JPH0350706B2

JPH0350706B2 -

Info

Publication number: JPH0350706B2
Application number: JP57134237A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Komatsu
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1982-07-31
Filing date: 1982-07-31
Publication date: 1991-08-02
Also published as: JPS5924667A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は易開封性密封包装用の蓋材に関する。
一般に液体内容物を容器に密封包装する場合は、
容器に内容物を充填し、その後蓋と容器をヒート
シールして、密封する。この場合、内容物を充填
する際充填ノズル等からの液だれを皆無にするこ
とは不可能なので、容器のヒートシールする部分
であるフランジ液が付着する可能性が高い。そこ
で、夾雑物シール性の良いシーラントが望まれ
る。また現在のヒートシーラではヒートシールの
ための金型の温度は、ばらつきが大きいためのヒ
ートシール温度領域が広いシーラントが望まれて
いる。つまり、蓋材のシーラントとしては易開封
のためのヒートシール温度領域が広くかつ夾雑物
ヒートシール性の良いものが最適である。

しかし、現在ポリエステル容器に対して、易開
封性を与える蓋材はほとんどなく、唯一ヒートシ
ール剤を基材にコーテイングしたものがあるが、
これは夾雑物シール性が悪くジユース等の固形分
の多いものの包装には適さない。

このような理由で夾雑物ヒートシール性の良
く、且つージーオープンのためのヒートシール温
度領域の広い蓋材が望まれている。

本発明者はポリエステル製容器を密封する蓋材
であつて、夾雑物ヒートシール性が良く、且つ開
封容易な強度でヒートシールすることができ、し
かもヒートシール温度領域の広い蓋材を開発する
べく研究の結果、飽和ポリエステル系樹脂とその
飽和ポリエステル系樹脂と相溶性の悪い樹脂のブ
レンド物よりなるシール層を設けた蓋材はポリエ
ステル系樹脂製容器に対する夾雑物ヒートシール
性が良く、且つ開封容易な強度でヒートシールす
ることができ、しかもヒートシール温度領域の広
いことを見い出し、かかる知見にもとづいて本発
明を完成したものである。

即ち、本発明の要旨は基材に飽和ポリエステル
系樹脂20〜80重量％とその飽和ポリエステル系樹
脂と相溶性の悪い樹脂20〜80重量％のブレンド物
よりなるシール層を積層してなる蓋材である。

以下、本発明につき、図面を参照しながら詳細
に説明する。

第１図は本発明の蓋材３を示す。

基材１に飽和ポリエステル系樹脂20〜80％とそ
の飽和ポリエステル系樹脂と相溶性の悪い樹脂20
〜80重量％のブレンド物よりなるシール層２が積
層されている。

而して、本発明において基材１として耐熱性の
プラスチツクフイルム、金属箔、紙などを使用で
きる。基材としてはポリエチレンテレフタレー
ト、延伸ナイロンやアルミ箔が最適であり、又、
ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニルも好適である。

基材の厚さは、蓋材として用いたとき開封時に
適度の剛性をもつよう少なくとも12μは必要であ
る。

又、基材の最適の厚さは20〜50μである。

次に本発明においてシール層を形成するブレン
ド物の構成材料である飽和ポリエステル系樹脂と
は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マ
レイン酸、マレイン酸誘導体、コハク酸、アジピ
ン酸、セバスチン酸などの飽和多塩基酸とエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、1.2プロピレング
リコール、1.3ブタンジオール、ジプロピレング
リコール、1.4ブタンジオール、1.6ヘキサンジオ
ール、ペンタエリスリツト、ソルビトール、グリ
セリン、ネオペンチルグリコール、1.4シクロヘ
キサンジメタノールなどの多価アルコールとのエ
ステル結合により得られる飽和ポリエステル樹脂
である。

又、前記飽和ポリエステル系樹脂と相溶性の悪
い樹脂とは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレンおよびエチレン−α
−オレフイン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、アイオノマー−エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物等のエチレン共重合体でエチレン含率が
50重量％以上のポリエチレン系樹脂、ポリプロピ
レン、ポリブチレンエチレンプロピレンターポリ
マー、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネートなどである。

上記飽和ポリエステル系樹脂とその飽和ポリエ
ステルと相溶性の悪い樹脂のブレンド物よりなる
シール層はポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂製
容器に対して、良好なヒートシール適性を示し、
かつ開封はシーラントの凝集破壊によるものであ
る。凝集破壊型のシーラントは、界面剥離型シー
ラントに比べ次のような優れた点がある。

凝集破壊型のシーラントは、接着界面が完全融
着されるため、破袋の心配がなく夾雑物シール性
に優れていると同時に、開封強度がヒートシール
温度にほとんど依存しない。このため、易開封性
の包装には、最適である。

食品などの包装容器において、密封後の加工工
程及び流通過程にて容易に剥離することがなく内
容物が保護され、一方開封は容易であるヒートシ
ールはフイルム同志の剥離強度にして1200〜1800
ｇ／15m／ｍ幅の範囲において与えられることが
わかつている。一方、ヒートシール温度はシーラ
ーの性能や実際の包装条件によつても異なるが30
〜40℃の巾が出ることは避けがたい。従つてなる
べく広いシール温度範囲にわたつて上記好適範囲
内の封着強度が保たれることが求められる。本発
明の蓋材は後に掲げる実施例のとおり、この要求
を十分みたすものである。

次に本発明において、飽和ポリエステル系樹脂
とその飽和ポリエステル系樹脂と相溶性の悪い樹
脂のブレンド比は前記した通り飽和ポリエステル
系樹脂20〜80重量％に対して、飽和ポリエステル
系樹脂と相溶性の悪い樹脂20〜80重量％が良い。
飽和ポリエステル系樹脂が20重量％以下であると
ポリエステル系樹脂容器とのヒートシール強度が
弱くなり、逆に飽和ポリエステル系樹脂が80重量
％以上であるとシーラントが凝集破壊をおこさず
完全融着し、易開封性を示さない。又、適当なシ
ーラントの厚さは５〜100μであり、就中10〜30μ
が最適である。シーラントが5μ以下であると夾
雑物シール性が悪くなりかつシール強度が不安定
となり好ましくなく、一方100μ以上であると開
封後に、シーラントがフランジに大量に残り、フ
ランジの外観が悪くなり、極端な場合はシーラン
トが容器側に残る、膜はりという現象がが起き、
内容物がとり出せなくなる。

次に本発明において、飽和ポリエステル系樹脂
とブレンドする飽和ポリエステル系樹脂と相溶性
の悪い樹脂としてはポリエチレン系樹脂が成形性
の点から特に望ましい。その場合、飽和ポリエス
テル系樹脂としてはポリエチレン系樹脂とブレン
ドするため100〜150℃で溶融するものが望まし
く、例えば、酸のコモノマーがフタル酸であり、
アルコールのコモノマーがエチレングリコールお
よび1.4−シクロヘキサンジメタノールである、
軟化点80℃、分子量25000、密度1.26の飽和ポリ
エステル樹脂が望ましい。又、200℃前後で成形
するのが最も相溶性及び成形性が良い。

本発明の蓋材はすでに述べたとおりポリエステ
ル製のインジエクシヨン、ブロー、シート成形容
器にヒートシールして用いる蓋材として、最適の
ものであり、フラツトフイルムの形でもまた成形
して落し蓋の形にしても良く、任意に使用でき
る。また、開封はシーラントの凝集破壊によるも
ので、シーラントと容器の接着界面は完全融着し
ているため、良好な耐夾雑物性を有すること、す
なわち液かみシールが可能なことも本発明の蓋材
の利点である。

このような点から、清涼飲料、炭酸飲料、しよ
う油等の調味料、洗剤等の容器に対して使用でき
る。

次に実施例をあげて本発明につき、具体的に説
明する。

実施例１基材として、厚さ40μのアルミ箔を用い、その
表面にアンカー材を塗布してから、下記の飽和ポ
リエステル樹脂とポリエチレンを１：１にブレン
ドした樹脂を30μの厚さに押し出しラミネートし
て蓋材をつくつた。

(1) 飽和ポリエステル樹脂酸のコモノマーがフタル酸アルコールのコモノマーがエチレングリコー
ルおよび1.4−シクロヘキサンジメタノール軟
化点80℃、分子量25000、密度1.26 (2) ポリエチレン密度0.923、MT＝3.7 この蓋材を厚さのｍ／ｍのポリエチレンテレ
フタレートのインジエクシヨンプレート（東洋
紡RT−543）とつぎの条件でヒートシールし
た。

（ヒートシール条件）温度；100℃、120℃、140℃、160℃、180℃、
200℃、及び220℃ 圧力；20Kg／cm² 時間；1sec 次いで引張速度300m／ｍ／分で180゜剥離試験
を行なつて、シール強度を測定した。

以上の結果を第２図に示す。第２図のグラフは
本発明による蓋材が広いヒートシール温度範囲に
わたつてほゞ一定の易開封性をもつたシールを与
えることを示している。

実施例２実施例１と同様にして、但し基材としてアルミ
ニウム箔40μを用いその面にアンカーコート層を
介して前記飽和ポリエステルとポリエチレンのブ
レンド物（ブレンド比１：１）を30μ厚に押出し
ラミネートした。

これをポリエチレンテレフタレート製インジエ
クシヨン成形容器（帝人、TR−4500）とヒート
シール（ヒートシール条件；180℃、20Kg／cm²、
1sec）し、放置冷却後、剥離試験を行なつたとこ
ろ、良好なイージーオープン性を示した。

実施例３基材として厚さ40μのアルミニウム箔に接着剤
としてウレタン系２液タイプ接着剤を用いて未延
伸ポリプロピレンフイルム30μを貼合した貼合フ
イルムを用い、その貼合フイルムの未延伸ポリプ
ロピレン側に下記の飽和ポリエステル樹脂とポリ
プロピレン樹脂を１：１にブレンドした樹脂を
30μの厚さに押出しラミネートして蓋材をつくつ
た。

(1) 飽和ポリエステル酸であるコモノマーフタル酸アルコールであるコモノマーエチレングリコ
ールおよび1.4シクロヘキサ
ンジメタノール軟化点80℃、分子量25000、密度1.26 (2) ポリプロピレンエチレンとのブロツク共重合体軟化点145℃、密度0.9 MFI＝15 上記積層材を蓋材として、ポリエチレンテレフ
タレート製、インジエクシヨン成形容器（帝人、
TR−4500）とヒートシール（ヒートシール条
件：180℃、20Kg／cm²、1sec）し、放置冷却後開
封したところ良好なイージーオープン性を示し
た。

以上、詳記した通り、本発明の蓋材によればポ
リエステル製容器を開封容易に密封できるのみな
らず、夾雑物ヒートシール性が良く、且つ易開封
性ヒートシールのためのヒートシール温度領域の
広い利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の蓋材の断面図、第２図はヒー
トシール温度対ヒートシール強度のグラフであ
る。

Claims

【特許請求の範囲】１基材に飽和ポリエステル系樹脂20〜80重量％
とその飽和ポリエステル系樹脂と相溶性の悪い樹
脂20〜80重量％のブレンド物よりなるシール層を
積層してなるポリエステル容器用蓋材。２前記シール層が飽和ポリエステル系樹脂とポ
リエチレン系樹脂のブレンド物よりなる特許請求
の範囲第１項記載のポリエステル容器用蓋材。