JPH0339375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は包装箱本体に緩衝枠が一体化されてい
る段ボール包装箱を容易に得ることができる段ボ
ール包装箱材に関するものである。

（従来の技術） 段ボール包装箱としては被包装物の種類によつ
て種々の構造のものが知られているが、角枠状の
胴部の上下縁に天蓋形成用のフラツプと底蓋形成
用のフラツプを連設した最も一般的な重量物梱包
用の段ボール包装箱においては梱包時に緩衝枠を
使用して被包装物の箱内における移動や破損を防
止することを必要としているにも拘らず緩衝枠付
のものは見当らない。このため、梱包時に別に用
意された緩衝枠を箱内にセツトし、被包装物を収
納後上方にも緩衝枠を嵌め込み、フラツプにより
施蓋後封緘するという手順をとらねばならず、梱
包作業に手数を要するという欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案が解決しようとするところは、前記のよ
うな欠点のない段ボール包装箱を容易に提供でき
るうえに、１枚の段ボール素板から殆んど無駄が
生ずることなく製作できるようにしてコストを低
下させ、しかも、不使用時には嵩張ることなく折
り畳んで保管できるようにした便利な段ボール包
装箱材を提供する点にある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、角形の４枚の側板部を相互間に内折
用の折曲線を介して連設した帯板材の１枚おきの
２枚の側板部の上縁に内折用の折曲線を介して上
蓋形成用の外フラツプを連設するとともに該２枚
の側板部の下縁に内折用の折曲線を介して底蓋形
成用の外フラツプを連設し、また、前記他の２枚
の側板部の上縁には内折用の折曲線を介して上支
持枠形成用の角板部を連設して各角板部を前記折
曲線と平行する内折用の折曲線と外折用の折曲線
とによつて３個の帯状枠材部と帯状の固定板部に
区画形成し、さらに、前記他の２枚の側板部の下
縁には内折用の折曲線を介して下支持枠形成用の
角板部を連設して各角板部を該折曲線と平行する
内折用の折曲線をもつて帯状枠底部と角状枠材部
に区画形成し、該角状枠材部にはその両側下方部
に前記折曲線に達する上下方向の切込と該折曲線
上において切込を繋ぐ切込を設けるとともに該切
込の下端間を繋ぐ内折用の折曲線と該切込の上方
部間を繋ぐ外折用の折曲線と各切込の中間部から
角状枠材部の側縁部に達する内折用の折曲線を設
けて前記切込と折曲線間を帯状の固定板部に形成
するとともに前記折曲線の下方を枠天板部に形成
した段ボール包装箱の組立用素板を用い、前記し
た他の２枚の側板部の各上側の角板部のうち内折
用の折曲線より上方部分を該折曲線から180度内
側に折返してその先方にある帯状の固定板部を他
の２枚の側板部の内面に接着固定するとともに、
各下側にある角板部のうち内折用の折曲線より下
方部分を該折曲線から180度内側に折返して前記
した角状枠材部に形成されている帯状の固定板部
を前記帯状枠底部の内面に接着固定し、さらに、
前記帯板材は内折用の中央の折曲線より180度内
側に折返してその両端を連結したことを特徴とす
る。

（実施例） 次に、本考案を図示の電動換気扇梱包用の段ボ
ール包装箱を実施例として詳細に説明する。

１，２，３，４は高さに比べて横幅の大きい長
方形状の側板部で、該４枚の側板部１，２，３，
４は相互間に内折用の折曲線５，６，７を介在さ
せて横方向に連設されて両面段ボール材よりなる
帯板部８を形成している。９，９は１枚おきの第
１の側板部１および第３の側板部３と、その上縁
に連設された天蓋形成用の外フラツプ１０，１０
との間に介在させた内折用の折曲線であつて、該
外フラツプ１０，１０の長さは折曲時にその上縁
同志が突き合せ状となるよう他の２枚の第２の側
板部２と第４の側板部４の横幅の約1/2としてあ
り、また、側板部１，３の下縁にも内折用の折曲
線１１，１１を介して前記外フラツプ１０，１０
と同大の底蓋形成用の外フラツプ１２，１２が連
設されている。１３，１３は第２の側板部２およ
び第４の側板部４とその上縁に連設された前記外
フラツプ１０と同大の角板部１４との間に介在さ
せた内折用の折曲線であり、各角板部１４には内
折用の折曲線１５，１６と外折用の折曲線１７を
設けて該角板部１４をその長さの約3/9の長さの
帯状枠材部１８と、約1/9の長さの帯状枠材部１
９と、該帯状枠材部１８と同大の帯状枠材部２０
と、約2/9の長さの帯状の固定板部２１に区画形
成してあり、また、帯状枠材部１９には必要に応
じ多数の窓孔３６を配設するとともに前記折曲線
１５，１６上にも必要に応じ折曲補助用の切込線
を破線状に設けてある。２２，２２は第２の側板
部２および第４の側板部４とその下縁に連設され
た前記外フラツプ１２より若干長い下支持枠形成
用の角板部２３，２３との間に介在させた内折用
の折曲線であり、各角板部２３には該折曲線２２
と平行する内折用の折曲線２４を設けて該角板部
２３を前記帯状枠材部１８と略同大の帯状枠底部
２５と角状枠材部２６に区画形成し、また、この
角状枠材部２６にはその両側下方部から前記折曲
線２４に達する上下方向の切込み２７，２７と該
折曲線２４上において切込２７，２７を繋ぐ切込
２８を設け、さらに、該角状枠材部２６には前記
切込２７，２７の下端間を繋ぐ内折用の折曲線２
９と、該切込２７，２７間の上方部を繋ぐ前記切
込２８と平行する外折用の折曲線３０を設けて該
切込２８と折曲線３０間を帯状の固定板部３２に
区画形成するとともに両切込２７，２７の中間部
から角状枠材部２６の両側縁部に達する内折用の
折曲線３１，３１を前記帯状枠底部２５の上下幅
と等しい間隔を下縁との間に残して設けて該折曲
線３１，３１の下方を枠天板部３３に区画形成
し、他の２枚の側板部２，４の各上縁に内折用の
折曲線１３を介して連設されている角板部１４の
うち内折用の折曲線１５より上方部分を該折る曲
線１５から180度内側に折返してその先方に折る
曲線１７により区画形成されている帯状の固定板
部２１を他の２枚の側板部２，４の内面に接着固
定するとともに該他の２枚の側板部２，４の各下
縁に内折用の折キツク線２２を介して連設されて
いる角板部２３のうち内折用の折曲線２４より下
方部分を該折曲線２４から180度内側に折返して
該折曲線２４の上に設けた切込２８とこれに平行
する外折用の折曲線３０との間に区画形成された
帯状の固定板部３２を前記折曲線２４と折曲線２
２との間に区画形成されている帯状枠底部２５の
内面に接着固定し、さらに帯板材８は内折用の中
央の折曲線６より180度内側に折返してその両端
すなわち側板部１と側板部４の側縁同志をテープ
止め、タツカー止め等任意の手段で連結して第２
図に示すような偏平な折畳状態として保管、搬送
に便宜なものとするなお、使用時に第３図に示す
ような角筒状としたうえ帯状枠底部２５を折曲線
２２より内側に90度折曲げた際に枠天板部３３の
下縁が固定板部２１の端縁に当接して該角板部２
３が自動的に凹部５１を有する緩衝枠５２に形成
されるような寸法にしておくことや、側板部１，
４のいずれかの側縁部に内折用の折曲線３４を介
して固定用庇片３５を連設して側板部１，４の側
縁同志の連結を容易に且つ強固にできるようにし
ておくことは好ましいことである。

（作用） このように構成されたものは、使用時には内折
用の折曲線５および折曲線７から側板部１，２お
よび側板部３，４を内側に90度折曲させて第３図
に示すような角筒状にし、次いで、側板部２，４
の下縁にそれぞれ連設されている帯状枠底部２５
を内折用の折曲線２２より90度内側に折曲させれ
ば、これと同時に該帯状枠底部２５に連設されて
いる角状枠材部２６は内折用の折曲線２９および
折曲線３１，３１より90度内側に折曲されるとと
もに切込２７，２７間の部分が外折用の折曲線３
０より90度折曲されて側板部２，４の内側底部に
凹部５１，５１を有する緩衝枠５２，５２が自動
的に形成されるから、続いて側板部１，３の下縁
に連設されている底蓋形成用の外フラツプ１２，
１２を内折用の折曲線１１，１１より内側に90度
折曲げ、該外フラツプ１２，１２を突き合せ端部
の外側にテープ貼りする等して封緘すれば、第４
図に示すように内側底部の対向位置に被包装物支
持用の緩衝枠５２，５２が一体に設けられている
段ボール包装箱が極めて容易に得られるから、こ
の箱内に被包装物６０を前記緩衝枠５２，５２の
凹部５１，５１に一部が嵌合された状態で収納
し、次いで、側板部２，４の上縁に連設されてい
る帯状枠材部１８を内折用の折曲線１３より内側
に向け90度折曲すれば、内折用の折曲線１５，１
６および外折用の折曲線１７からも90度折曲され
て側板部２，４の上端内側に上部押え用の緩衝枠
５３，５３が形成されるから、続いて、側板部
１，３の上縁に連設されている外フラツプ１０，
１０を内折用の折曲線９，９より90度内側に折曲
げて施蓋し、外フラツプ１０，１０の突き合せ端
部の外側をテープ貼りする等して封緘すれば、被
包装物６０が箱体内において移動したり破損する
ことのないように梱包されるものであり、この梱
包作業は偏平化された包装箱を折曲線より折曲す
るだけでよく、別に用意した緩衝枠を組み込みな
がら梱包する従来の段ボール包装箱と比較して大
幅に簡略化される。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、常時は
扁平な折畳み状態としておけばよいので嵩張るこ
となく積重ね保管が可能であり、使用時には折曲
線より恰も従来の段ボール包装箱の内フラツプを
折曲げるかの如き操作で折曲げるだけで内側底部
の対向位置に凹部を有する被包装物支持用の緩衝
枠を包装箱本体と一体に形成することができると
ともに、被包装物の上部も施蓋時に包装箱本体と
一体化されている上部押え用の緩衝枠によつて保
護できる梱包作業効率のよい自動梱包可能なもの
であり、しかも、１枚の角形の段ボール素板より
殆んど切削無駄を生ずることなく製作できるので
安価に提供できる利点もあり、実用的価値極めて
大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の段ボール包装箱材に用いる組
立用素板の正面図、第２図は本考案の一部切欠斜
視図、第３図、第４図は本考案から包装箱へ移行
する工程を示す一部切欠斜視図、第５図は本考案
を用いた包装箱の一部切欠斜視図、第６図は同じ
く縦断側面図である。 １，２，３，４：側板部、５，６，７：折曲
線、８：帯板材、９：折曲線、１０：外フラツ
プ、１１：折曲線、１２：外フラツプ、１３：折
曲線、１４：角板部、１５，１６：折曲線、１
７：折曲線、１８，１９，２０：帯状枠材部、２
１：固定板部、２２：折曲線、２３：角板部、２
４：折曲線、２５：帯状枠底部、２６：角状枠材
部、２７：切込、２８：切込、２９：折曲線、３
０：折曲線、３１：折曲線、３２：固定板部、３
３：枠天板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 角形の４枚の側板部１，２，３，４を相互間に
   内折用の折曲線５，６，７を介して連設した帯板
   材８の１枚おきの２枚の側板部１，３の上縁に内
   折用の折曲線９，９を介して上蓋形成用の外フラ
   ツプ１０，１０を連設するとともに該２枚の側板
   部１，３の下縁に内折用の折曲線１１，１１を介
   して底蓋形成用の外フラツプ１２，１２を連設
   し、また、前記他の２枚の側板部２，４の上縁に
   は内折用の折曲線１３，１３を介して上支持枠形
   成用の角板部１４，１４を連設して各角板部１４
   を前記折曲線１３と平行する内折用の折曲線１
   ５，１６と外折用の折曲線１７とによつて３個の
   帯状枠材部１８，１９，２０と帯状の固定板部２
   １に区画形成し、さらに、前記他の２枚の側板部
   ２，４の下縁には内折用の折曲線２２，２２を介
   して下支持枠形成用の角板部２３，２３を連設し
   て各角板部２３を該折曲線２２と平行する内折用
   の折曲線２４をもつて帯状枠底部２５と角状枠材
   部２６に区画形成し、該角状枠材部２６にはその
   両側下方部に前記折曲線２４に達する上下方向の
   切込２７，２７と該折曲線２４上において切込２
   ７，２７を繋ぐ切込２８を設けるとともに該切込
   ２７，２７の下端間を繋ぐ内折用の折曲線２９と
   該切込２７，２７の上方部間を繋ぐ外折用の折曲
   線３０と各切込２７の中間部から角状枠材部２６
   の側縁部に達する内折用の折曲線３１を設けて前
   記切込２８と折曲線３０間を帯状の固定板部３２
   に形成するとともに前記折曲線３１，３１の下方
   を枠天板部３３に形成した段ボール包装箱の組立
   用素板を用い、前記した他の２枚の側板部２，４
   の各上側の角板部１４のうち内折用の折曲線１５
   より上方部分を該折曲線１５から180度内側に折
   返してその先方にある帯状の固定板部２１を他の
   ２枚の側板部２，４の内面に接着固定するととも
   に、各下側にある角板部２３のうち内折用の折曲
   線２４より下方部分を該折曲線２４から180度内
   側に折返して角状枠材部２６に形成されている帯
   状の固定板部３２を前記帯状枠底部２５の内面に
   接着固定し、さらに、前記帯板材８は内折用の中
   央の折曲線６より180度内側に折返してその両端
   を連結したことを特徴とする段ボール包装箱材。