JPH0341850Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は条材の圧延工程における圧延材の折込
疵がシワ疵等を防止する条材のサイジング装置に
関する。

(ロ) 従来の技術 条材の粗圧延工程において複数対のローラを有
するローラガイドを、例えばボツクス形状の孔型
を有する圧延ロールの出口側に配置して、圧延材
の角部分や自由面の凹部に圧延ロールの圧下方向
とほぼ同一方向から軽圧下整形を加えて圧延材の
自由面の幅出しを行ない、圧延材の自由面が次段
の圧延ロール孔型に隙間なく抱合圧下されるよう
にして、圧延材の角部分が自由面の凹部を原因と
するシワ疵や折込疵等を防止しようとするもの
（特開昭58−23505号）がある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 従来、例えば特殊鋼の粗圧延工程において、圧
延材の特質から圧下量を大きくすることができな
いために自由面の幅出しが不足することがあり、
自由面に第４Ａ図に示すような凹部が発生し、
この凹部がサイジングされないまま次段の圧延
ロールによつて圧下されると、第４Ｂ図に示され
るように凹部が折込まれるように圧延され折込
疵が発生し成品の品質を低下させる問題があつ
た。

従来例によると、条材圧延において例えば断面
がボツクス状である圧延材をオーバル孔型を有す
る圧延ロールによつて圧延する場合等において、
折込疵やシワ疵等の発生を防止する効果が認めら
れるものの、サイジングローラによるサイジング
が圧延ロールによる圧下と同一方向から行なわれ
るものであつて、自由面は上下から圧下されて間
接的に幅出しをされるのみであり、直接圧下され
ないために自由面の幅出しが十分ではなく、折込
疵を完全に防止することは難しかつた。

以上から本考案の目的は次の通りである。

第１に、粗圧延工程において間接的に行なわれ
ていた圧延材の自由面の幅出しを、サイジングロ
ーラにより直接サイジング幅出しすることによ
り、折込疵やシワ疵等の発生を防止すること。

第２に、駆動能力がなく圧下量が大であるサイ
ジングローラ孔型に、圧延材を捻ることなく正確
に噛み込ませるため、サイジングローラの直前に
ガイドローラを設けて圧延材を正確にサイジング
ローラ孔型へ案内誘導することである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は圧延ロールＲの出側に配置され、ガイ
ドボツクス１には圧延材をサイジングローラ孔型
へ正確に案内誘導するためのガイドローラ２と、
圧延ロールＲにより圧下されない圧延材の自由面
を整形するサイジングローラ３とを備えており、
ガイドローラ２は圧延ロールＲの軸方向に平行方
向に設けられた偏心支持軸４にベアリングと共に
回転自在にガイドボツクス１に軸支され、偏心支
持軸４は軸端部に設けられたウオームホイル４ａ
とピニオン４ｂによりガイドローラ２の芯間を中
心振分調整可能に構成されている。

サイジングローラ３は、孔型がオーバル（セミ
オーバルを含む）に設けられており、また圧延ロ
ールＲの軸方向に直角方向に設けられた偏心支持
軸５にベアリング３ａと共に回転自在に軸支され
ており、偏心支持軸５は軸上部に設けられたウオ
ームホイル５ａと、ウオームホイル５ａに噛合す
る互いにねじのリードが逆のピニオン５ｂとによ
り、サイジングローラ３の芯間が中心振分調整可
能に構成されている。

(ホ) 作用 本考案によると、圧延材は先ず偏心支持軸４が
圧延ロールＲの軸に平行方向に設けられたガイド
ローラ２により、捻れなどを生じないように正確
に案内誘導されてサイジングローラ孔型に噛み込
み、次に偏心支持軸５が圧延ロールＲの軸に直角
方向に設けられた孔型がオーバルのサイジングロ
ーラ３によつて自由面がサイジングされることに
より、第４Ａ図に示されるように圧延材Ｗが圧延
ロールＲにより直接圧延されない自由面の凹部
が、第４Ｃ図に示される凸部のように幅出しさ
れるから、圧延材Ｗは次段の圧延ロールにおいて
圧延ロール孔型に隙間なく抱合され、従来のよう
に折込疵が発生することなく圧延される。

また、本方法によれば圧延材の角部分もサイジ
ングされるからシワ疵の発生も防止される。

(ヘ) 実施例 以下本考案の一実施例について第１図〜第４図
に基づき説明する。

本装置は、ガイドボツクス１と、ガイドボツク
ス１に圧延ロールＲから順に設けられたガイドロ
ーラ２と孔型がオーバルのサイジングローラ３か
らなり、ガイドローラ２はガイドボツクス１に回
動可能に嵌合された偏心支持軸４にベアリング
（図示されない）と共に回転自在に軸支されてお
り、偏心支持軸４は圧延ロールＲの軸方向に平行
方向に配置されている。偏心支持軸４の軸端部に
設けられたウオームホイル４ａにはねじのリード
が互いに逆のピニオン４ｂが噛合しており、ピニ
オン４ｂを回動するとその回動方向に応じて偏心
支持軸４が互いに逆方向に回動されることによ
り、ガイドローラ２の芯間寸法が中心振分に調整
される。

サイジングローラ３はガイドボツクス１に回動
可能に嵌合された偏心支持軸５にベアリング３ａ
と共に回転自在に軸支されており、偏心支持軸５
は圧延ロールＲの軸方向に直角方向に配置されて
いる。偏心支持軸５の軸上部に螺設されたウオー
ムホイル５ａには、ねじのリードが互いに逆のピ
ニオン５ｂがクラツチ５ｃによつて連結されて螺
合しており、ピニオン５ｂを回動するとその回動
方向に応じて偏心支持軸５が互いに逆方向に回動
され、サイジングローラ３の芯間距離が中心振分
に調整される。クラツチ５ｃを切離すことによ
り、左右のサイジングローラ３の芯間調整を個別
に行なうことが可能である。

本考案はＨ−Ｈ配列の圧延機列、Ｖ−Ｈ配列の
圧延機列のいずれにも設置可能であり、上述ボツ
クス形状の圧延材ばかりではなく、その形状がオ
ーバル、スクエアー等についても適用可能であ
る。

(ト) 考案の効果 本考案によれば粗圧延工程において、従来のよ
うに圧延材を上下から間接的に圧下してサイジン
グするだけでは自由面の整形が不十分であつた装
置に比べて、圧延材の自由面を孔型がオーバルの
サイジングローラによつてサイジングすることが
できること、また圧延材をサイジングするための
圧下量が多い場合等圧延材に捻れが発生する際に
は、圧延材をガイドローラで補助誘導して正確に
サイジングローラの孔型に正確に噛み込ませるこ
とができることから自由面の十分なサイジングを
行なつて折込疵やシワ疵を防止することが可能で
あり、一層精度が高く、歩留りの高い成品を生産
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例を示す側面図、第２図は
第１図の平面図、第３図は第２図の−部を示
す一部断面の正面図、第４Ａ図、第４Ｂ図、第４
Ｃ図は圧延材と圧延ロールカリバー及びサイジン
グローラ孔型との関係の説明図である。 Ｒ……圧延ロール、Ｗ……圧延材、１……ガイ
ドボツクス、２……ガイドローラ、３……サイジ
ングローラ、４……ガイドローラの偏心支持軸、
５……サイジングローラの偏心支持軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 条材圧延機の圧延ロールＲの出側に配置された
   ガイドボツクス１と、ガイドボツクス１に圧延ロ
   ールＲ側から順に設けられたガイドローラ２およ
   びサイジングローラ３からなり、ガイドローラ２
   およびサイジングローラ３はそれぞれガイドボツ
   クス１に回動可能に設けられた偏心支持軸４，５
   に回転自在に支持され、ガイドローラ２の偏心支
   持軸４は圧延ロールＲの軸と平行方向に設けら
   れ、サイジングローラ３の偏心支持軸５は圧延ロ
   ールＲの軸と直角方向に設けられ、両偏心支持軸
   ４，５はそれぞれ軸上部に設けられたウオームホ
   イル４ａ，５ａとウオームホイル４ａ，５ａに噛
   合しねじのリードが互いに逆のピニオン４ｂ，５
   ｂにより中心振分芯間調整可能に設けてあり、サ
   イジングローラ３の孔型はオーバルに設けてある
   ことを特徴とする条材のサイジング装置。