JPH0357121B2 - - Google Patents

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JPH0357121B2
JPH0357121B2 JP59246911A JP24691184A JPH0357121B2 JP H0357121 B2 JPH0357121 B2 JP H0357121B2 JP 59246911 A JP59246911 A JP 59246911A JP 24691184 A JP24691184 A JP 24691184A JP H0357121 B2 JPH0357121 B2 JP H0357121B2
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polymerization reaction
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は塩化ビニル系重合体の製造方法に関す
るものである。詳しくは本発明は重合反応の生産
性を向上させ、かつ成形加工性の改良された、特
に嵩比重の大きい塩化ビニル系重合体を製造する
方法に関するものである。 〔従来の技術〕 塩化ビニル系重合体は、塩化ビニル単量体又は
塩化ビニル単量体を主体とする共重合可能な単量
体の混合物(以下、これらを総称して、「塩化ビ
ニル系単量体」といい、これらを重合して得られ
る重合体を「塩化ビニル系重合体」という。)を
重合開始剤の存在下に、乳化剤または分散剤を含
む水性媒体中で乳化重合または懸濁重合させるこ
とにより得られる。 一般に塩化ビニル系重合体の成形加工性は、粒
子形態、集合状態及び分子構造に強く依存する。 そして、塩化ビニル系重合体粉末の嵩比重を増
加させることは、貯蔵に必要な容器の体積が減少
すること、ホツパーから加工機械への食い込みが
良くなること、及びブレンダー等のバツチ操作で
1回あたりの処理量が増加すること等により加工
性の向上にとつて重要な課題である。 従来より、塩化ビニル系重合体の嵩比重を増加
させる方法として、 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で一定温度
で重合反応させる際に、分散剤の種類及び添加
量、撹拌翼の形状及び撹拌速度等を変化させて
行なう方法、 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で一定温度
で懸濁重合させる際、重合反応中に塩化ビニル
系単量体を追加(逐次添加)する方法(ジヤー
ナル・オブ・マクロモレキユラーサイエンス、
A11巻、1223〜1224頁、1977年)、 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合させ
る際、重合反応を2段階で行ない、第1段の反
応と第2段の反応とを異なつた反応温度で行な
う方法(特公昭49−20627号、特公昭49−28910
号、特開昭57−192411号、特開昭57−195107号
及び特開昭59−96152号)、 等が提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記の方法では、ある程度ま
で嵩比重を増加させることができるが、その効果
は小さく、かつ重合器の付帯設備の改造を必要と
するので必ずしも好ましい方法とは言えない。ま
た上記の方法では、嵩比重を増加させることは
できるが、同時にポロシテイーが低下し、かつゲ
ル化性及ひ可塑剤吸収性も悪化するので、得られ
る塩化ビニル系重合体は極めて限られた用途にし
か使用できない。更に上記の方法では、得られ
る塩化ビニル系重合体の嵩比重が増加し、かつゲ
ル化性も良好に保たれるが、ポロシテイーが著し
く小さくなり、かつ可塑剤吸収性が極めて悪化す
る。また、この方法では反応温度を急激に変化さ
せるので、昇温または冷却にあたつては、著しく
大きな加熱能力または冷却能力を必要とし、その
ため重合反応の生産性の点で極めて不利である。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は従来法のかかる問題点を解決すべ
く、種々検討を重ねた結果、塩化ビニル系単量体
を水性媒体中で重合反応させる際、実質的に重合
反応が進行する期間全体のうちの特定割合の期間
において重合温度を時間と共に上昇させつつ重合
反応を行なわせることにより、成型加工性の良好
な、即ち、嵩比重及びポロシテイーが大きく、か
つゲル化特性及び可塑剤吸収性等に優れた塩化ビ
ニル系重合体が得られることを見出して本発明を
完成した。 即ち、本発明は、塩化ビニル単量体または塩化
ビニル単量体を主体とする共重合可能な単量体の
混合物を水性媒体中で反応させて塩化ビニル系重
合体を製造する方法において、実質的に重合反応
が進行する期間全体の50%以上の期間において重
合温度を時間と共に上昇させつつ重合反応を行な
わせ、かつその上昇幅が1〜20℃の範囲にあるこ
とを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を
要旨とするものである。 以下に、本発明につき更に詳細に説明する。 本発明方法において使用される塩化ビニル系単
体量には、塩化ビニル単量体それ自体のほか、塩
化ビニル単量体を主体とする共重合可能な単量体
の混合物が含まれる。塩化ビニル単量体と共重合
可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピ
レンなどのオレフイン類、酢酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニルなどのビニルエステル類、エチルビニ
ルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニル
エーテル類、アクリル酸エステル、マレイン酸若
しくはフマル酸のエステル類及び無水物などの不
飽和カルボン酸誘導体類、スチレンなどの芳香族
ビニル化合物類、アクリロニトリルなどの不飽和
ニトリル類等が挙げられる。該共重合可能な単量
体は塩化ビニル単量体に対し、通常、20重量%以
下の割合で使用される。 本発明方法における塩化ビニル系単量体の重合
には、通常知られている塩化ビニル系単量体の水
性媒体中での重合処方が広く採用される。使用さ
れる分散剤、乳化剤、重合開始剤などは特殊なも
のである必要はなく、汎用されている分散剤、乳
化剤、重合開始剤を用いることができる。 例えば、分散剤、乳化剤としては、ポリ酢酸ビ
ニルの部分ケン化物、アクリル酸共重合体、無水
マレイン酸共重合体、セルロース誘導体、ゼラチ
ン、デン粉などのような保護コロイド性の薬剤、
または天然高分子化合物、高級脂肪酸と多価アル
コールとのエステル類、ポリオキシエチレン誘導
体などのノニオン系界面活性剤、高級脂肪酸の金
属塩、高級アルコール硫酸エステルのアルカリ塩
などのアニオン系界面活性剤などが用いられる。
これらの分散剤、乳化剤の使用量には特に制限は
なく、その種類、撹拌効率、重合温度、塩化ビニ
ル単量体と共重合させられる他の単量体の種類と
組成、塩化ビニル系重合体の粒径等によつて多少
異なるが、一般には塩化ビニル系単量体の総量に
対して0.01〜2.0重量%、好ましくは0.03〜1重量
%の範囲内で用いられる。 また、重合開始剤としては、ベンゾイルペルオ
キシド、ウラロイルペルオキシド、t−ブチルペ
ルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオ
デカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノ
エート、ジオクチルペルオキシジカーボネート、
ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、アセ
チルシクロヘキシルスルホニルペルオキシドなど
の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビス(ジメチルバレロニトリル)などのアゾ
化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムな
どの過硫酸塩等が使用される。これらの重合開始
剤の使用量は、一般に塩化ビニル系単量体の総量
に対して0.01〜1.0重量%の範囲である。 また、本発明の重合反応に際し、一般に知られ
ている重合助剤、例えばトリクロルエチレン、ド
デシルメルカプタン、2−メルカプトエタノー
ル、プロピオンアルデヒド等の連鎖移動剤、酸化
防止剤等を任意に使用することができる。 本発明方法を実施するにあたり、塩化ビニル単
量体単独、または塩化ビニル単量体を主体とする
共重合可能な単量体の混合物は重合開始前に一括
して仕込んでもよいし、あるいは塩化ビニル系単
量体の一部を重合開始前に仕込み、残部を重合開
始後に連続的に仕込むこともできる。 さて、本発明方法においては、実質的に重合反
応が進行する期間全体のうち50%以上の期間にお
いて重合温度を時間と共に上昇させつつ塩化ビニ
ル系単量体の重合反応を行なわせる。 即ち、通常の塩化ビニル系単量体の重合処方に
従い、重合開始剤、その他の添加物の存在下に塩
化ビニル系単量体を重合するにあたり、重合反応
系の昇温により重合開始剤が実質的に分解を開始
して実質的な塩化ビニル系単量体の重合が開始す
る時点から、所定の重合率に達して重合反応を終
了させる時点までの期間全体、即ち、実質的に重
合反応が進行する期間全体のうち、50%以上の期
間において、重合温度を時間と共に上昇させつつ
重合反応を行なわせるのである。 従つて、従来、重合反応器内に原料の仕込みを
行なつた後、実質的な重合反応が開始するまで、
即ち、重合開始剤が実質的な分解を開始して発熱
反応が始まるまでは、例えば、重合反応器に取り
付けたジヤケツトに温水を循環させる等の通常の
加熱方法で加熱して、急速に昇温させ、次いで実
質的に重合反応が開始した時点から重合反応を終
了させる時点までの期間、即ち、実質的に重合反
応が進行する期間内は、発熱による温度の大幅な
上昇をジヤケツトに冷却水を循環させる等の方法
によりおさえて一定温度に保持して所定の重合度
の重合体を得ていたのに対して、本発明方法で
は、特にこの実質的に重合反応が進行する期間全
体のうち50%以上の期間について、重合温度を時
間と共に適当な速度で上昇させるように冷却の程
度を調節しながら重合反応を行なわせるのであ
る。 従つて、従来の、重合反応系を一定温度に保持
して重合反応を行なわせる方法(以下、「定温反
応法」という)と本発明方法とを対比すると、重
合温度について、前者がその「高さ」のみによつ
て律せられていたのに対し、後者はその「高さ」
及び「変化幅」の両者によつて律せられていると
いう相違がある。 しかして、本発明方法における重合温度の「高
さ」及び「変化幅」の設定は、本質的には目的と
する塩化ビニル系重合体が得られるように実験的
に定められるものであるが、具体的には一定の指
針に従つて決めて行くことができる。 即ち、まず、定温反応法において生成する塩化
ビニル系重合体の重合度が重合温度の「高さ」に
よつて支配されることが知られているが、これは
本発明方法においても本質的に同様である。従つ
て例えば、本発明方法において重合温度の変化域
に基づいて重合温度の「平均的高さ」を考えれ
ば、該「平均的高さ」を、定温反応法において目
的とする重合度の生成物を得るための重合温度の
「高さ」の近傍に設定すれば、ほぼ目的とする重
合度の生成物を得ることができる。無論、「定温
反応法」と本発明のいわば「昇温反応法」とは同
一ではなく、後者はその昇温パターンによつても
影響を受ける。即ち、得られる全重合体の平均重
合度はその昇温過程の各時点で生成する重合体の
重合度と、その際の重合体の生成量の加重平均と
なるのであり、その生成量は昇温パターンの選択
によつても影響を受けるのである。従つて、正確
な「平均的高さ」の設定は、昇温パターンを決定
した上で実験的に行なうのが望ましい。 次に重合温度の「変化幅」は主として本発明方
法における連続昇温の効果を支配するものであ
る。該「変化幅」が小さ過ぎると上記効果は十分
に発現せず、逆に大き過ぎる場合には極めて低い
温度から、極めて高い温度までの昇温となり、実
用的でないのみならず、高温での熱履歴により、
得られる重合体の熱安定性が劣る等の欠点が現れ
る。また、このような広い温度幅で、良好な反応
性を与えるような重合開始剤系は極めて複雑なも
のとなり、やはり実用的ではなく、自ずと好適な
「変化幅」が存在するのである。 しかして重合温度の「平均的高さ」及び「変化
幅」の好適値は具体的な反応系、主として単量体
組成及び重合開始剤の性能によつても影響を受け
るので、これらをも含めた具体的な反応系につい
て経験的に選択されるのが望ましい。 しかしながら通常の重合反応系についてであれ
ば標準的な数値範囲をより具体的に示すことがで
きる。 すなわち、まず、本発明方法における重合温度
の温度上昇幅は通常1〜20℃、好ましくは4〜12
℃の範囲である。重合温度の温度上昇幅が1℃未
満の場合には本発明における改良効果、即ち嵩比
重及びポロシテイーが大きく、かつゲル化特性及
び可塑剤吸収性等に優れた、成形加工性の良好な
塩化ビニル系重合体を得る効果が小さく、また、
温度上昇幅が20℃を超える場合には重合反応に用
いる開始剤が等速分解を示さず、反応制御性が悪
化するので好ましくない。 従つて具体的な重合温度の変化域、即ち重合温
度域での昇温開始温度及び昇温終了温度の決定
は、例えば次のように行なうことができる。 即ち、モデル的に、全昇温範囲にわたり、重合
反応速度を一定とし、かつ、実質的な重合反応の
全期間を昇温期間とする場合を考えると、定温反
応法において所望の重合度の塩化ビニル系重合体
を得るのに必要な重合温度をt0(℃)、昇温反応法
における温度上昇幅を2x(℃)としたとき、昇温
開始温度を(t0−x)、昇温終了温度を(t0
x)、従つて重合温度範囲を (t0−x)〜(t0+x) とするのである。前記の通り、xは通常、0.5〜
10℃、好ましくは2〜6℃である。 例えば、本発明の方法において重合度が1030程
度の塩化ビニル重合体を得るには、定温反応法に
おける重合温度が58℃付近であることから、本発
明における重合温度範囲を通常、57℃〜59℃から
48℃〜68℃までの範囲、好ましくは56℃〜60℃か
ら52℃〜64℃までの範囲から選択する。また、例
えば重合度が800程度の塩化ビニル重合体を得る
場合は、連鎖移動剤を用いない場合、定温反応法
における重合温度が65℃付近であることから、同
様に重合温度範囲を通常、64℃〜66℃から55℃〜
75℃までの範囲、好ましくは63℃〜67℃から59℃
〜71℃までの範囲から選択する。 なお上記の説明は最も一般的な直線的昇温パタ
ーンを前提としたものであり、この場合にはほぼ
予想通りの結果を得ることができるが、前述の通
り、本発明の「昇温反応法」の反応結果はその昇
温パターンによつても影響を受けるので、特に非
直線的な昇温パターンを採用する場合には、目的
とする生成物に応じて実験的に多少の修正をする
のが望ましい。 本発明方法においては、原料仕込みの後、加熱
して急速に昇温させ、前記所定の昇温開始温度に
到達した後、前記昇温終了温度までの範囲で、重
合反応の全期間の少なくとも50%の期間、好まし
くは75%以上の期間にわたり時間と共に昇温させ
つつ重合反応を行なう。昇温期間が50%未満の場
合には、得られる塩化ビニル系重合体の嵩比重は
大きく、かつゲル化性も良好であるが、ポロシテ
イーが小さくなり、かつ可塑剤吸収性が悪く、前
記従来法と同程度の効果しか得られない。 本発明方法における重合温度の昇温速度は重合
温度の上昇温度幅と昇温期間とから一義的に求め
られる昇温速度とすること(即ち、直線的昇温パ
ターンとすること)が最も簡便であり、良い結果
を与える。例えば、重合温度範囲を55〜60℃と
し、全重合反応時間を8時間とし、そのうち5時
間を昇温期間とした場合には、1℃/hrの昇温速
度とすればよい。また、昇温速度を昇温の途中で
変えること、すなわち、昇温パターンに屈曲点を
設けることは、その点での過大な加熱または冷却
能力を必要とされることとなり好ましいことでは
ないが、温度制御上許容される程度の変動はその
結果に大きな影響を与えないので、本発明の実施
態様の一つとして許容しうるものである。例え
ば、反応中に昇温速度を1.5℃/hrから0.5℃/hr
に変更したり、或いはその前後に一定温度に維持
する期間を設けたりする等の方法も、昇温期間の
合計が全重量反応期間の50%以上であるようにし
ておけば、本発明の一実施態様として許容されう
るものである。本発明方法における重合温度の昇
温速度は通常5℃/hr以下、特に3℃/hr以下で
あるのが反応制御性の点から望ましい。 本発明方法における重合反応の制御は、滑らか
な昇温を可能とするような制御方法であれば特に
制限されるものではないが、特にDDC(Direct
Digital Control)法による制御が生産性、制御
性および安全性の面で好ましい。TIC(温度指示
調節計)制御は滑らかな昇温を行なうには若干の
困難を伴うが、これにプログラム制御機構を装備
した制御法は比較的良好である。 本発明方法は、水性媒体中での塩化ビニル系単
量体の重合であればどのような方法についても採
用可能であるが、特に油溶性重合開始剤を用いる
懸濁重合法に適用するのが、工業的に最も有用で
あり、価値が高い。 〔実施例〕 次に本発明を実施例により更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例によつて限定されるものではない。 なお、得られる塩化ビニル系重合体の物性評価
は下記の物性測定方法により行なつた。 物性測定方法 平均重合度及び嵩比重 JIS K−6721に示される方法に準じて求め
た。 ポロシテイー 水銀圧入法により、得られた各塩化ビニル重
合体(以下、PVCと略称する)1g当りの細
孔容積を求めた。使用機器はカルロ・エルバ社
製800型。 ゲル化時間 PVC100重量部、鉛系粉末安定剤3重量部、
バリウム系粉末安定剤0.5重量部をブレンドし
た試料60gを、ブラベンダー・プラステユコー
ダー(187℃、45rpm)で混練し、最大トルク
を示すまでの時間を測定した。 可塑剤吸収性 PVC100重量部と可塑剤ジオクチルフタレー
ト(以下、DOPと略称する)50重量部をプラ
ネタリー・ミキサーに投入後、混和(80℃、
70rpm)して、ドライアツプ終了までの時間を
測定した。 フイツシユ・アイ(以下、FEと略称する)
PVC100重量部、可塑剤(DOP)50重量部、鉛
系粉末安定剤3重量部を、ブレンドした後、
155℃のロールで夫々4分間、5分間、7分間
混練する。 得られたロール・シートの25cm2中に認められ
るFEの数を夫々カウントして、FE個数とし
た。 △tMAX 反応温度と重合容器のジヤケツトに循環させ
る冷却水温の差(△t)の最大値(△tMAX)を
冷却能力の要求レベルの目安として用いる。 △tMAXが大きい程大きな冷却能力が要求さ
れ、冷却能力に制限がある場合生産性が低いこ
とになる。 実施例 1 内容積400の撹拌機及びジヤケツト付のステ
ンレス製重合容器に表−1に示す反応原料を仕込
んだ。 仕込が終了した後、ジヤツケトに温水を循環
し、表−1に示す実質的な重合開始温度(昇温開
始温度)まで急速に加熱し重合反応を開始させ
た。その後、連続的に、0.5℃/hrの割合で昇温
を行ない、60.3℃で昇温を終了し、以後、所定の
重合率に達するまで、この温度を2時間4分保持
した。 このようにして得られたPVCの物性評価を行
なつた結果を表−2に示す。 実施例 2〜6 反応原料を夫々表−1に示すように変化させた
以外は実施例1と同様にして仕込みを行なつた。 次いで表−1に示す反応条件で重合反応を行な
つた以外は実施例1と同様に操作した。 得られたPVCの物性評価を行なつた結果を表
−2に示す。 実施例 7 実施例1と同様に表−1に示す反応原料を仕込
み、実質的な重合反応を以下のように行つた。 仕込終了後、ジヤケツトに温水を循環して表−
1に示す実質的な重合開始温度(55℃)まで急速
に加熱した後、該温度で1時間重合反応を行い、
その後、連続的に0.5℃/hrの割合で60.3℃まで
昇温し、次いでその温度で1時間4分保持し、重
合反応を終了した。 得られたPVCの物性評価を表−2に示す。 実施例 8 実施例1と同様に表−1に示す反応原料は仕込
み、実質的な重合反応を以下のように行つた。 実質的な重合開始温度(55℃)で2時間4分保
持し、その後、連続的に0.5℃/hrの割合で60.3
℃まで昇温して重合反応を終了した。 得られたPVCの物性評価を表−2に示した。 比較例 1〜4 反応原料を夫々表−1に示すように変化させた
こと以外は実施例1と同様にして仕込みを行なつ
た。 次いで表−1に示す反応条件で定温重合反応を
行なつた以外は実施例1と同様にして所定の重合
率に達するまでこの温度を保持した。 このようにして得られたPVCの物性評価を行
なつた結果を夫々表−2に示す。 比較例 5 実施例1と同様に反応原料の仕込を行なつた
後、ジヤツケツトに温水を循環し、表−1に示す
昇温開始温度まで急速に加熱し重合反応を開始さ
せた。反応開始3.5時間後から表−1に示す昇温
速度で終了温度まで連続的に昇温し、以後実施例
1と同様に所定の重合率に達するまでこの温度を
保持した。 このようにして得られたPVCの物性評価を行
なつた結果を表−2に示す。 比較例 6〜7 反応原料を夫々表−1に示すように変化させた
以外は、実施例1と同様にして仕込みを行なつた
後、ジヤケツトに温水を循環し、夫々表−1に示
す第一段重合温度まで急速に加熱し重合反応を開
始させた。重合反応開始5時間後に第2段重合温
度まで昇温させ、以後実施例1と同様に所定の重
合率に達するまでこの温度を保持した。 このようにして得られたPVCの物性評価を行
なつた結果を夫々表−2に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】 表−2から以下のことが明らかである。 まず、実施例1〜3と比較例1、実施例4と比
較例2、及び実施例5と比較例3とを夫々比較す
ると、本発明方法によつて塩化ビニル系重合体を
製造すればポロシテイー、ゲル化時間、可塑剤吸
収性、FE、△tMAX等の諸性質については従来の
ものとほぼ同等に保ちつつ、嵩比重を増大させる
ことができることが明らかである。しかし、実施
例6のように重合温度の上昇変化幅が1℃と小さ
い場合には嵩比重が比較的小さく、上昇変化幅が
2℃以上あるのが望ましいことが判る。 次に、実施例1〜3と比較例6、実施例5と比
較例7とを夫々比較すると、急速な昇温を行なつ
た場合、(比較例6及び7)嵩比重については本
発明方法の場合に比べて増大させることができる
ものの、他の塩化ビニル系重合体に要求される諸
性質の点で著しく劣つていることが明らかであ
る。 また、実施例1及び3と比較例5とを比較する
と、昇温期間が短い場合(比較例5)には、ポロ
シテイー、可塑剤吸収性等が悪化する傾向があ
り、反応時間が長い割には、△tMAXが大きく生産
性が比較的良くないことが明らかである。 更に、実施例1〜3と比較例4とを比較する
と、重合反応中に塩化ビニル系単量体を追加する
方法(比較例4)では、嵩比重については本発明
方法の場合と同等に増大させることができるもの
の、他の塩化ビニル系重合体に要求される諸性質
の点で著しく劣つていることが明らかである。 実施例 9 実施例1と同様に表−1に示す反応原料を仕込
み、反応条件を以下のようにしてPVCを製造し、
その物性評価を表−3に示した。 仕込み終了後、ジヤケツトに温水を循環して実
質的な重合開始温度55℃まで急速に加熱昇温し
た。該温度から連続的に0.5℃/hrの割合で57.5
℃まで5時間かけて昇温し、次いでこの温度を2
時間4分保持し、さらに連続的に0.5℃/hrの割
合で60.3℃まで昇温させて重合反応を終了した。 実質的に重合反応が進行する期間は12時間40分
であり、そのうち温度上昇に要した期間は10時間
36分であつた。 実施例 10 実施例9と同様にして、実質的な重合開始温度
55℃に到達したときから連続的に0.5℃/hrの割
合で56.5℃まで3時間で昇温し、この温度で1時
間保持した後、連続的に0.5℃/hrの割合で58.5
℃まで4時間かけて昇温した。さらに該温度で1
時間4分保持した後60.3℃まで0.5℃/hrの割合
で連続的に昇温し、ここで重合反応を終了した。
得られたPVCの物性評価を行い表−3に併記し
た。 なお、本実施例で重合反応が進行した期間は12
時間40分であり、そのうち温度上昇に要した期間
は10時間36分であつた。 実施例 11 実施例9と同様にして、実質的な重合開始温度
55℃に到達した後、該温度で30分間保持し、次に
連続的に0.5℃/hrの割合で57℃まで昇温し、こ
の温度で1時間保持し、さらに連続的に0.5℃/
hrの割合で60.3℃まで昇温した後この温度で34分
間保持し重合反応を終了とした。全反応時間12時
間40分のうち、昇温に要した時間は、10時間36分
であつた。得られたPVCの物性評価を行い表−
3に併記した。
〔発明の効果〕
本発明方法によれば、塩化ビニル系単量体の水
性媒体中での重合反応を重合温度を特定の期間昇
温させて行なうことにより、従来の定温反応によ
つて得られるものに比べ、嵩比重が大きく、かつ
成形加工性の改良された塩化ビニル系重合体を得
ることができる。また、本発明方法では二段反応
(急激な昇温を行なう)方法に比べ、除熱のため
の冷却能力が小さくてよいので、生産性を向上す
ることができると共に、成形加工性をも改良する
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体を
    主体とする共重合可能な単量体の混合物を水性媒
    体中で重合反応させて塩化ビニル系重合体を製造
    する方法において、実質的に重合反応が進行する
    期間全体の50%以上の期間において重合温度を時
    間と共に上昇させつつ重合反応を行なわせ、かつ
    その上昇変化幅が1〜20℃の範囲にあることを特
    徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
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JPS5714608A (en) * 1980-06-30 1982-01-25 Mitsui Toatsu Chem Inc Suspension polymerization of vinyl chloride

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