JPH04138293U - 多モータ時計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトなレイアウトで指針の表現機能を
バリエーション豊富し、モータ品質の安定化を図る。 【構成】 放射状に配置された複数のモータ１、２及び
３が各々独立した減速輪列５、６及び７を介して一軸上
の指針に伝達する。減速比１／３０以下の秒指針車１７
は中心パイプ１３の内径で軸支され、前記中心パイプ１
３の外径には分指針車１８が軸支される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、複数のステッピング・モータなどのモータを有する多モータ時計 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、特徴的な指針の表現としては、小秒針やクロノグラフ針が時計の巻真方 向を３時方向とすると、これと時計の裏ぶた側からみて左まわりに９０度の６時 方向や、さらに左まわりに９０度の９時方向の位置に指針軸が配置された多軸時 計が一般的に知られている。

【０００３】 例えば、実開平１−８７２８８号公報、実開昭６３−１９５２８９号公報、実 開昭５９−１１６８８６号公報にこのような構造が開示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の多モータ時計及び多軸時計では、指針車の表現機能が乏しいか 、または時刻の１機能しか表現できないなど、時計の表現バリエーションが制約 されるという課題があった。 そこで、この考案の目的は、従来のこのような課題を解決するため、１指針車 の表現機能の制約を解き放しアナログ表現等の表現手段による豊富な表現機能を 得、また機能的でかつ薄型の多モータ時計を得ることである。さらにそれぞれが 独立したモータから駆動される指針車が同軸上で豊富な表現機能を高い品質で得 ることも目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、この考案は多モータ時計において、独立した複数 のモータから伝達車を介して同軸上の指針車に回転を伝達し、かつ前記モータお よび前記伝達車が重ならないレイアウト構成としている。また日車等の表示車を 前記モータ及び前記伝達車と平面的に重ならない他のモータおよびこの他のモー タにより回転する伝達車で駆動することにより時計の表現機能を薄型化と共に豊 富に図れるようにした。

【０００６】 更に下記の構造にすると以下のより一層の効果が得られる。複数のモータから 同軸上に伝達される指針車の１つは、減速比１／３０で減速され、受けと中心パ イプ内径とで軸支される。前記指針車と同軸上の他の指針車は、減速比１／１８ ０で減速され、前記中心パイプ外径で軸支され、低トルクの指針車に他の指針車 による運針時の負荷トルクを無負荷にすることで止まり・ミスリ等を防止し、高 い品質を図れる。

【０００７】

【作用】

上記のように構成された多モータの輪列構造においては、制御回路の動作によ り複数のモータがそれぞれ別個の伝達車を回転させる。各伝達車は同一の回転中 心にある複数の指針車を回転させる。制御回路の動作により各モータは独自の運 動をするので各指針車はそれぞれいろいろな時刻情報を表示する。 さらに別のモータにより別の輪列を介して表示車が回転する。このため異なる表 現機能を時・分・秒の各指針車で実現可能となり、また日車や曜車も付加できる 。

【０００８】

【実施例】

以下に、この考案の実施例を図に基づいて説明する。 図１及び図２において、ムーブメントの巻真軸を３時方向、反対方向を９時方向 とし、３時方向と時計の裏ぶた方向から見て左まわり９０度を６時方向、この反 対方向を１２時方向とし、この３時−９時の仮想線と１２時−６時の仮想線に対 して複数のモータが各々異なる象限に配置される。３時位置には巻真１１が地板 １０の案内穴に軸支され、前記巻真１１に対称に秒モータ１が５時位置に固定さ れ分モータ２が２時位置に固定されている。時モータ３は８時位置に固定され水 晶がほぼ平行に前記時モータ３の外側に配置している。また前記時モータに３時 −９時を対称に１０時位置にカレンダ・モータ４が固定されている。１１時位置 には電池９が配置され、上記各部品の各モータ１ないし４・巻真１１・水晶・電 池９は各々が平面的に重ならないよう配置されている。前記各モータは地板１０ にねじ等の締結手段により固定され、秒・分・時モータは伝達車を介して時計中 心の同軸上の秒指針車・分指針車・時指針車に噛み合っている。

【０００９】 図３ないし図６において、秒指針車１７は前記秒モータ１から減速比１／３０ で伝達され２番受の中心パイプ内径１３と輪列受１２とで軸を支えられている。 分指針車１８は前記分モータ２から減速比１／１８０で伝達され前記２番受・中 心パイプ１３外径で軸支され、かつ分指針車１８の軸方向のがた（あがき）は２ 番座２１により輪列受１２側に常時寄せられる時指針車１９は前記時モータ３か ら減速比１／１８０で伝達され前記分指針車１８の外径で軸支され、かつ針座２ ２により地板１０側に常時寄せられる。

【００１０】 図２の日回し車２０は前記カレンダ・モータ４から減速比１／３６０で伝達さ れ集積回路２１と重なっていて、輪列受１２と押え板１５とで軸支される。前記 日回し車２０は日車１４の内歯に歯数比１２／６２で直接駆動している。前記日 車１４の歯先は、地板１０の押え板台に常時無負荷の状態でガイドされている。 回路１６は、輪列受１２を介して地板１０にねじ等の締結手段により固定される 。また、前記回路１６には、集積回路２１からのモータ信号が４種類出力され、 ムーブメント外周に配置された前記各モータ１ないし４に送られる。前記各モー タ１ないし４から各指針車１８ないし１９までの動力を伝達する輪列は、減速比 が１／３０の公倍数となることで、前記各指針車１８ないし１９は秒指針車１７ の運針ステップに一致させることが可能となる。前述の輪列とモータ構成によれ ば、集積回路２１からのモータ信号で秒指針車１７を１／１０秒クロノグラフ指 針車として、分指針車１８を分クロノグラフ指針車として、時指針車１９を分ク ロノグラフ指針車として瞬時に機能切り替を行える。また、対角に配置された４ 個のモータにより各指針が各々独立し、出力トルクの低い輪列には最大限外部負 荷が加わらないという構成としたので、減速比１／３０の秒指針には、秒表現と １／１０秒クロノグラフ表現等の正確さと動きの速さを表現することが可能とな る。また外部負荷の影響を最小に押えているため安定した品質も得ることが出来 る。

【００１１】 次に時モータ３及び分モータ２の２個のモータから減速比１／１８０で２番軸 上の指針に伝達し、減速比が前記秒指針の公倍数にすることで時分秒の３個の指 針が運針上必ず一致させることができる。そのため指針部の表現機能は、秒・分 ・時表現やクロノグラフ１／１０秒・クロノグラフ秒・クロノグラフ分表現等の 連係した機能表現と他に、日表示・曜表示などの無関係の機能表現も可能となる 。

【００１２】 カレンダモータ部はモータから日車への減速比１／３６０＊１２／６２で日車 １４を直接駆動し、ほとんど無負荷のカレンダ構造とし日車歯先の削れ防止や軽 ショック時の日車飛びを防止するなど品質問題を解決する。日送り時間を従来の 構造の２時間からカレンダモータを早送りすれば２秒間に短縮する画期的な効果 も得ることができる。更に独立した駆動源を持つので月齢や曜表示や年表示・Ａ Ｍ／ＰＭ表示等の表現機能が可能となる。

【００１３】

【考案の効果】

この考案は、以上説明したように各モータがそれぞれ時計体の外周部にある配 置であるから各々のモータの磁界の影響が受けにくい構造である。さらに複数の モータで各指針車を独立に駆動するので、一軸上の運針表現や情報表現機能の多 様化が安定した品質の多モータ時計が実現できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の多モータ時計の実施例の表平面図。

【図２】本考案の多モータ時計の実施例の裏平面図。

【図３】本考案の多モータ時計の秒モータ部の実施例の
断面図。

【図４】本考案の多モータ時計の分モータ部の実施例の
断面図。

【図５】本考案の多モータ時計の時モータ部の実施例の
断面図。

【図６】本考案の多モータ時計のカレンダ・モータ部の
実施例の断面図。

【符号の説明】

１ 秒モータ ２ 分モータ ６ 分減速輪列 ７ 時減速輪列 ８ カレンダ減速輪列 ９ 電池 １０ 地板 １１ 巻真 １２ 輪列受 １３ ２番受・中心パイプ １４ 日車 １５ 押え板 １６ 回路 １７ 秒指針車 １８ 分指針車 １９ 時指針車 ２０ 日回し車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個のステッピング・モータによりそ
   れぞれ輪列を介して複数の指針車を作動させる多モータ
   時計において、時計体の外周部にそれぞれ配置された複
   数のモータと、前記それぞれのモータから時計体の中心
   部に向かう方向に配置され前記モータの回転を伝達する
   伝達車をそれぞれの伝達車が重ならない位置に配置した
   複数の輪列と、前記それぞれの輪列の伝達車により回転
   され同一の回転中心をもって回転する複数の指針車と、
   前記複数の輪列と重ならない位置に配置された別のモー
   タと、前記別のモータの回転を伝達する別の輪列と、前
   記別の輪列により回転する表示車とを有することを特徴
   とする多モータ時計。