JPH0348776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は情報再生装置に関する。

(ロ) 従来の技術 円盤状の情報記録媒体（以下デイスクという）
には、これのトラツクに記録された複数の情報の
中から所望の情報を速やかに再生し得るようにア
ドレス信号が記録されており、斯るアドレス信号
を検出することによつて情報のランダムアクセス
を行なつている。

特公昭59−16347号公報は、このランダムアク
セスの方法を開示するものであり、情報の再生素
子が所望のアドレス信号の位置より遠く離れてい
るときにはトラツキングサーボ系を遮断した状態
で再生素子を高速送りし、再生素子が所望のアド
レス信号の位置に近づくとトラツキングサーボ系
が作動せしめて所望のアドレス信号を検出するよ
うに構成されている。

ここで、再生素子の高速送りが終了した時点で
は、再生素子は所望のアドレス信号の位置の近傍
に到達しているはずだが、これを確認するため
に、トラツキングサーボ系を遮断した状態でデイ
スク上のアドレス信号を検出する。そして、所望
の位置に再生素子が到達していれば、その後トラ
ツキングサーボ系を作動せしめて、所望のアドレ
ス信号を検出するように再生素子を制御する。

以上のように、ランダムアクセスにおけるアド
レス信号の検出は、トラツキングサーボ系を遮断
せしめた状態及び作動せしめた状態で行なわれる
が、いずれの状態にあつても、正確にアドレス信
号を検出する必要がある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし乍ら、トラツキングサーボ系を遮断せし
めた状態では、デイスクの偏心の影響によつて、
再生素子は正確に１つのトラツクをトラツキング
することができずにトラツクからずれる。従つ
て、再生素子がトラツクからずれた位置にアドレ
ス信号が記録されていた場合、再生素子によるア
ドレス信号の再生信号は小さくなる。

一方、トラツキングサーボ系を作動せしめた状
態では、再生素子は正確にトラツクをトラツキン
グするものの、トラツク間隔が狭いデイスクにあ
つてはクロストークが発生する。特に、追記型で
あり、かつ情報の記録時にアドレス信号を記録す
るタイプのデイスクにおいて、情報及びアドレス
信号が記録されたトラツクの隣りに位置する未記
録状態のトラツクをランダムアクセスしてトラツ
キングしている場合、本来は何ら信号を再生しな
いが、上述のようなクロストークが発生している
と、小さいながらも隣りのトラツクに記録されて
いるアドレス信号を再生してしまうことになる。
このような状態は正確なアドレス信号検出の妨げ
となる。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案の情報再生装置は、情報記録媒体に記録
された情報を再生してRF信号を出力する再生素
子と、該再生素子のトラツキング制御を行なうト
ラツキングサーボ系と、該トラツキングサーボ系
の遮断及び作動を行なうスイツチと、該スイツチ
の動作を制御する制御部と、該制御部にて上記ス
イツチを動作せしめて上記トラツキングサーボ系
を作動せしめた場合に上記再生素子にて再生した
RF信号のレベルを低下せしめるレベル調整部と
を備えたことを特徴とする。

(ホ) 作用 本考案は、トラツキングサーボ系が遮断されて
いる場合、再生素子がデイスクから再生したRF
信号のレベルを低下せしめることなく、また、ト
ラツキングサーボ系が作動されている場合、斯る
RF信号のレベルを若干低下せしめて、RF信号か
らアドレス信号を検出する。

(ヘ) 実施例 図は本考案の一実施例を示すブロツク回路図で
ある。１は再生素子であり、光デイスクを対象と
する場合には、半導体レーザ、対物レンズ等の光
学系から構成される。２は再生素子１からの再生
信号からトラツキング信号を検出するトラツキン
グ信号検出部、３はスイツチ、４は該スイツチを
介してトラツキング信号を入力しこのトラツキン
グ信号に基いて再生素子１のトラツキング制御を
行なうトラツキング制御部である。そして、これ
らトラツキング信号検出部２、スイツチ３及びト
ラツキング制御部４によつてトラツキングサーボ
系が構成されている。また、５はスイツチ３のオ
ンオフ制御を行なう制御信号を出力する制御部で
ある。

而して、制御部５がローレベルの制御信号を出
力してスイツチ３が開状態とされている場合、ト
ラツキング信号検出部２が検出したトラツキング
信号はトラツキング制御部４に与えられず、トラ
ツキングサーボ系が遮断された状態である。逆に
制御部５がハイレベルの制御信号を出力してスイ
ツチ３が閉状態とされている場合、トラツキング
信号検出部２が検出したトラツキング信号はトラ
ツキング制御部４に与えられ、トラツキング制御
部４が再生素子１のトラツキング制御を行なうの
で、トラツキングサーボ系が作動された状態とな
る。

図の説明にもどるに、６は再生素子１により再
生されたRF信号（デイスクに記録された情報に
基づく信号とアドレス信号とからなる信号）を検
出して増幅するRF信号増幅器、７は該RF信号増
幅器により増幅されたRF信号の信号レベルを、
制御部５が出力する制御信号に基いて、即ちスイ
ツチ３の開閉状態に基いて調整するレベル調整
部、８は該レベル調整部にて調整されたRF信号
内からアドレス信号を取出すアドレス信号検出部
である。

更にレベル調整部７について詳述すると、１０
はトランジスタであり、そのエミツタには定電圧
Ｖが印加されており、ベースには限流抵抗１１を
介して制御部５が出力する制御信号が印加されて
いる。１２，１３はトランジスタ１０のコレクタ
に直列に接続された第１及び第２抵抗、１４は一
端子にRF信号が印加されると共に＋端子に第１
及び第２抵抗１２，１３の接続点電位が印加され
たコンパレータであり、該コンパレータの出力が
アドレス信号検出部８に与えられる。

而して斯る構成において、制御部５から出力さ
れる制御信号がローレベルである場合、トランジ
スタ１０はオフ状態であり、コンパレータ１４の
＋端子に印加される電位は０である。従つて、
RF信号増幅器６からコンパレータ１４の一端子
に与えられたRF信号は何らレベル低下されるこ
となく、そのままの状態でアドレス信号検出部８
に与えられ、RF信号内のアドレス信号が検出さ
れる。

一方、制御部５から出力される制御信号がハイ
レベルの場合、トランジスタ１０はオン状態とな
り、コンパレータ１４の＋端子には第１及び第２
抵抗１２，１３の接続点電位が与えられる。従つ
て、コンパレータ１４の−端子に与えられたRF
信号は、接続点電位分だけレベル低下されること
になる。これにより、何ら情報及びアドレス信号
が記録されていないトラツクをトラツキングして
いる時に発生していたクロストークによる影響は
除去される。また情報及びアドレス信号が記録さ
れているトラツクをトラツキングしている場合に
は、RF信号が十分に大きいため、このRF信号か
ら接続点電位分だけレベル低下せしめても悪影響
を及ぼすことはない。

(ト) 考案の効果 以上の如く、本考案によれば、トラツキングサ
ーボ系を遮断せしめた状態では、再生素子が検出
するRF信号を最大レベルとし、トラツキングサ
ーボ系を動作せしめた状態では、上記RF信号を
ある程度レベル低下するように構成したので、ト
ラツキングサーボ系の状態に関係なく正確にアド
レス信号を検出することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すブロツク回路図で
ある。 １……再生素子、３……スイツチ、７……レベ
ル調整部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 情報記録媒体に記録された情報を再生してRF
   信号を出力する再生素子と、該再生素子のトラツ
   キング制御を行なうトラツキングサーボ系と、該
   トラツキングサーボ系の遮断及び作動を行なうス
   イツチと、該スイツチの動作を制御する制御部
   と、該制御部にて上記スイツチを動作せしめて上
   記トラツキングサーボ系を作動せしめた場合に上
   記再生素子にて再生したRF信号のレベルを低下
   せしめるレベル調整部とを備えたことを特徴とす
   る情報再生装置。