JPH03642Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ターンシグナルランプやバツクアツ
プランプ，ストツプランプ，テールランプ、或い
はこれらを一体に組合わせてなるコンビネーシヨ
ンランプ等の自動車用灯具に関するものである。

〈従来の技術〉 最近の自動車用灯具は、車体デザインの一部と
してとらえられ、外観意匠に重きを置かれる傾向
にあり、点灯時には灯具としての標識機能を発揮
し得ると同時に見映えの良い配光が得られ、非点
灯時には灯具自体の存在が出来るだけ目立たない
か、或いは装飾品的であるかのような工夫が要求
されている。

しかし乍ら、従来のこの種灯具ではこれらの要
求を十分に満足させることが出来なかつた。

〈考案が解決しようとする課題〉 本考案はこの様な要求に鑑みてなされたもので
あり、簡単な構成でもつて、点灯時には灯具とし
ての標識機能を十分に発揮し得ると同時に見映え
の良い配光が得られ、非点灯時には灯具正面から
の見映えを向上させて装飾品的な要求を満足させ
ることが出来る自動車用灯具を提供せんとするも
のである。

〈課題を解決するための手段〉 斯る目的を達成する本考案の自動車用灯具は、
灯体内にバルブを設置し該灯体の前方開口部にア
ウターレンズとインナーレンズを並列状に設置し
た自動車用灯具において、前記アウターレンズを
配光機能を有しない素通しに形成すると共にその
厚味を中心部から周辺部に至るに従つて厚く形成
し、前記インナーレンズには前記バルブと相対す
る側の面にフレネルレンズを形成すると共に、該
フレネルレンズの中心部に配光機能を有しないフ
ラツト部を形成せしめ、且つ前記灯体内には前記
バルブからの光を平行に反射させてその反射光を
上記インナーレンズのフラツト部に入射させるた
めのリフレクタを設置した事を特徴としたもので
ある。

〈実施例〉 以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明
する。

本考案に係る自動車用灯具は従来と同様、所要
の形状に形成された灯体５内にバルブ３を設置す
ると共に、灯体５の前方開口部にインナーレンズ
１とアウターレンズ２を並列状に設置して構成さ
れる。

アウターレンズ２は主に非点灯時における灯具
正面の外観意匠を向上させるためのものであり、
ガラス材またはアクリル樹脂等の透明樹脂材を用
いて配光機能を有しない素通しに形成し、クリヤ
ー（白色）又は車体色と同色もしくは同系色に着
色すると共に、その厚味を、その内側面を抉るこ
とによつて中心部２ａから周辺部２ｂに至るに従
つて厚く形成する。即ち、アウターレンズ２の厚
味を中心部２ａから周辺部２ｂに至るに従つて、
図示実施例の如く階段状に厚く形成するか、或い
は連続した曲面状に徐々に厚く形成するものであ
る。尚、アウターレンズ２の厚味を中心部２ａか
ら周辺部２ｂに至るに従つて階段状に厚く形成す
る場合、互いに隣り合う薄肉部分と厚肉部分との
境界部１０を直角に形成すると薄肉部分と厚肉部
分との明暗差（透明度）がはつきりと区切られる
が、図示実施例の如くその境界部１０を斜面状に
形成することにより、薄肉部分と厚肉部分との境
界部１０が目立ちにくくなり、薄肉部分と厚肉部
分との明暗差（透明度）が連続的に自然に変化し
て見えるようになる。この時、互いに隣り合う薄
肉部分と厚肉部分との各境界部１０に形成される
段部線９を、後述するインナーレンズ１のレンズ
模様すなわちフレネルレンズ６の同心円形模様に
合わせて円形状に形成するか、或いは灯具の前方
開口部を正面横長形状に形成した場合には図示実
施例に示す如く正面から見て略楕円形状に形成す
ることが好ましい。アウターレンズ２の各段部線
９をこのように形成することにより、インナーレ
ンズ１のレンズ模様と調和融合しやすくなる。
又、このアウターレンズ２を車体色と同色もしく
は同系色に着色することにより、アウターレンズ
と車体との一体感を向上させ、灯具自体の存在を
目立たなくすることが出来るようになる。

インナーレンズ１は灯具としての配光機能を発
揮させるためのものであり、ガラス材またはアク
リル樹脂等の無色透明樹脂材を用いて成形し、所
要の配光が得られるようにバルブ３と相対する側
の面に同心円形状のフレネルレンズ６を形成する
と共にアウターレンズ２と相対する側の面に魚眼
プリズムステツプ７を形成してなり、必要に応じ
て赤色または黄色に着色する。インナーレンズ１
に形成するフレネルレンズ６は、その中央部ａに
屈折系レンズステツプ６ａを形成し、周辺部ｂに
反射系レンズステツプ６ｂを形成すると共に、フ
レネルレンズ６の中心部、すなわち屈折系レンズ
ステツプ６ａの中心部に配光機能を有しないフラ
ツト部８を形成する。このフラツト部８は、後述
するリフレクタ４からの反射光Ｐをアウターレン
ズ２の中心部２ａに至らしめるためのものであ
り、アウターレンズ２の中心部２ａ、詳しくはア
ウターレンズ中心部２ａの最も薄肉の部分とほぼ
同じ形状大きさに形成する。図示例の場合、アウ
ターレンズ中心部２ａの最も薄肉の部分を略楕円
形状に形成したので、フラツト部８を正面から見
て略楕円形状に形成してある。

そして、バルブ３の背後にはインナーレンズ１
のフラツト部８と対向する位置に、リフレクタ４
を設置する。このリフレクタ４は、バルブ３から
の光を平行に反射させてその反射光Ｐをインナー
レンズ１のフラツト部８を通してアウターレンズ
２の中心部２ａに入射させるためのものであり、
インナーレンズ１のフラツト部８とほぼ同じ形状
大きさに形成する。図示例の場合、インナーレン
ズ１のフラツト部８を正面略楕円形状に形成した
ので、リフレクタ４をフラツト部８とほぼ同じ大
きさの正面略楕円形状に形成してある。

然して、灯体５内にバルブ３を設置すると共に
バルブ３の背後にインナーレンズ１のフラツト部
８と対向させてリフレクタ４を設置させ、灯体５
の前方開口部にインナーレンズ１とアウターレン
ズ２とを適宜間隔をおいて並列状に設置させる
と、バルブ３からの直射光はインナーレンズ１に
入射し、その一部はフラツト部８からアウターレ
ンズ２の中心部２ａを通して配光されるが大部分
はフレネルレンズ６の屈折系レンズステツプ６ａ
及び反射系レンズステツプ６ｂでコントロールさ
れて、主にアウターレンズ２の周辺部２ｂを通し
て配光され、他方リフレクタ４で反射された反射
光Ｐは平行光となつてインナーレンズ１のフラツ
ト部８に入射し、アウターレンズ２の中心部２ａ
を通して配光され、全体として所要の配光が得ら
れるようになつている。

〈考案の効果〉 本考案の自動車用灯具は斯様に構成したので、
点灯時にはバルブからの光はインナーレンズのフ
レネルレンズとリフレクタでコントロールされ
て、配光機能を有しない素通しのアウターレンズ
を通して所要の通り配光され、灯具としての標識
機能を十分に発揮することが出来る。

しかも、アウターレンズの厚味をその中心部か
ら周辺部に至るに従つて厚く形成したので、灯具
を正面から見た場合、点灯時においては肉薄く形
成した中心部から肉厚く形成した周辺部に至るに
従つて微妙な光度差を現出させることが出来、ま
た非点灯時においては肉薄く形成した中心部から
肉厚く形成した周辺部に至るに従つて明暗差（透
明度）が徐々に変化して、アウターレンズに着色
を施した場合にはその着色した色合いが徐々に変
化して微妙な濃度差の変化をもたせることが出
来、従つて点灯時においては装飾品的な見映えの
良い配光が得られ、非点灯時においては灯具の見
映えを向上させ装飾品的な要求を満足させること
が出来る。

更に、インナーレンズの中心部には配光機能を
有しないフラツト部を形成せしめ、灯体内にはバ
ルブからの光を平行に反射させてその反射光をイ
ンナーレンズのフラツト部に入射させるリフレク
タを設置したので、上記したようにアウターレン
ズの厚味を徐々に変化させてアウターレンズの明
暗差（透明度差）を現出させる場合に、アウター
レンズの中心部をさほど薄く形成せずとも点灯時
においてアウターレンズの中心部を十分に光らせ
ることが出来、逆にいえばアウターレンズの中心
部を極端に薄く形成しなくとも済み、その結果ア
ウターレンズの強度を十分に保持させることが出
来る。

よつて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案自動車用灯具の一実施例を示し、
第１図は模式的に表わした断面図、第２図は一部
切欠正面図である。 図中、１はインナーレンズ、２はアウターレン
ズ、２ａはアウターレンズの中心部、２ｂはアウ
ターレンズの周辺部、３はバルブ、４はリフレク
タ、６はフレネルレンズ、８はフラツト部であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 灯体内にバルブを設置し該灯体の前方開口部に
   アウターレンズとインナーレンズを並列状に設置
   した自動車用灯具において、前記アウターレンズ
   を配光機能を有しない素通しに形成すると共にそ
   の厚味を中心部から周辺部に至るに従つて厚く形
   成し、前記インナーレンズには前記バルブと相対
   する側の面にフレネルレンズを形成すると共に、
   該フレネルレンズの中心部に配光機能を有しない
   フラツト部を形成せしめ、且つ前記灯体内には前
   記バルブからの光を平行に反射させてその反射光
   を上記インナーレンズのフラツト部に入射させる
   ためのリフレクタを設置した事を特徴とする自動
   車用灯具。