JPH04119654U - 断面ｉ型のテンシヨナレバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量、小型で強度的に優れたテンショナレバ
ーを提供すること。 【構成】 テンショナレバーは、長手方向に直角にとっ
た断面形状がＩ型のアルミ製アームを有している。アー
ムは、Ｉ型のウェーブに相当する部分から２方割りした
アルミダイキャスト成形型によって作られる。アームに
加わる力、例えば、自動車のクランクシャフトの回転を
カム軸に伝達するチェーンを押圧したときの力はウェー
ブの幅方向に作用するから、アームは撓みにくくなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、テンショナによってチェーン等に押圧されチェーン等に常時適正な 緊張力を与えるためのテンショナレバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、テンショナレバー２０（図４参照）は、例えば、公知のテンショナ２１ によってチェーン２２に押圧され、このチェーン２２に常時適正な緊張力を与え 、チェーン２２の振動を少なくしている。この場合のチェーン２２は、自動車の クランクシャフト２３の回転をエンジンバルブ（図示省略）の開閉を行なうカム 軸２４に伝達するための回転力伝達手段である。

【０００３】 テンショナレバーには図５乃至図１２に示すように種々の形態のものがある。 図５に示す第１のテンショナレバー３１のアーム４１は一枚の板金によって作 られている。 図７に示す第２のテンショナレバー３２のアーム４２は、断面コ字状になって いる。 図９に示す第３のテンショナレバー３３のアーム４３は、断面コ字状のアルミ 製である。 図１１に示す第４のテンショナレバー３４のアーム４４は、断面Ｈ状に補強リ ブ３５を設けた形状をしており、アルミ製である。 第１乃至第４の何れのテンショナレバー３１，３２，３３，３４においても、 チェーン２２に接触するシュー５１，５２，５３，５４と、テンショナ２１に接 触するパッド６１，６２，６３，６４とを有している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、これ等のテンショナレバーのアームは、それぞれ次のような問題点 を有している。 第１のテンショナレバー３１のアーム４１は、単なる１枚の板金によって作ら れているため、エンジンの高性能、高機能化に伴い発生するチェーン２２の大き な振動に対して、強度的に耐えることができない。 第２のテンショナレバー３２のアーム４２は、第１のテンショナレバー２５の アーム４１より強度的には優れている形状をしているが、板金であるためコ字状 加工が困難である。 第３のテンショナレバー３３のアーム４３は、第１、第２のテンショナレバー ３１，３２の問題点に対処するものとして考えられたものであるが、アーム４３ の厚み方向の寸法（Ｈ１）が大きくなり、エンジンの小型化に対応することがで きない。

【０００５】 第４のテンショナレバー３４のアーム４４は、第３のテンショナレバー３３の アーム４３の小型化を目的として考えられたものであるが、形状が複雑であるた め、複雑な成形型を使用しなければならない。 さらに、アーム４３，４４は、固定ピン３０（図４参照）に係合する孔３６の 周囲の強度を高めるため、肉厚を増やさなければならず、図９、図１１において 、矢印Ａで示す部分に偏析が生じるようなことがあり、所望の強度を得られない ことがある。 なお、偏析とは、溶融金属が凝固するとき、先に固まる部分と後から固まる部 分とで組織が異なる現象をいう。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、長手方向に直角にとった断面形状がＩ型のアルミ製アームを有する テンショナレバーにより、前記の課題を解決したものである。

【０００７】

【作用】

アームは、Ｉ（アルファベットの大文字のアイ）型のウェブに相当する部分か ら２方割りしたアルミダイキャスト成形型によって作られる。 アームに加わる力、例えば、自動車のクランクシャフトの回転をカム軸に伝達 するチェーンを押圧したときの力はウェブの幅方向（すなわち、図２の矢印Ｃ方 向）に作用するから、アームは撓みにくくなる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 テンショナレバー７０（図１参照）は、公知のテンショナ２１によって押圧さ れ、チェーン２２に常時適正な緊張力を与え、チェーン２２の振動を少なくして いる。 このテンショナレバー７０は、アルミ製のアーム７１と、アーム７１に設けら れチェーン２２に接触するプラスチック製のシュー７２と、テンショナ２１に接 触するパッド７３とで構成されている。 アーム７１は、長手方向にとった断面形状が均一肉厚のＩ（アルファベットの 大文字のアイ）型になっている。この断面Ｉ型のフランジ７６にシュー７２が設 けられる。 このアーム７１は、図３に示す２つの割り型８１，８２からなる成形型８３に よってアルミダイキャスト成形される。割り型８１，８２は図３の矢印Ｂ、Ｂ方 向に分離するようになっている。

【０００９】 従って、テンショナレバー７０は次の利点を有している。 ２つの割り型で成形するため成形が容易である。 アームに加わる力、すなわち、チェーン等を押圧したときの力は断面Ｉ型の ウェブ７５の幅方向（図２中矢印Ｃ方向）に作用するため、強度的に有利となる 。 テンショナレバー７０の傾動中心となる孔７４の付近も断面Ｉ型の均一の肉 厚になっている。従って、従来、孔７４の近くに生じていた偏析を防止すること ができ、強度を向上させることができる。 強度を従来通りにした場合は、全体的に小型、軽量化することができる。 具体的に、アーム７１の厚み方向の寸法（Ｈ２）は、従来の第３のテンショナ レバー３３のアーム４３の厚み寸法（Ｈ１）の約０．６倍である。又、強度を従 来の第３、第４のテンショナレバー３３，３４のアーム４３，４４と同一にした 場合、重量を約２０パーセント軽減させることができる。 なお、以上の実施例のテンショナレバーは、チェーンに適正な緊張力を与える 場合について説明したが、ベルトについても同様に適正な緊張力を与えることが できる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案のテンショナレバーは次の効果を奏する。 成形が容易である。 テンショナレバーの肉厚を均一にすることができ、従来、生じていた偏析を 防止することができ、強度を向上させることができる。 アームに加わる力はウェブの幅方向に作用するため、アームが撓みにくくな り、テンショナレバーの強度を高めることができる。 強度を従来通りにした場合は、全体的に小型、軽量化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のテンショナレバーの正面図である。

【図２】図１中２−２矢視断面図である。

【図３】成形型の概略断面図である。

【図４】テンショナレバーの使用状態の概略図である。

【図５】従来例のテンショナレバーの正面図である。

【図６】図５中６−６矢視断面図である。

【図７】他の従来例のテンショナレバーの正面図であ
る。

【図８】図７中７−７矢視断面図である。

【図９】さらに他の従来例のテンショナレバーの正面図
である。

【図１０】図９中１０−１０矢視断面図である。

【図１１】さらに従来例のテンショナレバーの正面図で
ある。

【図１２】図１１中１２−１２矢視断面図である。

【符号の説明】

７０ テンショナレバー ７１ アーム ７２ シュー ７６ フランジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に直角にとった断面形状がＩ型
   のアルミ製アームを有することを特徴とする、断面Ｉ型
   のテンショナレバー。