JPH0335908Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は冷凍装置に用いられている回転式圧縮
機に関するものである。

従来の技術 近年、回転式圧縮機は、冷凍装置の分野に幅広
く普及され、特に回転式圧縮機の吸入部に位置す
る吸入管の密閉性は回転式圧縮機の効率を左右す
る上で重要視されている。

以下図面を参照しながら、上述したような従来
の吸込管を備えた回転式圧縮機について説明す
る。

第４図は従来の吸込管を備えた回転式圧縮機を
示すものである。第４図から第７図において、１
は回転式圧縮機で上シエル２及び胴シエル３より
成る密閉容器４の中に、ロータ５及びステータ６
から成る電動機部７、また電動機部７より駆動さ
れる圧縮機構部８を有している。この圧縮機構部
８はロータ５と直結したシヤフト９と円筒状のシ
リンダー１０、シリンダー１０内を偏心回転する
ローラ状のピストン１１と、シリンダー１０の軸
方向上下に取付けシヤフト９を軸支する上軸受１
２と下軸受１３を備えている。１４は吸込口でシ
リンダー１０の内周面１５から外周面１６にかけ
て、吸込口１４が貫通し形成されると共に前記胴
シエル３に吸込口１４の内径よりやや大きい開口
穴１７を吸込口１４の中心軸上に開けられてい
る。１８は銅パイプで溶接材イ１９により胴シエ
ル３に固着されている。２０は吸込管で嵌合外周
面２１がシリンダー１０の吸込口１４の内径と嵌
合する大径２２と同管中心軸上に小径２３を有し
た小径嵌合外周面２４を形成した内管２５と、前
記小径嵌合外周面と嵌合する内径２６を有した内
周面２７と、同中心軸上に、前記内径２６より小
さい径２８を形成した内面を備えた外管２９より
成る。尚、前記内管２５及び外管２９を一体物と
せず、内管２５と外管２９とに分割する理由は銅
パイプ１８及び吸込パイプ３２が銅材でる為、外
管２９をはさんでの溶接材ハ３３の溶接に際して
は、外管２９が異種金属では溶接時のロウ付温度
が異なる為、内管２５と外管２９及び吸込パイプ
３２との溶接材ハ３３の溶接に於いて、外管２９
の材質は銅パイプ１８及び吸込パイプ３２と同種
材質の銅材の方が溶接作業性を向上させると共に
溶接によるシール性も確実である。

一方、シリンダー１０の吸込口１４と軽圧入嵌
合する内管２５は外管２９とは別材質として分割
し溶接材ロ３０で溶接するものである。すなわ
ち、外管２９の内周面２７に内管２５の小径嵌合
外周面２４が挿入され、溶接材ロ３０により固着
されている。また吸込管２０のシリンダー１０と
反対側に位置する端部３１は、吸込管２０に挿通
する吸込パイプ３２と前記銅パイプ１８とを合わ
せて溶接材ハ３３により溶接され、密閉容器内と
外部３４とをシールしている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構成では、内管２５
と外管２９を溶接材ロ３０により固着している
が、この溶接材ロ３０が内管２５の嵌合外周面２
１に流れかつ付着し、シリンダー１０の吸込口１
４と吸込管２０の嵌合外周面２１とのシール性を
悪くさせ回転式圧縮機１内の高圧冷媒ガス（図示
せず）が吸込管２０内に漏れ回転式圧縮機の効率
を低下させるという欠点を有していた。

本考案は上記欠点を除去するものであり、密閉
容器内の高圧冷媒ガスが吸込口へ漏れるのを防止
し、効率の高い回転式圧縮機を提供するものであ
る。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本考案の回転式圧縮
機は、シエルの開口穴に一部が挿入され前記シエ
ルに溶接された銅パイプと、前記開口穴と接近し
たシエル内に配置された圧縮機構部の吸込口と、
前記吸込口に圧入されシエルの開口穴に位置する
部分の外形寸法を吸込口に挿入される部分の外形
寸法より小さくした内管と、前記銅パイプ内に挿
入されるとともに前記開口穴に位置する部分で内
管の小さい側の外径と嵌合する外管と、前記外管
に挿入され銅パイプと外管とともに溶接される吸
込パイプとからなり、前記内管の小径部分の軸方
向の長さＬと外管の前記内管が挿入される軸方向
の長さｌとの関係をＬ＞ｌとして、内管の大きい
側の径と外管の径との間にラジアル方向で小さな
径で円周面となる凹条の溝を形成し、この溝内に
内管と外管の溶接部を位置させてなるものであ
る。

作 用 上記構成によつて、内管たは外管の外周面に溶
接材が付着することがなく、圧縮機構部の吸込口
への内管の圧入が隙間なく確実におこなえるの
で、シエル内の高圧冷媒スが内管、管を通して低
圧側へ漏れることがない。

実施例 以下本考案の一実施例について、図面を参照し
ながら説明する。

第１図から第３図は本考案の一実施例における
回転式圧縮機の吸込管を示すものである。尚、従
来と同一のものについては同符号を付けて示す。

本考案は従来例と吸込管のみが異なるものであ
るので吸込管部のみの説明を行う。５０は吸込管
で、内管３５と、外管４１とより構成される。

前記内管３５は、シリンダー１０の吸込口１４
の内側面３６と嵌合する外周面３７を有した外径
寸法Ａ３８及び外径寸法Ａ３８より小さい外径寸
法Ｂ３９でかつ軸方向で端部まで延びる長さＬ４
０を有する内管である。外管４１は、前記内管３
５の外径寸法Ｂ３９が挿入嵌合する内径寸法Ｃ４
２で外管４１の軸方向端面４６ａから、外管４１
の軸方向に長さｌ４４の内周面ｂ４５を形成し、
前記内管３５の長さＬ４０を外管の長さｌ４４よ
り長くしている。

また、外管４１に内管３５を挿入嵌合し、内管
３５の外周面３７と外管４１の外周面イ４６との
間に、寸法差Ｌ−ｌにて形成される外管４１と内
管３５の大きな径よりもラジアル方向で小さな径
で円周面となる凹条の溝４７を形成している。

この溝４７はシエル３の開口穴１７に位置する
部分に形成される。そして、この溝４７内に外管
４１の軸方向端面４６ａに位置する内管３５と外
管４１との嵌合部４６ｂを溶接材ロ３０により溶
接し形成されている。

以上のように構成された回転式圧縮機におい
て、内管３５の小さな外径寸法Ｂ３９で軸方向に
Ｌ４０を有する外周面４８を外管４の長さｌ４４
の内周面４５に挿入し、前記外周面ロ４８と内周
面４５との嵌合部４６ｂを溶接材ロ３０により溶
着する。この時溶接材ロ３０は外管４１の外周面
イ４６と、内管３５の外周面３７との間に凹状の
溝４７が形成されている為、溶接材ロ３０が内管
３５の外周面３７に流れ付着することがない。

以上のように本実施例によれば、溶接材がシリ
ンダーの吸込口１４と圧入嵌合される吸込管５０
の内管３５外周面に、内管３５と外管４１とを溶
着している溶接材３０が付着することがなく、吸
込管５０とシリンダーの吸込口１４との隙をなく
し、密閉容器内の高圧冷媒ガスがシリンダー吸込
口１４に漏れるのを防止し、回転式圧縮機の効率
を高めることができる。

考案の効果 上記実施例より明らかなように本考案は、シエ
ルの開口穴に一部が挿入され前記シエルに溶接さ
れた銅パイプと、前記開口穴と接近したシエル内
に配置された圧縮機構部の吸込口と、前記吸込口
に圧入されシエルの開口穴に位置する部分の外形
寸法を吸込口に挿入される部分の外形寸法より小
さくした内管と、前記銅パイプ内に挿入されると
ともに前記開口穴に位置する部分で内管の小さい
側の外径と嵌合する外管と、前記外管に挿入され
銅パイプと外管とともに溶接される吸込パイプと
からなり、前記内管の小径部分の軸方向の長さＬ
と外管の前記内管が挿入される軸方向の長さｌと
の関係をＬ＞ｌとして、内管の大きい側の径と外
管の径との間にラジアル方向で小さな径で円周面
となる凹条の溝を形成し、この溝内に内管と外管
の溶接部を位置させてなるものであるから、内管
と外管との溶着用溶接材が内管と圧縮機構部の吸
込口との圧入に際して、内管の吸込口圧入側外周
面に付着することがないため、シール性が悪くな
ることが無い。したがつて、シエル内の高圧冷媒
ガスがシールの悪いところから吸込口へ漏れて圧
縮効率が低下することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の回転式圧縮機における吸込管
の斜視図、第２図は第１図の吸込管の分解断面
図、第３図は上記吸込管を備えた回転式圧縮機の
部分拡大断面図、第４図は従来の吸込管を備えた
回転式圧縮機の断面図、第５図は従来の吸込管を
備えた回転式圧縮機の部分拡大断面図、第６図は
従来の吸込管の断面図、第７図は第６図の吸込管
の分解断面図である。 ３５……内管、４１……外管、４５……内周
面、４８……外周面、４６ａ……軸方向端面、４
７……溝、４６ｂ……嵌合部、３０……溶接材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シエルの開口穴に一部が挿入され前記シエルに
   溶接された銅パイプと、前記開口穴と接近したシ
   エル内に配置された圧縮機構部の吸込口と、前記
   吸込口に圧入されシエルの開口穴に位置する部分
   の外形寸法を吸込口に挿入される部分の外形寸法
   より小さくした内管と、前記銅パイプ内に挿入さ
   れるとともに前記開口穴に位置する部分で内管の
   小さい側の外径と嵌合する外管と、前記外管に挿
   入され銅パイプと外管とともに溶接される吸込パ
   イプとからなり、前記内管の小径部分の軸方向の
   長さＬと外管の前記内管が挿入される軸方向の長
   さｌとの関係をＬ＞ｌとして、内管の大きい側の
   径と外管の径との間にラジアル方向で小さな径で
   円周面となる凹条の溝を形成し、この溝内に内管
   と外管の溶接部を位置させてなる回転式圧縮機。