JPH0570689B2 - - Google Patents

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JPH0570689B2
JPH0570689B2 JP26762187A JP26762187A JPH0570689B2 JP H0570689 B2 JPH0570689 B2 JP H0570689B2 JP 26762187 A JP26762187 A JP 26762187A JP 26762187 A JP26762187 A JP 26762187A JP H0570689 B2 JPH0570689 B2 JP H0570689B2
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less
insulator
electrical resistance
alloy
heating
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Ryo Masumoto
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DENKI JIKI ZAIRYO KENKYUSHO
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は恒電気抵抗合金を使用した渦電流セン
サの製造法に関するものである。 近年工場や各種現場ではロボツトや自動化技術
が盛んに採用されて危険な作業や生産性の向上に
貢献している。これら技術システムの性能はマイ
クロプロセツサーのインターフエースへの計測デ
ータを検知するセンサの性能によつて優劣が決ま
るといつてよい。しかしセンサを取扱う作業現場
は良好な場所が少なく、むしろ非常に苛酷な条件
や危険性を伴う場合が普通であつた。特に製鉄
業、化学工業、原子力関連産業や宇宙関連産業等
における温度、圧力あるいは変位等の各種計測に
関しては、耐環境性をクリアし、長期間使用に対
して安定性が良く、保守性に優れ、しかも安定性
も良好な優れたセンサが求められるようになつて
きた。 例えば高歩留まり高品位の鉄鋼を一貫生産でき
る連続鋳造プロセスの場合、高炉、タンデツシユ
や鋳型内の原料パウダー量や溶鋼の湯面レベル等
の計測およびスラブの厚さ、幅や圧延速度等の計
測に使用するセンサは800〜1000℃の高温と蒸気
に曝されるため、これら厳しい環境に耐えなけれ
ばならないばかりでなく特性が長期間安定してい
なければならない。上記の計測は従来γ線やX線
等の電離放射線を用いる方式が多く採用されてき
たが、装置が大型となり、人体への危険性も伴う
などの欠点が多かつた。そこで近年小型で取扱い
の容易な渦電流式変位計(以下単にセンサと呼
ぶ)の使用が考えられるようになつた。 さてセンサの性能はセンサコイル材によつて決
まるため、その電気的特性および安定性は特に重
要である。例えば上記連続鋳造プロセスの場合、
800〜1000℃の高温で数ケ月乃至数年間連続して
稼働するため、センサコイル材に要求される条件
は、電気抵抗の温度係数が±100ppm/℃以下で
長期間変化せず、さらには耐食性、耐酸化性およ
び加工成形性が良好で、しかも断線に関係深い耐
熱応力破壊性に優れていることも重要である。セ
ンサの特性は高温領域のみならず常温における較
正計測も必要であるので、電気的特性が常温領域
においても高温領域と同様に優れたものでなけれ
ばならない。 現在これらの条件に合致したセンサコイル材は
全く皆無であるため、関連産業界からその開発が
強く要望されている。 従来この種センサコイル材としては、本発明者
らが先に提案したパラジウム−銀系合金(特開昭
55−122839号)およびパラジウム−鉄系合金(特
開昭58−113332号)があるが、以下述べるように
いずれの合金系においても一長一短がある。 すなわち前者の合金は高温における耐食正、耐
酸化性および加工性が良好で、しかも−50〜600
℃の広い温度範囲にわたつて電気抵抗の温度計数
が±20ppm/℃以下で極めて小さい特長を有する
反面、−50℃以下および600℃以上の温度では電気
抵抗の温度係数が+100ppm/℃以上の非常に大
きな値を示すばかりでなく、この素材を使用した
センサを高温で長期間連続稼働すると素材の結晶
粒が粗大化して特性の劣化が進行するだけでよ
く、最悪の場合断線によるトラブルのため生産管
理上大きな障害となることもしばしばであつた。 また後者の合金の場合では規則−不規則変態点
(600〜800℃)以上融点(約1400℃)近くまでの
広い温度範囲における電気抵抗の温度係数は±
100ppm/℃以下で小さく、しかも高温で長期間
連続使用しても特性は極めて安定しているなどの
特長がある反面、規則−不規則変態点以下の温度
では電気抵抗の変化が大きく不安定であるばかり
でなく、高温における耐酸化性が著しく劣り、加
工性も悪いためにその製造上および使用上におい
ては高度の工夫が必要であるなど多くの欠点と制
約があつた。 そこで本発明者らはかかる関連産業の緊急の要
請に応えるべく早速上記のパラジウム−銀系合金
およびパラジウム−鉄系合金について比較検討し
た結果、量産における製造上の取扱いが容易で、
かつ加工性や成形性に優れたパラジウム−銀系合
金の改良を試みた。 すなわち本発明者らはパラジウム−銀系合金の
恒電気抵抗特性は伝導電子の格子振動による散乱
と結晶の短範囲規則性とがバランスした状態では
電子の散乱が一定となり電気抵抗の変化を少なく
するが、−50℃以下および600℃以上ではこれら両
因子のバランスが崩れるため電子の散乱が多くな
り恒電気抵抗特性を失うものと考えた。因みに第
1図にはパラジウム−銀系合金におけるAg量に
対する電気抵抗の平均の温度係数を示す。ここで
曲線,およびはそれぞれ0〜400℃、−150
℃〜1000℃および−200〜120℃の温度間における
電気抵抗の平均の温度係数である。第1図におい
て、電気抵抗の平均の温度係数が±100ppm/℃
以下は、曲線のc点(Ag32.2%)〜d点
(Ag46.7%)間および曲線のa点(Ag36.0%)
〜b点(Ag45.5%)間の組成範囲で得られるが、
曲線では全組成にわたつて+100ppm/℃以上
で極めて大きい。以上の説明から、−150℃〜1000
℃の広い温度範囲における電気抵抗の平均の温度
係数が±100ppm/℃以下を示す組成範囲は曲線
および曲線においてc点〜a点間およびb〜
d点間の組成を除いたAg36.0(a点)〜45.5(b
点)%間に限定される。 またセンサコイルの断線現象は、加工した材料
を長期間連続加熱することによつて再結晶化し、
さらに加熱時間の増加とともに結晶粒が粗大成長
化して、加熱および冷却の繰り返しによる膨張や
収縮等の外的要因が加わつて熱応力破壊が発生
し、遂には断線するものと予想した。すなわちセ
ンサの高温安定性に密接に関連のある耐熱応力破
壊性を改善するための解決策としては、まず再結
晶温度を高めて結晶成長を抑止し、結晶粒径を出
来るだけ小さくすればよい。ついでセンサの使用
温度および耐用時間の上限を低く設定することも
重要である。前者については合金の結晶微細化を
図るため多元素添加が考えられる。また後者につ
いては合金およびセンサの製造法に深く関与して
おり恒電気抵抗特性と相まつて最適な加工法およ
び熱処理法を採用する必要がある。ここで耐熱応
力破壊性の評価法としては、合金の再結晶温度、
平均の結晶粒径ならびに合金素材をセンサコイル
に成形加工後、そのインピーダンスの安定性から
判定できる。すなわち再結晶温度が高く、平均の
結晶粒径が小さく、しかもインピーダンスの径時
変化が少ないほど、センサの高温安定性および耐
熱応力破壊性が優れているといえる。 本発明者らは上記の諸問題点を解決して高温で
も安定な渦電流式センサを得るために上述した事
実に基づき多くの実験を行つた結果、パラジウム
36.0〜45.5%銀合金に周期率表のa族〜Vb族元
素の添加が高温における電気抵抗の平均の温度係
数および耐熱応力破壊性の改善に極めて有効かつ
効果的であることを突きとめた。 本発明の目的は上述した不具合を解消して、−
150〜1000℃の広い温度範囲において電気抵抗の
変化が極めて少なく、耐熱応力破壊性に優れかつ
加工成形が容易な恒電気抵抗特性を具備した渦電
流式センサを提供しようとするものである。 すなわち本発明は、イリジウム(Ir)10%以
下、白金(Pt)10%以下、銅(Cu)10%以下お
よび金(Au)20%以下の1種あるいは2種以上
の合計0.1〜20%と銀(Ag)36.0〜45.5%および
残部パラジウム(Pb)と少量の不純物とからな
る合金を鋳造、鋳込み後、鍛造、熱間加工および
冷間加工により線材あるいは板材等の所望の形状
となし、非酸化雰囲気中または真空中において
200〜1200℃で2秒以上100時間以下加熱する製造
法により、−150℃〜1000℃の広い温度範囲におけ
る電気抵抗の平均温度係数が±100ppm/℃以下
の優れた恒電気抵抗特性を有し、耐熱応力破壊性
に優れ、かつ耐酸化性および加工成形性も良好な
渦電流式センサを得ることを特徴とするものであ
る。 また本発明においては前記合金からなる線材ま
たは板材等をスパイラルまたはトロイダル等の所
望の形状に形成加工した後、必要ならばくせ付処
理し、これらをそのままで常温用または耐熱用絶
縁体に固定するかあるいは絶縁体中に埋め込む等
の方法によつてセンサとなし、必要ならばさらに
非酸化性雰囲気中または真空中において200〜500
℃で数時間加熱して固形化した後500〜1200℃で
2秒以上100時間以下加熱することにより恒電気
抵抗特性を具備せしめる方法、あるいは本発明に
おいて、前記合金からなる線材または板材表面に
常温用または耐熱用絶縁体を塗布、電着等により
コーテイング処理後、スパイラルまたはトロイダ
ル等の所望の形状に成形加工した後、これらをそ
のままで常温用または耐熱用絶縁体に固定するか
あるいは絶縁体中に埋め込む等の方法によつてセ
ンサとなし、必要ならばさらに非酸化性雰囲気中
または真空中において200〜500℃で数時間加熱し
て固形化した後500〜1200℃で2秒以上100時間以
下加熱することにより恒電気抵抗特性を具備せし
める方法、またあるいは本発明において前記合金
を常温用または耐熱用絶縁体表面に電着またはス
パツタリング等の適当な方法により薄膜として被
着した後、所望の形状にエツチング打抜きまたは
トリミング加工を施し、絶縁体に固定するかある
いは絶縁性ケース内に装填してセンサとなし、さ
らにこれを非酸化性雰囲気中または真空中におい
て200〜500℃で数時間加熱して固形化した後500
〜1200℃で2秒以上100時間以下加熱することに
より恒電気抵抗特性を具備せしめる方法によりセ
ンサを作製することを特徴とするものである。 以上の説明中、恒電気抵抗特性の語義について
説明すると、通常の金属合金の電気抵抗が温度変
化と共に大きく変化するのに対して本発明合金の
ように特定の温度領域では電気抵抗の変化が極め
て少ないか若しくは零、換言すれば電気抵抗の温
度係数が極めて小さいか若しくは零である性質い
ついて名づけたものである。一例として従来精密
抵抗材料として多用されているマンガニン等が常
温付近に限つて恒電気抵抗特性を有している。 以下、本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。 第2図、第3図、第4図および第5図はそれぞ
れパラジウム−銀系合金の−150℃〜1000℃間に
おける電気抵抗の平均の温度係数におよぼすそれ
ぞれIr、Pt、CuおよびAu添加量の効果を示す。
また第6図にはPd−40%Ag合金にIr、Pt、Cu又
はAuを添加した合金の−150℃〜1000℃間におけ
る電気抵抗の平均の温度係数とIr、Pt、Cu又は
Au添加量との関係を示す。これら第2図乃至第
6図からも明らかなように、−150℃〜1000℃間に
おける電気抵抗の平均の温度係数が±100ppm/
℃以下を有するIr、Pt、CuあるいはAuの添加量
はそれぞれ10%以下、10%以下、10%以下あるい
は20%以下であることがわかる。 つぎに本発明合金およびセンサの製造法につい
て詳細に説明する。 まず本発明合金を造るにはIr10%以下、Pt10%
以下、Cu10%以下およびAu20%以下の1種ある
いは2種以上の合計0.1〜20%と、Ag38〜45.5%
および残部Pdと少量の不純物の適量を非酸化性
雰囲気中または真空中において適当な溶解炉を用
いて溶解し、充分攪拌して組織的に均一な溶融合
金を得る。つぎに溶融合金を適当な形および大き
さの鉄型に鋳込み健全な鋳魂を得た後、鋳塊表面
のスケール、疵類等を研削して取り除き、さらに
鍛造工程を経て種々の熱間加工および冷間加工、
例えばスエージング、伸線、圧延または潰し等の
方法によつて所望の形状のもの、例えば丸棒、細
線または薄板にする。つぎにこれらの形状のもの
を非酸化性雰囲気中または真空中において200〜
1200℃で2秒以上100時間以下加熱することによ
り電気抵抗の温度計数が−150℃〜1000℃の温度
範囲において±100ppm/℃以下の恒電気抵抗特
性および優れた耐熱応力破壊性を有することが可
能となる。 また本発明合金を発熱素子やセンサ等に応用す
る場合には通常コイル状に成形加工して使用する
ため、以下に説明するいずれかの方法によつて本
発明合金の恒電気抵抗特性を十分に発揮し得る電
気的および熱的絶縁処理を施こさねばならない。 (1) 本発明の合金の線材または板材等をマイカ等
の常温用絶縁体またはセラミツク等の耐熱用絶
縁体に直接巻きつけるかあるいは絶縁体で挟む
などの方法により固定した後、必要ならば非酸
化性雰囲気中または真空中において絶縁体中の
有害ガスや有機物を蒸発せしめるため200〜500
℃で数時間加熱後さらに500〜1200℃で2秒以
上100時間以下加熱する。 (2) 本発明の合金の線材あるいは板材等をスパイ
ラルまたはトロイダル等の形状に成形加工した
ものを非酸化性雰囲気中または真空中において
500〜1200℃で2秒以上100時間以下加熱してく
せ付処理後そのままの状態で水ガラス等の常温
用絶縁体またはセラミツクペースト等の耐熱用
絶縁体からなる溶液中に浸漬し200〜500℃で数
時間加熱して固形化した後絶縁ケース内に装填
して密閉し、必要ならばさらに非酸化性雰囲気
中または真空中において500〜1200℃で2秒以
上100時間以下加熱する。 (3) 本発明の合金の線材または板材等表面にホル
マール等の常温用絶縁体を塗布またはコーテイ
ングするか、あるいはポリイミド樹脂やマグネ
シヤ等の耐熱用絶縁体を電着またはスパツタリ
ング等の適当な方法により被着した後、スパイ
ラルまたはトロイダル等の形状に巻線成形加工
し200〜500℃で数時間加熱して有害ガスや有機
物等を蒸発発散させ、絶縁ケース内に装填して
密閉し、必要ならばさらに非酸化性雰囲気中ま
たは真空中において500〜1200℃で2秒以上100
時間以下加熱する。 (4) 本発明の合金やガラスやセラミツク等の絶縁
体表面に電着またはスパツタリング等の適当な
方法により被着した後、所望の形状にエツチン
グ打抜きまたはトリミング加工を施し、必要な
らば絶縁体に固定するかあるいは絶縁性ケース
内に装填する。その後200〜500℃で数時間加熱
して均質化処理を行い、必要ならばさらに非酸
化性雰囲気中または真空中において500〜1200
℃で2秒以上100時間加熱する。以上のような
工程により完成した成品の特性は本発明のセン
サのそれと全く同じであつて、恒電気抵抗特性
や耐熱応力破壊性を十分に発揮し得ることが明
らかになつた。 つぎに本発明センサの製造法について、実施例
によつて具体的に述べる。 実施例 1 合金番号PAM−1(組成Pd=55.5%、Ag=
42.0%、Ir=2.5%)のセンサの製造 原料として純度99.9%のPd、AgおよびIrを用
いた。試料を造るには全重量100gの原料を高純
度アルミナ坩堝に入れ、アルゴンガスを吹きつけ
ながら高周波誘導電気炉によつて溶解し、よく攪
拌して均質な溶融合金とした後、内径7mm、高さ
180mmの鉄型に鋳込み、鋳塊表面の疵を取り除い
た。その後鍛造および熱間ロールにより直径10mm
にし、スエージングおよび線引等の冷間加工によ
り直径0.5mmの細線にしたものから長さ約10cmに
切り取り電気抵抗測定用試料とした。電気抵抗は
真空中−160〜1100℃の温度範囲で測定した。ま
た上記線材(0.5mmφ)にマグネシアのコロイド
溶液を塗布し乾燥後軸径2mmのセラミツク製ボビ
ンに20〜50回巻きつけてセンサコイルを造り、こ
れをセラミツク製ケース内に装填後セラミツクペ
ーストで密閉した。さらに200℃で1時間、400℃
で30分ついで1000℃で30分加熱焼成した。ついで
このセンサのインーピダンス変化率 Δη/η0×100=ηT−η0/η0×100(%) をブリツジ回路法により測定した。測定周波数は
1kHzであつた。ここでη0およびηTはそれぞれ測定
開始時および時間T後におけるセンサコイルのイ
ンピーダンスである。 尚線材試料と比較合金PA−4(組成Pd=58%、
Ag=42%)の温度対電気抵抗曲線を第7図に示
す。またこの曲線から求めた電気抵抗の平均 温度計数1/R・ΔR/ΔTおよび本発明合金PAM− 1の線材を使用したセンサを800℃以上の高温で
長期間連続使用した場合のセンサの性能、インピ
ーダンスの変化率は第1表に示すとおりである。
因みに本発明合金PAM−1と同様な方法で作製
した比較合金PA−4のセンサコイルは、800℃で
5日後にい断線したが、本発明の合金PAM−1
のセンサコイルは1000℃で1ケ月以上経過後も正
常に作動し断線しなかつた。
【表】 実施例 2 合金番号PAM−19(組成Pd=55.2%、Ag=
41.3%、Pt=3.5%)のセンサの製造 原料は実施例1と同じ純度のPd、AgおよびPt
を用いた。試料の製造法および実験法は実施例1
と全く同様である。合金試料センサの電気的特製
ならびにセンサの性能については第8図および第
2表に示すとおりで、実施例1の結果と類似して
いる。
【表】
【表】 実施例 3 合金番号PAM−25(組成Pt=54.5%、Ag=40.5
%、Cu=5.0%)のセンサの製造 原料は実施例1と同じ純度のPb、AgおよびCu
を用いた。試料の製造法および実験法は実施例1
と全く同様である。合金試料とセンサの電気的特
性ならびにセンサの性能については第9図および
第3表に示すとおりで、実施例1の結果と類似し
ている。
【表】 実施例 4 合金番号PAM−39(組成Pb=47.3%、Ag=
40.7%、Au=12.0%)のセンサの製造 原料は実施例1と同じ純度のPd、AgおよびAu
を用いた。試料の製造法および実験法は実施例1
と全く同様であ。合金試料とセンサの電気的特性
ならびにセンサの性能については第10図および
第4表に示すとおりで、実施例1の結果と類似し
ている。
【表】 上述の実施例の他に多くの合金についても実験
を行つたが、第5表には代表的な合金試料の電気
的特性、再結晶温度、平均の結晶粒径ならびに本
発明合金線材を用いたセンサについて800℃で10
日間加熱保持した場合のインピーダンス変化率を
示す。
【表】
【表】 以上実施例1〜実施例4および第5表からわか
るように、Ir、Pt、CuおよびAuの1種あるいは
2種以上の合計0.1〜20%と、Ag36.0〜45.5%お
よび残部Pdと少量の不純物からなる合金は、−
150℃〜1000℃の広い温度範囲において±
100ppm/℃の恒電気抵抗特性および優れた耐熱
応力破壊性を有しており、第7図〜第10図にみ
るように電気抵抗の温度に対する変化か高温では
著しく改善されているのが大きな特徴である。 また本発明合金を使用したセンサの性能も第5
表に示すようにΔη/η0×100が比較合金PA−4のそ れの約1/10の±0.015%以下で極めて小さく、高
温安定性に優れ、本発明合金の特性を十分に発揮
し得ることがわかる。 ここで本発明合金の組成において、Ir10%以
下、Pt10%以下、Cu10%以下およびAu20%以下
の1種あるいは2種以上の合計0.1〜20%と、
Ag36.0〜45.5%に限定した理由は、第1図〜第6
図、実施例1〜実施例4および第5表からも明ら
かなように、−150〜1000℃間における電気抵抗の
平均の温度係数が±100ppm/℃以下の恒電気抵
抗特性を示し、またセンサの高温におけるインピ
ーダンス変化率が±0.100%以下で長時間にわた
つて非常に安定しているが、組成がこの範囲をは
ずれると電気抵抗の平均の温度係数が±
100ppm/℃以上で大きくなり恒電気抵抗合金あ
るいは高温における安定性の優れたセンサとして
は不適当となるからである。 また本発明合金およびセンサの恒電気抵抗特性
を示す温度範囲を−150℃〜1000℃間に限定した
理由は、第1図〜第6図、実施例1〜実施例4、
第5表からも明らかなように、上記の温度範囲内
における電気抵抗の平均の温度係数が±
100ppm/℃以下の恒電気抵抗特性を示すが、こ
の温度領域からはずれると電気抵抗の平均の温度
係数が±100ppm/℃以上となり本発明合金の要
求特性に合致しないばかりでなくセンサの性能を
十分に発揮し得ないため、恒電気抵抗合金あるい
は高温における安定性の優れたセンサとしては不
適当となるからである。 さらにまた本発明合金およびセンサの製造法に
おいて、熱処理として200〜1200℃て2秒以上100
時間以下に限定した理由は、この温度範囲内およ
び時間内では加工による内部歪が十分に取り除か
れ、さらに一層安定した恒電気抵抗特性が得られ
るが、200℃以下で2秒以下加熱処理した場合に
は加工による残留応力のため恒電気抵抗特性が得
られずセンサを高温で使用する場合非常に不安定
となる。また1200℃以上で100時間以上加熱した
場合には結晶粒の粗大化によつて耐熱応力破壊性
が悪化し、しかも含有銀の蒸発によつて恒電気抵
抗特性が得られないだけでなく蒸発銀の汚染によ
り電気絶縁特性が悪化することもある。したがつ
て上記の熱処理条件からはずれた場合には、恒電
気抵抗特性あるいは高温における安定性の優れた
センサとしては不適当となるからである。 要するに本発明合金およびセンサは−150℃〜
1000℃の温度範囲において電気抵抗の平均の温度
係数が±100ppm/℃以下の恒電気抵抗特性およ
び耐熱応力破壊性に優れ、しかも高温で長期間使
用してもインピーダンス変化率が±0.100%以下
で非常に少なく安定性に優れているなどの特徴を
有しており、これらの合金およびセンサを利用し
たデバイス複合体や各種計測機器の主要な部品、
例えば発熱素子、熱線風速計、抵抗温度計や熱定
電流安定器等の基準抵抗体等に応用しても本発明
合金およびセンサの有する優れた特性を十分に発
揮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はパラジウム−銀系合金の0〜400℃
()、−150〜1000℃()および−200〜1200℃
()の温度間における電気抵抗の平均の温度係
数とAg量との関係を示す特性図、第2図、第3
図、第4図および第5図はそれぞれ(Pd−Ag)
+Ir系、(Pd−Ag)+Pt系、(Pd−Ag)+Cu系お
よび(Pd−Ag)+Au系合金の−150℃〜1000℃に
おける電気抵抗の平均の温度係数とAg量との関
係を示す特性図、第6図はPd−40%Ag合金にIr、
Pt、Cu又はAuを添加した場合の各元素添加量と
−150〜1000℃における電気抵抗の平均の温度係
数との関係を示す特性図、第7図〜第10図は合
金番号PAM−1、PAM−19、PAM−25、PAM
−39ならびに比較合金PA−4の電気抵抗と測定
温度との関係を示す特性図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量比にてイリジウム10%以下、白金10%以
    下、銅10%以下および金20%以下の1種あるいは
    2種以上の合計0.1〜20%と、銀36.0〜45.5%およ
    び残部パラジウムと少量の不純物とからなる恒電
    気抵抗合金の素材を、スパイラルまたはトロイダ
    ル等の所望の形状となし、これをそのままの状態
    で常温用または耐熱用絶縁体に固定するか絶縁体
    中に埋め込むことにより絶縁体に取付けて、非酸
    化性雰囲気中または真空中において200〜500℃で
    数時間加熱して固形化した後、さらに500〜1200
    ℃で2秒以上100時間以下加熱することを特徴と
    する渦電流式センサの製造法。 2 重量比にてイリジウム10%以下、白金10%以
    下、銅10%以下および金20%以下の1種あるいは
    2種以上の合計0.1〜20%と、銀36.0〜45.5%およ
    び残部パラジウムと少量の不純物とからなる恒電
    気抵抗合金の素材表面に、常温用または耐熱用絶
    縁体を塗布、電着等によりコーテイング処理後、
    スパイラルまたはトロイダル等の所望の形状とな
    し、これをそのままの状態で常温用または耐熱用
    絶縁体に固定するか、絶縁体中に埋め込むことに
    より絶縁体に取付けて、非酸化性雰囲気中または
    真空中において200〜500℃で数時間加熱して固形
    化した後、さらに500〜1200℃で2秒以上100時間
    以下加熱することを特徴とする渦電流式センサの
    製造法。 3 重量比にてイリジウム10%以下、白金10%以
    下、銅10%以下および金20以下の1種あるいは2
    種以上の合計0.1〜20%と、銀36.0〜45.5%および
    残部パラジウムと少量の不純物とからなる恒電気
    抵抗合金を、常温用または耐熱用絶縁体表面に電
    着またはスパツタリング等の適当な方法により被
    着した後、エツチング、打抜きまたはトリミング
    加工を施して所望の形状となし、これを絶縁体に
    固定するかあるいは絶縁性ケース内に装填するこ
    とにより絶縁体に取付けて、非酸化性雰囲気中ま
    たは真空中において200〜500℃で数時間加熱して
    固形化した後、さらに500〜1200℃で2秒以上100
    時間以下加熱することを特徴とする渦電流式セン
    サの製造法。
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