JPH0344976Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は立炎検出もできるポツト式燃焼器の
炎検出装置に関するものである。

〔従来の技術〕

ポツト式石油燃焼器はポツト内に燃料を供給
し、側壁の小孔から空気の供給を受けてポツト内
で気化・混合・燃焼を行うものであり、燃焼を安
定にする為ポツト内に燃焼リングや拡散板が取付
けてある。ポツト内上部中央に拡散板を取付けた
ものは拡散板の側方よりも上部のポツト側壁から
供給する空気によつて主たる燃焼が行なわれ、燃
焼を検出する為のフレーム電極は該主たる燃焼部
にのぞませてポツト側壁に取付けられる。

該フレーム電極で異常燃焼時の立炎検出も行う
ものはフレーム電極を拡散板の側上方の空気孔列
よりも下方に取付け、燃焼状態の異常で炎が上方
に伸びる時はフレーム電極から炎が離れ、炎電流
の減少によつて異常状態を検出することができる
ようにしてある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで正常燃焼状態で異常燃焼状態の検出は
炎電流の増減によつて行つているから、正常燃焼
状態時に炎電流が大きくなる位置にフレーム電極
を取付けた時には異常燃焼状態となつても電流値
が減少せず、燃焼を継続させるトラブルがあり、
逆に正常燃焼状態時に炎電流が小さい位置にフレ
ーム電極を取付けた時には異常燃焼状態は確実に
検出できても、正常時の炎電流が少いから正常燃
焼中でも異常と判断して燃焼を止めてしまうトラ
ブルがある。この為フレーム電極の取付位置の選
定は非常にむつかしいものであつた。

〔問題点を解決する為の手段〕

この考案は燃焼炎の形成に重要な働きのある拡
散板の形状を工夫することによつて、正常燃焼時
と立炎による異常燃焼時の炎電流の差が大きく現
れるようになつたもので、１は燃焼空気が供給さ
れる風路２内に取付けたポツト、３はポツト側壁
にあけた小孔であり、送風機７によつて風路２に
供給された空気は小孔３からポツト１内に送られ
る。４はポツト１内上部中央に位置させた皿状の
拡散板、８は拡散板４よりも下方のポツト１側壁
に取付けた燃焼リングであり、該拡散板４は燃焼
リング８に支脚９を使つて固定してある。３′は
ポツト側壁にあけた小孔３の中で特に拡散板４の
側方よりも上部の側壁にあけた空気孔であり、該
空気孔３′から供給する空気によつて主たる燃焼
が行なわれる。５は空気孔３′より下方のポツト
１側壁に取付けたフレーム電極でポツト１内にの
ぞませてある。

４′は拡散板４の外縁で、テーパ加工もしくは
アール加工を施こして上に凸の拡散板４を形成し
ており、該拡散板４の上部にはフレーム電極５の
近傍で、かつ拡散板４の最下段の空気孔３′の略
正面に突部６を形成している。該突部６は線材等
の別部材をスポツト熔接で固着したり、拡散板４
のプレス加工時一体に突出部を形成してもよい。
またフレーム電極５との位置関係が特定できない
ものでは全周にリング状の段押部を形成すれば、
拡散板４は任意の位置に取付できる。

１０はポツト１内に取付けた点火ヒーター、１
１はポツト１内へ燃料を供給するノズルパイプで
あり、油タンク１２の燃料は電磁ポンプ１３によ
つてノズルパイプ１１を介してポツト１内に送ら
れる。

〔作用の説明〕

ポツト１内に供給された燃料と空気は拡散板４
下方の空間で気化・混合・一次燃焼を行い多量の
可燃ガスとなつて拡散板４とポツト１側壁との間
から上方へ抜ける。この時空気孔３′から多量の
空気が供給されているので青色系の燃焼炎を形成
し燃焼が行なわれる。

正常燃焼時の炎は空気孔３′からほぼ横方向に
形成され、また拡散板４の下方から上方へ抜ける
可燃ガスはテーパ加工もしくはアール加工された
外縁４′に誘導されて拡散板４上面に流れるもの
であり、横方向に延びる炎が拡散板４の下方から
上方へ流れるガス流によつて炎が上向かないよう
にしている。この為空気孔３′より下方に位置し
たフレーム電極５は下方向から炎に触れて炎電流
を流すことができる。

一方空気不足の時は空気孔３′から吹込む流速
がおそく、かつ供給される酸素量が少いから、横
方向へ延びる炎の力は弱く上向きとなりかつ炎も
高くなるものである。この為正常燃焼時に炎が触
れていたフレーム電極５は空気不足の異常燃焼時
には炎が触れなくなるので炎電流が減少し、異常
状態を検出することができる。

ところでこの考案ではフレーム電極５近傍で拡
散板４の上面に突部６を形成し、かつ突部６を最
下段の空気孔３′の略正面に位置させたから、拡
散板４の下方から上方へ抜けるガス流が拡散板４
の外縁のテーパ加工部に沿つて流れる時突部６に
よつて乱流を起すものである。一方最下段の空気
孔３′から形成される燃焼炎はこの乱流に向つて
おり、乱流によつて燃焼炎の先端がおさえられ
る。この為炎の一部は下方へのふくらみフレーム
電極５に届きやすくなり炎電流が大きくなつた。

また立炎時には空気孔３′から横に広がる燃焼
炎は上向きとなるから突部６の乱流の影響はほと
んどなく、突部６のない時と同様炎電流が減少す
るものである。

〔効果の説明〕

以上の様にこの考案は、フレーム電極とポツト
側壁の空気孔との関係で特定される拡散板の上面
に突部を設けたもので、簡単な構成にもかかわら
ず正常燃焼状態に於て得られる炎電流が強くな
り、一方異常燃焼による立炎時には炎電流の増加
はなく、従来通り炎電流が減少するものである。
この為正常燃焼と異常燃焼との間の炎電流の差が
大きくなつたから確実に異常燃焼が検出できるよ
うになり、誤動作もなく空気量不足の異常燃焼の
まま燃焼を継続するトラブルを防ぐことができ
た。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案品の断面図である。 １……ポツト、２……風路、３……小孔、３′
……空気孔、４……拡散板、４′……拡散板の外
縁、５……フレーム電極、６……突部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 燃焼空気が供給される風路２内に、多数の小
   孔３を側壁にあけたポツト１を取付け、かつポ
   ツト１内上部に皿状の拡散板４を位置させ、該
   拡散板４の側方よりも上部のポツト側壁に多数
   の空気孔３′をあけると共に、空気孔３′より下
   方のポツト側壁にポツト１内にのぞませたフレ
   ーム電極５を取付けたポツト式燃焼器に於て、
   拡散板４の外縁４′はテーパ加工もしくはアー
   ル加工を施こして上に凸の拡散板４を形成し、
   かつ少くともフレーム電極５の近傍の拡散板４
   には最下段の空気孔３′の略正面に位置して突
   部６を形成したことを特徴とするポツト式燃焼
   器の炎検出装置。 (2) 拡散板４の突部６は全周に形成したリング状
   の段押部であることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のポツト式燃焼器の炎検
   出装置。