JPH04136648U - 切粉処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】研削加工で発生する切粉処理装置を提供する。 【構成】この切粉処理装置は工作機械の主軸４に、切粉
発生部５に近接するフ−ド１を取り付け、これにダクト
ホ−ス２を介して集塵機３を連結してなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、旋盤、フライス盤、ボ−ル盤等の工作機械を使用して金属加工物を 切削、研削し、所要形状に仕上げるときに発生する切粉の処理装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来の工作機械には、切粉に対する有効な処理装置を備えたものはない。グラ フアイトや木材のような、空中に飛散してしまう材料を加工する場合は、工作機 械の刃物取り付け部からテ−ブルまでを１つのブ−スで囲い、ブ−ス底部から切 粉を吸引する、密閉機構の専用加工機が使用されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来は切粉がテ−ブルや床に飛散したまま、加工終了後に掃除 機などでこれを処理していたため、作業効率が良くなかった。また、グラフアイ ト加工などの専用加工は、加工材料が限定され、切粉は処理できても、ブ−スの ため刃物やワ−クの取り付け作業が邪魔され、切削状態を見るにもブ−スの窓か らは見難いという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題は、工作機械の切粉発生部に近接するフ−ドを取り付け、これにダク トホ−スを介して集塵機を連結してなる本考案の切粉処理装置によって解決され る。 以下、本考案の切粉処理装置を説明すると、図１は本考案の装置を取りつけた ＮＣフライス盤の概略図であって、本考案の切粉処理装置はフ−ド１、ダクトホ −ス２、集塵機３を基本構造とするもので、これは矢印方向に移動できるＮＣフ ライス盤の主軸４に取り付けられている。５は切粉発生部、６はテ−ブル、７は バイス、８はワ−クである。図２はフ−ド１の拡大断面図である。

【０００５】 切粉処理装置のフ−ド１には、切粉吸引口９、ホ−ス接続口１０、工作機への 取り付け部１１がある。 フ−ドの材質は、常温で性質、形状が損なわれず、強度をもつものであれば、 なんでもよい。例えば鐵、鋼、黄銅、アルミニウム、硬質塩化ビニルなどが挙げ られるが、強度、製作の容易さからステンレスが好ましい。

【０００６】 吸引口９には、刃物の長さや加工深さによって、吸引口と切粉発生部との距離 が変わり、吸引効率が下がったり、吸引口がワ−クに当たって壊れたりしないよ うに必要に応じて、ゴムシ−ト、プラスチックシ−トなどを介在させる。接続口 １０には、ダクトホ−ス２との接続を容易にするため、クイックジョイントを用 いる。取付け部１１は、吸引口９ができるだけ切粉発生部の近くになるような位 置に設ける。そのためには、工作機械本体（刃物を取りつける主軸など）に直接 またはブラケットを介してボルトで固定すればよいが、そのほかフック、マジッ クテ−プ、バンドなどで固定してもよい。

【０００７】 吸引口と接続口の形状は任意であるが、円形が好ましい。ただし、吸引口と接 続口およびダクトホ−スの面積は、吸引口が切粉を十分に吸引できる制御風速を 発生するように集塵機の能力に合わせて設計しなければならない。 吸引口の取付位置および傾きは、フ−ド開口部に乱流が発生し吸引効率が低下 しないようにすべきである。

【０００８】 ダクトホ−ス２の材質は、吸引された切粉がダクトホ−ス内に当たって簡単に 亀裂を生じない強度であれば、なんでもよいが強度と軽さの点からアルミニウム が好ましい。集塵機には、切粉を吸引するのに十分な機能が要求される。切削油 を使用する場合や、グラフアイト加工の場合には濾過機能を併有する集塵機が必 要である。

【０００９】 本装置を切削油など引火性物質を取り扱う加工工場で使用する場合には、集塵 機を除くすべての部品は、非帯電性材料あるいは耐電防止処理済の材料からなる ものを用い、集塵機も耐火機能を備えたものが要求される。

【００１０】

【実施例】

本考案の実施例を、現用の図１に示すＮＣフライス盤のテ−ブル６上のワ−ク ８を切削加工する場合について具体的に説明する。 フ−ドはステンレス鋼管で製作し、ハイスピンドルモ−タにはボルトで固定し た。またダクトホースとの接続にはクイックジョイントを用いた。また吸引口に は伸縮ダクトを取り付け、ダクトホ−スには耐電防止処置を施したプラスチック のフレキシブルホ−スを用いた。 上記フ−ドをハイスピンドルモ−タに取り付け、ＮＣフライス盤主軸チャック にハイスピンドルモ−タ１２とともにセツトして縦１５０ｍｍ、横３００ｍｍ， 高さ５０ｍｍのグラフアイトを切削加工したところ、環境衛生を損なうことなく 加工できた。また刃物の脱着も容易であった。

【００１１】

【考案の効果】

上記実施例より明らかなように、現用の工作機械を改造することなく、工作機 械の構造を含めてフ−ドの設計をすれば、加工時に発生する切粉を完全に処理す ることができる。 グラフアイトのような材料を加工する場合、従来は専用の加 工機を用いたが本考案によれば一般のフライス盤などでも環境衛生を損なうこと なく加工できる。 また、ブ−スで囲む専用加工機のような機構を必要としないので、作業性がよ く、簡素化した機構であるため、使いやすく、各種工作機械と一体化すれば、ス ペースの削減と合わせて作業性も一層向上される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の切粉処理装置を取りつけたＮＣフライ
ト盤の側面図である。

【図２】本考案の切粉処理装置のフ−ド部の拡大断面図
である。

【符号の説明】

１ フ−ド、 ２ ダクトホ−ス、 ３ 集塵機、
４ 主軸、 ５ 切粉発生部、 ９ 吸引口、
１０ 接続口、 １１ 取付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工作機械の切粉発生部に近接するフ−ド
   を取り付け、これにダクトホ−スを介して集塵機を連結
   してなる切粉処理装置。