JPH0343449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は例えば自動車の車体を形成している
金属製の外板パネルに合成樹脂製のモール、ガー
ニツシユ類を取付けるクリツプ装置のクリツプ取
付け座構造の改良に関する。

〔従来の技術〕

一般に、例えば自動車等の車両では第４図に示
すように自動車の車体を形成してい金属製の外板
パネル等の被取付け部材１に合成樹脂製のモール
や、ガーニツシユ類等の取付け部材２が装着され
ることが多い。この場合、合成樹脂製の取付け部
材２側には第５図に示すようにクリツプ取付け座
本体３を形成し、このクリツプ取付け座本体３に
形成されたクリツプ保持用の円形の開口部４に挿
入溝５を介してクリツプ本体６の基端部６ａを挿
入して係合させた状態で、金属製の被取付け部材
１に形成されたクリツプ取付け孔７にクリツプ本
体６の係合凸部６ｂを挿入させて係合させること
により、クリツプ本体６を介して合成樹脂製の取
付け部材２を金属製の被取付け部材１に取付ける
クリツプ装置が従来から知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この種のものにあつてはクリツプ本体６を介し
て合成樹脂製の取付け部材２を金属製の被取付け
部材１に取付けたのち、合成樹脂製の取付け部材
２と金属製の被取付け部材１との間の熱変形量の
差異にともない両者間の相対的な位置ずれが発生
するおそれがあるので、このような場合には合成
樹脂製のモールや、ガーニツシユ類等の取付け部
材２が変形し、外観が悪くなる問題があつた。

そこで、従来から第６図に示すように合成樹脂
製の取付け部材２側のクリツプ取付け座本体３に
形成されたクリツプ保持用の開口部４を横方向に
伸びる長孔８によつて形成し、この長孔８を介し
て合成樹脂製の取付け部材２と金属製の被取付け
部材１との間の熱変形量の差異にともなう両者間
の相対的な位置ずれを許容するようにした構成の
ものもある。しかしながら、このようにクリツプ
取付け座本体３の開口部４を横方向に伸びる長孔
８によつて形成した場合には合成樹脂製の取付け
部材２を金属製の被取付け部材１に取付ける作業
も行なう際に第７図に示すように金属製の被取付
け部材１に形成されたクリツプ取付け孔７の中心
線O₁位置とクリツプ本体６の係合凸部６ｂの中
心線O₂位置とが位置ずれし易いので、合成樹脂
製の取付け部材２の取付け作業がしにくくなる問
題があつた。さらに、合成樹脂製の取付け部材２
を複数のクリツプ本体６……を介して金属製の被
取付け部材１に取付ける場合には特にこの作業が
難しくなる問題があつた。

また、クリツプ本体６の係合凸部６ｂの先端に
細径の挿入ガイド部を設け、予め細径の挿入ガイ
ド部９を金属製の被取付け部材１のクリツプ取付
け孔７内に挿入した状態でクリツプ本体６の係合
凸部６ｂを圧入するようにしたものもあるが、こ
の場合も作業性の向上を図るうえでは問題があつ
た。

この考案は上記問題点に着目してなされたもの
で、合成樹脂製の取付け部材をクリツプ本体を介
して金属製の被取付け部材に取付ける取付け作業
の作業性の向上を図ることができるクリツプ取付
け座構造を提供することを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、この考案はクリツプ取付け座本体の
クリツプ保持用の開口部を合成樹脂製の取付け部
材と金属製の被取付け部材との間の熱変形量の差
異にともなう両者間の相対的な位置ずれを許容す
る長孔によつて形成するとともに、この長孔内に
クリツプ本体の係合凸部を仮止めする位置決め突
起を設けたことを特徴とするものである。

〔作用〕

長孔内に設けた位置決め突起によつてクリツプ
本体の係合凸部を仮止めしてクリツプ取付け座本
体のクリツプ保持用の長孔内におけるクリツプ本
体の係合凸部の位置を規制すことにより、合成樹
脂製の取付け部材をクリツプ本体を介して金属製
の被取付け部材に取付ける取付け作業時にクリツ
プ本体の係合凸部の中心線位置と被取付け部材の
クリツプ取付け孔の中心線位置とを確実に一致さ
せるようにしたものである。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図乃至第３図
を参照して説明する。第１図は例えば自動車等の
車両の車体を形成している金属製の外板パネル等
の被取付け部材１１に合成樹脂製のモールや、ガ
ーニツシユ類等の取付け部材１２を装着するクリ
ツプ装置の要部の概略構成を示すもので、１３は
金属製の被取付け部材１１に形成されたクリツプ
取付け孔、１４は合成樹脂製の取付け部材１２側
に形成されたクリツプ取付け座本体である。この
クリツプ取付け座本体１４は一側面が開口された
略箱形の部材で、このクリツプ取付け座本体１４
の突出端面には第２図および第３図に示すように
クリツプ保持用の開口部１５および挿入溝１６が
それぞれ形成されている。そして、このクリツプ
取付け座本体１４のクリツプ保持用の開口部１５
に挿入溝１６を介してクリツプ本体１７の基端部
１７ａを挿入して係合させた状態で、金属製の被
取付け部材１１に形成されたクリツプ取付け孔１
３にクリツプ本体１７の係合凸部１７ｂを挿入さ
せて係合させることにより、クリツプ本体１７を
介して合成樹脂製の取付け部材１２を金属製の被
取付け部材１１に取付けるようになつている。

一方、クリツプ取付け座本体１４のクリツプ保
持用の開口部１５は合成樹脂製の取付け部材１２
と金属製の被取付け部材１１との間の熱変形量の
差異にともなう両者間の相対的な位置ずれを許容
する長孔によつて形成されている。さらに、この
長孔によつて形成された開口部１５内にはクリツ
プ本体１７の係合凸部１７ｂを仮止めする位置決
め突起１８……が形成されている。この場合、位
置決め突起１８は開口部１５を形成してい長孔の
両側部略中央位置に各一対それぞれ形成されてい
る。

そこで、上記構成のものにあつてはクリツプ取
付け座本体１４のクリツプ保持用の開口部１５を
合成樹脂製の取付け部材１２と金属製の被取付け
部材１１との間の熱変形量の差異にともなう両者
間の相対的な位置ずれを許容する長孔によつて形
成したので、クリツプ本体１７を介して合成樹脂
製の取付け部材１２を金属製の被取付け部材１１
に取付けたおち、合成樹脂製の取付け部材１２と
金属製の被取付け部材１１との間の熱変形量の差
異にともない両者間の相対的な位置ずれが発生し
た場合であつてもこの開口部１５を形成している
長孔によつて両者間の相対的な位置ずれ量を吸収
させることができる。そのため、合成樹脂製の取
付け部材１２と金属製の被取付け部材１１との間
の熱変形量の差異にともない両者間の相対的な位
置ずれが生した場合であつても合成樹脂製のモー
ルや、ガーニツシユ類等の取付け部材１２が変形
し、外観が悪くなることを防止することができ
る。さらに、長孔によつて形成された開口部１５
内にクリツプ本体１７の係合凸部１７ｂを仮止め
する位置決め突起１８……を形成し、これらの位
置決め突起１８……によつてクリツプ本体１７の
係合凸部１７ｂを仮止めしてクリツプ取付け座本
体１４のクリツプ保持用の開口部１５内における
係合凸部１７ｂの位置を規制することにより、合
成樹脂製の取付け部材１２をクリツプ本体１７を
介して金属製の被取付け部材１１に取付ける取付
け作業時に第１図に示すようにクリツプ本体１７
の係合凸部１７ｂの中心線位置O₂と被取付け部
材１１のクリツプ取付け孔１３の中心線位置O₁
とを確実に一致させるようにしたので、従来に比
べて合成樹脂製の取付け部材１２の取付け作業の
容易化を図ることができる。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施できることは勿論である。

〔考案の効果〕

この考案によればクリツプ取付け座本体のクリ
ツプ保持用の開口部を合成樹脂製の取付け部材と
金属製の被取付け部材との間の熱変形量の差異に
ともなう両者間の相対的な位置ずれを許容する長
孔によつて形成するとともに、この長孔内にクリ
ツプ本体の係合凸部を仮始めする位置決め突起を
設けたので、合成樹脂製の取付け部材をクリツプ
本体を介して金属製の被取付け部材に取付ける取
付け作業の作業性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示す
もので、第１図は金属製の被取付け部材に合成樹
脂製の取付け部材を装着するクリツプ装置の要部
の概略構成を示す縦断面図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図はクリツプ取付け座本体を
示す斜視図、第４図は金属製の被取付け部材に合
成樹脂製の取付け部材を装着する取付け作業を説
明するための斜視図、第５図は従来例を示す斜視
図、第６図および第７図はさらに別の従来例を示
すもので、第６図はクリツプ取付け座本体を示す
平面図、第７図はクリツプ装置の要部の概略構成
を示す縦断面図である。 １１……被取付け部材、１２……取付け部材、
１３……クリツプ取付け孔、１４……クリツプ取
付け座本体、１５……開口部、１７……クリツプ
本体、１７ａ……基端部、１７ｂ……係合凸部、
１８……位置決め突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製の取付け部材側にクリツプ取付け座
   本体を形成し、このクリツプ取付け座本体に形成
   されたクリツプ保持用の開口部にクリツプ本体の
   基端部を係合させた状態で保持させ、金属製の被
   取付け部材に形成されたクリツプ取付け孔に前記
   クリツプ本体の係合凸部を係合させることによ
   り、前記クリツプ本体を介して合成樹脂製の取付
   け部材を金属製の被取付け部材に取付けるクリツ
   プ装置のクリツプ取付け座構造において、前記ク
   リツプ取付け座本体のクリツプ保持用の開口部を
   前記合成樹脂製の取付け部材と金属製の被取付け
   部材との間の熱変形量の差異にともなう両者間の
   相対的な位置ずれを許容する長孔によつて形成す
   るとともに、この長孔内に前記クリツプ本体の係
   合凸部を仮止めする位置決め突起を設けたことを
   特徴とするクリツプ取付け座構造。