JPH04126156A - 無機生体材料 - Google Patents

無機生体材料

Info

Publication number
JPH04126156A
JPH04126156A JP2248347A JP24834790A JPH04126156A JP H04126156 A JPH04126156 A JP H04126156A JP 2248347 A JP2248347 A JP 2248347A JP 24834790 A JP24834790 A JP 24834790A JP H04126156 A JPH04126156 A JP H04126156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
ceramics
bioactive
powder
artificial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2248347A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Kasuga
敏宏 春日
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2248347A priority Critical patent/JPH04126156A/ja
Publication of JPH04126156A publication Critical patent/JPH04126156A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、無機生体材料に関する。
[従来の技術] セラミックスの中には骨と化学結合をつくる(わゆる生
体活性なものが知られており、生体内で使用した場合、
生体と一体化するので生体材料として有用である。例え
ば、特開昭81−251532号公報には、アパタイト
を析出した結晶化ガラスが生体材料として有用であるこ
とが開示されている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、これらの生体活性セラミックスが、人工歯根
や人工骨として用いられるとき、使用される状況によっ
ては、その一部分だけ生体と反応性を持たないことか望
まれる場合がある。たとえば、人工歯根の場合には、顎
骨の中に埋入される部分は生体活性な機能が必要である
が、口腔内に露出する部分は生体活性でない方が望まし
い。この部分が生体活性であると、唾液中の成分が人工
歯根に付着し、表層にリン酸カルシウムの多孔質層が形
成され、この層にタンパクや細菌が付着し、汚れる傾向
がある。そして、この汚れ部の細菌が顎骨内に侵入し、
歯根の周囲が感染して、人工歯根が脱落してしまうこと
がある。この汚れを防ぐためには歯ブラシによるブラッ
シングを行なう必要があるが、このとき、人工歯根に傷
を付けることがあり、強度を低下させてしまう原因とな
っている。また、人工骨の場合には、たとえば、関節部
につながる自家骨との接合部は生体活性でなければなら
ないが、関節部などは生体と化学的に結合してはならな
い。また、あえて活性機能を必要としない部分が生体活
性であると、その表面が体液と反応して表面を荒らさせ
るため強度が低下することがある。このように、用途に
よっては、つの材料中に生体活性と生体不活性が機能と
して要求されることがある。
したがって、本発明の目的は、生体と反応すると好まし
くない部位を、生体的に安全性が高い物質で不活性化す
ることにより、感染などを起こさなくし、かつ加傷や反
応によるセラミックスの強度低下を防止して、長期間に
わたって使用可能な無機生体材料を提供することにある
[課題を解決するための手段] 本発明は上記の課題を克服するべくなされたものであっ
て、生体活性セラミックスを用いた無機生体材料におい
て、その少なくとも一部に、生体不活性ガラスをコーテ
ィングしたことを特徴とする無機生体材料を要旨とする
ものである。
本発明の好ましい態様として、無機生体材料が人工歯根
に用いられ、この人工歯根の口腔内露出部の表面に生体
不活性ガラスをコーティングした無機生体材料および無
機生体材料が人工骨に用いられ、この人工骨の可動部の
表面に生体不活性ガラスをコーティングした無機生体材
料が挙げられる。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明で用いられる生体活性セラミックスは、アパタイ
ト焼結体、リン酸三カルシウム焼結体、アパタイト−リ
ン酸三カルシウム複合焼結体、生体活性ガラス、Na2
0−に20−Mg0CaO−8i02−P2O5系結晶
化ガラス、Ca0−P2O5−8iO2系結晶化ガラス
、さらにジルコニア系セラミックスをCa OP 20
5−8iO2系結晶化ガラス中に分散させた複合セラミ
ックスなど、一般に生体活性であるとされている全ての
セラミックスを包含する。これらの生体活性セラミック
スの熱膨張係数は70〜120 X 10−0−7de
’の範囲であるのが好ましい。
その理由は、この生体活性セラミックスにコーティング
される、後述の生体不活性ガラスの熱膨張係数は、ガラ
ス組成によって50〜140X10’deg−’の範囲
で変えることができ、上記範囲の熱膨張係数をもつ生体
活性セラミックスならば、これに生体不活性ガラスをコ
ーティング可能であるからである。生体活性セラミック
スは概して酸化物セラミックスであり、これと上記ガラ
スとは相性良く接着する能力をもっている。とくに、C
a OP 205S t O2系結晶化ガラスや、ジル
コニア系セラミックスをCa OP 205−8iO2
系結晶化ガラス中に分散させた複合セラミックスは、強
度が他の生体活性セラミックスに比べてかなり高いので
、生体材料として最も有用であり、また、ガラス成分が
ある程度残留しているので生体不活性なガラスとの接着
が極めて良く、強固なコーテイング膜が得られるという
特長もある。生体活性セラミックスのうち、Ca0−P
2O5−8iO2系結晶化ガラスは、重量百分率で CaO12〜56 Po      1〜27 SiO222〜50 M g OO〜34 Ag203  0〜25 の範囲で上記成分を含有し、CaO,P2O5,5i0
2 、MgO及びAll 20gの含有量合計が90%
以上である組成を有する結晶化ガラスであるのが好まし
い。これらは、アパタイト結晶と、ウオラストナイト、
ジオプサイド、フォルステライト、オケルマナイト、ア
ノルサイト等のアルカリ土類ケイ酸塩結晶の1種または
2種以上とを含有し、さらに場合によりβ−リン酸三カ
ルシウム結晶を含有する生体用結晶化ガラスである。ア
パタイト焼結体の曲げ強度が100〜120MPa程度
であるのに対し、これらの結晶化ガラスは140〜23
0 MPaという強度を示す。また、Ca0P  O5
102系結晶化ガラス中に、ジルコニア系高強度セラミ
ックスを分散させた複合セラミックスは、アルミナセラ
ミックス、ジルコニアセラミックスに匹敵する程にまで
強度を大幅に向上させたもので、200〜looOMP
aという非常に高い曲げ強度を示す。この複合材料に分
散されるジルコニア系セラミックスは、部分安定化ジル
コニアであって、この応力誘起変態を利用したものであ
る。上記結晶化ガラスにジルコニア系セラミックスを分
散させた複合セラミックスにおいて、結晶化ガラスが体
積百分率で5%より少ないと複合化によって生体活性機
能を付加させた効果がほとんど現れず、また、95%よ
り多いと強化材としてのジルコニア系セラミックス部分
が少なくなるため、機械的強度の向上を期待できない。
よって、結晶化ガラス:ジルコニア系セラミックスの配
合比は体積百分率で5=95〜95:5が好ましい。さ
らに、生体活性と強度の両立した材料として、とくに好
ましい範囲は、20 : 80〜90:10である。
これらの生体活性セラミックスは人工歯根、人工骨など
の所望形状に成形、焼結、加工される。
たとえば、アパタイトやリン酸三カルシウムは、市販の
焼結体を加工して用いても良いし、湿式法あるいは乾式
法により得られるリン酸カルシウム粉末を公知の任意手
段(金型成形、ラバープレス、射出成形、押出成形、泥
漿鋳込成形、熱間等方加圧成形など)により成形して焼
結させて用いれば良い。生体活性ガラスは、5in2−
CaO−Na20−P2O3系の所定の組成を1400
〜1600℃で溶融してガラスを調製し、これを所望形
状に機械加工するか、融液を型に流し込んで人工歯根や
人工骨などの形状に加工される。N a 20に20−
MgO−CaO−8i 02−P、、 05系結晶化ガ
ラスも生体活性ガラスと同様にしてガラス状態とし、こ
れを熱処理することにより、アパタイト結晶を析出させ
て作製することができる。
Ca0−P2O3−8iO2系結晶化ガラスは、前記の
組成のガラスを溶融し、公知の任意手段を用いて粉砕し
てこれを成形し、この成形体をガラス粉末の焼結温度域
で焼結し、さらに結晶析出温度域で熱処理して得られる
。これを機械加工して本発明に用いればよいし、予め成
形段階で所望形状に成形しておき焼結させても良い。C
a0−P2O3−8iO2系結晶化ガラス中に、ジルコ
ニア系高強度セラミックスを分散させた複合セラミック
スは、上記(7)CaO−P205−3 iO2系のガ
ラスまたは結晶化ガラスの粉末をジルコニア系粉末と公
知の任意手段を用いて混合し、この混合粉末を公知の任
意手段により成形して焼結させて用いれば良いし、機械
的加工により所望形状を得ても良い。
このようにして作製された焼結体の所望部分、例えば人
工歯根の口腔内露出部や人工骨の可動部に生体不活性ガ
ラスがコーティングされる。コーティングに用いられる
ガラスは、とくに組成限定されず、セラミックスの熱膨
張係数に合せたものを選ぶことが重要である。ガラスの
方が熱膨張係数が大きいと冷却時にガラスに生じた引張
応力が残留し、ガラスに亀裂が生じるので良好な接合が
得られない。逆に、ガラスの熱膨張係数の方が小さいと
圧縮応力が残留するので、接合界面付近の強度が向上す
る場合があるが、わずかな亀裂が接合層内部の引張応力
層に達すると急速に亀裂が成長し、接合が破壊されてし
まう場合がある。したがって、両者の熱膨張係数を合せ
る必要がある。
詳細に検討したところ、ガラスの熱膨張係数がら生体活
性セラミックスの熱膨張係数を引くと、+ 5 X 1
0’ 〜−10X 100−7de −’の範囲内のガ
ラスであればガラス層に残留する応力はほとんど影響し
ないので好適であることがわかった。また、生体内に埋
入されたり、口腔内に露出したときに、表面が侵されて
荒れると、強度が低下したり、細菌やタンパクが付着し
ゃすくなる。したがって、体液、唾液に対する耐食性が
高いものが望ましい。これらの点から、アルミノシリケ
ート系ガラスまたはソーダライムシリケート系ガラスが
好適である。アルミノシリケート系ガラスは5i02−
A1203−R2O(Rはアルカリ金属)が主成分であ
り、ガラスの中では、耐食性が高いものである。ガラス
の溶解性、熱膨張係数の調整などのため生体に有害でな
い、CaO,MgO。
ZnO,Y2O3; TiO2,ZrO2,B2O3な
どの成分が若干添加される場合もある。また、ソーダラ
イムシリケート系ガラスは5L−02−CaO−Na2
0を主成分とするガラスであって、耐食性が高いので好
適である。さらにガラスの耐食性を向上させるため、A
 1203の少量の添加が効果的である。またガラスの
溶解性、熱膨張係数の調整のためM g O,Z n 
O,Y203 。
TiOZrO2,B2O3などの成分が若干2・ 添加される場合もある。生体内は弱アルカリ性であるの
で若干のZ r O2成分を上記のガラス組成に添加す
ることが耐体液、耐唾液性向上に効果的である。また、
耐久性が落ちるので好ましくないが、8203を添加す
ると、ガラスの粘性を下げて接着しやすくできるので、
わずかに添加することは効果的な場合もある。さらに歯
科領域で頻繁に用いられる歯科用ポーセレンは、口腔内
で最も安定に存在するもので、信頼されている。これら
は、主にアルミノシリケートガラスからできており、不
透明化材としてSnO□や長石が分散されていたり、補
強材としてアルミナセラミックス粒子が分散されている
ものであるが、これらを用いることもできる。とくに、
人工歯根として用いる場合には、周りの歯の色調に合せ
ることができるので有用である。このようなコーティン
グ層の厚さは、本発明の目的によれば、極めて薄いもの
で良く、たとえば、1μm程度の厚さで十分機能する。
しかし、長期使用によって磨耗することも考慮すると、
10μm以上の厚さにコーティングしておくことが好ま
しい。逆に、厚すぎると、コーティング層の強度が無機
生体材料の強度に影響する場合があるので好ましくなく
、上限はとくにないが、1mm以下とするのが好ましい
本発明の無機生体材料は、ガラスを粉末化した後、この
ガラス粉末を生体活性セラミックスの少なくとも一部、
例えば生体と反応すると好ましくない部位に塗付し、ガ
ラスの軟化変形する温度域で焼成することにより得られ
る。ガラスはボールミル等の公知の任意方法によって粉
砕され、セラミックスに塗付される。このガラス粉末の
粒度は、200μm以下とするのが好ましい。その粒度
か200μm以上であると、コーティング層に気孔が残
存するため、その部分が強度低下の原因になったり、細
菌、タンパクが付着したりするからである。しかし、粒
径が1μmよりも細かいと、この場合にも結晶化ガラス
層に気孔が残ることがあるので、好ましくは200〜1
μmが良い。粉砕されたガラスを水やアルコールなどで
スラリー化させデイツプ法あるいはスプレー法によりコ
ーティングして乾燥すると均一に塗付できる。
このようにしてガラス粉末が塗付されたセラミックスは
、ガラスの粘性流動が起こる温度域に加熱処理される。
このとき、通常、ガラスの軟化点(粘性が1o7.6ポ
アズの温度)より高い温度で熱処理して、ガラスの粘性
流動により粉末の焼結を行なう。ただし、生体活性セラ
ミックスの焼成温度より高い温度て熱処理すると、材料
が変形したり、生体活性機能が低下したりすることがあ
るので、熱処理温度の上限はこれによって決定される。
焼成する方法は、公知の任意方法を用いて良いが、減圧
下で焼成すると、気孔が発生する場合があるので、常圧
または加圧状態で(たとえばHIP  (熱間等方加圧
成形)により)焼成することが好ましい。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1コ 所定形状を有する生体活性セラミックスを次に示すよう
にして作製した。すなわち、丸棒状のアパタイト焼結体
およびβ−リン酸三カルシウム焼結体(表1中のサンプ
ルNo、 1および2にそれぞれ対応)は、市販の湿式
法により得られた水酸化アパタイト粉末およびリン酸三
カルシウム粉末をそれぞれ200 MPaのラバープレ
スにより成形し、ともに1020℃で焼成して得た。丸
棒状の生体活性ガラス(表1中のサンプルNo、 3に
対応)は、重量百分率でS i 0245.0.  C
a 024.5. N a 2024.5.P2O5B
、0の組成物を1550℃で溶融してガラスを調製し、
融液を型に流し込んで得た。丸棒状のCa0−P2O5
−3i02系結晶化ガラス(表1中のサンプルNo、4
. 5および6に対応)は、表1に示した組成となるよ
う原料を調合し約1500°Cで溶融し冷却してガラス
を得、このガラスをボールミルを用いて粉砕して、これ
を200MPaのラバープレスで成形し、この成形体を
1550℃まで昇温しで焼結結晶化させたのち冷却して
得た。
Ca0−P2O5−8iO2系結晶化ガラス中にジルコ
ニア系高強度セラミックスを分散させた丸棒状の複合セ
ラミックス(表1中のサンプルNo、 7 。
8および9に対応)は、CaOP2O55tO2系ガラ
ス粉末(重量百分率でCa 047.’8゜S t 0
244.0. MgO1,5、P2O56,5、F20
.2からなる)をジルコニア系粉末とボールミルを用い
て混合し、この混合粉末を、熱間等方加圧成形(HI 
P)により成形焼結させ、得られたこれらのセラミック
スを4mmφX20mmの丸棒状に加工し、表面を10
μmのダイヤモンド砥粒で研磨して得た。
一方、表1に示す組成のコーティング用ガラスとなるよ
うに、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などを原料に
用いて調合し、これを1550℃で溶融した後、水中に
キャストした。これをボールミルで20μm以下の粒度
に粉砕した。これをエタノールに混合し、スラリー化し
た。このスラリーを上記の丸棒状の生体活性セラミック
スの片側の4mmφX10mmの部分にスプレーしたの
ち、十分に乾燥してエタノールを蒸発させた。次に、こ
れを空気中900〜1100℃で加熱し、1時間保持し
た後、炉内で自然放冷して、コーティング層の厚さ10
0μmの生体活性セラミックス製人工歯根を得た。
この人工歯根をヒト体液組成とほぼ同一に調製した37
℃の溶液(擬似体液;mmo1%てNa”2十 142.0. K  5.0. Mg  1.5. C
a2”2.5C,Q −148,0、HCO3”−4,
2、HPO42−1,0のイオンを含み、緩衝液として
トリスヒドロキシメチルアミノメタン50.0mmo1
%1、塩酸45.0mmo1%を加えた水溶液)に、3
力月浸漬した。なお、この溶液は毎日新しいものと交換
した。浸漬した後の曲げ強度を三点曲げ試験(J I 
5−Rl601)にて測定した。その結果を表1に示し
た。この結果から、このコーティングによって強度の低
下を防止できることがわかる。
[実施例2] 酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物などを原
料に用いて、重量百分率で、Ca 047.8゜5iO
244,0,Mg01.5.P2O56,5,F、。
0.2となるようにガラスのバッチを調合し、これを白
金ルツボに入れて1550℃で2時間溶融した。
次いで融液を水中に投入し、乾燥後、ボールミルに入れ
て20μm以下の粒度に粉砕した。このガラス粉末と、
共沈法により得られた2、5モル%のY2O3を含むジ
ルコニア系微粉末(平均粒径0.3μm)とを、ガラス
粉末ニジルコニア粉末=70:30(体積比)で混合し
、さらにボールミルを用いて数時間湿式混合し、乾燥し
た。得られた混合物をワックスと混合した後、射出成形
法により、円柱状に成形した。これを脱ワツクスした後
、HIPによって200MPaの圧力をかけながら、室
温から1200℃まで一定の昇温速度10℃/分で加熱
し、1200℃で1時間保持して成形体の結晶化及び焼
結を行い、円柱状(直径5闘、長さ15mm)の生体用
複合セラミックスを得た。
次に、市販のデンタルポーセレン粉末(重量百分率で、
S i02 B2. Aρ20312.Na2O7゜K
、、05. ZnO3,CaO6,MgO3゜TiO2
からなるガラスとS n O2粉末とが9=1の重量比
で混合されたもの)をエタノールと混合し、スラリー化
した。このスラリーを上記の円柱状に成形焼成した複合
セラミックスの片側の5mmφX5mmの部分(口腔内
露出部)にスプレーしたのち、十分に乾燥してエタノー
ルを蒸発させた。
次に、これをHIPにより200 MPaの圧力をかけ
ながら10℃/分で1100℃まで加熱し、1時間保持
した後、10℃/分で冷却して、コーティング層の厚さ
50μmのセラミックス製人工歯根を得た。
ヒト唾液を朝食終了直後に約5ml採取し、この中に上
記セラミックス人工歯根を浸漬し37℃の恒温槽に保管
した。この唾液を毎日交換した。この人工歯根の直径を
コーティング部分と非コーテイング部分について測定す
ることにより、表面上に付着した生成物層の厚さを求め
た。第1図に示すように、ゴーティング部分の表面には
生成物が見られず、着色していなかったが、非コーテイ
ング部分の表面には生成物が観察され、黄茶色に変色し
ていた。この生成物はX線回折により、リン酸カルシウ
ムアパタイトと同定され、SEM観察によれば、多数の
0.1〜5μ市の空隙のある多孔質なものであった。こ
のように、人工歯根の口腔内露出部をコーティングする
ことによって、着色、細菌感染の原因となる唾液成分の
付着を防ぐことができる。また、同時に、2力月間毎日
歯ブラシで人工歯根の口腔内露出部をブラシングしたも
のの表面をSEM観察したところ、傷や摩耗痕は見られ
なかった。
[実施例3] 酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物などを原
料に用いて、重量百分率で、Ca 047.8゜S i
 0244.0. MgO1,5、P2O5B、5 、
 F20.2となるようにガラスのバッチを調合し、こ
れを白金ルツボに入れて1550℃で2時間溶融した。
次いで融液を水中に投入し、乾燥後、ボールミルに入れ
て20μm以下の粒度に粉砕した。このガラス粉末と、
共沈法により得られた2、5モル%のY2O3を含むジ
ルコニア系微粉末(平均粒径0.3μl11)とを、ガ
ラス粉末コジルコニア粉末−70:30(体積比)で混
合し、さらにボールミルを用いて数時間湿式混合し、乾
燥した。得られた混合物をラバープレスにより、第2図
に示されるような人工骨形状とした。これをHIPによ
りて20QMPaの圧力をかけながら、室温から120
0℃まで一定の昇温速度10℃/分で加熱し、1200
℃で1時間保持して成形体の結晶化及び焼結を行った。
               ベ次に一酸化物、炭酸
塩、水和物などを原料に用いて、重量百分率で、S i
 0260. AN 20315゜Na  O20,Z
rO25の組成からなるコーティング用ガラスのバッチ
を調合し、これを白金ルツボに入れて1550℃で2時
間溶融した。この融液を水中にキャストし、ガラスを得
た後、ボールミルで20μm以下の粒度に粉砕した。こ
のガラス粉末をエタノールに混合し、スラリー化した。
このスラリーを上記の形状の複合セラミックスの可動(
骨頭)部分にスプレーしたのち、十分に乾燥してエタノ
ールを蒸発させた。次に、これを空気中1100℃で加
熱味1時間保持した後、炉内で自然放冷して、第2図に
示すようなセラミックス製人工骨(人工股関節)1を得
た。この人工骨において、可動(骨頭)部分2にはガラ
スがコーティングされ、ステム部分3にはガラスがコー
ティングされていない。コーティング層の厚さは120
μmであった。
これを実施例1の擬似体液に3力月浸漬(液は毎日交換
)したのち、取り出して人工骨表面をSEM観察した。
第2図に示したコーティングされていないシステム部分
3には水酸アパタイトが析出していた。コーティングさ
れた可動(骨頭)部分2には析出物は見られなかった。
[実施例4] 酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物などを原
料に用いて、重量百分率で、Ca 047.8゜S i
 0244.0. MgO1,5、P2O5[3,5、
F20.2となるようにガラスのバッチを調合し、これ
を白金ルツボに入れて1550°Cで2時間溶融した。
次いで融液を水中に投入し、乾燥後、ボールミルに入れ
て20μ■以下の粒度に粉砕してガラス粉末を得た。こ
のガラス粉末と、共沈法により得られた2、5モル%の
Y2 O3を含むジルコニア系微粉末(平均粒径0.3
μm)とを、ガラス粉末コジルコニア粉末−70:30
(体積比)で混合し、さらにボールミルを用いて数時間
湿式混合し、乾燥した。得られた混合物をパラフィンワ
ックスと混合した後、射出成形法により、スクリュウf
=lき円柱状の人工歯根に成形した。
次にこれを脱ワツクスした後、電気炉で、1150℃ま
で昇温しで2時間保持し、成形体の1次焼結および結晶
化を行なった。この後、断電して室温まで自然放冷し、
第3図に断面図を示すような生体用ジルコニア強化結晶
化ガラスの焼結体11・(直径4.5 mm、全長15
mm)を得た。さらに、これを生体親和性を高めるため
に上記のガラス粉末をエタノールに分散させてスラリー
化し、このスラリーをデイツプ法によりジルコニア強化
結晶化ガラス焼結体11の顎骨埋入部(下部末端から8
mmの高さ位置まで)に塗付した。乾燥後、これを20
0 MPaの圧力をアルゴンガスてかけながら、120
0℃まで10℃/分で昇温したのち1時間保持し、10
℃/分で降温して顎骨埋入部が生体用結晶化ガラス層1
2で被覆されたジルコニア強化結晶化ガラスを得た。コ
ーティング層の厚さはデイツプ回数により制御し、50
μmとした。
一方、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物な
どを原料に用いて、重量百分率で、5iO262、Ag
3 o312. Na2O7,K2O5゜Zn03.C
a06.Mg03.TiO22の組成となるようにガラ
スのバッチを調合し、これを白金ルツボに入れて155
0℃で2時間溶融した。次いで融液を水中に投入し、乾
燥後、ボールミルに入れて20μm以下の粒度に粉砕し
た。これをエタノールと混合してスラリー化した。この
スラリーを上記の顎骨埋入部が生体用結晶化ガラスで被
覆されたジルコニア強化結晶化ガラスの口腔内露出部に
スプレーにより塗付し、十分に乾燥させた。
なお、顎骨埋入部にはこのカラス粉末が塗付されないよ
う可燃性のテープにより被覆しておいた。
これを電気炉中で3℃/分で昇温し、1000℃で2時
間保持して加熱した後、炉内で自然放冷して、口腔内露
出部に厚さ50μmの抗菌性コーティング層13が形成
された、ジルコニア強化結晶化ガラス製人工歯根を得た
このようにして得られた人工歯根を犬の下顎に埋入し、
1.、2.4.8週後、犬を層殺し、これを取り出して
病理組織観察した。1週後には骨形成か活発化し、2週
で、生体骨と完全に結合した。
顎骨埋入部に生体活性な結晶化ガラスをコーティングし
たことにより、生体活性機能が向上したことが確認され
た。さらに、口腔内露出部に抗菌性ガラスをコーティン
グしたことにより、全く汚れが付着しておらず、清潔性
が保たれていた。
[比較例] 先ず、実施例4と同様にして、ガラス粉末とジルコニア
系粉末との混合物をワックスと混合した後、射出成形法
により、スクリュウ付き円柱状の人工歯根形状に成形し
たものを得た。
次に、これを脱ワツクスした後、HIPによって200
 MPaの圧力をかけながら、室温から1200℃まで
一定の昇温速度10°C/分で加熱し、1200℃で1
時間保持して成型体の結晶化及び焼結を行い、円柱状(
直径4.5 mm、長さ15mm)の生体用ジルコニア
強化結晶化ガラス人工歯根を得た。
これを犬の顎骨に埋入したところ、2週、4週後では生
体活性は十分でなく、化学的結合部分は少なかったが、
8週後には骨と化学的に結合し、生体活性であることが
、病理組織観察により確認された。また、口腔内露出部
は2週後にはうす黄色く着色し始め、4週後には約60
μmの厚さの黄茶色の付着物が見られた。これはX線回
折およびSEM観察によりポーラスなアパタイト結晶で
あることがわかり、このポーラス層に汚物が付着してい
た。
以上、人工歯根および人工骨についての実施例を挙げて
説明してきたが、本発明の無機生体材料の適用は、上記
人工歯根および人工骨に限定されるものではなく、例え
ば、人工経皮端子、人工心臓弁、人口関節としても使用
可能である。
[発明の効果] 本発明によれは、無機生体材料の少なくとも1部、例え
ば生体と反応すると好ましくない部位を、生体的に安全
性が高い物質で不活性化することにより、感染などを起
こさなくし、かつ加傷や反応によるセラミックスの強度
低下を防止して、長期間にわたって使用可能な無機生体
材料が提供された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、口腔内露出部にガラスをコーティングした人
工歯根を唾液中に浸漬したとき、コーティング部分と非
コーテイング部分の表面にてきる生成物層の厚さの変化
を示した図、 第2図は、人工股関節を生体活性複合セラミックスで作
製したものの模式図、 第3図は、口腔内露出部に抗菌性コーティング層が、そ
して顎骨埋入部に生体用結晶化ガラス層が形成された、
ジルコニア強化結晶化ガラス製人工歯根の断面図である
。 1・・・セラミックス製人工骨(人工股関節)、2・・
・コーティングされた可動(骨頭)部分、3・・・コー
ティングされていないステム部分、11・・・生体用ジ
ルコニア強化結晶化ガラスの予備焼結体、12・・・生
体用結晶化ガラス層、13・・・抗菌性コーティング層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)生体活性セラミックスを用いた無機生体材料にお
    いて、その少なくとも一部に、生体不活性ガラスをコー
    ティングしたことを特徴とする無機生体材料。
  2. (2)無機生体材料が人工歯根に用いられ、この人工歯
    根の口腔内露出部の表面に生体不活性ガラスをコーティ
    ングした、請求項(1)に記載の無機生体材料。
  3. (3)無機生体材料が人工骨に用いられ、この人工骨の
    可動部の表面に生体不活性ガラスをコーティングした、
    請求項(1)に記載の無機生体材料。
JP2248347A 1990-09-18 1990-09-18 無機生体材料 Pending JPH04126156A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2248347A JPH04126156A (ja) 1990-09-18 1990-09-18 無機生体材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2248347A JPH04126156A (ja) 1990-09-18 1990-09-18 無機生体材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04126156A true JPH04126156A (ja) 1992-04-27

Family

ID=17176742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2248347A Pending JPH04126156A (ja) 1990-09-18 1990-09-18 無機生体材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04126156A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2703520B2 (ja) リュウサイト含有リンケイ酸塩ガラスセラミック
JP2983962B2 (ja) 半透明アパタイトガラスセラミック
Strnad Role of the glass phase in bioactive glass-ceramics
JP2983961B2 (ja) アルカリシリケートガラス
JPS63270061A (ja) 無機生体材料の表面改質方法
JP3113230B2 (ja) 化学安定性半透明アパタイトガラスセラミック
JPH0154291B2 (ja)
GB2080281A (en) Biologically active glass
GB2573650A (en) Composition and method
JP4477377B2 (ja) 生物活性レナナイト(rhenanite)ガラスセラミック
Ke et al. Enhancing the bioactivity of yttria-stabilized tetragonal zirconia ceramics via grain-boundary activation
JPS6210939B2 (ja)
Agathopoulos et al. A new model formulation of the SiO2–Al2O3–B2O3–MgO–CaO–Na2O–F glass-ceramics
KR101826967B1 (ko) 생체활성글라스를 포함하는 지르코니아 임플란트 및 이의 제조 방법
JP3860726B2 (ja) 低温焼結アパタイトガラスセラミック
JPS61205637A (ja) 結晶化ガラスおよびその製造方法
CN107365083B (zh) 高强度抑菌骨传导二硅酸锂玻璃陶瓷及其制备方法
JPH04126156A (ja) 無機生体材料
JPH04126157A (ja) 無機生体材料
Pazo et al. Bioactive Coatings On Ti And Ti-6A1-4V Alloys For Medical Applications
JPH0153211B2 (ja)
JPS59112908A (ja) 高強度生体用部材の製造法
JPH01115360A (ja) 無機生体材料およびその製造方法
JPH0191865A (ja) 無機生体材料及びその製造方法
Dimitriadis et al. Production of Bioactive Glass‐Ceramics for Dental Application Through Devitrification of Glasses in the Na 2 O/K 2 O–CaO–MgO–SiO 2–P 2 O 5–CaF 2 System