) 53を投入し、また同時に不純物投
入口20から投入した顆粒状原料に対応して溶融液層2
7における不純物濃度比が固体層28における不純物濃
度比と等しくなるよう不純物を投入する。他の構成及び
作用は実施例1,2の場合と実質的に同じであり、対応
する部分に同じ番号を付して説明を省略する。 【0059】 【発明の効果】以上の如く第1の本発明方法にあっては
予め固体層に不純物濃度が一様になるように不純物を入
れてあるので不純物を途中で添加することなく、溶融液
層の厚さを一定に保つことにより、容易に結晶中におけ
る不純物の偏析を阻止できる。また第2の本発明方法で
は溶融液層の体積制御により溶融液層の厚さを一定に保
ち、固体層の形成に伴って結晶用原料及び不純物を加え
ることとしているから溶融液層中の不純物濃度を一定に
維持することで不純物濃度が一様な大きな固体層を形成
できることによって結晶中の不純物濃度の結晶成長方向
における偏析を大幅に低減し得る等本発明は優れた効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施状態を示す模式的縦断面図で
ある。
【図2】本発明方法における結晶用原料の供給態様を示
す模式的断面図である。
【図3】本発明方法における固体層,溶融層の厚さ(深
さ)の測定態様を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例2の実施状態を示す模式的断面
図である。
【図5】本発明の実施例1,2及び従来法により得たシ
リコン単結晶における抵抗率分布の測定結果を示すグラ
フである。
【図6】本発明の実施例3の実施状態を示す模式図であ
る。
【図7】本発明の実施例4の実施状態を示す模式図であ
る。
【図8】従来の結晶成長方法の実施状態を示す模式的縦
断面図である。
【図9】従来の結晶成長方法の他の実施状態を示す模式
的縦断面図である。
【符号の説明】
22    ヒータ 23    坩堝 24    引き上げ軸 27    溶融液層 28    固体層 33    インゴットシリコン 51    原料供給装置 53    顆粒状シリコン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  坩堝内に溶融液層と、これと略同材質
    の固体層とを上下に共存させ、前記固体層を溶解して溶
    融液層の体積を略一定に保ちつつ結晶を成長させる方法
    において、結晶成長に先立ち結晶用原料及び結晶に含有
    させるべき不純物を坩堝内で溶融させる工程と、前記溶
    融液を前記坩堝の底部側から凝固させて固体層を形成し
    つつ、溶融液中にこれよりも低い濃度の不純物を含む結
    晶用原料を溶融させていく工程とを含むことを特徴とす
    る結晶成長方法。
  2. 【請求項2】  坩堝内に溶融液層と、これと略同材質
    の固体層とを上下に共存させ、前記固体層を溶解して溶
    融液層の体積を略一定に保ちつつ結晶を成長させる方法
    において、結晶成長に先立ち結晶用原料及び結晶に含有
    させるべき不純物を坩堝内で溶融させる工程と、前記溶
    融液層を前記坩堝の底部側から凝固させて固体層を形成
    しつつ、溶融液層の深さを一定に維持するに必要な結晶
    用原料及び溶融液中における不純物の濃度比を固体層に
    おける不純物の濃度比と等しくするに必要な不純物を溶
    融液中に投入しつつ溶融させる工程とを含むことを特徴
    とする結晶成長方法。
JP3545491A 1990-04-11 1991-02-04 結晶成長方法 Pending JPH04214091A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5402747A (en) * 1992-06-16 1995-04-04 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method of growing crystal

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63252989A (ja) * 1987-04-08 1988-10-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 引上法による半導体単結晶の製造方法

Patent Citations (1)

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