JPH0417649B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、体内挿入部内に挿入したチヤンネル
チユーブを、鉗子の挿入路と、吸引路とに兼用し
ている内視鏡の鉗子口装置に関する。

「従来技術およびその問題点」 内視鏡においては、像伝達光学繊維束、照明用
光学繊維束、送気送水チユーブ等の他に、操作部
の鉗子口から挿入した鉗子を体内挿入部の先端か
ら突出させるための鉗子挿入路と、体腔内の粘液
や空気を吸引する吸引路とが必要であるが、従来
この二つの通路は、体内挿入部内に配設するチヤ
ンネルチユーブで兼用させている。このため従来
の鉗子口装置は、直接的には鉗子口に導かれるチ
ヤンネルチユーブの鉗子口挿入部材を分岐管で分
岐させて、この分岐管に吸引チユーブを接続する
ようにしている。

他方、鉗子口は、内視鏡操作部の先端側に設け
るのが一般的であるが、操作部はその先端側程細
く形成する必要があるため、この鉗子口部分で、
操作部の内蔵物が最も混み合い、操作部内空間が
非常に狭いものとなる。すなわち、操作部から半
径方向に突出する分岐鉗子口管に固定されるチヤ
ンネルチユーブの鉗子口挿入部材と、この鉗子口
挿入部材から分岐させた分岐管とは、Ｙ字状また
はＴ字状をなすため、収納空間にに多くを要し、
このため操作部の内蔵物の配置や組立作業が困難
になる。特に、最近の内視鏡は、検査後に消毒液
に浸漬して洗浄することから、水密化が要請さ
れ、このため操作部を筒状カバーで覆うのが一般
化しているために、この困難が増している。さら
に内視鏡の組立工程から見ると、体内挿入部の前
部および操作部の後部から組立を開始し、この鉗
子口部分で最後の組立を行なうことも、これらの
困難の原因である。特開昭58−19221号は、これ
らの問題点を解消することを目的になされたもの
であるが、部品点数が多く、必ずしも組立が容易
ではないこと、および操作部内空間の確保が十分
でない点で、改良の余地がある。

「発明の目的」 本発明は、このような問題点を解消し、構造が
簡単で組立が容易、かつ操作部内空間を十分に確
保することができる鉗子口装置を得ることを目的
とする。

「発明の概要」 本発明は、チヤンネルチユーブの接続管と、吸
引チユーブを接続する分岐管とを有する鉗子口挿
入部材を組立工程の最後において、鉗子口カバー
の分岐鉗子口管内に導入固定するという発想に基
づいてなされたもので、内視鏡操作部の内部フレ
ームを構成する操作部支持部材の外側を、鉗子口
を構成する分岐鉗子口管を有する筒状の鉗子口カ
バーで覆う内視鏡の鉗子口装置において、チヤン
ネルチユーブの接続管と、吸引チユーブを接続す
べき分岐管を有する鉗子口挿入部材を設け、この
鉗子口挿入部材の移動方向を、操作部支持部材の
半径方向に規制し、そのチヤンネルチユーブ接続
管を分岐鉗子口管内に導くガイド機構を設け、こ
の鉗子口挿入部材を、鉗子口カバーに固定するよ
うにしたことを特徴としている。

「発明の実施例」 以下図示実施例について本発明を説明する。第
７図は内視鏡の全体図で、操作部１１は、把持部
カバー１２と、分岐鉗子口管１３を一体に有する
鉗子口カバー１４からなつており、この操作部１
１の先端に可撓性のある体内挿入部１５が接続さ
れ、後端部に接眼装置１６や吸引操作弁１７が設
けられている。周知のように、体内挿入部１５先
端の湾曲部１５ａは、操作部１１に設けた操作ノ
ブ１８を回動操作することにより湾曲する。１９
は、可撓性のある体内挿入部１５の折れ止めカバ
ーである。湾曲部１５ａの先端に設けた図示しな
い対物レンズで結像した像は、体内挿入部１５お
よび操作部１１内に配設した像伝達光学繊維束を
介して接眼装置１６で観察される。体内挿入部１
５および操作部１１内には、この他ライトガイド
ケーブル２０を介して照明光を導く照明用光学繊
維束、送気送水ボタン２１を操作して送気または
送水するための送気送水チユーブ等の内蔵物が収
納されている。

第１図は、上記鉗子口カバー１４部分の拡大断
面図である。分岐鉗子口管１３は鉗子口カバー１
４に対し傾斜させてろう付け等の手段で固定され
ており、鉗子口カバー１４の後端はＯリング２２
を介して把持部カバー１２に、前端は固定ねじ２
３によつて内部フレームとしての操作部支持体２
４に固定されている。操作部支持体２４は、その
後部親板部が操作部１１後端に固定されるもの
で、親板部には湾曲部１５ａの湾曲操作機構等が
支持されるが、その図示は省略している。この操
作部支持体２４の前部は、第２図に示すように、
左右一対の支持脚２５，２５と、この支持脚２
５，２５先端の還状部２６を有しており、環状部
２６の内側に、体内挿入部１５の固定口金２８が
口金押え２９を介して固定され、外側に、上記折
れ止めカバー１９が螺合固定されている。

一対の支持脚２５は、半周状の固定環３０によ
つて接続されていて、この固定環３０に設けたね
じ孔３１に上記固定ねじ２３が螺合され、またこ
の固定環３０の後側に、同じく半周状の位置決め
環３２の中央部を切り欠いて、鉗子口挿入部材３
３の挿入部３４が形成されている。

鉗子口挿入部材３３は、第１図、第２図に示す
ように、チヤンネルチユーブ接続管３６と、これ
から分岐させた分岐管３７とを、ろう付け等の手
段で一体に固定して有しており、この接続管３
６、分岐管３７にそれぞれ、チユーブ固定コイル
３８，３９を介してチヤンネルチユーブ４０と、
吸引チユーブ４１が固定されている。両チユーブ
はともに可撓管からなるもので、チヤンネルチユ
ーブ４０は、体内挿入部１５内を通つて、体内挿
入部１５先端の図示しない鉗子突出口に連通して
おり、吸引チユーブ４１は操作部１１に設けた吸
引操作弁１７に連通し、吸引操作弁１７はさらに
吸引源に接続される。

鉗子口挿入部材３３の外面には、第２図、第３
Ｂ図に示すように、一対のフランジ４３ａ，４３
ａと、このフランジ間の係止溝４３ｂが形成さ
れ、フランジ４３ａ，４３ａにはその両側に回り
止め平面４２，４２が形成されている。係止溝４
３ｂは、分岐鉗子口管１３の内面に形成した半環
状の抜け止め突起４４（第３Ａ図参照）と対応す
るもので、さらにフランジ４３ａ，４３ａの一部
には鉗子回り止め溝４５が穿設されている。この
抜け止め突起４４の反対側には、鉗子口挿入部材
３３を引き上げるに十分な空間が確保されてい
る。

分岐鉗子口管１３内には、外側から鉗子口体４
６が挿入できるようになつていて、この鉗子口体
４６の先端に、この鉗子回り止め溝４５に挿入さ
れる回り止め突起４７が形成されている（第４
図）。鉗子口体４６には、注射器のテーパに適合
するテーパの注射器挿入口４８が形成されてい
る。４９は、押え環で、分岐鉗子口管１３の入口
部に螺合され、鉗子口体４６を鉗子口挿入部材３
３および抜け止め突起４４に押し付け固定する。

本発明の最大の特徴は、この鉗子口挿入部材３
３が組立前においては、操作部支持体２４内を半
径方向に移動し得る点、特に鉗子口カバー１４の
径内に移動させ得る点にある。すなわち上記構成
の本装置は、組立に当り、操作部１１内の後部に
操作部支持体２４の後部を固定した後、把持部カ
バー１２を被せ、このカバー１２を止め環５０で
操作部支持体２４の外側に固定する。また組立て
た体内挿入部１５の後端の固定口金２８を、口金
押え２９を介して操作部支持体２４の先端に固定
する。この状態では、操作部支持体２４は、開放
されているから、支持脚２５，２５の間の隙間か
ら、操作部支持体２４内に指先を入れて組立作業
を行なうことができる。

この組立作業において、体内挿入部１５内に挿
入されているチヤンネルチユーブ４０の後端を鉗
子口挿入部材３３の接続管３６にチユーブ固定コ
イル３８を用いて固定し、把持部カバー１２側に
挿入されている吸引チユーブ４１の先端をチユー
ブ固定コイル３９を用いて分岐管３７に固定す
る。そうすると、鉗子口挿入部材３３は、可撓管
からなるチヤンネルチユーブ４０と、吸引チユー
ブ４１によつて、鉗子口カバー１４の半径方向に
移動できることとなる。そしてこの後、鉗子口カ
バー１４を操作部支持体２４に被せて、把持部カ
バー１２側に移動させるが、このときに鉗子口挿
入部材３３を内側に移動させて、鉗子口カバー１
４と干渉しないようにする。鉗子口カバー１４を
Ｏリング２２を介して把持部カバー１２の先端部
内側に嵌めたら、操作部支持体２４を固定ねじ２
３で固定環３０に固定する。この状態で、今度は
分岐鉗子口管１３からピンセツトを入れて鉗子口
挿入部材３３を引き上げ、その回り止め平面４
２，４２を操作部支持体２４の挿入部３４に嵌め
るとともに、係止溝４３ｂを分岐鉗子口管１３内
面の抜け止め突起４４に嵌める。次いで分岐鉗子
口管１３内に鉗子口体４６を入れてその回り止め
突起４７をフランジ４３ａの鉗子回り止め溝４５
に嵌め、さらに押え環４９を分岐鉗子口管１３の
入口部に螺合して、鉗子口体４６を介しフランジ
４３ａを抜け止め突起４４に密着させて固定す
る。この状態では、鉗子口挿入部材３３は回り止
め平面４２および挿入部３４により、また鉗子口
体４６は回り止め突起４７および鉗子回り止め溝
４５により、それぞれ回り止めされる。その後、
先端カバー５１をＯリング５２を介して鉗子口カ
バー１４の先部に嵌め、さらに折れ止めカバー１
９を操作部支持体２４の先端外周に螺合させて組
立作業は終了する。なお鉗子口体４６には、押え
環４９からの突出部にゴム製の鉗子栓５３が被着
される。

第６図は本発明の他の実施例を示すもので、操
作部支持体２４に径方向の隔離壁５５を一体に設
け、この隔離壁５５に形成した直径方向のガイド
溝５６に鉗子口挿入部材３３を摺動可能に嵌めて
いる。隔離壁５５には、このガイド溝５６の両側
に、像伝達光学繊維束、照明用光学繊維束、送気
送水チユーブ、湾曲操作ワイヤ等を挿通するガイ
ド孔５７を形成する。この実施例によると、鉗子
口挿入部材３３を内方に押圧変位させるとき、こ
の鉗子口挿入部材３３によつて上記他の内蔵物が
押されて損傷するおそれがなく、しかも鉗子口挿
入部材３３の移動方向が規制されているため、鉗
子口挿入部材３３を分岐鉗子口管１３内に挿入す
る作業が容易となる。

なお上記実施例における鉗子口挿入部材３３の
分岐鉗子口管１３への固定手段は一例であつて、
これを回り止めした状態で、分岐鉗子口管１３に
固定できるものであれば、本発明はその固定手段
は問わない。

「発明の効果」 以上のように本発明の鉗子口装置は、チヤンネ
ルチユーブの接続管とこれから分岐した吸引チユ
ーブを有する鉗子口挿入部材を、ガイド機構によ
つて、内部フレームとしての操作部支持体の半径
方向に移動可能にしさらに鉗子カバーの分岐鉗子
口管内に導くようにしたので、操作部支持体に鉗
子カバーを被せるときには鉗子口挿入部材を径方
向内方に移動させ、被せた後、簡単に分岐鉗子口
内に導くことができる。すなわち鉗子口カバーを
被せる際、鉗子口挿入部材が邪魔になることがな
いので、半径方向に突出する鉗子口挿入部材を予
め操作部支持体に固定する従来装置に比し、鉗子
口カバーを細径のものとすることができ、しかも
その作業性が良い。また鉗子口挿入部材は最終組
立状態では、分岐鉗子口管内に引き上げられて鉗
子口カバー側に固定されるため、鉗子口カバー内
に大きい空間を確保することができる。さらに、
鉗子口挿入部材を固定するための構成部品数は、
数点で済むから、構造が単純で、組立が容易、し
たがつて保守点検に有利で、重量の軽減も図れる
優れた鉗子口装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の内視鏡の鉗子口装置の実施例
を示す要部の縦断面図、第２図は操作部支持体の
前部および鉗子口挿入部材の斜視図、第３Ａ図は
鉗子口挿入部材、鉗子口体、および押え環を外し
た状態の、第１図矢視図、第３Ｂ図は、同鉗子
口挿入部材の矢視図、第４図は第１図の−
線に沿う断面図、第５図は第１図の−線に沿
う断面図、第６図は本発明の別の実施例を示す第
５図と同様の断面図、第７図は本発明の内視鏡の
全体を示す平面図である。 １１……操作部、１２……把持部カバー、１３
……分岐鉗子口管、１４……鉗子口カバー、１５
……体内挿入部、１６……接眼装置、１７……吸
引操作弁、２４……操作部支持体、２５……支持
脚、３０……固定環、３３……鉗子口挿入部材、
３４……挿入部、３６……接続管、３７……分岐
管、３８，３９……チユーブ固定コイル、４０…
…チヤンネルチユーブ、４１……吸引チユーブ、
４３ａ……係止溝、４４……抜け止め突起、４５
……鉗子回り止め溝、４６……鉗子口体、４７…
…回り止め突起、４９……押え環、５６……ガイ
ド溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内視鏡操作部の内部フレームを構成する操作
   部支持部材； 鉗子口を構成する分岐鉗子口管を有し、この操
   作部支持部材を覆う筒状の鉗子口カバー； 先端部が体内挿入部先端に開口し後端部がこの
   分岐鉗子口管に導かれるチヤンネルチユーブ；お
   よび、 このチヤンネルチユーブから分岐した吸引チユ
   ーブ； を備えた内視鏡の鉗子口装置において、 上記チヤンネルチユーブの接続管と、吸引チユ
   ーブを接続すべき分岐管を有する鉗子口挿入部
   材； この鉗子口挿入部材の移動方向を、上記操作部
   支持部材の半径方向に規制しかつそのチヤンネル
   チユーブ接続管を上記分岐鉗子口管内に導く、該
   操作部支持部材と鉗子口挿入部材との間に設けた
   ガイド機構；および、 この鉗子口挿入部材を、上記鉗子口カバーに固
   定する固定手段； を備えたことを特徴とする内視鏡の鉗子口装置。