JPH038168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、マスカラ塗布用具の改良に関するも
のである。

従来のマスカラ塗布用具は、一端を栓体に固着
した棒杆と、内部にマスカラが収容され前記棒杆
を内挿すべき筒状の容器との組合わせからなつて
おり、棒杆の先端部分は一定の長さにわたつて、
獣毛又は合成樹脂の剛毛のブラシが植設された
り、または適宜のピツチで櫛状の切り込みが入つ
ている。使用に際しては前記ブラシまたは切り込
みの間に保持されているマスカラを以つてまつ毛
を整えるが、保液量が少ないため、しばしば塗布
棒を容器中に挿入して給液する必要があり、挿脱
時に余分のマスカラが付着飛散する等の欠点があ
つた。

また、実公昭51−29162号には、棒杆の先端に
軸方向の中心穴と外周面に多数の櫛を形成すると
共に、該櫛の基部と穴の間に通液孔を設けてなる
マスカラー塗布棒が提案され、保液量の改善がは
かられているが、構造上通液孔の位置に方向性が
あるため、使用に際してまつ毛と通液孔とがうま
く接触しないことがあり、また孔が小さいため折
角中心穴に貯留されたマスカラがうまく供給され
ない場合があつた。

本考案はかゝる従来技術の欠点に鑑みなされた
ものであり、一端部が栓体に固着されるとととも
に、他端部が適宜の長さの突出部分をもつて栓体
から突出された棒杆と、該棒杆が内挿される筒状
の容器との二者からなるマスカラ塗布用具におい
て、前記棒杆に、その他端部から前記突出部分全
長の略々３分の１の長さだけ前記栓体に近づいた
部位を屈折部位として中心軸から屈折せしめられ
た屈折部分を設けるとともに、該屈折部分を中空
となし、且つその一側面に適宜ピツチを以つて多
数のスリツトを穿設する一方、前記棒杆他端部に
半円リング状の突起を突設したことを特徴とする
マスカラ塗布用具である。

以下、本考案を図面に基づき詳細に説明する。

第１図は本考案に係るマスカラ塗布用具の棒杆
部の一部破断側面図、第２図は容器部の縦断側面
図である。

棒杆１はアルミニウム等の金属で製せられ、そ
の基部は内周部にねじ２を刻設された栓体３に埋
入固着されている。また、該棒杆１が前記栓体３
から突出している部分において、その先端から該
部分の全長ｌの略々３分の１の長さｍを占める部
分が、第１図に示す如く中心軸と約3゜の僅かな角
度をなして屈折せしめられている。該屈折部分は
中空円筒をなしており、その屈折の外側の表面に
は中心軸に対して直角方向に1mm前後のピツチ
を以つて複数本のスリツト４が刻設されている。
該スリツト４の切り込み深さは列の始点と終点の
ものが最も浅く、中心のものが最も深くなるテー
パー状の傾斜を以つて構成されている。

また、該棒杆１の最先端にはリング状の突端５
が水平方向に設けられている。

一方容器６には、円筒の口部外周部に、前記栓
体３に設けられたねじ２と螺合するねじ７を刻設
してあり、更に該口部に前記棒杆１の外周と略々
同径の空隙８を有する口栓９を嵌入してなる。

上記の如き構成において、マスカラは容器６内
に収納されており、棒杆１は前記口栓９の空隙８
に挿通された上、ねじ２，７同士が螺合された状
態で密栓されている。使用に際しては、この螺合
を解除して棒杆１を抜去するが、その際棒杆１に
は屈折している中空円筒部分に充分なマスカラを
含んだ状態で、その外周部が口栓９においてしご
かれることによつて過剰なマスカラを除かれて抜
き出される。

この屈折部位については、棒杆１の先端から該
棒杆１の突出部分全長の略々３分の１の長さだけ
内側に入つた部位とするが、これは、使用に不充
分でない程度のマスカラを保持すること、及び棒
杆１の強力を損わないことの両要件を満たすため
である。

然して、まつ毛を整える場合、スリツト４の列
を櫛として用い、まつ毛を揃えるようにしてスリ
ツト４に保持されているマスカラを塗布する。こ
のときマスカラは中空円筒部に充分に保持されて
いるので順次スリツト４に補給され、従来のブラ
シ型の塗布棒の如く塗布棒を容器に挿入してマス
カラを吸い上げる回数を減少し得る。

また、スリツト４はその構造上、全面にわたつ
て中空円筒部に連通しているので例えマスカラの
粘性が大きい場合であつても、容易に補給を続行
し得る。

そして、スリツトの深さが列の両端のものが浅
く、中央に近くなるにつれて深くなつており丁度
まつ毛の長さの分布に対応しているのでマスカラ
の塗布量が均一となり揃え易い。

また、棒杆１の先端部のリング状の突端５が棒
杆１の中空円筒部に保持したマスカラの液垂れを
防止するため、該突端５にも絶えずマスカラが補
給されることとなり、この部分を使用してまつ毛
の細かい修正作業を行なうことができる。

更に、棒杆１が屈折しているのでまつ毛に適用
する際の手勝手がよく、不必要な所までマスカラ
で汚すことがなく、また容器６との螺合を解除す
るため栓体３を回転せしめると当然棒杆１も回転
し屈折部によつてマスカラを撹拌するので、使用
に際し常にマスカラ液が均一であるを期待し得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るマスカラ塗布用具の棒杆
部の一部破断側面図、第２図は同じく容器の縦断
側面図、第３図は棒杆部の先端部分の拡大斜視図
である。 １……棒杆、２，７……ねじ、３……栓体、４
……スリツト、５……突端、６……容器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一端部が栓体に固着されるとともに、他端部
   が適宜の長さの突出部分をもつて栓体から突出
   された棒杆と、該棒杆が内挿される筒状の容器
   との二者からなるマスカラ塗布用具において、 前記棒杆に、その他端部から前記突出部分全
   長の略々３分の１の長さだけ前記栓体に近づい
   た部位を屈折部位として中心軸から屈折せしめ
   られた屈折部分を設けるとともに、該屈折部分
   を中空となし、且つその一側面に適宜ピツチを
   以つて多数のスリツトを穿設する一方、前記棒
   杆他端部に半円リング状の突起を突設したこと
   を特徴とするマスカラ塗布用具。 (2) スリツトの深さが列の中央部において最も深
   く、両端に至る程浅くなつている実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のマスカラ塗布用具。