JPH036974B2 - - Google Patents

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JPH036974B2
JPH036974B2 JP11366282A JP11366282A JPH036974B2 JP H036974 B2 JPH036974 B2 JP H036974B2 JP 11366282 A JP11366282 A JP 11366282A JP 11366282 A JP11366282 A JP 11366282A JP H036974 B2 JPH036974 B2 JP H036974B2
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nickel
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Ryo Masumoto
Naoji Nakamura
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DENKI JIKI ZAIRYO KENKYUSHO
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  • Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はNi−Au−Cu系電気抵抗合金およびそ
の製造方法に関するもので、その目的とするとこ
ろは広い温度範囲において電気抵抗の変化が極め
て少なく、しかも比較的低い電気抵抗を有する合
金を得るための成分配合の微調整と熱処理が比較
的容易で、細線や薄膜加工が良好でかつ安定性の
優れた電気抵抗合金を得るにある。 近年、生鮮食品の貯蔵や乾燥における温度管
理、ソーラプラント、空調機器、防災装置、生体
機器やバイオテクノロジー等のプロセス制御、物
性研究等ではデリケートな環境条件下の温度を非
常に高い分解能(0.01℃以下)で安定に計測する
必要が生じてきた。これに応える温度センサとし
ては小型で、熱応答性が速く、耐振、耐衝撃性の
高い厚膜あるいは薄膜白金測温抵抗体が開発され
つつある。この種センサは熱電対方式やサーミス
タ方式のものと比較して−200℃〜+500℃におけ
る抵抗値がほぼ直線的に変化すること、大出力が
得られること、信頼性や精度が高い等多くの利点
がある。 しかしながら温度に対する分解能は現在0.1℃
限界であつて、分解能をこれ以上高めるためには
温度センサ全体の構成系について再検討を必要と
する。すなわち温度に対する分解能を第1図の抵
抗−電圧変換回路で説明を行うと、その分解能は
温度センサの構造的因子の他に白金測温抵抗体
Rtの精度やこれとブリツジ回路で構成される基
準抵抗RSの性能に大きく影響を受ける。基準抵
抗RSに求められる条件としては、まず温度に対
する抵抗変化がないことが最も重要である。この
他にも適当な抵抗値(Rt/RS1)を有するこ
と、熱サイクルにおけるヒステリシスがないこ
と、熱エージングにおける抵抗変化のないこと、
化学的に安定であること、加工性が良好なこと等
が挙げられる。 この基準抵抗には従来標準抵抗として用いられ
ているマンガニン系巻線抵抗器(Cu−Mn系合
金)やニクロム系金属皮膜抵抗器(Ni−Ci系合
金)等が使用されており安定な出力が得られる。
ところが前者では適当な大きさの電気抵抗値は得
られるが、電気抵抗の温度係数を調整するための
熱処理が複雑であるばかりでなく経時変化が大き
い、また後者では小型で量産性に富むが、抵抗値
が非常に大きくRt/RSが極めて小さくなるため、
温度に対する分解能が劣るばかりでなく、品質の
バラツキが大きい等の欠点を有しており、いずれ
も一長一短があつて十分とは言い難つた。 またこれらの他にも通信機やポテンシヨメータ
ーの抵抗器として使われているNi−Cu系合金が
考えられる。この合金は比電気抵抗ρがマンガニ
ンの値(約45〜48μΩ−cm)に近く、ρの温度係
数が小さく、しかも合金が全率固溶体であるため
マンガニンの如く難しい熱処理を必要としない等
多くの特長を有しているが、反面組成に対するCf
の勾配が急であるため材料のバラツキの大きいこ
とが最大の欠点である。上記Cfの難点を緩和する
方法としては特公昭42−18911号に既に公示され
ている。それによると第5図からもわかるように
Cu−Ni系合金に第3元素としてFeやGeを微量添
加して改良を行い電気抵抗の温度係数Cf−0の合
金を得ている。しかし組成に対するCfの変化は未
だかなり大きく、例えば電気抵抗の温度係数Cf
±20ppm/℃以内の合金を得るためにはGe量を
±0.5%の極く狭い組成範囲に限定しなければな
らないので、量産を考慮した場合Cfのバラツキの
ないものを製造することは極めて困難であつた。 本発明者らは幾多研究の結果、前記合金の欠点
を除去改善して低温から高温までの広い温度範囲
において電気抵抗の変化が極めて少なく、しかも
加工性の良好な、安定性に優れた電気抵抗合金を
提供することができたのである。 すなわち本発明は、重量比にてニツケル22〜59
%、金0.01〜30%および銅39〜68%からなり少量
の不純物を含み、−100℃〜+250℃の広い温度範
囲において電気抵抗の温度係数が±100ppm/℃
以内を有する電気抵抗合金に関するものである。 さらに本発明は、重量比にてニツケル22〜59
%、金0.01〜30%および銅39〜68%からなり少量
の不純物を含む合金を鋳造および熱間加工あるい
は冷間加工により線材あるいは板材等の形状とな
し、非酸化性雰囲気中あるいは真空中で少くとも
250℃以上融点以下の温度で2秒以上加熱するこ
とにより電気抵抗の温度係数が−100℃〜+250℃
の温度範囲において±100ppm/℃以内であるも
のを得ることを特徴とするものである。 以下、本発明合金の製造方法について説明す
る。 本発明においてまずニツケル22〜59%、金0.01
〜30%および銅39〜68%のうちの適量を空気中好
ましくは非酸化性雰囲気中あるいは真空中におい
て適当な溶解炉を用いて溶解した後、マグネシウ
ム、マンガン、ケイ素、チタン、カルシユウム等
少量(約1g以下)を添加し有害な不純物を除
き、充分に撹拌して組成的に均一な溶融合金を造
る。次にこれを適当な形および大きさの鋳型に注
入して健全な鋳塊を得、さらにこれを常温あるい
は1100℃以下の温度において鋳造その他種々の加
工を施して適当な形状のもの、例えば棒あるいは
板を造る。さらにこれをスエージング、伸線、圧
延あるいは潰し等の方法によつて冷間加工を施し
目的の形状のもの、例えば細線あるいは薄板にす
る。最後に加工による内部歪を除去し特性の安定
化を図るために、これらを非酸化性雰囲気中ある
いは真空中で250℃以上融点以下の温度に2秒以
上100時間以下加熱保持後、任意の速度例えば5
〜300℃/hの速度で冷却し充分に焼鈍する必要
がある。この焼鈍処理は溶接性やロー付における
ぬれ性が向上し、取扱いが容易となる等の特長も
具備している。なお本発明合金は全組成に亘つて
全率固溶体を形成して偏析や化合物等を生じない
ため、安定性に優れていることも大きな特長の一
つである。 つぎに上記合金を電気抵抗体素子あるいはセン
サコイルとして用いる場合、絶縁方法としては以
下3種類の工程がある。 (A) 本発明合金を鋳造、鍛造、圧延、伸線等の加
工を施して線材あるいは板材等の所望の形状の
ものを、そのままの状態で耐熱性絶縁体、例え
ば高純度セラミツクペースト中に埋め込むか、
耐熱性絶縁体にアルミナ接着剤で直接貼付する
か、筒状セラミツクスに巻きつけるかあるいは
2枚の絶縁板で挾むなどの方法により固定す
る。 (B) 本発明合金を鋳造、鍛造、圧延、伸線等の加
工を施した線材あるいは板材等の表面に耐熱性
の良好なシリカ、アルミナ、マグネシア、フツ
化物、ホウ化物あるいはチツ化物等の無機質絶
縁被膜を電着、蒸着、プレーテイグあるいはス
パツタリング等の適当な方法により塗布あるい
はコーテングした後、所望の形状に巻線成形加
工を施す。 (C) 本発明合金の膜を耐熱性絶縁体表面に電着、
蒸着、プレーテングあるいはスパツタリング等
の適当な方法により被着した後、所望の形状に
エツチング打抜きあるいはトリミング加工を施
し、必要ならばさらにこの上に絶縁被膜を上記
(B)の方法により塗布あるいはコーテング処理を
施す。 以上のような工程により製造した成品をそのま
まで使用してもよいが、必要ならば成品の安定化
のために、さらに再び前述の方法により焼鈍処理
を施せば電気抵抗合金自体と同じ特性を発揮する
優秀な電気抵抗体素子あるいはセンサコイルの製
造が可能である。 つぎに本発明の実施例について述べる。 実施例 1 合金番号No.102(合金組成Ni−30%、Au−15
%、Cu−55%) 製造原料としては純度99.9%以上のニツケル、
金および銅を用いた。試料を造るには全重量100
gの原料をアルミナ坩堝に入れ、酸化を防ぐため
に高純度アルゴンガスを吹きつけながら高周波誘
導電気炉によつて溶かし、よく撹拌して均質な溶
融合金とした。この際脱酸剤としてマグネシユウ
ムを0.05%投入して、内径7mm、高さ180mmの鉄
型に鋳込んだ。その後鋳塊表面の疵を除去し、熱
間鍛造により直径5mmの丸棒とした。丸棒表面の
酸化物を丁寧に除去した後、スエージングおよび
伸線機により線径0.5mmまで冷間加工した。これ
より長さ100mmに切り取り電気抵抗測定用試料と
した。電気抵抗は−190℃〜+700℃の温度範囲で
測定した。第2図に示してあるように、加工状態
(破線)の電気抵抗の変化は組織が不安定なため
昇温途中の温度、例えばb点(300℃)で1時間
保持すると、電気抵抗がd点まで減少する。そし
て300℃以下の温度で加熱冷却を繰り返すとd→
e→f→gの如く元の経路を辿らずヒステリシス
を生ずる。しかしながら曲線deと曲線fgにおい
て、250℃以下の温度で加熱冷却を繰り返しても
ヒステリシスは生じないで同じ経路を辿る。この
現象についてらに詳しく調べたのが第3図Aであ
る。図は試料を1000℃で焼鈍した後、245℃、300
℃および350℃の各温度に1カ月間等温保持した
場合の保持日数に対する電気抵抗の変化を%で示
したものである。245℃で1カ月保持した場合は
電気抵抗は全く変化しないが、この温度以上では
1〜1.4%の電気抵抗の減少がみられた。したが
つて第2図および第3図Aからもわかるように、
曲線deと曲線fgにおいては250℃以下の温度で加
熱冷却を繰り返しても同じ経路を辿るため、実用
には差障りがない。また第2図において焼鈍状態
(実線)の特性曲線からもわかるように、c点
(470℃)以上の温度に加熱した場合には合金が安
定化されるためにヒステリシスはみられない。但
しこの場合でも第3図Aに示した如く、250℃以
上の温度に長時間保持すると電気抵抗の変化が生
ずるため、応用に際しては使用温度の上限を250
℃に設定しなければならない。尚20℃における比
電気抵抗ρは41μΩ−cm、ρの温度係数Cfは−
4ppm/℃(−50℃〜+250℃)と−5ppm/℃
(0℃〜+100℃)であつた。 実施例 2 合金番号No.176(合金組成Ni−28%、Au−24
%、Cu−48%) 製造原料は実施例1と同じ純度のニツケル、金
および銅を用いた。試料の製造方法は実施例1と
同じ工程であつた。試料は線径0.5mmのものと、
残りの線材を伸線加工により線径0.03mmにし、冷
間圧延により厚さ7μm、幅0.74mmのリボン状薄板
にしたものとで、これらを1000℃で焼鈍を行つ
た。その特性曲線は第2図および第3図Bのとお
りで、実施例1と類似の傾向を示す。この場合線
状試料と薄板状試料との測定結果の違いは全くみ
られなかつた。尚20℃における比電気抵抗ρは
43μΩ−cm、ρの温度係数Cfは−4ppm/℃(−50
℃〜+250℃)と−12ppm/℃(0℃〜+100℃)
であつた。 実施例 3 合金番号No.3(合金組成Ni−30%、Au−10%、
Cu−60%) 製造原料および製造方法は実施例2と同じであ
る。試料の特性曲線は第2図および第3図Cのと
おりで、実施例1および実施例2と類似の傾向を
示す。尚20℃における比電気抵抗ρは40μΩ−
cm、ρの温度係数Cfは2ppm/℃(−50℃〜+250
℃)と10ppm/℃(0℃〜+100℃)であつた。 第1表の1および第1表の2は、Cu−Ni−Au
系合金、Cu−Ni比較合金、Cu−Ni−Fe比較合
金およびCu−Ni−Ge比較合金について、−100〜
+250℃間における電気抵抗の平均の温度係数Cf
=ΔR/RΔTを示す。なおCu−Ni−Au系合金の場合 の合金試料は36種類、それらの組成範囲はCuが
25〜80%、Niが10〜65%およびAuが0〜40%
で、線径0.5mmおよび長さ100mmの細線を真空中
1000℃で1時間加熱後、300℃/hで室温まで冷
却した。
【表】
【表】 第4図には実施例1ないし実施例3と同様の実
験をニツケル−金−銅3元系における金0〜50%
の組成範囲に亘つて行い、−100℃〜+250℃にお
ける電気抵抗の平均の温度係数Cf−ΔR/RΔT、すな わち−100ppm/℃、0、+100ppm/℃、+
200ppm/℃および+500ppm/℃の等値曲線を示
したものである。なお、図中点a,b,cおよび
dは、それぞれCu−Ni比較合金A,B,Cおよ
びDの組成位置を示す。また点eおよびfは、そ
れぞれCfが−100ppm/℃および+100ppm/℃の
曲線上における合金の組成位置を示す。図にみる
ように、例えばCfが±100ppm/℃以内にある合
金は、Cu−Ni2元系比較合金の場合では、点aお
よび点b間(Ni=32〜39%)および点cおよび
点d間(Ni=46〜59%)の2ケ所の組成範囲に
おいて得られるが、本発明Cu−Ni−Au合金にお
いては、点eおよび点f間(Au=4〜30%)の
非常に広い組成範囲において得られるのが特徴で
ある。 第5図は第4図における直線A,BおよびC、
すなわちニツケル28%、30%および32%の一定の
濃度について、金の組成に対するCfの変化が示し
てある。ここには本発明合金のCfの変化と比較す
るためにCU−Ni−Fe系比較合金とCu−Ni−Ge
系比較合金のCfも示しておいた。図からも明らか
なように比較合金のCfはFeあるいはGeの添加量
に対して急激に変化しているのに対して、本発明
合金の場合では、Cfの小さな値は添加元素の広い
組成範囲に亘つて得られる。例えばCfが±
20ppm/℃以内の合金を得るためには、Cu−Ni
−Ge比較合金において、Ge2〜3%の極く狭い
組成範囲内に限定されるが、本発明合金の場合で
は、Ni=30%の曲線において、Au量が4.5〜22.5
%の非常に広い組成範囲内にあり、比較合金のそ
れに比べて約18倍も組成範囲が広い。 すなわち、本発明合金は、第4図および第5図
にみるようにCu−Ni比較合金、Cu−Ni−Fe比
較合金およびCu−Ni−Ge比較合金などに比べる
と、Cfの組成依存性が極度に少ないといえる。 以上実施例1〜3に述べたように本発明合金は
温度に対する電気抵抗の変化が非常に小さいだけ
でなく、その合金組成が広範囲に及んでいるため
特性のバラツキがなく安定性に優れており、しか
も良好な加工性は勿論のこと全組成において全率
固溶体を形成するため再現性に富み、溶接性やロ
ー付が良好である等多くの特徴を示している。こ
れらの特性は基準抵抗用電気抵抗合金やセンサコ
イル材の量産に適しており、それらの要求特性を
充分に満足するものである。 つぎに本発明合金の組成についてニツケルを22
〜50%および金を0.01〜30%に限定した理由は、
各実施例、第2図、第4図および第5図からも明
らかなように、この範囲の組成においては−100
℃〜+250℃の温度範囲における電気抵抗の温度
係数が±100ppm/℃以内であるが、組成がこの
範囲を越えると上記の値より大きくなり、本発明
の目的である温度の広範囲にわたり電気抵抗の変
化の小さい合金に反するからである。 また本発明合金の温度範囲を−50℃〜+250℃
に限定した理由は、この温度範囲内では本発明合
金の全組成において電気抵抗の温度係数の変化が
±100ppm/℃以内の特性を示すが、250℃以上の
温度では第2図および第3図からも明らかなよう
に熱エージングがみられ安定性に難があるばかり
でなく、耐酸化性に欠ける。また−100℃以下の
温度では合金によつては電気抵抗の温度係数が+
100ppm/℃以上となるため、本発明の目的であ
る温度の広範囲にわたり電気抵抗の変化の小さい
合金に反するからである。 本発明合金の加熱温度および加熱時間をそれぞ
れ250℃以上融点以下および2秒以上100時間以下
に限定した理由を、第6図で説明する。 第6図は、合金No.11について電気的特性(抵抗
−温度曲線、電気抵抗の温度係数や電気抵抗の時
間変化など)の安定化に影響する加工歪の除去の
程度(硬度が50%以下に減少する量)と加熱温度
あるいは加熱保持時間との関係を示す。図中領域
(A)では、加熱に伴う再結晶化の過程における結晶
粒の成長が制御され、しかも軟化する。しかしそ
の外側の領域(B)では、軟化が非常に早く進行する
が、結晶粒が粗大化して機械的強度が脆弱となる
ばかりでなく、合金中に含有しているAuの遊離
が生ずるので、電気的特性が悪化する。したがつ
て領域(A)で処理することが好ましい。 また250℃以下あるいは2秒以下で処理した場
合には、上記の効果はほとんどみられず、本発明
合金の製造方法としては不適当である。 さらにまた本発明合金の加熱後の冷却速度を5
〜300℃/hに限定した理由は、この範囲で処理
することによつて再結晶化の過程における結晶粒
の成長が制御され、Auの遊離が発生しないなど
により本発明合金の優れた電気的特性を損なわな
いが、この範囲からはずれると所望の電気的特性
が得られないばかりが、電気的特性の安定化が損
なわれるので、本発明合金の製造方法としては不
適当である。 要するに本発明合金は広い組成に亘つて−100
℃〜+250℃の広い温度範囲における電気抵抗の
変化が±100ppm/℃以内と極めて小さく、しか
も全組成において全率固溶体を形成するため再現
性と安定性に優れ、溶接性やロー付が良好である
ばかりでなく極細線や薄板等の加工性が良好であ
るため量産性が高い等多くの特長を有している。
そのため、種々の基準抵抗器をはじめ精密計測機
器等の電気抵抗体素子やセンサコイル材として好
適である。特に本発明合金を高分解能型温度セン
サ用基準抵抗器へ応用せんとする場合、その比電
気抵抗値がマンガニン系合金のものより若干小さ
いので、より一層優れた特性を発揮することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は温度センサに使用される抵抗−電圧変
換方式の基本構成図、第2図は合金番号No.102、
No.176およびNo.3について、測定温度に対する電
気抵抗の変化を示した特性曲線図、第3図は第2
図と同じ合金について245℃、300℃および350℃
の3種類の温度に1カ月以内等温保持した場合の
電気抵抗の変化を示す特性曲線図、第4図はニツ
ケル−金−銅合金について、−100℃〜+250℃の
温度範囲における平均の電気抵抗の温度係数−
100ppm/℃、0、+100ppm/℃、+200ppm/℃
および+500ppm/℃の等値曲線図、第5図は第
4図におけるニツケル28%、30%および30%一定
として、金の組成に対する電気抵抗の温度係数の
変化を示した特性曲線図、および第6図は合金No.
11について、加工歪の除去の程度と加熱温度ある
いは加熱保持時間との関係を示す特性曲線図であ
る。 1……定電流回路、2……差動増幅器、3……
信号変換回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量比にてニツケル22〜59%、金0.01〜30%
    および銅39〜68%の組成からなり少量の不純物を
    含むことを特徴とする電気抵抗合金。 2 重量比にてニツケル22〜59%、金0.01〜30%
    および銅39〜68%の組成からなり少量の不純物を
    含む合金を鋳造および熱間加工あるいは冷間加工
    により線材あるいは板材等の形状となし、非酸化
    性雰囲気中あるいは真空中で少なくとも250℃以
    上融点以下の温度で2秒以上加熱することにより
    電気抵抗の温度係数が−100℃〜+250℃の温度範
    囲において±100ppm/℃以内であるものを得る
    ことを特徴とする電気抵抗合金の製造方法。 3 重量比にてニツケル22〜59%、金0.01〜30%
    および銅39〜68%の組成からなり少量の不純物を
    含む合金を鋳造加工して得られた線材あるいは板
    材等を巻線成形加工を施すかあるいは所望の形状
    に打ち抜き、そのままの状態で耐熱性絶縁体中に
    埋め込むか、耐熱性絶縁体に固定した後、さらに
    これらを非酸化性雰囲気中あるいは真空中におい
    て250℃以上融点以下の温度で2秒以上100時間以
    下保持後5〜300℃/hの冷却速度で冷却し充分
    焼鈍を行うことにより、電気抵抗の温度係数が−
    100℃〜+250℃の温度範囲で±100ppm/℃以内
    であるものを得ることを特徴とする電気抵抗体素
    子あるいはセンサコイルの製造方法。 4 重量比にてニツケル22〜59%、金0.01〜30%
    および銅39〜68%の組成からなり少量の不純物を
    含む合金を鋳造加工して得られた細線あるいは薄
    板の表面に耐熱性絶縁体を塗布あるいはコーテン
    グした後、所望の形状に巻線成形加工を施し、さ
    らに非酸化性雰囲気中あるいは真空中において
    250℃以上融点以下の温度で2秒以上100時間以下
    保持後、5〜300℃/hの冷却速度で冷却し充分
    な焼鈍を行うことを特徴とする電気抵抗体素子あ
    るいはセンサコイルの製造方法。 5 重量比にてニツケル22〜59%、金0.01〜30%
    および銅39〜68%の組成からなり少量の不純物を
    含む合金膜を適当な方法により耐熱性絶縁体表面
    に披着した後、所望の形状に成形し、さらにこの
    上に耐熱性絶縁体を被着、塗布あるいはコーテン
    グしたものを非酸化性雰囲気中あるいは真空中に
    おいて250℃以上融点以下の温度で2秒以上100時
    間以下保持後5〜300℃/hの冷却速度で冷却し
    充分な焼鈍を行うことを特徴とする電気抵抗体素
    子あるいはセンサコイルの製造方法。
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