JPH04210453A - 低温靱性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼管及びその製造方法。 - Google Patents
低温靱性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼管及びその製造方法。Info
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- JPH04210453A JPH04210453A JP41014590A JP41014590A JPH04210453A JP H04210453 A JPH04210453 A JP H04210453A JP 41014590 A JP41014590 A JP 41014590A JP 41014590 A JP41014590 A JP 41014590A JP H04210453 A JPH04210453 A JP H04210453A
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- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
[00011
【産業上の利用分野]この発明は、油井用の13wt%
Crマルテンサイト系ステンレス鋼管に関するものであ
る。 (0002] 1.3wt%Crマルテンサイト系ステ
ンレス鋼管(以下、単に13wt%Cr鋼管という)は
、CO2を含んだ環境の油井あるいはガス井に油井鋼管
として多く用いらねている。この13wt%Cr鋼管は
、API(アメリカ石油協会)、 5CT、 P (
1988−3)にもあるように、通常は焼ならしく空気
焼入れ)、焼もどしの熱処理によって製造され、その成
分組成もSUS 420 Jlとほぼ同等である。 [0003]ところで、従来油井鋼管に用いられる材料
は耐食性が要求されることはあっても低温靭性が要求さ
れることは稀であったが、1988年7月北海油田で爆
発事故が発生するにおよび、油井鋼管にも低温靭性が要
求されるようになってきた。しかし、上記したこれまで
の13wt%Cr鋼管は特別に寒冷地での低温靭性に考
慮が加えられたものとはなっていない。 [00043 【従来の技術]低温靭性を改善する方法として、さきに
発明者を含む研究集団は、材料とプロセス、3、[3)
、p、898 (1990)にて、オースフォーミン
グを適用する方法を開示した。また、別に特開昭63−
241117号公報でも、一種の加工熱処理(Ther
moMeehanical Contr。 fling Process) を利用する方法が開示
されている。 [0005)Lかし、これらは何れも圧延方法を改良し
て低温靭性を改善しようとするものであるから、造管後
に、管端を増肉する必要があるアプセットタイプの油井
鋼管には適用できないという問題があった。 (0006]すなわち、アプセットタイプの鋼管は造管
後、管端をアプセットし、熱処理を施すので(13wt
%Cr鋼管の場合、焼ならし、焼もどし処理)、圧延方
法の改良によって低温靭性を改善しても、アプセット後
の熱処理により低温靭性の改善効果が消失してしまい適
用できなくなる。 [0007] 【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記した
従来技術のように、圧延方法の改良により低温靭性を改
善する方法の欠点を排除し、アプセットタイプの油井鋼
管に適用しても低温靭性をそこなうことのない耐食性の
良好なマルテンサイ1へ系ステンレス鋼管、及びその製
造方法を提供しようとするものである。 [0008]
Crマルテンサイト系ステンレス鋼管に関するものであ
る。 (0002] 1.3wt%Crマルテンサイト系ステ
ンレス鋼管(以下、単に13wt%Cr鋼管という)は
、CO2を含んだ環境の油井あるいはガス井に油井鋼管
として多く用いらねている。この13wt%Cr鋼管は
、API(アメリカ石油協会)、 5CT、 P (
1988−3)にもあるように、通常は焼ならしく空気
焼入れ)、焼もどしの熱処理によって製造され、その成
分組成もSUS 420 Jlとほぼ同等である。 [0003]ところで、従来油井鋼管に用いられる材料
は耐食性が要求されることはあっても低温靭性が要求さ
れることは稀であったが、1988年7月北海油田で爆
発事故が発生するにおよび、油井鋼管にも低温靭性が要
求されるようになってきた。しかし、上記したこれまで
の13wt%Cr鋼管は特別に寒冷地での低温靭性に考
慮が加えられたものとはなっていない。 [00043 【従来の技術]低温靭性を改善する方法として、さきに
発明者を含む研究集団は、材料とプロセス、3、[3)
、p、898 (1990)にて、オースフォーミン
グを適用する方法を開示した。また、別に特開昭63−
241117号公報でも、一種の加工熱処理(Ther
moMeehanical Contr。 fling Process) を利用する方法が開示
されている。 [0005)Lかし、これらは何れも圧延方法を改良し
て低温靭性を改善しようとするものであるから、造管後
に、管端を増肉する必要があるアプセットタイプの油井
鋼管には適用できないという問題があった。 (0006]すなわち、アプセットタイプの鋼管は造管
後、管端をアプセットし、熱処理を施すので(13wt
%Cr鋼管の場合、焼ならし、焼もどし処理)、圧延方
法の改良によって低温靭性を改善しても、アプセット後
の熱処理により低温靭性の改善効果が消失してしまい適
用できなくなる。 [0007] 【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記した
従来技術のように、圧延方法の改良により低温靭性を改
善する方法の欠点を排除し、アプセットタイプの油井鋼
管に適用しても低温靭性をそこなうことのない耐食性の
良好なマルテンサイ1へ系ステンレス鋼管、及びその製
造方法を提供しようとするものである。 [0008]
【課題を解決するための手段】この発明は、圧延方法の
改良によるものではなく、成分組成及び熱処理条件を適
正化して良好な低温靭性、耐食性を得ようとするもので
、かくすることにより、アプセット後に熱処理ができる
ため、アプセット油井鋼管にも支障なく適用できるもの
である。 [0009]そして、低温靭性を良好にするためには、
結晶粒度を小さくすることが有効であるが、その達成手
段として、V、Ti及びNbなどの炭窒化物生成成分を
加えて、焼ならし時の結晶粒の粗大化を防ぐとともに、
急速加熱による焼ならし処理とすることにより、高温で
の滞留時間を極力短かくして結晶粒の粗大化を防止する
ものであり、 [001ONさらに、Ni含有量を規制して、CO2環
境下での耐食性の劣化を防止するものである。 [00111すなわち、その要旨は、 C: 0.17wt%以上0.25wt%以下、Si
: 0.30wt%以下、 Mn : 0.40wt%以上o、 80wt%以下、
Cr : 12wt%以上 14wt%以下、Ni :
0. oswt%以上0.9wt%以下、及びN:0
.02wt%以上o、 05wt%以下、を含み、さら
に、V、 Ti、 Nbのうち1種以上を合計で0゜0
211%以上0.08wt%以下、の範囲で含有し、残
部は鉄及び不可避不純物の組成になり、CO211境下
で良好な耐食性を有することを特徴とする低温靭性の優
れるマルテンサイト系ステンレス鋼管であり、さらに、
−上記成分組成になる鋼を素材として、熱間加工にて造
管し、その鋼管をA、c 3点部度からの昇温速度を1
00℃/分以上として1000℃以下の所定温度まで加
熱し、10秒以上60秒以下の時間保持した後空冷する
、焼ならし処理を行ない、その後、A、1点以下の温度
で焼もどし処理を施すことを特徴とする低温靭性に優れ
るフルテンサイ1−系ステンレス鋼管の製造方法である
。 [001,2]ここで、所定温度とは1.Ac、+点部
度を超え1000℃以下の温度範囲内で定められる温度
をいう。 [0013]
改良によるものではなく、成分組成及び熱処理条件を適
正化して良好な低温靭性、耐食性を得ようとするもので
、かくすることにより、アプセット後に熱処理ができる
ため、アプセット油井鋼管にも支障なく適用できるもの
である。 [0009]そして、低温靭性を良好にするためには、
結晶粒度を小さくすることが有効であるが、その達成手
段として、V、Ti及びNbなどの炭窒化物生成成分を
加えて、焼ならし時の結晶粒の粗大化を防ぐとともに、
急速加熱による焼ならし処理とすることにより、高温で
の滞留時間を極力短かくして結晶粒の粗大化を防止する
ものであり、 [001ONさらに、Ni含有量を規制して、CO2環
境下での耐食性の劣化を防止するものである。 [00111すなわち、その要旨は、 C: 0.17wt%以上0.25wt%以下、Si
: 0.30wt%以下、 Mn : 0.40wt%以上o、 80wt%以下、
Cr : 12wt%以上 14wt%以下、Ni :
0. oswt%以上0.9wt%以下、及びN:0
.02wt%以上o、 05wt%以下、を含み、さら
に、V、 Ti、 Nbのうち1種以上を合計で0゜0
211%以上0.08wt%以下、の範囲で含有し、残
部は鉄及び不可避不純物の組成になり、CO211境下
で良好な耐食性を有することを特徴とする低温靭性の優
れるマルテンサイト系ステンレス鋼管であり、さらに、
−上記成分組成になる鋼を素材として、熱間加工にて造
管し、その鋼管をA、c 3点部度からの昇温速度を1
00℃/分以上として1000℃以下の所定温度まで加
熱し、10秒以上60秒以下の時間保持した後空冷する
、焼ならし処理を行ない、その後、A、1点以下の温度
で焼もどし処理を施すことを特徴とする低温靭性に優れ
るフルテンサイ1−系ステンレス鋼管の製造方法である
。 [001,2]ここで、所定温度とは1.Ac、+点部
度を超え1000℃以下の温度範囲内で定められる温度
をいう。 [0013]
【作用】こ才1まで、V、 Ti、及びNbはフェライ
l−生成成分であることから、13wt%Cr鋼管に、
これらの成分が含よねていると、δ (デルタ)フェラ
イトが生成しやすく、造管時の欠陥発生の一因となるた
め極力低減されてきた。 [0014]この発明では、これらの成分の結晶粒の微
細化効果に重点を置き、そのマイナス面であるδフエラ
イ1−の生成を、C量の増加、Si量の低減、Niの添
加で抑制することに着眼した。 [00153以下に、この発明の成分組成範囲の限定理
由について述べる。 [0016] C:API規格5CTでは0115wt
%以F−o。22wt%2wt%以下いるが、V、 T
i、及びNb添加によるδフエライト生成傾向を抑制す
るため、こねより高い範囲に設定する必要がある。すな
わち、(L25wt%を超えると、強度−4−昇が大き
くなって低温靭性が劣化
l−生成成分であることから、13wt%Cr鋼管に、
これらの成分が含よねていると、δ (デルタ)フェラ
イトが生成しやすく、造管時の欠陥発生の一因となるた
め極力低減されてきた。 [0014]この発明では、これらの成分の結晶粒の微
細化効果に重点を置き、そのマイナス面であるδフエラ
イ1−の生成を、C量の増加、Si量の低減、Niの添
加で抑制することに着眼した。 [00153以下に、この発明の成分組成範囲の限定理
由について述べる。 [0016] C:API規格5CTでは0115wt
%以F−o。22wt%2wt%以下いるが、V、 T
i、及びNb添加によるδフエライト生成傾向を抑制す
るため、こねより高い範囲に設定する必要がある。すな
わち、(L25wt%を超えると、強度−4−昇が大き
くなって低温靭性が劣化
【7.0.17wt%未満では
、Siの低減、Niの添加の効果をもってしてもδフェ
ライトの生成を抑制することができなくなる。したがっ
て、その含有量は0.17wt%以上0.25wt%以
下とする。 [0017] Si :脱酸に必要な量だけ添加すれば
よいが、0.30wt%を超えて添加すると、δフェラ
イトの生成により造管性が劣化する。したがって、その
含有量の1−限を0.30wt%とする。 [00181Mn:強度を維持するのに必要な成分であ
り、0、・10wt%未満ではその効果が得られず、ま
た、0.80wt%を超えて含有するとCO2環境下で
の耐食性が劣化することから、その含有量は、0.40
wt%以」二〇、 80wt%以下とする。 [00191Cr:炭酸ガス腐食に対して、その腐食速
度を減少させるのに極めて有効な元素であるが、12w
t%未満では高温域での耐食効果が不十分でピッティン
グが発生し、14w t%を超えて含有させるとδフェ
ライトの生成率が高くなって、焼入れ時に好ましいマル
テンサイトを得ることができなくなる。したがって、そ
の含有量は1−2wt%以上14wt%以下とする。 [00201Ni:靭性向上及びδフエライト生成の抑
制に有効な成分であるが、0.05wt%未満では、た
とえV、Ti、及びNbによる結晶粒微細化効果があっ
ても、なお低温靭性は向上せず、また、0.9wt%を
超えて含有させるとCO2”M壇上でのピッティングや
微量H2S存在下での応力腐食割れに対する感受性が増
大するため、その含有量は0.05wt%以上0.9w
t%以下とする。 [00211N二窒化物生成により結晶粒粗大化抑制作
用があるため、ある程度必要であるが、0.02wt%
未満では窒化物の生成が少ないためその効果が小さく、
また。 0.05wt%を超えると靭性が劣化するため、その含
有量は0、02wt%以上0.05wt%以下とする。 [0022] V、Ti、Nb:いずれも窒素を固定し
、窒化物となって焼ならし熱処理時に結晶粒の粗大化を
抑制する同効成分で、その効果は各成分間で差がない。 したがって、これらの1種以上の成分の合計量を規定す
る。すなわち、0.02wt%未満では窒化物の析出が
少なく、結晶粒粗大化抑制効果が小さく、0.08wt
%を超えると強度上昇が大きくなり低温靭性が劣化する
ため、その含有量は0.02wt%以上0.08wt%
以下とする。 [0023]つぎに熱処理条件について述べる。13w
t%Cr油井鋼管は通常、焼ならし焼もどし処理を施す
が、この発明の成分組成範囲の鋼を用いて、通常の焼な
らし焼もどし処理を施せば良好な低温靭性は得られるが
、この発明は、さらに焼ならし焼もどし条件を適正化す
ることにより、より優れた低温靭性を得ようとするもの
である。すなわち、急速加熱を行ない、かつ、オーステ
ナイト化の加熱温度及び加熱保持時間を規制し、低温靭
性を劣化させる結晶粒の粗大化を抑制するものである。 以下に熱処理条件の規制理由を述べる。 [00241A=3変態点温度からの昇温速度が1゜0
0℃/分より小さいと結晶粒の粗大化が無視できなくな
り、また、加熱温度が1000℃を超えると結晶粒が粗
大化することからともに低温靭性を劣化させる。 [0025]さらに、加熱保持時間は、10秒未満では
オーステナイト化が不十分であり、60秒を超えても結
晶粒の粗大化は顕著には現われないが、生産性を低下さ
せる。 [0026] 【実施例】表1に示す成分組成を有する、この発明の適
合鋼7種類、比較鋼8種類の綱を用いて、外径177、
8mm、肉厚10.4mmの継目無鋼管を製造し、これ
らの鋼管について、表2に示す条件の熱処理を施し、8
0ks i (56,25kgf/mm2)の規格最小
降伏強さに調整した。 [0027)
、Siの低減、Niの添加の効果をもってしてもδフェ
ライトの生成を抑制することができなくなる。したがっ
て、その含有量は0.17wt%以上0.25wt%以
下とする。 [0017] Si :脱酸に必要な量だけ添加すれば
よいが、0.30wt%を超えて添加すると、δフェラ
イトの生成により造管性が劣化する。したがって、その
含有量の1−限を0.30wt%とする。 [00181Mn:強度を維持するのに必要な成分であ
り、0、・10wt%未満ではその効果が得られず、ま
た、0.80wt%を超えて含有するとCO2環境下で
の耐食性が劣化することから、その含有量は、0.40
wt%以」二〇、 80wt%以下とする。 [00191Cr:炭酸ガス腐食に対して、その腐食速
度を減少させるのに極めて有効な元素であるが、12w
t%未満では高温域での耐食効果が不十分でピッティン
グが発生し、14w t%を超えて含有させるとδフェ
ライトの生成率が高くなって、焼入れ時に好ましいマル
テンサイトを得ることができなくなる。したがって、そ
の含有量は1−2wt%以上14wt%以下とする。 [00201Ni:靭性向上及びδフエライト生成の抑
制に有効な成分であるが、0.05wt%未満では、た
とえV、Ti、及びNbによる結晶粒微細化効果があっ
ても、なお低温靭性は向上せず、また、0.9wt%を
超えて含有させるとCO2”M壇上でのピッティングや
微量H2S存在下での応力腐食割れに対する感受性が増
大するため、その含有量は0.05wt%以上0.9w
t%以下とする。 [00211N二窒化物生成により結晶粒粗大化抑制作
用があるため、ある程度必要であるが、0.02wt%
未満では窒化物の生成が少ないためその効果が小さく、
また。 0.05wt%を超えると靭性が劣化するため、その含
有量は0、02wt%以上0.05wt%以下とする。 [0022] V、Ti、Nb:いずれも窒素を固定し
、窒化物となって焼ならし熱処理時に結晶粒の粗大化を
抑制する同効成分で、その効果は各成分間で差がない。 したがって、これらの1種以上の成分の合計量を規定す
る。すなわち、0.02wt%未満では窒化物の析出が
少なく、結晶粒粗大化抑制効果が小さく、0.08wt
%を超えると強度上昇が大きくなり低温靭性が劣化する
ため、その含有量は0.02wt%以上0.08wt%
以下とする。 [0023]つぎに熱処理条件について述べる。13w
t%Cr油井鋼管は通常、焼ならし焼もどし処理を施す
が、この発明の成分組成範囲の鋼を用いて、通常の焼な
らし焼もどし処理を施せば良好な低温靭性は得られるが
、この発明は、さらに焼ならし焼もどし条件を適正化す
ることにより、より優れた低温靭性を得ようとするもの
である。すなわち、急速加熱を行ない、かつ、オーステ
ナイト化の加熱温度及び加熱保持時間を規制し、低温靭
性を劣化させる結晶粒の粗大化を抑制するものである。 以下に熱処理条件の規制理由を述べる。 [00241A=3変態点温度からの昇温速度が1゜0
0℃/分より小さいと結晶粒の粗大化が無視できなくな
り、また、加熱温度が1000℃を超えると結晶粒が粗
大化することからともに低温靭性を劣化させる。 [0025]さらに、加熱保持時間は、10秒未満では
オーステナイト化が不十分であり、60秒を超えても結
晶粒の粗大化は顕著には現われないが、生産性を低下さ
せる。 [0026] 【実施例】表1に示す成分組成を有する、この発明の適
合鋼7種類、比較鋼8種類の綱を用いて、外径177、
8mm、肉厚10.4mmの継目無鋼管を製造し、これ
らの鋼管について、表2に示す条件の熱処理を施し、8
0ks i (56,25kgf/mm2)の規格最小
降伏強さに調整した。 [0027)
【表1】
[0028]
【表2】
[0029]熱処理を施したこれらの鋼管について、引
張特性、2InIIVノツチシヤルピー衝撃試験(L方
向)による破面遷移温度、及び、75mm (長さ)X
lontm (幅)×211m(厚さ)の寸法の試験片
を用い図1に示す3点曲げ法により、1.0Xσy(σ
yは規格最小降伏強さで、56Kg/Inl12)の応
力を付加した状態で、50℃、5%NaCl水溶液、3
0atm CO2−0,01atm H2Sのオートク
レーブ中に2週間浸漬した後、腐食速度、及び割れを調
査した。 これらの結果をまとめて表3に示す。 [00301 【表3] [00313表3から明らかなように、この発明の適合
例の試料番号1か67は耐食性(腐食速度、割れ)及び
低温靭性(破面遷移温度)ともに優れているが、比較例
の試料番号8から15(この発明の成分組成範囲を外れ
るもの)、及び試料番号16から21(この発明の熱処
理条件を外れるもの)は耐食性及び低温靭性の両方又は
どちらか一方が劣っている。 [0032)特に、Niが0.95wt%と多い試料番
号14は腐食速度が大きく、割れが発生しており、 C
O2及びH2Sを含む高温高圧下の塩水中で耐食性が劣
ることを示している。 [0033N 【発明の効果]この発明は、13wt%マルテフマルテ
ンサイ1−レス鋼管の製造において、V、 Ti、 N
bの単独又は複合添加を含む成分組成範囲の規制と、急
速加熱による焼ならし、及びその後の焼もどしを施すこ
とにより、窒化物の生成と、熱処理条件に基づく結晶粒
の微細化を計るもので、この発明によれば、低温靭性と
CO2環境下での耐食性に優れる13wt%マルテンサ
イト系ステンレス鋼管を提供できる。
張特性、2InIIVノツチシヤルピー衝撃試験(L方
向)による破面遷移温度、及び、75mm (長さ)X
lontm (幅)×211m(厚さ)の寸法の試験片
を用い図1に示す3点曲げ法により、1.0Xσy(σ
yは規格最小降伏強さで、56Kg/Inl12)の応
力を付加した状態で、50℃、5%NaCl水溶液、3
0atm CO2−0,01atm H2Sのオートク
レーブ中に2週間浸漬した後、腐食速度、及び割れを調
査した。 これらの結果をまとめて表3に示す。 [00301 【表3] [00313表3から明らかなように、この発明の適合
例の試料番号1か67は耐食性(腐食速度、割れ)及び
低温靭性(破面遷移温度)ともに優れているが、比較例
の試料番号8から15(この発明の成分組成範囲を外れ
るもの)、及び試料番号16から21(この発明の熱処
理条件を外れるもの)は耐食性及び低温靭性の両方又は
どちらか一方が劣っている。 [0032)特に、Niが0.95wt%と多い試料番
号14は腐食速度が大きく、割れが発生しており、 C
O2及びH2Sを含む高温高圧下の塩水中で耐食性が劣
ることを示している。 [0033N 【発明の効果]この発明は、13wt%マルテフマルテ
ンサイ1−レス鋼管の製造において、V、 Ti、 N
bの単独又は複合添加を含む成分組成範囲の規制と、急
速加熱による焼ならし、及びその後の焼もどしを施すこ
とにより、窒化物の生成と、熱処理条件に基づく結晶粒
の微細化を計るもので、この発明によれば、低温靭性と
CO2環境下での耐食性に優れる13wt%マルテンサ
イト系ステンレス鋼管を提供できる。
【図1】腐食試験における3点曲げ応力付加法の概略説
明図である。
明図である。
1 試験片
2 ガラス製支持捧
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.17wt%以上0.25wt%以
下、Si:0.30wt%以下、Mn:0.40wt%
以上0.80wt%以下、Cr:12wt%以上14w
t%以下、Ni:0.05wt%以上0.9wt%以下
、及びN:0.02wt%以上0.05wt%以下、を
含み、さらに、V、Ti、Nbのうち1種以上を合計で
0.021%以上0.08wt%以下、の範囲で含有し
、残部は鉄及び不可避不純物の組成になり、CO_2環
境下で良好な耐食性を有することを特徴とする低温靭性
の優れるマルテンサイト系ステンレス鋼管。 - 【請求項2】C:0.17wt%以上0.25wt%以
下、Si:0.30wt%以下、Mn:0.40wt%
以上0.80wt%以下、Cr:12wt%以上14w
t%以下、Ni:0.05wt%以上0.9wt%以下
、及びN:0.02wt%以上0.05wt%以下、を
含み、さらに、V、Ti、Nbのうち1種以上を合計で
0.02wt%以上0.08wt%以下の範囲で含有し
、残部は不可避不純物の組成になる鋼を素材として、熱
間加工にて造管し、その鋼管をA_c_3点温度からの
昇温速度を100℃/分以上として1000℃以下の所
定温度にまで加熱し、10秒以上60秒以下の時間保持
した後空冷する、焼ならし処理を行い、その後、A_c
_1点以下の温度で焼もどし処理を施すことを特徴とす
るマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41014590A JPH04210453A (ja) | 1990-12-13 | 1990-12-13 | 低温靱性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼管及びその製造方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41014590A JPH04210453A (ja) | 1990-12-13 | 1990-12-13 | 低温靱性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼管及びその製造方法。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04210453A true JPH04210453A (ja) | 1992-07-31 |
Family
ID=18519351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41014590A Pending JPH04210453A (ja) | 1990-12-13 | 1990-12-13 | 低温靱性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼管及びその製造方法。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04210453A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0994199A1 (en) * | 1998-10-05 | 2000-04-19 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Stainless steel for gaskets and production thereof |
US6338762B1 (en) | 1998-09-04 | 2002-01-15 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Stainless steel for use in engine gaskets and a method for manufacturing thereof |
WO2004007780A1 (en) * | 2002-07-15 | 2004-01-22 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel seamless pipe and a manufacturing method thereof |
US7686897B2 (en) | 2002-07-15 | 2010-03-30 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel seamless pipe and a manufacturing method thereof |
-
1990
- 1990-12-13 JP JP41014590A patent/JPH04210453A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6338762B1 (en) | 1998-09-04 | 2002-01-15 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Stainless steel for use in engine gaskets and a method for manufacturing thereof |
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US6277215B1 (en) | 1998-10-05 | 2001-08-21 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Stainless steel fur gaskets |
KR100385342B1 (ko) * | 1998-10-05 | 2003-05-27 | 이시카와 가스킷 가부시키가이샤 | 가스킷용 스테인레스 강, 그의 제조방법 및 그에 따른 가스킷 |
WO2004007780A1 (en) * | 2002-07-15 | 2004-01-22 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel seamless pipe and a manufacturing method thereof |
CN100355914C (zh) * | 2002-07-15 | 2007-12-19 | 住友金属工业株式会社 | 马氏体不锈钢无缝管及其制造方法 |
US7686897B2 (en) | 2002-07-15 | 2010-03-30 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel seamless pipe and a manufacturing method thereof |
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