JPH0345900A - 遠赤外線偽装材用補助断熱材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、遠赤外線探索装置や赤外線検出器を用いる計
器によって探知または認識されにくい断熱効果を有する
遠赤外線偽装材用補助断熱材に関する。さらに詳しくは
、本発明の補助断熱材は放熱体をカバーして使用され、
さらにその上に遠赤外線用偽装材を覆うことによって、
該偽装材の偽装（迷彩）効果を大幅に向上せしめるもの
である。

［従来の技術］ 従来の断熱材としては、特開昭５９−１３６２４３号公
報により、補強層、プラスチック材からなり、せん孔さ
れた部分の一部が外側に曲った舌片状とする構造体が遠
赤外線認識防衛材料として提案されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、かかる従来防衛材料は、単に熱放射を低下させ
る効果を有するが、それだけでは十分なボカシ効果が達
成されず、結局、今一つ満足な偽装効果を発揮させるこ
とはできなかった。

本発明は、かかる従来技術に鑑み、エネルギー放射率を
特定にしたシート状物で放熱体をカバーすることにより
、効率よく遠赤外線用偽装材料の機能を高め、遠赤外線
画像上での迷彩効果を確実に達成せしめ得たものである
。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記目的を達成するために、次の構成を採用
するものである。

すなわち、本発明の遠赤外線偽装材用補助断熱材は、布
帛の少なくとも片面に、金属層および近赤外線用着色剤
を含む樹脂層が順に積層された複合シートで構成された
放熱体をカバーして使用する補助断熱材であって、かつ
該補助断熱材には穴が設けられており、さらに該補助断
熱材の中央部が周辺部より低エネルギー放射率であるこ
とを特徴とするものである。

また、本発明の遠赤外線偽装材用補助断熱材は、布帛の
少なくとも片面に、金属層および近赤外線用着色剤を含
む樹脂層が順に積層された複合シートで構成され、かつ
放熱体をカバーして使用する補助断熱材であって、かつ
該補助断熱材には穴が設けられており、さらに放熱体を
カバーして使用されるときに、該補助断熱材の天井部が
すそ部よりも低エネルギー放射率になるように構成され
てなることを特徴とするものである。

（作用） 本発明でいう「中央部」と「天井部」について予め説明
する。

すなわち、「中央部」は、補助断熱材の平面シートの場
所であって、「天井部」は、補助断熱材をカバーとして
使用したときの立体的位置をいう。

すなわち、「天井部」は、カバーをかけたときに、おわ
ん状の形状となるが、その最も高い位置になる部分をい
う。したがって、この「天井部」は放熱体の形状によっ
て適宜の位置にズレることかあるが、すそ部は必ず存在
する。しかし、−殻内には「天井部」は、補助断熱材の
「中央部」であることが多く、実際には、本発明の補助
断熱材を製造する場合は、「中央部」を低エネルギー放
射率のもので構成すればよいことが多い。

さて、本発明は、遠赤外線探索装置や赤外線検出器を用
いる計器による探索に対して使用される遠赤外線用偽装
材の偽装効果をさらに助長させるために用いられるもの
であって、放熱体の熱気を直接、上述の偽装材料にあて
させないためのカバーであって、−時断熱すると同時に
徐々に熱気を放出させる機能を有するものである。

かかるカバーシートで放熱体を覆ったときの、放熱体の
熱気によるカバーシートの加熱のされ方を観察すると、
該カバーシートの放熱体にかぶせられた状態がおわんを
伏せた形となるために、該カバーシートの天井部に熱気
がたまり始めてその部分の昇温か始まり、やがてこの加
熱部が天井部から徐々にカバーシートのすそ部へ向って
広がってゆくが、該天井部は常に最高温度の状態に保た
れる。この場合、補助断熱材としてエネルギー放射率が
全面に均一であるシートを用いてカバーしても、放熱量
は相違するものの加熱昇温のされ方は上述のカバーシー
トの場合と同じ状態となって現われるので、このような
加熱状態にある補助断熱材の上に遠赤外線偽装材料を覆
っても、ボカシの効いた迷彩効果が得られず、結局、前
記計器によって、加熱状態に符合するおわん状の高温像
が明確に観測される結果を招くことになる。

本発明は、かかる放熱体による補助断熱材の加熱状態を
分析して、該加熱状態を偽装すべく、該補助断熱材の断
熱ならびに放熱状態を調整したものである。

本発明の遠赤外線偽装材用補助断熱材は、第１図のよう
、に、布帛１の表面に接着剤２を介して金属層３を積層
し、その表面に近赤外線用着色剤含有樹脂層４を積層し
、かつ穴７が設けられてなる複合シートで構成されたも
のであり、放熱体をカバーして使用するものである。こ
の補助断熱材は、第２図のように、エネルギー放射率を
周辺部６より中央部５を低く構成して、該中央部５にた
まる熱気の放射を調整したものであり、これにより、お
わん状の高温部を発生しに＜＜シて、該おわん状の形が
遠赤外線画像に映りに＜＜シたものである。

なお、本発明でいうエネルギー放射率とは、Ｄａｎｄ　
Ｓ　ＡＥＲＯ熱放射率計（Ｄｅｖｉｃｅｓ　５ｅｒｙｉ
ｃｅｎｓ社製）を用いて測定したときのエネルギー放射
率である。

本発明の補助断熱材における上述のエネルギー放射率の
差は、放熱温度や気温、気象条件などにより多少異なる
が、好ましくは０．１以上である。

この差が大きいほど中央部の熱放射が、周辺部に比して
抑えられるので、形状を認識しにくくなるが、周辺部か
ら中央部に向って徐々にエネルギー放射率を低くなるよ
うに調整すると、さらにボカシの効いた熱放射を達成す
ることができる。

具体的なエネルギー放射率としては、概して好ましくは
中央部では０．５０以下、さらに好ましくは０．４０以
下である。中央部のエネルギー放射率が０．５０より高
くなると、遠赤外線画像に映りやすくなり、補助断熱材
としての機能が低下する。これに対して、周辺部では０
．６０以上のエネルギー放射率であることが、中央部の
エネルギー放射率との関係から好ましい。すなわち、周
辺部分が中央部と同じで均一な０．　５以下のような低
エネルギー放射率のもので構成した場合、周辺部は熱気
による加熱が少ないため、自然界より著しく低温像にな
る。このため、遠赤外線画像探索で地上からの場合、偽
装物の下部がより低温像に、航空機による探索では周辺
部がはっきりしてパッチ状になり、著しく自然界と異な
る遠赤外像になってしまう。したがって、少なくとも周
辺部は、まわりの自然界の遠赤外線像に混和させるよう
に、中央部よりやや高温像に映るようにエネルギー放射
率を上げてやるのが好ましい。

いずれにしても、本発明の補助断熱材は、放熱体の熱の
放射を抑えるのみならず、さらに周囲の環境からの放熱
にもバランスさせるべく調整することが望まれる。

すなわち、放熱体の全体のエネルギー放射量と周囲の環
境のエネルギー放射量とが相違していれば、放熱体の存
在は探知され易いので、該補助断熱材によってカバーさ
れた被覆物全体の放熱量も調整することが好ましい。

本発明の補助断熱材の中央部の低エネルギー放射率の部
分の面積は、カバーする放熱体の大きさや形態にもよる
が、該補助断熱材の好ましくは３０〜７０％、さらに好
ましくは４０〜６０％程度である。要するに、小さすぎ
ると、おわん状の最高位置に当る天井部（中央部）に高
温部が出現してしまって高温像として映ったり、大きす
ぎると上述のように環境の放熱量との関係からパッチ状
の像が映し出されたりするために探索を容易にしてしま
う恐れがある。

かかる低エネルギー放射率の部分と高エネルギー放射率
の部分は、不定形など種々の模様にしてもよいが、その
場合でも中央部と周辺部において、エネルギー放射率に
差を有するものであることには変りはない。

本発明の補助断熱材は、上述の構成にする際に、該複合
シートを裁断して縫合しても、また該裁断片を網状物に
係合してもよい。さらに−枚のシートで積層樹脂を適宜
調整してもよい。

本発明の金属層は、エネルギー放射率が０．１以下、好
ましくは０．０５以下である金属から選択されて構成さ
れる。かかる金属としては、たとえば金、銀、銅、アル
ミニウム、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛や、これらの合
金などがあげられる。

かかる金属の中でもアルミニウム、クロムが、価格や性
能の上から好ましい。

かかる金属層は繊維布帛上に箔状にして積層されて形成
されるが、圧延法により作製された箔を適宜の接着剤で
貼着するか、さらにメツキ法、真空蒸着法、転写箔法な
らびにスパッタリング法など公知の膜形成方法の適宜の
方法により織物などの布帛上に薄層状態で被覆すること
ができる。

布帛の上に、上記方法により、金属層を被覆させる場合
には、熱カレンダーや熱プレスをかけて少なくとも布帛
表面層の繊維を扁平化し平滑にしておくのが、積層、貼
着ならびに蒸着が容易にできるので好ましい。

金属層の厚さは、薄いより厚い方が好ましいが、透明で
なければよく、好ましくは１００μｍ以下、さらに好ま
しくは３００人〜５０μｍ１特に好ましくは５００人〜
１０００人程度の膜がよい。

本発明の近赤外線用着色剤を含む樹脂層を構成する素材
としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリメチルペンテン、および塩化ビニル、
酢酸ビニル、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびこ
れらの共重合体または混合物などの樹脂があげられる。

これらの樹脂は、含浸法、スプレー法、コーティング法
、さらにはフィルム転写法など通常の方法で、金属層の
上に積層されて樹脂層が形成される。

かかる樹脂層の厚さは、概して好ましくは１０〜２５０
μｍの厚さの範囲のものであって、この厚さによっても
エネルギー放射率は調整されるものである。また、エネ
ルギー放射率は樹脂の種類によっても変動するものであ
るが、同じ素材でも厚さが厚くなるとエネルギー放射率
は高くなる傾向を示し、また透明性の高いものである程
、エネルギー放射率は低くなる傾向を示す。

上述の近赤外線用着色剤とは、自然界と同様な色相、近
赤外線反射率などを有する顔料や染料であればよいが、
好ましくはアゾ系の染料や顔料が着色性ならびに耐久性
に優れている。かかる着色剤のは好ましくは樹脂量に対
して約１５〜３０％程度の範囲で使用される。

本発明で使用される布帛としては、通常の天然繊維や合
成繊維からなる布帛、さらには高強力高弾性をするアラ
ミド繊維や高延伸部率（たとえば８倍〜１２倍以上に）
に延伸したポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニル
アルコール、ポリアクリルニトリルなどの高強力繊維、
さらには耐熱性にすぐれるノーメックス（デュポン社製
）やポリフェニルスルホンなどの耐熱繊維で構成された
布帛があげられる。

本発明でいう布帛としては、編織物、不織布などがあげ
られるが、主として織物が寸法安定性や金属層の形成の
し易さなどから好ましい。

本発明の補助断熱材は、前述の複合シートを複数層積層
したものでもよく、また、他の種類の布帛を重ねたもの
でもよい。たとえば、天井部の高熱部にふれる恐れのあ
る部分に上述の耐熱性にすぐれた布帛を積層することは
耐久性アップに効果を発揮させることができるので、特
に好ましい。

上述の積層構造のものは、該補助断熱材の部分的に適宜
実施してもよい。

本発明の補助断熱材には、放熱（通気）用の穴が設けら
れていることが重要である。

この穴は、平均直径が好ましくは５〜５０ｍｍφ、さら
に好ましくは１０〜３０ｍｍφ、特に好ましくは１５〜
２０ｍｍφの大きさに設けられているものがよい。この
穴は、該補助断熱材の内部にたまる熱気を一時断熱状態
で徐々に放出し、偽装材ならびに補助断熱材自体の温度
上昇を防止する放熱（通気）作用を有するものである。

上述の穴は、大きすぎると一時断熱の効果が小さくなる
ばかりか、穴を通し内部の高温体が見えやすくなり、ま
た、小さすぎると放熱の効果が小さくなる。また、かか
る穴は、大きさや配置状態をランダムにしておくと、自
然界との調和がとれやすく、画像形状から人工的な形跡
を消去することができるので好ましい。さらに、この穴
の形状も不定形にすることにより、自然界との調和がと
りやすく、与える画像も偽装性に富むので好ましい。た
だし、むろん規則的に細かな穴が多数個設けられていて
もよく、要は温度上昇を防止する放熱（通気）作用をそ
れらの穴が有すればよい。

穴の数は、ランダムであれ規則的であれ、好ましくは１
００〜５００個／ｄの範囲で存在させるのがよい。また
、かかる穴の総面積は、補助断熱材の面積に対して、好
ましくは０．０４〜０．１５　ｒｒｒ／％、さらに好ま
しくは０．０６〜０．１Ｏｎ−ｒ／ｒｒｆの範囲とする
ことが放熱効果の関係から好ましい。

本発明の補助断熱材は、上述のように低エネルギー放射
率の複合シートの配置条件と式条件とを適切に調整させ
ることによって、断熱効果と放熱効果とのバランスを好
都合に調整して、背景の自然界とも調和させ得たもので
ある。したがって、かかる補助断熱材を、放熱体の上に
かぶせることにより、そのまた上にかぶせる遠赤外線用
偽装材の偽装効果を著しく向上せしめ得たものである。

実用時には、該補助断熱材と放熱体との間には適宜の空
間、たとえば約３０〜５０ｃｍの空間を設けて設置する
のが好ましい。また、遠赤外線偽装材も、該補助断熱材
から同じ程度の空間を設けて展張することが好ましい。

［実施例］ 本発明を実施例によりさらに説明する。

実施例１ ポリエステル繊維織物（１００ｇ／ｒｄ）の片面にポリ
エステル系接着剤を用いて、厚さ５００人のアルミニウ
ム転写箔を積層した。この積層体のエネルギー放射率は
０．０７であった。

この積層体のアルミニウム転写箔側に、森林と同系の濃
緑色顔料を配合した塩化ビニルと酢酸ビニルとの混合樹
脂のメチルエチルケトン溶液をコーティングした。その
場合、塗布量を変えてコーティングして、複合シートＡ
、Ｂ、ＣおよびＤを得た。

Ａ−Ｄの複合シートについて、それぞれのエネルギー放
射率をＤａｎｄ　　Ｓ　　ＡＥＲＯ熱放射率計（Ｄｅｖ
ｉｃｅｓ　５ｅｒｖｉｃｅｎｓ社製）で測定したところ
、Ａは０．４、Ｂは０．５、Ｃは０．６０、そしてＤは
０．７０であった。かかるシートを縫製加工し、−辺１
０ｍの正方形の表１のような５種の補助断熱材を作った
。

これらの補助断熱材のそれぞれに、平均直径が２０ｗφ
（３〜３０ｆｆＩＩｌφ）の穴を、１ボ辺り３００個、
ランダムに設けた。これらの穴の総面積（対補助断熱材
面積）は、いずれも約０．　１０ｔｒｌ’／ｄであった
。

次に、上述の複合シートの内、（Ｃ）の複合シートを用
いて、これを葉形に裁断し、それらを８５　ｍｍ角のメ
ツシュシートの上に、迷彩模様状に結合して遠赤外線偽
装材を作成した。

これらの補助断熱材と、上述の遠赤外線偽装材とを組合
せて、次の方法により遠赤外線偽装効果を評価した。

評価方法は、森林中にトラックをおいてエンジンをアイ
ドリング状態にし、このトラックに、遠赤外線偽装材と
上述の５種の補助断熱材とを組合せてかぶせ、これを遠
赤外線画像装置インフラアイ５６０（富士通製）で、３
０ｏななめ上から、１００ｍの距離をおいて観察して、
遠赤外線偽装効果を評価した。その結果を表２に示す。

［発明の効果コ 本発明の補助断熱材は、放熱体をカバーして使用され、
さらにその上に遠赤外線用偽装材を覆うことによって、
該遠赤外線用偽装材の機能を大幅に向上せしめるもので
ある。

本発明の補助断熱材によれば、軽くて、薄いので、取扱
いが容易で、しかも熱放射をバランスよ（制御できるの
で、遠赤外線偽装材の実用的価値を著しく高めることが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の補助断熱材の断面構造を示す。第２
図は、補助断熱材の中央部（天井部）と周辺部（すそ部
）の配置の１例を示したものである。 １：布帛　　　２：接着剤層　３：金属層４：近赤外線
用着色剤含有樹脂層 ５：中央部（天井部）　６：周辺部（すそ部）７：穴（
点線で図示）

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）布帛の少なくとも片面に、金属層および近赤外線
   用着色剤を含む樹脂層が順に積層された複合シートで構
   成された放熱体をカバーして使用する補助断熱材であっ
   て、かつ該補助断熱材には穴が設けられており、さらに
   該補助断熱材の中央部が周辺部より低エネルギー放射率
   であることを特徴とする遠赤外線偽装材用補助断熱材。
2. （２）布帛の少なくとも片面に、金属層および近赤外線
   用着色剤を含む樹脂層が順に積層された複合シートで構
   成され、かつ放熱体をカバーして使用する補助断熱材で
   あって、かつ該補助断熱材には穴が設けられており、さ
   らに放熱体をカバーして使用されるときに、該補助断熱
   材の天井部がすそ部よりも低エネルギー放射率になるよ
   うに構成されてなることを特徴とする遠赤外線偽装材用
   補助断熱材。
3. （３）補助断熱材の中央部もしくは天井部が、周辺部も
   しくはすそ部より０．１以上エネルギー放射率の低いも
   ので構成されている請求項（１）または（２）記載の遠
   赤外線偽装材用補助断熱材。
4. （４）補助断熱材の中央部もしくは天井部が、０．５以
   下のエネルギー放射率を有するもので構成されている請
   求項（１）または（２）記載の遠赤外線偽装材用補助断
   熱材。
5. （５）補助断熱材の周辺部もしくはすそ部より低エネル
   ギー放射率である部分が、該補助断熱材の全面積の３０
   〜７０％である請求項（１）記載の遠赤外線偽装材用補
   助断熱材。