JPH0361281B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な車輌用灯具の反射鏡に関する。
詳しくは、前面の開口形状が正面から見て角形、
楕円形等の非円形である車輌用灯具の反射鏡にお
いて、反射面として有効に活用できる面の増大を
図り、光束を有効に利用できるようにした新規な
車輌用灯具の反射鏡を提供しようとするものであ
る。

背景技術とその問題点 車輌、例えば自動車に用いられる前照灯は光を
レンズに形成された各素子よつて制御して所定の
配光を得るものであるため、制御が楽な平行光束
を得ることのできる放物面反射鏡が使用される。
ところで、前照灯の前面形状が角形等の非円形で
ある場合、無効反射部が出来てしまうという問題
がある。

第１図は前面の開口形状が正面から見て角形で
ある反射鏡ａを示すものである。このような角形
の反射鏡ａにあつては、上下及び左右に光軸に対
して略平行な平面部ｂ，b′及びｃ，c′が出来てし
まい、フイラメントから発せられる光の量が少な
くなるという問題がある。

第２図Ａは第１図の反射鏡ａをその対角線に沿
つて切断した図であるが、この断面では、開口線
ｄまでの部分が光軸Ｘ−Ｘに平行な反射光を発す
る部分となるため、フイラメントｅから発せられ
た光は角度α₁の範囲のものが有効に利用できる。
しかしながら、第２図Ｂ（正面図中央縦断面図）
や第２図Ｃ（正面図中央横断面図）で示す断面で
は、平面部ｂ，b′やｃ，c′が奥まで入り込んでい
て、フイラメントｅから発せられた光は角度α₂や
α₃の極めて狭い範囲のものしか有効に利用でき
ず、平面部ｂ，b′やｃ，c′に向う角度β₂やβ₃の範
囲のものは有効な光としては全く利用されず、従
つて、第１図に示した従来の車輌用灯具の反射鏡
では、利用光束の無駄が多いという問題があつ
た。更に、回転放物面部ｆと平面部ｂ，b′，ｃ，
c′との接続部分には角が出来るために、加工精度
を高くすることができないという問題があつた。
特に、反射鏡を金属のプレス形成によつて形成す
る場合には尚更であつた。

発明の目的 そこで、本考案は、上記した従来の車輌用灯具
の反射鏡にあつた問題点に鑑みて為されたもので
あり、前面の開口形状が正面から見て角形、楕円
形等の非円形である車輌用灯具の反射鏡におい
て、反射面として有効に活用できる面の増大を図
り、光束を有効に利用できるようにした新規な車
輌用灯具の反射鏡を提供することを目的とする。

発明の概要 本発明車輌用灯具の反射鏡は、上記した目的を
達成するために、前面の開口形状が正面から見て
角形、楕円形等の非円形であり、内面の反射面は
焦点距離が連続的に変化せしめられた無数の微小
放物面によつて形成され、これら微小放物面は開
口部径の最も小さい方向に沿うものの焦点距離が
最も小さく開口部径の最も大きい方向に沿うもの
の焦点距離が最も大きく、この両者の間にある微
小放物面の焦点距離が連続的に変化せしめられて
いると共に、これら全ての微小放物面の焦点位置
が略同一の箇所にあることを特徴とする。

実施例 以下に本発明車輌用灯具の反射鏡の詳細を図示
した実施例に従つて説明する。

図中１は本発明に係る反射鏡である。この反射
鏡１は金属材料のプレス加工により形成されてお
り、前面の開口部２は同一平面内にあり、かつ、
正面から見て横長の長方形状をしている。また、
反射鏡１の後部中央には略円形の取付孔３が形成
され、該取付孔３には図示しない電球が取着され
か、あるいは、電球が挿通されて反射鏡１の内側
に配置される。

そして、上記反射鏡１はその中心を通つて延び
る無数の微小放物面によつて形成されていて、そ
して、これら無数の微小放物面は開口部形の小さ
い方向に沿うものの焦点距離が小さく開口部形の
大きい方向に沿うものの焦点距離が大きく、この
両者の間にある微小放物面の焦点距離が連続的に
変化せしめられていると共に、これら全ての微小
放物面の焦点位置が略同一の箇所４にあるように
されている。このことを第４図によつて説明す
る。

第４図において、線５は反射鏡の開口線を示す
もので、長方形を為している。６，６，…はそれ
ぞれ反射鏡１の正面から見て中心を通る放物線で
ある。そのうち、６₁は開口部形の最も小さい部
分を横切るように配置されている放物線であり、
長方形５の長辺５₁，５₁の中心点７₁，７₁を結ん
で延びている。そして、この放物線６₁の焦点距
離が最も短かく、また、その焦点位置は点４にあ
る。６₂及び６₂は長方形５の対角７₂，７₂及び７
_２，７₂間を結んで延びている放物線であり、この
放物線６₂，６₂の焦点距離が最も長く、かつ、そ
の焦点位置は点４にある。そして、図示はしてい
ないが、この放物線６₁と６₂，６₂との間に配置
される放物線は長方形５の一方の長辺５₁上の点
から他方の長辺５₁上の前記点と長方形５の中心
を対称点とする点対称位置までの間を延びてお
り、かつ、それら放物線の焦点距離が点７₁から
角７₂に行くに従つて長くなり、かつ、焦点位置
は点４にあるようにされる。６₃は長方形５の短
辺５₂，５₂の中心点７₃，７₃間を結んで延びる放
物線であり、この放物線６₃の焦点距離は放物線
６₂の焦点距離より短かく放物線６₁の焦点距離よ
りは長くされている。また、放物線６₃の焦点位
置も点４にある。そして、図示はしていないが、
この放物線６₃と放物線６₂，６₂との間に配置さ
れる放物線は長方形５の一方の短辺５₂上の点か
ら他方の短辺５₂上の上記点と長方形の中心を対
称点とする点対称位置までの間を延びており、か
つ、それら放物線の焦点距離は点７₃から角７₂に
行くに従つて長くなり、かつ、焦点位置は点４に
あるようにされている。

しかして、上記のような放物線６，６，…を無
数の連続して形成してゆき、これを微小放物面と
見れば、前述した如き反射鏡１が形成される。そ
して、その場合、第５図に示すように中心付近に
４個の山８，８，…が形成されるが、実際上は、
この部分は電球取付孔３が（２点鎖線にて示す。）
が形成される領域内に含まれることになり、実際
に使用に供される反射鏡にはこのような山８，
８，…は現われてこない。

以上に説明したところの本発明に係る反射鏡１
においては、その開口部２の正面形状が長方形で
あるのにもかかわらず、その内面は開口縁に至る
まで全ての面が焦点位置４に配置された光源から
発せられる光を光軸Ｘ−Ｘと平行な光として反射
する有効反射面として活用されることになり、光
源から発せられた光の光束利用立体角αが大きく
なり、それだけ利用光束数が増加し、開口部面積
が同じであれば、従来のものに比して、遥かに明
るい前照灯を得るのに寄与する。

発明の効果 以上に記載したところから明らかなように、本
考案車輌用灯具の反射鏡は、前面の開口形状が正
面から見て角形、楕円形等の非円形であり、内面
の反射面は焦点距離が連続的に変化せしめられた
無数の微小放物面によつて形成され、これら微小
放物面は開口部径の最も小さい方向に沿うものの
焦点距離が最も小さく開口部径の最も大きい方向
に沿うものの焦点距離が最も大きく、この両者の
間にある微小放物面の焦点距離が連続的に変化せ
しめられていると共に、これら全ての微小放物面
の焦点位置が略同一の箇所にあることを特徴とす
る。

従つて、本発明によれば、前面の開口形状が正
面から見て角形、楕円形等の非円形である車輌用
灯具の反射鏡において、反射面として有効に活用
できる面の増大を図り、光束を有効に利用できる
ようにした新規な車輌用灯具の反射鏡を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輌用灯具の反射鏡の一例を示
す斜視図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃは第１図の反射鏡を
それぞれ異なる部位切断して示す断面図、第３図
は本発明車輌用灯具の反射鏡の実施の一例を示す
斜視図、第４図は本発明車輌用灯具の反射鏡にお
ける微小放物面の基本的な考え方を示す斜視図、
第５図は第４図で示した考え方に従つて無数の微
小放物面を連続して形成した形状を示す図、第６
図は本発明車輌用灯具の反射鏡の正面図、第７図
は第６図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第８図は第６
図Ｂ−Ｂ線に沿う断面図、第９図は第６図のＣ−
Ｃ線に沿う断面図である。 符号の説明、１…車輌用灯具の反射鏡、２…開
口部、４…焦点位置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前面の開口形状が正面から見て角形、楕円形
   等の非円形であり、内面の反射面は焦点距離が連
   続的に変化せしめられた無数の微小放物面によつ
   て形成され、これら微小放物面は開口部径の最も
   小さい方向に沿うものの焦点距離が最も小さく開
   口部径の最も大きい方向に沿うものの焦点距離が
   最も大きく、この両者の間にある微小放物面の焦
   点距離が連続的に変化せしめられていると共に、
   これら全ての微小放物面の焦点位置が略同一の箇
   所にあることを特徴とする車輌用灯具の反射鏡。