JPH041420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はパツキング部材に関し、例えばダイヤ
フラムバルブやボールバルブ等のシーリングに利
用される。

（従来の技術） 例えばダイヤフラムバルブのシール部材として
使用される従来のパツキング部材を第５図に示
す。

このダイヤフラムバルブは、弁本体ａの例えば
上流側開口部ｂの接合端面ｃにパツキング部材ｄ
を介して接続スリーブｅの接合端面ｇを当接し、
ユニオンナツトｆを用いて接続スリーブｅを弁本
体ｂに締付け固定する構造になされている。

この構造において、パツキング部材ｄには一側
端面ｈに環状の突起部ｉが形成され、このパツキ
ング部材ｄの一側端面ｈに対向する接続スリーブ
ｅの接合端面ｇに前記突起部ｉと嵌合する環状の
凹部ｊが形成されている。

このように、パツキング部材ｄに形成された突
起部ｉと接続スリーブｅに形成された凹部ｊとを
嵌合する構造にすることにより、シール効果を高
め、接合部分に流水が浸透しないようにし、漏水
が生じないようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、パツキング部材ｄに形成された
突起部ｉと接続スリーブｅに形成された凹部ｊと
を嵌合する構造にするだけでは、シール効果が十
分でなく、漏水を生じる可能性がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案のパツキング部材は、シール効果をさら
に高めるべく改良されたもので、弁本体の上流側
開口部と下流側開口部にパツキング部材を介して
それぞれ接続スリーブが接続され、これら接続ス
リーブの接合端面もしくは前記上流側開口部およ
び下流側開口部の接合端面のいずれかに環状凹部
が形成されたバルブにおいて、該パツキング部材
は中央部に前記上流側開口部および下流側開口部
と略同径の開口部を有する偏平な環状体で、該偏
平な環状体の一側端面に前記環状凹部と嵌合する
環状突起部が形成されるとともに、該環状突起部
に対向する他側端面に環状膨出部が形成され、該
環状突起部および環状膨出部より内径側の両側端
面が、内方に行くに従つて漸次拡がるテーパ面に
形成され、かつ、該テーパ面に複数条の環状リブ
が形成されてなるものである。

（作用） パツキング部材の一側端面に形成された環状突
起部が弁本体の例えば上流側開口部の接合端面も
しくは接続スリーブの接合端面に形成された環状
凹部に嵌合される。このとき、パツキング部材の
他側端面に形成された環状膨出部が、環状凹部を
有しない弁本体の例えば上流側開口部の接合端面
もしくは接続スリーブの接合端面に当接してパツ
キング部材の一側端面側に押圧される。この結
果、環状突起部が歪んでさらに環状凹部内に圧入
され、環状突起部と環状凹部とのシール性が向上
する。また、環状突起部および環状膨出部より内
径側の両側端面がテーパ面になされ、かつこのテ
ーパ面に環状リブが形成されているので、流路に
近い部分のシール性が向上する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図ないし第３図は本考案のパツキング部材
１を示し、第４図はこのパツキング部材１をダイ
ヤフラムバルブに適用した例を示す。

第４図において、１０は内部に流路１１を有す
る弁本体で、流路１１内の中央部の底壁が上方に
立ち上げられて流路１１の仕切部１２になされ、
この仕切部１２に対向する天壁部分に開口部１８
が形成され、この開口部１８を上方から覆うよう
にダイヤフラム１３が設けられている。ダイヤフ
ラム１３は合成ゴムあるいは合成樹脂等の弾性体
で形成されている。ダイヤフラム１３の中央部に
は連結具１４が連結部１４ａを上方に突出して埋
設され、この連結部１４ａにコンプレツサ１５の
被連結部分１５ａを螺合することにより、コンプ
レツサ１５がダイヤフラムに連結されている。そ
して、バルブ閉鎖時、このコンプレツサ１５によ
つてダイヤフラム１３を仕切部１２に押圧するこ
とにより、流体の流れを停止するように構成され
ている。なお、図中１６はコンプレツサ１５に連
結されたスピンドル、１７はハンドル、１９はボ
ンネツトであり、このボンネツト１９は前記ダイ
ヤフラム１３とともにボルト・ナツト２０によつ
て弁本体１０に一体的に取付けられている。

上記構成のダイヤフラムバルブにおいて、本考
案のパツキング部材１は弁本体１０の上流側開口
部２１および下流側開口部２２と接続スリーブ２
３，２３との間のシール材として用いられる。こ
こで、接続スリーブ２３は弁本体１０にパイプ
（図示省略）を接続するための部材で、接続スリ
ーブ２３の内周壁には雌ねじ部２３ａが形成さ
れ、この雌ねじ部２３ａにパイプの外周部に形成
された雄ねじ部を螺合することにより接続される
構造になされている。ただし、接続スリーブ２３
とパイプとの接続は、接続スリーブ２３にパイプ
の先端部分を嵌合し、この嵌合部分を接着する構
造でもよい。

パツキング部材１は、第１図および第２図に示
すように、中央部に弁本体１０の上流側開口部２
１および下流側開口部２２と略同径の開口部２を
有する偏平な環状体になされている。そして、こ
のパツキング部材１の一側端面３（第１図におい
て上面）には、前記開口部２と同心円状に環状突
起部４が形成され、他側端面５（第１図において
下面）の前記環状突起部４に対向する部分に環状
膨出部６が形成されている。環状突起部４の先端
角部（本例では内周側角部）には切欠面４ａが形
成され、この切欠面４ａは、後述する接続スリー
ブ２３の環状凹部２５への嵌合を円滑になすとと
もに、この環状凹部２５内に圧入されたときの環
状突起部４の歪みを吸収し環状突起部４と環状凹
部２５との密着性を良くするために設けられてい
る。また、これら環状突起部４および環状膨出部
６より内径側の両側端面３，５が内方に行くに従
つて漸次拡がるテーパ面になされ、このテーパ面
に複数条の環状リブ７，７…が形成されるととも
に、環状突起部４および環状膨出部６より外径側
の両側端面３，５に、同様にして複数条の環状リ
ブ８，８…が形成されている。さらに、パツキン
グ部材１の外周縁には、第３図に示すように、４
箇所に支持突起部９，９…が設けられている。こ
の支持突起部９，９…は、パツキング部材１を弁
本体１０と接続スリーブ２３との間に介装する際
に、パツキング部材１を指で支持できるように設
けたものである。この支持突起部９，９…がある
ことにより、パツキング部材１の装着作業が容易
になる。ただし、支持突起部９，９…の形成は４
箇所に限定されるものではない。パツキング部材
１は弾性体であればいずれでもよいが、好適には
ゴム弾性体がよい。また、環状突起部４の断面形
状は、四角形状、半円形状、その他シール性を良
好に保つ形状であればいずれでもよい。

一方、接続スリーブ２３の接合端面２４には、
前記パツキング部材１に形成された環状突起部４
を嵌合する環状凹部２５が形成されている。

そして、パツキング部材１の一側端面３とこの
接続スリーブ２３の接合端面２４とを対接させ、
パツキング部材１の環状突起部４を接続スリーブ
２３の環状凹部２５に嵌合した状態で、パツキン
グ部材１の他側端面５を弁本体１０の上流側開口
部２１の接合端面２６に対接させ、ユニオンナツ
ト３０によつて接続スリーブ２３を弁本体１０に
締付け固定する。

このとき、上流側開口部２１の接合端面２６に
当接したパツキング部材１の環状膨出部６は、ユ
ニオンナツト３０の締付けによつて押しつぶさ
れ、その応力が反対側に設けられた環状突起部４
に作用し、環状突起部４が歪んで接続スリーブ２
３の環状凹部２５内に圧入されることになる。ま
た、環状突起部４および環状膨出部６より内径側
の両側端面がテーパ面になされているから、この
部分もキヤツプの締付けによつて両側から押しつ
ぶされ、なおかつ、このテーパ面に形成された環
状リブ７，７…も押しつぶされるので、流路１１
に近い部分でシール性が向上する。さらに、環状
突起部４および環状膨出部６より外径側の両側端
面に形成された環状リブ８，８…も押しつぶされ
るので、この部分のシール性も向上する。

なお、上記説明では、接続スリーブ２３を上流
側開口部２１に接合する場合について述べている
が、接続スリーブ２３を下流側開口部２２に接合
する場合も同様であるので、ここでは説明を省略
している。

また、上記実施例では、接続スリーブ２３の接
合端面２４に環状凹部２５を形成しているが、上
流側開口部２１の接合端面２６に環状凹部を形成
し、この環状凹部とパツキング部材１に形成した
環状突起部４とを嵌合するようにしてもよい。さ
らに、上記実施例では、本考案のパツキング部材
をダイヤフラムバルブに適用した例を示している
が、例えばボールバルブに適用することも可能
で、この場合も上記実施例と同様に行うことがで
きる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案のパツキング部材
によれば、パツキング部材を弁本体と接続スリー
ブとの間に介装した場合、環状膨出部が、環状凹
部を有しない上流側開口部および下流側開口部の
接合端面もしくは接続スリーブの接合端面に押圧
され、その応力が環状突起部に作用し、環状突起
部を歪んで環状凹部内に圧入するので、パツキン
グ部材と弁本体および接続スリーブとのシール性
が向上する。また、環状突起部および環状膨出部
より内径側の両側端面が内方に行くに従つて漸次
拡がるテーパ面になされ、かつ、このテーパ面に
環状リブが形成されているので、流路により近い
所でのシール性が向上し、漏水の発生を効果的に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案のパツキング部材
を示し、第１図は一部切欠いた正面図、第２図は
一部拡大した断面図、第３図は平面図、第４図は
本考案のパツキング部材をダイヤフラムバルブに
適用した例の一部断面を示す正面図、第５図は従
来のパツキング部材をバルブに適用した例を示す
部分断面図である。 １……パツキング部材、３……一側端面、４…
…環状突起部、５……他側端面、６……環状膨出
部、７，８……環状リブ、９……支持突起部、１
０……弁本体、２１……上流側開口部、２２……
下流側開口部、２３……接続スリーブ、２４，２
６……接合端面、２５……環状凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 弁本体の上流側開口部と下流側開口部にパツ
   キング部材を介してそれぞれ接続スリーブが接
   続され、これら接続スリーブの接合端面もしく
   は前記上流側開口部および下流側開口部の接合
   端面のいずれかに環状凹部が形成されたバルブ
   において、該パツキング部材は中央部に前記上
   流側開口部および下流側開口部と略同径の開口
   部を有する偏平な環状体で、該偏平な環状体の
   一側端面に前記環状凹部と嵌合する環状突起部
   が形成されるとともに、該環状突起部に対向す
   る他側端面に環状膨出部が形成され、該環状突
   起部および環状膨出部より内径側の両側端面
   が、内方に行くに従つて漸次拡がるテーパ面に
   形成され、かつ、該テーパ面に複数条の環状リ
   ブが形成されたことを特徴とするパツキング部
   材。 ２ パツキング部材の外周縁に複数個の支持突起
   部が形成されてなる実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のパツキング部材。