JPH0248940A - 遠赤外線用偽装材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は遠赤外線画像による認識が困難で、また赤外線
検出器を用いる計器にも検知されにくい偽装材料に関す
る。

（従来技術〉 特開昭５９−１９０８４２号公報により、対赤外線認識
防衛材料としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン
からなるフィルムと金属膜とを貼着したフィルム構造体
が提案されている。

（発明が解決しようとする課題） しかし、かかる従来偽装材は、熱放射を低下させる性質
は発揮するが、それだけでは形状認識を消失させるには
至らない。

本発明はかかる従来技術に鑑み、フィルムの組合せにお
いて、隣接するフィルムの熱放射率を特定の範囲のもの
で構成することにより、遠赤外線画像上で、形状認識の
できにくい迷彩効果を明確に達成することができたもの
である。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記目的を達成するために、次の構成を採用す
るものである。すなわち、 （１）　　フィルムの少なくとも片面に金属薄層を積層
した、遠赤外線熱放射率が０．５〜０．９の範囲にある
複合シートからなるシート片を組合せてランダム模様が
形成されており、かつ隣接する該シート片は互いに遠赤
外線熱放射率差が０．４以下であることを特徴とする遠
赤外線用偽装材料。

（２）　　前記迷彩模様が、遠赤外線熱放射率の差が距
離に対して比例的に変化しているシートで構成されてい
る請求項（１）記載の遠赤外線用偽装材料。

（３）　　前記フィルムが、複数のフィルム積層体で構
成されている請求項（１）記載の遠赤外線用偽装材料。

（４）　　前記フィルムが、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリメヂルペンテン、酢酸ビニル
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂およびこれらの共重合体から選ばれた少なくとも
２種で構成されたものである請求項（１）記載の遠赤外
線用偽装材料。

（５）　　前記金属箔層が、メッキ法、蒸着法、スパッ
タリング法のいずれかにより形成されたものである請求
項（１）記載の遠赤外線用偽装材料。

（６）前記金属が、アルミニウムである請求項（１）記
載の遠赤外線用偽装材料。

（７）　　布帛表面に金属薄層が積層され、その表面に
フィルムが積層された、遠赤外線熱放射率０．５〜０．
９の範囲におる複合シートからなるシート片を組合せて
ランダム模様が形成されており、かつ隣接する該シート
片は互いに遠赤外線熱放射率差が０．４以下であること
を特徴とする遠赤外線用偽装材料。

（８）　　前記布帛が、少なくとも表面が扁平化されて
いる請求項（７）記載の遠赤外線用偽装材料である。

本発明でいう熱放射率とは、（）ａｎｄｓＡＥＲ０放射
率計（［）ｅｖｉｃｅｓ　　３ｅｒｖｉｃｅｎｓ社製）
を用いて、アルミニウム箔（熱放射率０．０３）上に試
料のフィルムを貼着するかコーティングして測定した時
の熱放射率である。

また別の方法として、赤外線分光光度計に該フィルム膜
をかけて、その７５０〜１２００ｃ「１の領域の吸収面
積を該領域面積でｖｌっだ値で表わすこともできる。た
とえば熱放射率０．５〜０．６のものは、この値が０．
２５〜０．４０１熱放射率０．６〜０．７のものは、こ
の値が０．１０−０．２５　、熱放射率０．７〜０．８
のものは、この値が０．１０以下とそれぞれ表わされる
。

本発明でいう遠赤外線用偽装材とは、遠赤外線波長域内
で迷彩効果を出し、可視および写真的紫外線、近赤外線
波長域においても上記迷彩と同様に良好な迷彩特性を有
するものでおり、画像検知や計器検知では形状認識のさ
れにくいものであって、そのポイントは隣接シート片に
熱放射率の近似したものを組合して光学的な迷彩模様を
形成した点にある。

熱放射率の近似したシートを隣接させて模様を形成する
と、優れたボカシ現象が惹起され、極めて周辺背景の温
度配置に酷似し、自然に調和された迷彩を達成すること
ができたものである。

この現象は隣接シートの熱放射率の差を距離に比例して
変化させてることによって、ざらに助長される。勿論、
多少の変化は自然界では普通のことであるから、略比例
的に配列されておればボカシ効果は達成される。要する
に人工的な配列では逆に認識され易くなる恐れがある。

具体的には、熱放射率０．５のシート片の次には熱放射
率０．６のシート片、その次には０．７のシート片、さ
らにその次には０．８のシート片の順に原則的に配置す
ることで、光学的迷彩模様が形成されるのである。人工
的な感じを排除するために該シート片の面積を適宜変化
させることができる。

この時の遠赤外線での検知状態は０．５の部分が黒く、
そこから遠ざかるにしたがって徐々に明るく変化したポ
カされた形で検知される。このボカシ効果は隣接シート
の熱放射率差が０．４以下、好ましくは０．２以下、特
に好ましくは０．１の範囲内のシートとを組み合せる。

かかるシートの組み合せでしかも、熱放射率を徐々に変
化させて構成することによって達成される。

このような構成からなるシート状偽装材で放熱体をカバ
ーすると、被検知物体（放熱体）の真の形状を把握する
ことはできず、得られる赤外線画像はコントラストがな
く、非常にボカシの効いた画像となり、被検知物体の形
状認識は極めて難しくなる。

本発明の金属薄層は、熱放射率が０．１以下、好ましく
は０．０５以下である金属から選択されて構成される。

かかる金属としては、たとえば金、銀、銅、アルミニウ
ム、ニッケル、クローム、鉄、亜鉛、鉛などや、これら
の合金などがあげられる。

かかる金属の中でもアルミニウム、ニッケルが価格や性
能の上から選択される。

かかる金属薄層はフィルム上または繊維布帛上に箔状に
して積層されるが、圧延法により作成された箔を接着剤
でフィルムに貼着してもよいが、メッキ法や蒸着（真空
蒸着）法、スパッタリング法などの公知の膜形成方法に
よりフィルム上に薄層状態で被覆することができる。繊
維布帛上に上記方法により被覆させる場合には熱カレン
ダーヤ熱プレスをかけて少なくとも布帛表面層の繊維を
扁平化し平滑にするのが、熱放射性の上から好ましい。

これらの中でもスパッタリング法による金属薄層が膜張
力の上から好ましく、この被膜は金属酸化物を含有する
点で特徴的である。

金属薄層の厚さは熱放射率にも少し影響を与えるもので
おり、薄いよりは厚い方が好ましいが、透明でなければ
よく、通常１００μ以下、好ましくは３００人〜５０μ
、特には１〜２０μ程度の膜が選択される。かかる金属
薄層は布帛またはフィルムのいずれの側に接合させても
よいが、膜の均一性からフィルム側に接合するのが好ま
しい。接合には通常の接着剤を用いることができるが、
好ましくはアクリル系接着剤やポリウレタン系接着剤、
ゴム系接着剤などを用いることができる。

本発明のフィルム層を構成する素材としては、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルペン
テン、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂およびこれらの共重合体から選
ばれたものがあげられる。

共重合体としては、たとえばエチレン／酢酸ビニル、塩
化ビニル／アクリル爪上ツマ−なとの共重合体があげら
れる。

これらの樹脂からなるフィルムとしては、延伸フィルム
、未延伸フィルム、さらにコーテイング膜など、如何な
るフィルム状物でもよい。

かかるフィルムは、厚さに制約を受けないが、通常１０
〜２５０μの厚さの範囲で選択されて、熱放射率を設定
する。熱放射率は素材の種類によって律則されているが
、同じ素材でも厚さが厚くなると熱放射率が高くなる傾
向を有する。また透明性の高いもの程、低熱放射性を示
す傾向にある。

かかるフィルムは自然界と同様な色相の顔料や、近赤外
線反射率を有する顔料を含有させて着色して、可視的な
迷彩模様を付与することができる。

かかるフィルムは予め金属薄層を積層したものを各種揃
えておき、これを切断して集めて迷彩模様にすることが
できるが、さらに別の方法として各種フィルムで迷彩模
様を形成するか、フィルム積層体で迷彩模様を作成して
おいて、これに金属薄層を貼着することもできる。さら
にかかるフィルムシートを布帛に貼着したり、別に布帛
に金属薄層を積層しておいて、この上にフィルムをラミ
ネートするか、該フィルム構成樹脂をコーテイングする
などの方法もある。勿論、これらの方法を組合せて迷彩
模様を形成することができるし、さらにそれぞれのシー
ト片を適宜、可視的迷彩色、迷彩模様に着色することが
できる。

本発明の布帛としては、通常の天然繊維や合成繊維から
なる布帛、ざらには高強力高弾性を有するアラミド繊維
や高延伸倍率（たとえば８倍〜１２倍以上）に延伸した
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール
、ポリアクリロニトリルなどからなるＩＩｉ維で構成さ
れた布帛があげられる。

本発明の複合シートからなる偽装材は、該複合シートを
複数層積層してもよい。布帛またはフィルムの両面に積
層してもよい。

本発明によってカバーする放熱体は適宜の放熱手段、た
とえば該偽装材を適宜の形態に切断してブラインダ−機
能や蓑や屋根、葉形切込みのような形状にしてもよい。

（実施例） 実施例１ ポリエステル繊Ｍ織物（１００Ｍ　ｍ　＞にウレタン系
接着剤を用いて、１２μのアルミ簡（熱放射率＝　０．
０３　＞を積層した。

この積層織物に森林と同系の緑色顔料を配合した塩化ビ
ニル／アクリル酸メチル共重合体のメチルエチルケトン
溶液をコーティングして、厚さ１０μ（Ａ）、２０μ（
Ｂ）　、３０μ（Ｃ）、４０μ（［））の被膜をそれぞ
れ形成して、４種類の第１図の断面構造を有する複合シ
ートを得た。

また、別に同じ顔料を含有するウレタン系樹脂を上記と
同じ積層織物にコーティングして、厚さ４０μの被膜を
有する複合シート（Ｅ）を得た。

また、別に同じ顔料を含有する塩化ビニル系樹脂を上記
と同じ積層織物にコーティングして、厚さ１００μの被
膜を有する複合シート（Ｆ）を得た。

かかるシートの熱放射率をＤ　ａｎｄ　Ｓ　ＡＥＲＯ熱
放射率計（［）　ｅｖｉｃｅｓ　　３　ｅｒｖｉｃｅｎ
ｓ社製）で測定したところ、Ａ＝０．４、Ｂ＝０．５、
Ｃ＝０．６、Ｄ＝０．７、Ｅ−０，８、Ｆ＝０．９であ
った。

かかるシートを、それぞれ葉形に切り込みを入れたシー
ト片に切断して、これを第２〜６図のような迷彩模様状
に、メツシュ網シート（８５ｍｍ角）の上に結合した。

この実施例ではシート片をそれぞれ裁断して作成し、そ
れらを一つずつ嵌合して偽装材を形成した。

これらの遠赤外線偽装材をテストするために、森林を背
景にして、その中に１６００ｃｃライトバンをおいて、
エンジンをアイドリング状態に放置した。

この車を、検出波長８〜１４μの赤外線画像装置（イン
フラアイ５６０：富士通社製）を用いて、１５０ｍの距
離から観察した。

まず、森林背景のみの赤外線画像、次に車のみの画像、
最後に車を偽装材でカバーした時の画像の３種の画像で
比較した。結果を表１に示す。

比較の方法は赤外線画像を白黒写真にとり、該写真のラ
イトバンのみの輝度を１００とし、森林背景の輝度をＯ
として、該偽装材カバー写真の輝度を判定した。この輝
度は低い値である程、識別しにいことを意味する。

なお、念のために、第６図において、複合シート（Ｅ）
の上に複合シート（Ｄ）、その上に（Ｃ）、つぎに（Ｂ
）と積層貼着して偽装材を形成した。すなわち、−枚の
複合シートの上に別のシート片を積層貼着してたものを
作ったが、効果は上記嵌合したものと同じであった。

（発明の効果） 本発明は遠赤外線画像による認識が困難で、また赤外線
検出器を用いる計器にも検知されにくい偽装材を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の複合シートの１例の断面構造を示す。 第２〜６図は本発明の偽装材を例示したものである。 図中 １：繊維布帛　　２：接着剤層 ３：金属薄層　　４：フィルム層 Ａ−Ｆ：熱放射率の異なる複合シート 特許出願人　　防衛庁伎術研究本部長 東し株式会社

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. （１）フィルムの少なくとも片面に金属薄層を積層した
   、遠赤外線熱放射率が０．５〜０．９の範囲にある複合
   シートからなるシート片を組合せてランダム模様が形成
   されており、かつ隣接する該シート片は互いに遠赤外線
   熱放射率差が０．４以下であることを特徴とする遠赤外
   線用偽装材料。
2. （２）前記迷彩模様が、遠赤外線熱放射率の差が距離に
   対して比例的に変化しているシートで構成されている請
   求項（１）記載の遠赤外線用偽装材料。
3. （３）前記フィルムが、複数のフィルム積層体で構成さ
   れている請求項（１）記載の遠赤外線用偽装材料。
4. （４）前記フィルムが、ポリプロピレン、ポリエチレン
   、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、酢酸ビニル系樹
   脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
   脂およびこれらの共重合体から選ばれた少なくとも２種
   で構成されたものである請求項（１）記載の遠赤外線用
   偽装材料。
5. （５）前記金属箔層が、メッキ法、蒸着法、スパッタリ
   ング法のいずれかにより形成されたものである請求項（
   １）記載の遠赤外線用偽装材料。
6. （６）前記金属が、アルミニウムである請求項（１）記
   載の遠赤外線用偽装材料。
7. （７）布帛表面に金属薄層が積層され、その表面にフィ
   ルムが積層された、遠赤外線熱放射率０．５〜０．９の
   範囲にある複合シートからなるシート片を組合せてラン
   ダム模様が形成されており、かつ隣接する該シート片は
   互いに遠赤外線熱放射率差が０．４以下であることを特
   徴とする遠赤外線用偽装材料。
8. （８）前記布帛が、少なくとも表面が扁平化されている
   請求項（７）記載の遠赤外線用偽装材料。