JPH0349007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両用ドアハンドル装置に係り、特に
構造の簡素化とインサイドハンドルの回動方向の
抜け防止とを図つた車両用ドアハンドル装置に関
する。

［従来の技術］ 車両のドアパネルにはドアロツクを解除するた
めのインサイドハンドルが取付けられているが、
従来では第３図に示す如くドアパネルに固着され
るエスカツシヨン１に対してインサイドハンドル
２をピン３で回動自在に取付けていた。このた
め、エスカツシヨン１及びインサイドハンドル２
の双方にピン挿通孔４，５を形成する必要がある
と共に鉄製のピン３を必要するため、部品点数が
多く組付工数がかかると共にピン３が抜ける必配
もあつた。

これを改善するために、第４図に示す如くエス
カツシヨン１の内部対向壁に突軸６，７を形成
し、インサイドハンドル２の両側部に突軸６，７
が嵌合する軸孔８，９を形成したものが提案され
ている（実開昭56−34957号公報）。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、斯る従来装置にあつては、インサイド
ハンドル２をエスカツシヨン１に対してその表側
から押込んで突軸６，７と軸孔８，９とを嵌合さ
せる構造であつたので、インサイドハンドル２を
突軸６，７を支点にロツク解除方向に回動操作し
た時に、突軸６，７と軸孔８，９とのかみ合代が
変化すると共に荷重がインサイドハンドル２をエ
スカツシヨン１に押込んだ方向とは逆の方向に作
用してインサイドハンドル２が外れる不具合があ
つた。

［考案の目的］ 本考案は上記従来技術の問題点を有効に解決す
べく創案されたものであり、その目的は部品点数
が少なく組付が迅速に行なえると共に、インサイ
ドハンドルが外れにくい車両用ドアハンドル装置
を提供するにある。

［考案の概要］ 本考案は上記目的を達成するために、ドアパネ
ルに装着されるエスカツシヨンにインサイドハン
ドルを収納する開口部を形成し、該開口部の対向
壁部に、上記インサイドハンドルの両側部に突設
した枢軸を嵌合させる軸孔を形成すると共に、該
軸孔の開口部後側に上記突軸を案内しつつ係止す
る弾性係止爪を形成したことを特徴とする。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図、第２図において、１０は車両のドアパ
ネル１１にねじ止め等により装置される取付ベー
ス兼用のエスカツシヨンであり、合成樹脂により
一体成型されている。このエスカツシヨン１０に
は車両のドアに取付られたドアロツクを解除操作
するためのインサイドハンドル１２を回動自在に
収納する開口部１３が形成されている。

インサイドハンドル１２は合成樹脂により一体
成型され、その基端部にはドアロツクに通じるリ
ンクＭを連結するための連結部１４が形成される
と共に、基端両側部には突軸１５，１６が形成さ
れている。

一方、エスカツシヨン１０の開口部１３の対向
内壁部には上記インサイドハンドル１２の突軸１
５，１６を回動自在に嵌合させる軸孔１７，１８
が形成されている。両軸孔１７，１８は開口部１
３の後側（図において下方）に臨んで開放した逆
Ｕ字状の突起１９，２０によつて区画形成され、
これら突起１９，２０の開放部にはこれらを覆う
と共に開口部１３の後側から押込まれる突軸１
５，１６を案内しつつ乗り越えさせて軸孔１７，
１８内に係止するための弾性係止爪２１，２２が
夫々突出形成されている。尚、軸孔１７，１８に
対する突軸１５，１６の嵌合を円滑にするため
に、上記弾性係止爪２１，２２の上面には傾斜案
内面２３，２４が形成されると共に突軸１５，１
６の端部には曲面部２５，２６が形成されてい
る。

次に、上記構成の車両用ドアハンドル装置を組
付ける場合について述べる。

先ず、ドアパネルに取付ける前のエスカツシヨ
ン１０に対して、その開口部１３の後方からイン
サイドハンドル１２を押込み、その突軸１５，１
６を弾性係止爪２１，２２上の傾斜案内面２３，
２４に沿つて移動させる。突軸１５，１６は弾性
係止爪２１，２２を弾性変形させつつこれらを乗
り越えて軸孔１７，１８に嵌合することになる。
軸孔１７，１８に嵌つた突軸１５，１６はＵ字状
の突起１９，２０によつて開口部１３の前側（図
において上方）への移動が完全に遮られるので、
第２図に示す如くインサイドハンドル１２をロツ
ク解除方向に回動させても、この時に発生する荷
重ＦをＵ字状の突起１９，２０で確実に受止める
ことができ、突起１９，２０の外れを確実に防止
することができる。

そして、インサイドハンドル１２の連結部１４
にはドアロツクのリンクＭが連結され、エスカツ
シヨン１０はドアパネル１１上に固定させること
になる。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば次の如き優れた効
果を発揮する。

(1) インサイドハンドルに突軸を形成し、エスカ
ツシヨンに形成した軸孔に嵌合させるようにし
たので、ピンを不要にでき、部品点数が減少す
る。

(2) 軸孔の開口部後側に弾性係止爪を形成し、突
軸を弾性係止爪上に沿つて摺動案内させつつ弾
性係止爪を乗り越えさせて軸孔に嵌合させると
共に弾性係止爪によつて係止するようにしたの
でエスカツシヨンに対してインサイドハンドル
を簡単且つ迅速に組付けることができる。

(3) 軸孔に対して突軸を開口部後側から嵌合させ
るようにしたので、開口部前側への突軸の移動
を完全に阻止することができ、インサイドハン
ドルをロツク解除方向に回動させても突軸が軸
孔から外れる虞れはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用ドアハンドル装置
の一実施例を示す分解横断面図、第２図は同組立
縦断面図、第３図、第４図は夫々異なつた従来構
造を示す横断面図及び分解斜視図である。 図中、１０はエスカツシヨン、１１はドアパネ
ル、１２はインサイドハンドル、１３は開口部、
１５，１６は突軸、１７，１８は軸孔、２１，２
２は弾性係止爪である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアパネルに装着されるエスカツシヨンに、イ
   ンサイドハンドルを収納する開口部を形成し、該
   開口部の対向内壁部に上記インサイドハンドルの
   両側部に形成した突軸を嵌合させる軸孔を形成す
   ると共に、該軸孔の開口部後側に上記突軸を案内
   しつつ係止する弾性係止爪を形成したことを特徴
   とする車両用ドアハンドル装置。