JPH0417484Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、被蓋した状態における内部の気密を
保持し、かつ蓋体の着脱を容易とする合成樹脂フ
イルムにより成形した蓋付容器に関するものであ
る。

（従来の技術） 外気に接して変質し、腐敗したり、味の落ちる
虞れのある食品、又は湿気を吸収して形崩れや流
出を起こす商品等を収納する合成樹脂フイルムに
より成形した従来の蓋付容器は、押圧嵌込式の蓋
体により着脱自在に被蓋する各種の密封形式のも
のが開発されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし従来の密封形式の蓋付容器は、密封を重
視するため蓋体の着脱が容易でない等の問題点が
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記の問題点を解決するもので、その
構成を図によつて説明すると、容器体Ａは、側周
壁１の上部を外方に屈曲して上方に向け若干狭搾
する∩形状の上側周壁２とし、該上側周壁２の外
側壁部３先端周縁部を外方に屈折して鍔部４とす
ると共に、外側壁部３の上部より下端に至る上端
部５を尖頭状とし、各部横断面が弧状面６をな
し、前記鍔部４の巾より僅かに小寸法の高さのリ
ブ７，７……を容器体Ａの軸中心線に対し対称の
位置に複数対（図は８対の場合を示す）を外方に
向け等間隔で膨出する如く弾性を有する合成樹脂
フイルムにより一体に成形する。

蓋体Ｂは、上方に膨出する上部周壁８の下端周
縁を外方に屈曲してフランジ状上壁９とし、その
外周縁より下方を略直角に屈曲し、下部を外下方
に若干拡開傾斜する傾斜周壁部１０とした外側周
壁１１を形成し、該傾斜周壁部１０の上端内側周
縁に沿つて内方に若干突出する段部１２を有する
内向突条部１３を、蓋体Ｂの軸中心線に対し対称
する位置に複数対１３，１３，１３，１３（図は
２対の場合を示す）等間隔に凹設すると共に、外
側周壁１１の上端より内向突条部１３，１３……
の若干上方に至る間で、夫々の突条部１３，１
３，１３，１３と対応する位置に下端部１４を尖
頭状とし、各部横断面が弧状面１５，１５……を
なし、前記容器体Ａのリブ７と略同じ高さのリブ
１６，１６，１６，１６を内方に膨出する如く弾
性を有する合成樹脂フイルムにより一体に成形
し、前記容器体Ａと該蓋体Ｂにより本考案の合成
樹脂フイルムにより成形した蓋付容器を構成する
ものである。

（作用） 次に叙述の構成よりなる本考案の作用を説明す
ると、蓋体Ｂの下端開口部に容器体Ａの鍔部４が
臨む如く、該容器体Ａの上方より蓋体Ｂを被冠
し、蓋体Ｂを下方に押圧すれば、鍔部４の外側周
縁部１７が内向突条部１３，１３……の内側傾斜
面１８，１８……に圧接して容器体Ａの外側壁部
３を内方に圧迫して弯曲させ鍔部４が該突出部１
３，１３……を通過して段部１２，１２……の上
方に納まると共に、外側壁部３は弾性によつて原
形に復帰し、鍔部４は蓋体Ｂの外側周壁１１の内
側面に圧接し、容器体Ａは、蓋体Ｂに嵌着され、
抜脱の虞れはなく、かつ器内の気密が保持され
る。

尚容器体Ａに蓋体Ｂを被蓋する時、容器体Ａの
リブ７，７……と蓋体Ｂのリブ１６，１６……の
先端部が接触する状態となつた場合でも、該リブ
は互に円周方向に逃げるので被蓋に支障をきたす
ことはない。

又容器体Ａより蓋体Ｂを脱蓋する場合は、人間
の習性として蓋体Ｂを直接容器体Ａに対し軸方向
に引き抜くことは少なく殆んどの人が蓋体Ｂを円
周方向に回動し乍ら上方に抜出すように行うの
で、本考案はこの習性を利用し、容器体Ａを持つ
て蓋体Ｂをリブ７，７……とリブ１６，１６……
が夫々重なるまで回動し、該リブの乗り上げによ
つて容器体Ａの外側壁部３を圧迫して押圧により
内方に屈曲させ、鍔部４の外側周縁部１７と、蓋
体Ｂの外側周壁１１の内側周面１９間に間隙を生
ぜしめ、内向突出部１３，１３……を通過させて
容器体Ａより蓋体Ｂを傾けることなく軸方向への
脱蓋を容易とするものである。

（効果） 以上の構成及び作用を有する本考案は容器体Ａ
に蓋体Ｂを被蓋した時、容器体Ａの鍔部４の外側
周縁部１７は、蓋体Ｂの外側周壁１１の内側周面
１９に密接して器内の気密を保持し、容器体Ａの
鍔部４下面は蓋体Ｂの内向突条部１３，１３……
の段部１２，１２……により係止され蓋体Ｂの抜
脱は防止される。

又容器体Ａより蓋体Ｂを脱蓋する場合は容器体
Ａに設けたリブ７，７……に蓋体Ｂのリブ１６，
１６……を乗り上げることにより容易に行われ、
従来の如く蓋体を無理に上方に引き抜いたり、傾
けて取り除いて収容物を傷つけたり、形崩れを生
ぜしめる等の虞れがない等の優れた実用的効果を
有するものである。

（考案の使用実施例） 第８図は本考案をアイスクリーム容器として使
用した実施例を示すもので、容器体A′内にコー
ンＣを挿嵌し、該コーンＣ内に上方に高く盛り上
る如くアイスクリームＤを充填し、該容器体
A′にコーンＣより上方に盛り上つたアイスクリ
ームＤと適間隙をへだてる上部周壁８′を有する
蓋体Ｂにより被蓋するもので、密封による器内の
気密保持によりアイスクリームを、外気の侵入に
より生ずる塵埃の付着による汚染、悪臭の吸収に
よる風味の劣化、湿気による品質の低下、又は乾
燥した空気によるシユリンケージ（収縮）及び重
量の減少に伴う商品価値の低下等の被害を防止す
ると共に、脱蓋時において、蓋体B′を円周方向
に回動して容器体A′と蓋体B′に設けたリブ７′，
７′……リブ１６′，１６′……を重ね合わせるこ
とにより蓋体B′の軸方向への引き抜きを容易と
し、脱蓋時の蓋体B′の傾きにより生ずるアイス
クリームの形崩れを防止するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部を切除した正面図、第２
図は容器体の一部断面を表わす正面図、第３図は
Ｘ−Ｘ断面図、第４図は蓋体の中央縦断面図、第
５図はＹ−Ｙ断面図、第６図、第７図は容器体に
蓋体を被蓋した場合の嵌合部拡大断面図で、第６
図は完全に被蓋した状態、第７図は容器体のリブ
に蓋体のリブが重なつた状態を示す。又第８図
は、本考案をアイスクリーム容器として使用した
状態の縦断面図である。 Ａ……容器体、１……側周壁、２……上側周
壁、３……外側壁部、４……鍔部、５……上端
部、６……弧状面、７……リブ、Ｂ……蓋体、８
……上部周壁、９……上壁、１０……傾斜周壁
部、１１……外側周壁、１２……段部、１３……
内向突状部、１４……下端部、１５……弧状面、
１６……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側周壁１の上端周壁部を上方に向け若干狭搾す
   る形状をなす如く外方に向け屈曲した上側周壁２
   とし、該周壁２の外側壁部３の先端周縁部を外向
   状の鍔部４とすると共に、外側壁部３の上部より
   下端に至る間に、上端部５を尖頭状とし、各部横
   断面が弧状面６をなし、鍔部４の巾より僅かに小
   寸法の高さのリブ７，７……を軸中心に対し対称
   する位置に複数対を、等間隔で外方に向け膨出す
   る如く弾性を有する合成樹脂フイルムにより一体
   に成形した容器体Ａと、上方に膨出する上部周壁
   ８の下端周縁を外方に屈折してフランジ状の上壁
   ９とし、その外周縁を下方に屈折して適寸法下方
   を外下方に若干拡開傾斜する傾斜周壁部１０とし
   た外側周壁１１を形成し、該傾斜周壁部１０の上
   端内側周縁に沿つて内方に若干突出する段部１２
   を有する内向突条部１３を軸中心に対し対称の位
   置に複数対を等間隔で膨出すると共に、外側周壁
   １１の上端より前記内向突条部１３，１３……の
   適寸法上方に至る間で、夫々の該突条部１３，１
   ３……に対応して、下端部１４を尖頭状とし、各
   部横断面が弧状面１５，１５……をなし、容器本
   体Ａのリブ７と略同一高さのリブ１６，１６……
   を内方に向け膨出する如く弾性を有する合成樹脂
   フイルムにより一体に成形した蓋体Ｂよりなり、
   蓋体Ｂの下端開口部に容器体Ａの鍔部４が臨む如
   く被冠し、蓋体Ｂを下方に押圧し、鍔部４の外側
   周縁部１７が内向突条部１３，１３……の内側傾
   斜面１８，１８……に圧接して容器体Ａの外側壁
   部３を内方に圧迫して弯曲させ鍔部４を該突出部
   １３，１３……を通過して段部１２，１２……の
   上方に納め、外側壁部３の弾性によつて原形に復
   帰し、鍔部４が蓋体Ｂの外側周壁１１の内側面に
   圧接して蓋体Ｂを容器体Ａに嵌着し、容器体Ａを
   持つて蓋体Ｂをリブ７，７……とリブ１６，１６
   ……が夫々重なるまで回動し、該リブの乗り上げ
   によつて容器体Ａの外側壁部３を圧迫して押圧に
   より内方に屈曲させ、鍔部４の外側周縁部１７
   と、蓋体Ｂの外側周壁１１の内側周面１９間に間
   隙を生ぜしめ、内側突出部１３，１３……を通過
   させて容器体Ａより蓋体Ｂを脱蓋することを特徴
   とする合成樹脂フイルムにより成形した蓋付容
   器。