JPS6348883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は新規な車輛用灯具に関する。詳しく
は、複数の機能を果すために複数の色の異なる部
分を有するレンズを評えている車輛用灯具であつ
て、一個の光源によつて前記レンズの色の異なる
複数の部分を光輝せしめるようにすることによつ
てコストの低減を図ると共に、該灯具が果すべき
各機能が低下せしめられることのないようにした
新規な車輛用灯具を提供しようとするものであ
る。

背景技術とその問題点 車輛用灯具、例えば、自動車用灯具には複数の
機能を果すために色の異なる複数の部分を備えた
レンズを使用したものがある。そのような自動車
用灯具の一に、例えば、第３図に示した如きもの
ａがあり、この自動車用灯具ａは自動車の前面側
部に装備されるもので、フロントサイドマーカー
ランプ及びパーキングランプとして機能するもの
である。

第３図において、ｂはランプボデイであり、ｃ
は該ランプボデイｂの開口部を覆うようにランプ
ボデイｂに取着されたレンズである。レンズｃは
クリアー部分ｄとアンバー部分ｅとが一体に形成
されて成る。ｆ，ｆはシエードであり、ランプボ
デイｂに一体に形成され、その先端はレンズｃの
クリアー部分ｄとアンバー部分ｃとの接合部ｇを
挾むような位置まで延びている。ｈ，ｉは電球で
あり、電球ｈはランプボデイｂのうちレンズｃの
アンバー部分ｅに対応した位置に取着されてお
り、また、電球ｉはランプボデイｂのうちレンズ
ｃのクリアー部分ｄに対応した部分に取着されて
いる。

そして、上記自動車用灯具ａにおいては、電球
ｈの点灯によりレンズｃのうちアンバー部分（フ
ロントサイドマーカーランプ部）ｅが光輝し、ま
た、電球ｉの点灯によりクリアー部分（パーキン
グランプ部）ｄが光輝し、それぞれの機能を果す
ものである。

ところが、上記の如き車輛用灯具にあつては、
各レンズの部分に対応してそれぞれ光源が必要と
なり、その分コードアツシイも増加し、かつ、組
付工数もかかることになり、これらのことが、こ
の種車輛用灯具のコストの低減を阻んでいた。

考案の目的 そこで、本考案は、従来の車輛用灯具にあつた
上記の如き問題点に鑑みて為されたものであり、
複数の機能を果すために複数の色の異なる部分を
有するレンズを備えている車輛用灯具であつて、
一個の光源によつて前記レンズの色の異なる複数
の部分を光輝せしめるようにすることによつてコ
ストの低減を図ると共に、該灯具が果すべき各機
能が低下せしめられることのないようにした新規
な車輛用灯具を提供することを目的とする。

考案の概要 本考案車輛用灯具は、上記した目的を達成する
ために、ランプボデイと、該ランプボデイの開口
部を覆うレンズと、ランプボデイとレンズとによ
つて画成された灯具空間内に配置された光源とを
備えており、レンズはクリアー部分と着色透明部
分とを備えており、ランプボデイの内面にはレン
ズのクリアー部分に略対向した放物面部が形成さ
れていると共に、ランプボデイの内面には反射面
が形成されていないことを特徴とする。

実施例 以下に、本考案車輛用灯具の詳細を図示した実
施例に従つて説明する。

図中１は本考案車輛用灯具を実施した自動車用
灯具の一例を示すものである。

２は合成樹脂製のランプボデイであり、前方と
側方に開口している。３はランプボデイの後部部
分を構成する放物面部であり、正面を向いてい
る。また、この放物面部３には電球取付孔４が形
成されており、該電球取付孔４に電球５がソケツ
トプラグ６を介して着脱自在に取着される。ま
た、開口された側部の端縁部を除いた３つの開口
縁と前記放物面部３との間を連結する平面部７，
７，７が形成されている。そして、このようなラ
ンプボデイ２は灰色をしており、かつ、この内面
には塗装とか蒸着等の格別の処理による反射面は
形成されておらず、材料の素地がそのまま出てい
るものである。ただ、ランプボデイ２の内面は平
滑面であることが好ましい。

８はレンズであり、クリアー部分９とアンバー
部分１０とが一体に形成されて成る。このような
レンズ８の形成は、例えば、多色成形、インサー
ト成形、別体成形後の接着等々適宜の方法によつ
て形成し得る。そして、このようなレンズ８がラ
ンプボデイ２の開口部を覆うようにランプボデイ
２の取着固定される。

尚、レンズ８の各部９，１０はそれぞれ次の範
囲をカバーするようにその大きさ及び取付位置が
規定されている。即ち、クリアー部分９は光軸ｘ
−ｘ（この自動車用灯具１が塔載される自動車の
前後方向に一致し、かつ、自動車用灯具１の略中
心を通る軸。この軸上に電球５のフイラメント１
１が配置されている。）を中心にして少なくとも
左右に各20゜、アンバー部分１０は電球５のフイ
ラメント１１の点で前記光軸ｘ−ｘに交わり開口
された側方へ延びる線１２を中心にして前方へ
45゜、後方へ30゜、の各範囲をカバーしている（こ
れは、例えば、SA規格でパーキングランプ及び
フロントサイドマーカーランプが視認されるべき
範囲と対応している。）。

上記の如き自動車用灯具１においては、一個の
電球５によつて、レンズ８のそれぞれ色の異なる
２つの部分９，１０を光輝せしめることができ
る。しかも、ランプボデイ２の内面には格別の反
射処理による反射面が形成されていないので、ア
ンバー部分１０の色がランプボデイ２内面で反射
されてクリアー部分９を通して見えてしまうよう
なことがなく、クリアー部分９はパーキングラン
プ部として、また、アンバー部分１０はフロント
サイドマーカーランプとして、しつたりと区別さ
れた機能を充分に果すことができる。この効果
は、ランプボデイを灰色あるいは濃灰色の合成樹
脂材料によつて形成することによつてより良く発
輝せしめられる。更に、クリアー部分９には放物
面部３が対向しているため、クリアー部分９を透
過する光量を充分に確保することができ、パーキ
ングランプに要求される規格を満足することが可
能となる。この場合に、ランプボデイ２の内面、
特に放物面部３が平滑面であることが好ましい。

考案の効果 以上に記載したところから明らかなように、本
考案車輛用灯具は、ランプボデイと、該ランプボ
デイの開口部を覆うレンズと、ランプボデイとレ
ンズとによつて画成された灯具空間内に配置され
た光源とを備えており、レンズはクリアー部分と
着色透明部分とを備えており、ランプボデイの内
面にはレンズのクリアー部分に略対向した放物面
部が形成されていると共に、ランプボデイの内面
には反射面が形成されていないことを特徴とす
る。

従つて、本考案車輛用灯具においては、一個の
光源によつてレンズのクリアー部分と着色透明部
分という異なる箇所を光輝せしめることができる
ので、構造がきわめて簡単となり、製造コストが
低減される。また、ランプボデイの内面にはクリ
アー部分に略対向した放物面部が形成されている
ため、クリアー部分から透過される光の量を充分
に確保することができる。しかも、ランプボデイ
の内面には反射面が形成されないので、着色透明
部分の色がクリアー部分を通して見えることがな
く、車輛用灯具の持つ各機能が確実に発輝され
る。

尚、上記実施例の説明において、着色透明部分
をアンバー色のものとしたが、これに限らず、他
の色、例えば、赤色であつても本考案を適用する
のに差支えはない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案車輛用灯具の実施の
一例を示すもので、第１図は水平断面図、第２図
は分解斜視図、第３図は従来の車輛用灯具の一例
を示す水平断面図である。 符号の説明、１……車輛用灯具、２……ランプ
ボデイ、３……放物面部、５……光源、８……レ
ンズ、９……クリアー部分、１０……着色透明部
分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプボデイと、該ランプボデイの開口部を覆
   うレンズと、ランプボデイとレンズとによつて画
   成された灯具空間内に配置された光源とを備えて
   おり、レンズはクリアー部分と着色透明部分とを
   備えており、ランプボデイの内面にはレンズのク
   リアー部分に略対向した放物面部が形成されてい
   ると共に、ランプボデイの内面には反射面が形成
   されていないことを特徴とする車輛用灯具。