JPH0382718A - 熱クラウン抑制ハースロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、金属ストリップの連続熱処理用ハースロール
、特に金属ストリップとの接触部付近でのロールの熱ク
ラウン発生を抑制して、金属ストリップの安定した通板
を可能にする熱抑制ハースロールに関する。

（従来の技術） 一般に、連続熱処理炉をはじめとして金属ストリップ処
理工程には、その通板用に多数のハースロールが使用さ
れており、安定通板のためにそれらのロールには所定の
初期クラウンが付与されている。

一方、連続焼鈍炉を例にとると、炉内のハースロールに
は種々の温度、板幅、板厚を有する金属ストリップが搬
送されてくるため、ハースロールにはそれらの因子で変
動する熱クラウン、つまり熱ひずみが発生し、初期ロー
ルクラウンを維持できなくなる。

かかるロールクラウンの変動により通板時に種々の問題
が生じる。例えば、ロールクラウンが過大になると、ヒ
ートバックルと呼ばれる座屈現象がストリップに発生し
、通板および製品の品質に重大な支障を生じる。また、
ロールクラウンが過小になると、センタリング効果が弱
まり、ストリップの蛇行が生ずる。

従来、この問題を解決する方法として、第１図に示すよ
うな機械的クラウンｍ整法が提案されている。特開昭６
１−２１０１２９号公報参照。すなわち、ロール内部に
テーバ面１０を設けこれに係合するテーパ調整部材１２
を設ける。このテーバ調整部材１２の位置は外部に設け
た調整手段１４によってロール長手方向に移動可能であ
ってこれにより係合するテーバ面１０の開きを調整する
ことにより、スリーブ１６の長平方向位置での胴径の大
きさを変化させ、ロールクラウンを調整している。した
がって、この方法は、ロールの温度分布変化に応じて発
生する熱クラウンによるロールクラウン変動を補償すべ
く、上記テーバ面からの内荷重によってスリーブを変形
させる手法で機械的にそれを補正して所定のクラウンを
維持する方法である。

また、特開昭６３−６５０１６号公報には、ロール全体
の熱分布を均一にすることによりクラウンを防止する方
法が提案されている。この方法は、第２図に示すように
、溶融塩もしくは溶融金属２０をハースロール２２内に
熱媒体として封入し、ロール胴部の軸方向温度分布を均
一化して熱クラウン自体を抑制させる方法である。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来法によっては熱クラウン
を効果的に防止できない。

すなわち、第１図に示す方法を採用するためには、熱ク
ラウンが変動する毎にそれを予測または計測し、所定ク
ラウンに維持するための制？１１機構が必要となり、コ
スト高となる。さらに、連続焼鈍炉のように高温で使用
される場合には、テーパ調整部材１２を含むクラウン変
更機構部に焼き付きが見られるなど、潤滑や耐久性等の
問題を有している。

また、第２図に示す方法において、熱媒体として溶融金
属を用いた場合、比重が大きいため偏荷重がハースロー
ルに作用し、振動が発生すると同時に軸受は等付帯設備
のコスト高を招く。一方、軽量化のために溶融塩等を用
いれば、媒体の熱容量が著しく減少し、温度均一化効果
が低減する等の問題点がある。

本発明は、前記従来の問題点を解決すべく、特殊な制御
機構を必要とせず、低コストかつ軽量な手段でもって熱
クラウンを卯制し、安定通板のための適正初期クラウン
を、ストリップの種々の変動によらず、常に維持できる
ハースロールを提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、かかる目的を遠戚する手段として先に特
願平１−１２０６４６号として、ロール本体を構成する
外側スリーブの内面に嵌着した金属リングから構成され
る熱クラウン抑制ロールを提案したが、本発明はこれを
さらに改善するものである。

ここに、本発明の要旨とするところは、ハースロール胴
部を構成する外側スリーブと、該外側スリーブの内側に
断熱耐熱材を介して嵌着した前記外側スリーブの金属と
ぼり同一の線膨張係数を有する金属から構成した、例え
ばスリーブまたはリング状の等温拘束部材とを備えたこ
とを特徴とする熱クラウン印刷ハースロールである。

この場合の好適態様によれば、前記外側スリーブ肉厚、
等温拘束部材厚をそれぞれ２〜１５ｍｍ、５〜４０−一
とするのが好ましい。

また、別の面からは、本発明の要旨とするところは、ハ
ースロール胸部を構成する外側スリーブと、該外側スリ
ーブ内に装着された少なくとも１つの金属リングとを備
え、該金属リングを前記外側スリーブを構成する金属と
ＩＩ？Ｉ膨張率がほぼ等しく熱伝導性の優れた異種の金
属からｆｌｌＩ或し、さらに該金属リングの内側に断熱
耐熱材を介して装着した前記外側スリーブと線膨張率の
等しい金属から構成した、例えばスリーブまたはリング
状などの等温拘束部材を備えたことを特徴とする熱クラ
ウン抑制ハースロールである。

この場合の好適Ｂ様によれば、前記外側スリーブ厚、分
割リング厚、等温拘束部材厚はそれぞれ２〜２５ｍ＋ｗ
、５〜５０＋ｓｍ、　５〜４０問とするのが好ましすな
わち、本発明にあっては、ハースロールとして、 （１）ロール本体を構成する外側スリーブの内部に断熱
材を介して金属リングまたはスリーブなどから構成され
る等温拘束部材を装着し、外側スリーブに異なる温度の
ストリップが接触したことにより生じるロールの胴径変
化を、等温保持された上記拘束部材、つまり等温拘束部
材（以下、これを内側スリーブで代表させて内側スリー
ブとも云う）で拘束し、ロール熱クラウンを抑制する。

このときの等温拘束部材の材質は外側スリーブと同一で
あってもよい。その他、熱膨張率の等しい異種金属であ
ってもよい。

（２）ロール胴部を構成する外側スリーブの内側に熱伝
導性に優れた金属リングを装着し、ロール胴部軸方向の
熱移動を促進させて特にストリップ接触端部近傍の温度
勾配を緩和させ、熱クラウンの発生を抑制する。また、
金属リングを軸方向に一つ又は複数に分割して配置する
ことにより、ストリップ幅変動に対しても熱クラウン抑
制効果を有効に発揮させる。このときの外側スリーブを
構成する金属と金属リングを構成する金属との組合せ例
としては、オーステナイトステンレス鋼と銅、タングス
テン鋼と銀、等が例示される。金属リングが一つの場合
のリング幅は少なくとも最大幅のストリップの幅とする
必要がある。

（３）　（２）の金属リングのさらに内側に断熱材を介
して金属リングまたはスリーブ等から構゛成される等温
拘束部材を装着し、等温保持することにより、ロール本
体の胴部の熱変形を拘束し、さらに熱クラウン発生を抑
制する。

このように、本発明によれば、連続焼鈍プロセスにおけ
る加熱帯のようにロール温度より低温のストリップが接
触した場合は上記等温拘束部材の拘束効果で外側スリー
ブの熱収縮変形を緩和し、一方、高温のストリップが接
触した際の熱膨張に関しては初期の焼きばめ代で、ある
いは異種金属リングを備えている場合にはそれによる熱
伝導の作用も加わって、それぞれ熱クラウンを抑制する
のである。

（作用） 本発明の構成を図面により詳細に説明する。

本発明にかかる熱クラウン抑制ハースロールの例は、第
３図（ａ）、（ｂ）に一部略式断面で示すようにハース
ロール３０を構成する外側スリーブ３１内にセラミック
ス、アスベスト、等の断熱耐熱材３２を介して同一材質
、つまり線膨張率がほぼ等しい材料の内側スリーブもし
くはリング等である等温拘束部材３３を焼きバメ等で装
着する。図示例ではこの等温拘束部材３３は内側スリー
ブから構成するため、以下、内側スリーブと称する。こ
のように、内外側スリーブ３３．３１の熱膨張および熱
収縮ひずみはほぼ等しいため、熱応力は均一温度に保持
されている状態では発生せず、したがって、焼きバメに
よる接触を常（確保することが可能である。

−例として、ハースロール３０全体が高温に保持されて
いて、低温のストリップ（図示せず）が通板された場合
、抜熱により外側スリーブ３１の温度が低下するため熱
収縮が生ずる。一方、内側スリーブ３３と外側スリーブ
３１との間は断熱耐熱材が介在しているため熱伝導が極
めて起こりにくく、従って内側スリーブ３３は炉温にほ
ぼ等しい状態に保持されている。ここで、外側スリーブ
３１を薄肉に、内側スリーブ３３を厚肉にすることによ
り、熱変形に対する剛性は内側スリーブ３３の方が高く
なり、上述の外側スリーブ３１の熱収縮は内側スリーブ
３３で拘束され、熱クラウンの発生が抑制される。

本発明にかかる以上のようなハースロールの構造として
は、外側スリーブ３１の薄肉化が望ましいが、ロールの
強度確保の観点から２〜１５問が適当である。また、内
側スリーブ３３は厚肉化が望ましいが、ロール重量の点
から５〜４０ｍ−が適当である。また、断熱耐熱材厚さ
に関しては熱伝導を低く抑える点から特に制限を設けな
い。

内側スリーブ３３に代えて、金属リングを用いる場合、
上述のような拘束効果を発揮できる幅寸法および数のリ
ングを設ければ良いが、その場合、例えば長手方向の長
さでストリップ接触領域のはぼ半分以上の長さ部分を占
める幅寸法、数の金属リングを配置すればよい。特に、
外側スリーブの全長に亘って等間隔で配置するのが好ま
しい。

次に、本発明にかかる熱クラウン抑制ハースロールの別
の例は、第４図（ａ）、山）に示すようにハースロール
４０の胴部を構成する外側スリーブ４１の内部にロール
材質と線膨張率がほぼ等しく、熱伝導性の優れた異種金
属から成る金属リング４２（例えば、外側スリーブをス
テンレス鋼製とした場合、Ｃｕ）を焼きバメ等で装着す
る。金属リング４２の材質はその他、銀１＄げることか
できる。

さらに、この金属リング４２の内側には、セラミックス
等の断熱耐熱材４３を介して前述の外側スリーブ４１と
同一材質、つまり線膨張率がほぼ等しい材料から成る、
例えばスリーブまたはリング状の等温拘束部材４４（以
下、内側スリーブで代表する）を焼きバメ等で装着する
。ここで、外側スリーブ４１、金属リング４２、内側ス
リーブ４４の熱膨張および熱収縮ひずみは等しくなるた
め、熱応力は均一温度に保持されている状態では発生せ
ず、従って焼きバメによる接触を常に確保することが可
能である。

一例としてロール全体が高温に保持されていて、低温の
ストリップ（図示せず）が通板された場合、抜熱により
外側スリーブのストリップ接触部は温度が下がり、収縮
しようとする。ここで金属リング４２の優れた熱伝導性
により軸方向の熱移動が促進され、特にストリンブ端部
での温度勾配が緩和され、熱クラウンが抑制される。さ
らに、等温拘束部材である内側スリーブ４４は高温に保
持されているため、外側スリーブ４１と金属リング４２
の収縮は拘束され、これらの複合効果でロールの熱クラ
ウンは大幅に抑制される。

また、外側スリーブ厚の薄肉化、金属リングおよび内側
スリーブの厚肉化が望ましいが、ロール強度、ロール重
量、抑制効果の観点からは、それぞれ２〜２５ｍｍ、　
５〜５０ｍｍ、５〜４０ｒａｍとするのが実用的である
。

この例の場合にも、等温拘束部材４４を内側スリーブに
代えて金属リングから構成したときには、第３図と同様
のことが言える。

次に、本発明の実施例によりその優れた作用効果を説明
する。

実施例１ 本例では、第３図に示す構造のハースロールを用いて、
炉温度８００″Ｃの連続熱処理炉内におけるストリップ
通板試験を行った。

使用したハースロールは外側スリーブ厚１０１Ｉ１１、
断熱耐熱材厚２＃Ｉｌｌ、内側スリーブ厚８＋１ｌＩＩ
であった。

材質は、各スリーブはオーステナイトステンレス鋼、断
熱耐熱材はジルコニア系セラミックスであった。

上記連続熱処理炉内に７００°Ｃの幅１１００ｈのスト
リップを連続通板し、熱クラウン発生状況を調べた。

なお、このときのストリップの熱伝達係数は、２０００
　Ｋｃａｌ／ｍ”ｈ　’Ｃ１炉内雰囲気の熱伝達係数は
、５０　Ｋｃａｌ／ｍ”ｈ　’Ｃであった。

第５図には、このときの温度分布とクラウン形状を示す
。

第６図は外側スリーブ厚２０Ｉ１ｍとした従来のハース
ロールの同様なグラフである。従来のハースロールにお
いて、ストリップとの接触部での熱クラウン（ＣＲ３ｍ
ａχ）は、０゜２５開であり、本発明のハースロールに
よる熱クラウンとの比較は以後この熱クラウン量を基準
とする。

これらの結果から、本発明によればロール端部における
熱クラウン（ＣＲｍａｘ）は０，７→０．４に、また、
ＣＲ５ｍａｘは０．２５−０．１５にそれぞれ減少して
おり、約６０％の熱クラウン抑制効果が得られたことが
分かった。

第７図は、本例の場合における外側スリーブ厚を５開、
１０ｍｍとした場合に内側スリーブ厚を０゛〜５ｋｍの
範囲で変えたときの熱クラウン発生状況を調べたときの
ＣＲ５ｍａ×に及ぼす内・外スリーブ厚の影響をまとめ
て示しているが、外側スリーブの薄肉化、内側スリーブ
の厚内化に伴いクラウン抑制効果は大きくなっている。

また、内側スリーブは５０旧より厚くしても重量増加を
招くだけで、クラウン抑制効果は余り期待し得ないこと
も明らかである。

実施例２ 本例においては、第４図に示す構造のハースロールを用
いて、実施例１と同様の試験を行った。

ただし、ストリップ幅寸法は１０００ｍｍ、外側スリー
ブ厚は５ｍｍ、金属リングは厚さ１０１、幅約２００間
の銅製のものを、外側スリーブ全長に亘って２１間隔で
合計１０個設けた。断熱耐熱材厚は２１１１１１、内側
スリーブ厚は８間であった。各部材の材質は実施例１に
同様であった。

第８図には、本例の場合の温度分布とクラウン形状を示
す。

これらの結果から、第６図の従来例と比較して、本発明
によりＣＲｍａｙは０．７　→０．４０に、さらに、Ｃ
Ｒ５ｍａｘは０．２５→０．０４３にそれぞれ減少して
おり、特に後者に関しては８０％の熱クラウン抑制効果
が得られているのが分かる。

第９図にはストリップ幅を５００　＋ｕ＋と半幅にした
場合の同様の試験結果を示しているが、ストリップ幅が
異なっていても熱クラウンが十分に抑制されていること
が明らかである。

（発明の効果） 以上、説明したように、本発明によればハースロールの
熱クラウンを低コスト軽量かつ制御不要で抑制すること
が可能となり、初期クラウンの変動を減少させ、ヒート
バックル、蛇行の生しない安定した通販を行うことがで
きるという効果が奏され、産業上きわめて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図昧＝舷および第２図栂；斡は、従来例のハースロ
ールの略式断面図； 第３図および第４図は、本発明にかかるハースロールの
基本構造の説明図； 第５図ないし第９図は、本発明の実施例の結果を示すグ
ラフである。ただし、第６図は比較用に従来例の結果を
示すグラフである。 ３０．４０：ハースロール、３１，４１：外側スリーブ
３２．４３：断熱耐熱材、　　３３，４４：等温拘束部
材４２：金属リング 第 図 ％ 図 ２ （Ｑ） 爲３図 （ｂ） Ｃｒｎｒｒｌ） 纂５ 図 りる閃 第７ 図 内１明スリーフ゛閉Ａ ｔ；ｎ（ｗｍ＞

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ハースロール胴部を構成する外側スリーブと、該
   外側スリーブの内側に断熱耐熱材を介して嵌着した該外
   側スリーブの金属と線膨張率の等しい金属から構成した
   等温拘束部材とを備えたことを特徴とする熱クラウン抑
   制ハースロール。
2. （２）ハースロール胴部を構成する外側スリーブと、該
   外側スリーブ内に装着された少なくとも一つの金属リン
   グとを備え、該金属リングを前記外側スリーブを構成す
   る金属と線膨張率がほぼ等しく熱伝導性の優れた異種の
   金属から構成し、さらに該金属リングの内側に断熱耐熱
   材を介して嵌着した、前記外側スリーブの金属と線膨張
   率の等しい金属から構成した等温拘束部材を備えたこと
   を特徴とする熱クラウン抑制ハースロール。