JPH0750615Y2 - バタフライバルブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は、水、油、ガス等の配管に装着するバタフライ
バルブに関するものであり、特に、配管との接続が簡単
で、接続のための空間が小さくてよく、しかもシート性
が良いなど、優れた特色を持つバタフライバルブに関す
る。

（従来の技術とその課題） 従来のバタフライバルブに多くは、ウエハー形のものが
多く、このウエハー形バタフライバルブを配管に装着す
るために１組のフランジが必要であり、このフランジと
配管とをねじ込み又は溶接によって接続しなければなら
ず、作業が厄介であり、接続のために広い空間が必要で
あった。

また、配管の伸縮や曲がりを吸収することができず、こ
れらによって漏洩を生ずるなどの不都合が発生した。

フランジ形や溶接形のバタフライバルブも作られている
が、前者では１組のフランジが必要であり、上記のウエ
ハー形の場合と同様な課題を有していた。また、後者で
は溶接熱でゴムなどの弾性材料を損傷することや、配管
の伸縮や曲がりを吸収することができない課題を有して
いた。

本考案は、これらの従来のバタフライバルブが有する課
題を解決しようとするものである。

考案の構成 （課題を解決するための手段） 本考案は、上記の従来のバタフライバルブが有する課題
を解決するために、次のように構成した。

環状ボデーの内周面にゴムなどの弾性材料で形成したシ
ートリングを嵌装し、該シートリングの内側に円板状の
ジスクを装着し、該ジスクを回転させて該シートリング
に密封接触させて閉弁するバタフライバルブであって、
該シートリングに該ボデーの両側に突出する配管シール
部を設け、該配管シール部は、両端面を円錐面状に形成
し、内周面を接続しようとする配管の外周面に密接する
円筒内面状に形成し、該ボデー及び該配管シール部を挟
持するように装着した２分割カバーをボルトで結合させ
て該カバーに形成した円錐面状の内面で該両端面を圧縮
し、該配管シール部を該配管の外周面に密着シールさせ
るようにした。

この場合、該配管シール部を、流体の圧力によって半径
方向内方に押圧される形状にするとよく、また、該カバ
ーの両端部に半径方向内方に突出する環状突起を形成
し、該環状突起を該配管の外周面に形成した環状溝に嵌
入させるようにするとよい。

更に、該ボデーと該カバーとに互に嵌合する円周方向の
溝と突起とを形成するとよく、また、該ボデーと該シー
トリングとに互に嵌合する円周方向の溝と突起とを形成
するとよい。

（作用） 本考案のバタフライバルブは、上記のように構成したの
で、次のように作用する。

先ず、カバーを結合するボルトを緩め、配管の管端から
適宜の距離のが外周面に環状溝を形成した配管を、バタ
フライバルブの両側から配管シール部に、この環状溝に
カバーの環状突起が嵌入し得る位置まで嵌入し、ボルト
を締め付けて２分割カバーを結合させる。

この時、環状突起は環状溝に嵌入するので、配管は、環
状突起と環状溝との間の余裕分だけは移動できるが、抜
け出ることはない。なお、この余裕分は、配管の伸縮を
吸収することができるので、予想される配管の熱膨張又
は、熱収縮による伸縮分だけ設けておくとよい。

また、配管シール部は、配管の外周面に密接する円筒内
面状の内周面を有しており、カバーの円錐面状の内面で
配管シール部の円錐面状の両端面を圧縮するので、配管
シール部を配管に密着シールし、配管内の流体の漏洩を
防止する。

更に、配管シール部は、流体の圧力によって伴径方向内
方に押圧される形状にしたので、上記の密着シールを一
層確実にしている。また、この配管シール部は、ゴムな
どの弾性材料で形成されているので、配管の曲がりを吸
収することができる。

また、ボデーとカバー、及びボデーとシートリングの間
に、円周方向の溝と突起とで嵌合させてあるので、シー
トリング、ボデー及びカバーの関係位置の変動が起き
ず、両方の配管シール部が均等に圧縮され、両端で確実
に配管接続ができる。更に、シートリングがジスクの回
転によって移動することもない。

本考案のバタフライバルブは、上述のように作用するの
で、配管に装着するのが容易であり、装着のための空間
が小さくてよく、シール性が確実であり、配管の伸縮や
曲がりを吸収することができる優れたバルブである。

なお、ボデーやカバーは流体に接しないので、流体によ
って材料を選定する必要がなく、シートリングとジスク
を流体に応じて材料選定すれば、広い用途に適するなど
の従来のこの種のバタフライバルブの利点を依然として
有しており、ジスク、ステムなどは、従来形のバタフラ
イバルブと共通にすることができる。

（実施例） 第１図は、本考案のバタフライバルブの１実施例を配管
に装着した状態を示す縦断面図であり、第２図は、第１
図のＸ−Ｘ断面を示す横断面図であり、第３図は、第１
図及び第２図に示したボデー、シートリング、ジスク及
びステムの組立品と、２分割カバーを示す斜視図であ
る。

第１図乃至第３図において、１はバタフライバルブ、２
はボデー、３はシートリング、４はジスク、５はカバ
ー、６はボルトであり、７は配管である。

バタフライバルブ１は、環状ボデー２ん内周面2aにゴム
などの弾性材料で形成したシートリング３が嵌装してあ
り、シートリング３の内側に円板状のジスク４が装着し
てあり、ジスク４を回転させてシートリング３に密封接
触させて開弁するバルブである。

シートリング３にはボデー２の両側に突出する配管シー
ル部3aが設けてあり、配管シール部3aの両端面3bは円錐
面状に形成されており、内周面3cは配管７の外周面7aに
密接する円筒内面状に形成されている。更に、配管シー
ル部3aは流体の圧力によって半径方向内方に押圧される
ように、環状の袋状部3dが形成されている。

２分割したカバー５には、ボルト６によって結合するた
めのボルト孔5aが形成されており、ボデー２及び配管シ
ール部3aを挟持するように装着してボルト６によって締
め付けるようになっている。また、カバー５の両側の内
面5bは円錐面状になっていて、この内面5bが配管シール
部3aの両端面3bを圧縮して配管シール部3aを配管７の外
周面7aに密着シールさせるようになっている。

また、カバー５の両端部5cに半径方向内方に突出する環
状突起5dが形成してあり、この環状突起5dを配管７の外
周面7aに形成した環状溝7bに嵌入させるようになってい
る。

更に、ボデー２とカバー５とは、ボデー２に形成した円
周方向の溝2bとカバー５に形成した円周方向の突起5eと
を嵌合させて組み付けてあり、ボデー２とシートリング
３とは、ボデー２に形成した円周方向の溝2cとシートリ
ング３に形成した円周方向の突起3eとを嵌合させて組み
付けている。

次に、第１図乃至第３図に示した実施例に基づいて、そ
の作用を説明する。

先ず、カバー５を結合するボルト６を緩め、配管７の管
端7cから適宜の距離の外周面7aに環状溝7bを形成した配
管７を、バタフライバルブ１の両側から配管シール部3a
に、この環状溝7bにカバー５の環状突起5dが嵌入し得る
位置まで嵌入し、ボルト６を締め付けて２分割カバー５
を結合させる。

この時、環状突起5dを環状溝7bに嵌入するので、配管７
は、環状突起5dと環状溝7bとの間の余裕分だけは移動で
きるが、抜け出ることがない。なお、この余裕分は、配
管７の伸縮を吸収することができるので、予想される配
管７の熱膨張又は熱収縮による伸縮分だけ設けておくと
よい。

また、配管シール部3aは、配管７の外周面7aに密接する
円筒内面状の内周面3cを有しており、カバー５の円錐面
状の内面5bで配管シール部3aの両端面3bを圧縮するの
で、配管シール部3aを配管７に密着シールし、配管７内
の流体の漏洩を防止する。

更に、配管シール部3aは、流体の圧力によって半径方向
内方に押圧されるよう環状の袋状部3dが形成してあるの
で、上記の密着シールを一層確実にする。また、この配
管シール部3aは、ゴムなどの弾性材料で形成されている
ので、配管７の曲がりを可成の程度まで吸収することが
できる。

また、ボデー２とカバー５、及びボデー２とシートリン
グ３の間に、円周方向の溝2b及び2cと円周方向の突起5e
及び3eとで嵌合させてあるので、シートリング３、ボデ
ー２及びカバー５の関係位置の変動が起きず、両方の配
管シール部3aが均等に圧縮され、両端で確実に配管接続
ができる。更に、シートリング３がジスク４の回転によ
って移動することもない。

本考案のバタフライバルブ１は、上述のように作用する
ので、配管７に装着するのが容易であり、装着のための
空間が小さくてよく、シール性が確実であり、配管７の
伸縮や曲がりを吸収することができる優れたバルブであ
る。

なお、ボデー２やカバー５は流体に接しないので、流体
によって材料を選定する必要がなく、シートリング３と
ジスク４を流体に応じて材料選定すれば、広い用途に適
するなどの従来のこの種のバタフライバルブの利点を依
然として有しており、ジスク４、ステム８などは、従来
型のバタフライバルブと共通にすることができる。

考案の効果 本考案のバタフライバルブは、すでに詳述したように構
成し、作用するので、次に掲げるような幾多の優れた効
果を有する。

配管に装着するのにフランジ等の継手を別に必要とし
ない。

配管に装着するのが容易である。

配管に装着するための空間が小さくてよい。

配管が抜け出ることがない。

接続部から流体が漏洩しない。

配管の伸縮や曲がりを吸収することができる。

シートリング、ボデー及びカバーの関係位置にずれを
生ずることがなく、両端での配管とのシール接続が均等
であり、ジスクの回転いよるシートリングの移動が起き
ない。

液体によってボデー及びカバーの材料選定を変える必
要がなく、シートリングとジスクの材料選定により広い
用途に使用できる。

ジスク及びステムを従来形のバタフライバルブと共通
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバタフライバルブの１実施例を配管に
装着した状態を示す縦断面図であり、第２図は第１図の
Ｘ−Ｘ断面を示す横断面図であり、第３図は第１図及び
第２図に示したボデー、シートリング、ジスク及びステ
ムの組立品と、２分割カバーを示す斜視図である。 １…バタフライバルブ、２…ボデー 2a…内周面、2b、2c…溝 ３…シートリング、3a…配管シール部 3b…両端面、3c…内周面 3e…突起、５…カバー 5b…内面、5c…両端部 5d…環状突起、5e…突起 ６…ボルト、７…配管 7a…外周面、7b…環状溝

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】環状ボデーの内周面にゴムなどの弾性材料
   で形成したシートリングを嵌装し、該シートリングの内
   側に円板状のジスクを装着し、該ジスクを回転させて該
   シートリングに密封接触させて閉弁するバタフライバル
   ブであって、該シートリングに該ボデーの両側に突出す
   る配管シール部を設け、該配管シール部は、両端面を円
   錐面状に形成し、内周面を接続しようとする配管の外周
   面に密接する円筒内面状に形成し、該ボデー及び該配管
   シール部を挟持するように装着した２分割カバーをボル
   トで結合させて該カバーに形成した円錐面状の内面で該
   両端面を圧縮し、該配管シール部を該配管に密着シール
   させるようにしたことを特徴とするバタフライバルブ。
2. 【請求項２】該配管シール部を、流体の圧力によって半
   径方向内方に押圧される形状にした請求項１記載のバタ
   フライバルブ。
3. 【請求項３】該カバーの両端部に半径方向内方に突出す
   る環状突起を形成し、該環状突起を該配管の外周面に形
   成した環状溝に嵌入させるようにした請求項１又は２記
   載のバタフライバルブ。
4. 【請求項４】該ボデーと該カバーとに互に嵌合する円周
   方向の溝と突起とを形成した請求項１乃至３記載のバタ
   フライバルブ。
5. 【請求項５】該ボデーと該シートリングとに互に嵌合す
   る円周方向の溝と突起とを形成した請求項１乃至４記載
   のバタフライバルブ。