JP2004092504A - ベーン式バキュームポンプ - Google Patents

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稲熊 義治
Susumu Honaga
穂永 進
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0042Driving elements, brakes, couplings, transmissions specially adapted for pumps
    • F04C29/005Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions
    • F04C29/0071Couplings between rotors and input or output shafts acting by interengaging or mating parts, i.e. positive coupling of rotor and shaft

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Abstract

【課題】ベーン式バキュームポンプのオルダムカップリングにおける潤滑油供給構造において、コスト低減可能な構造にする。
【解決手段】給油ジョイント2と、カップリング部材7の穴8と、シャフト1の二面幅部6の穴3とを、スナップリング10で保持する構造にして、簡単な構成で潤滑油供給の構成を達成することができ、精度をラフにして、かつ部品点数が少なくなり、コストの低減をすることができる。
また、給油ジョイント2の先端の突起部2aで、シャフト1の穴3と嵌合する簡単な構成で、シャフト1に対して給油ジョイント2を揺動するので、芯ずれ誤差の吸収と、組付け時のこじれの発生の抑制をして、組付け性能を向上することができる。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ベーン式バキュームポンプの軸受構造に関するもので、特に潤滑用油の供給構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ディーゼルエンジンのブレーキアシスト用負圧として、またガソリンエンジンにおける排ガス対策や省エネのため、あるいはエンジン性能の改良のために、バキュームポンプを使用している。
【0003】
このバキュームポンプは、エアによって負圧を発生させるものであり、その構造は、カムシリンダの内部でロータが回転し、そのロータに設けたスリット溝内をベーンが摺動するタイプの、いわゆる内カムベーンロータタイプが、通常用いられる。このベーン式バキュームポンプは、カムシリンダやベーンやロータ等の各部分に、少量のエンジンオイルを送り込んで、これらの個所のエアのシール性を確保している。
【0004】
従来におけるエンジンオイルの給油部の、カムシャフトとポンプ軸の接続構造の一例を、図7に示す。
【0005】
図7において、101は、エンジンのカムシャフトの一端に位置するカム軸であり、102は、バキュームポンプのポンプ軸を示す。また103は、これらカム軸101とポンプ軸102の芯ずれを吸収するために設けたオルダムカップリングである。このオルダムカップリング103は、カム軸101及びポンプ軸102に対して十字溝で結合する公知の構造であり、前記カム軸101の先端に設けられた係合部101aと、カップリング103aと、前記ポンプ軸102の先端に設けられた係合部102aとから成り、両軸間の芯ずれを吸収しつつ、両軸を連結する働きをする。
【0006】
また、カム軸101の端面には、円断面で止まり穴状の凹部104が設けられ、その凹部104の底部にカム軸101の内部を貫く油路105の一端が開口して、エンジンオイルが導かれている。
【0007】
また、ポンプ軸102の、カム軸101と対向する端面には、円断面で止まり穴状の凹部106が設けられ、その凹部106の側面にポンプ軸102外周に連通する導入路107が開口している。また、ポンプ軸102の外周には、ポンプハウジングの軸受部108が位置していて、この軸受部108の、ポンプ軸102と接する面に設けた油溜まり部109に、導入路107の一端が開口している。この油溜まり部109に導かれたオイルが、図略のポンプのカムシリンダ等に送り込まれる。
【0008】
また、110は、給油ジョイントである。その形状は、その両端に位置する大径部110aと大径部110b、及び中間に位置する小径部110Cからなり、かつ給油ジョイント110の内部を、油流通穴110dが貫通して設けられている。
【0009】
また、111は、セットカラーである。このセットカラー111は、ポンプ軸102の凹部106に圧入されているが、カップリング103aに対しては固定されておらず、カップリング103aは、セットカラー111に対してぶら下がって取付けられた状態である。
【0010】
連結パイプ110の大径部110aは、カム軸101の凹部104の内部に挿入され、その外周を、Oリング112によりそれらの間の隙間をシールされている。また、大径部110bは、ポンプ軸102の凹部106の内部に挿入され、その外周は、止め輪113が嵌められている。この構成から、カム軸101とポンプ軸102の間の芯ずれを、大径部110aと凹部104の間のOリング112で吸収し、かつこれらの間をシールしているので、オイルの漏れを防止することができる。
【0011】
このように、カム軸とポンプ軸の芯ずれをオルダムカップリングで吸収しつつ、給油ジョイントを介してバキュームポンプのポンプ部品にオイルを供給して、カムシリンダやベーン等の間のエアのシール性を確保している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の構成は、セットカラー111を、ポンプ軸102に打込み(圧入)で固定しているため、圧入工程が必要になり、そのためにコストが大きくなる。
【0013】
また、圧入の為、セットカラー111の外周及びポンプ軸102の凹部106の精度確保が必要なため、この製造コストが大きくなる。
【0014】
さらに、給油ジョイント110の形状が複雑でコストが大きくなっている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
ハウジングの内部に形成される変形円形等の曲面からなる内周面を有するカムシリンダと、
このカムシリンダに対して偏心した位置で回転運動をするロータと、
このロータ内に設けたスリット溝内にあり、このスリット溝を摺動運動するとともに、その両端部が前記内周面を沿うように回転運動するベーンからなるベーン式バキュームポンプにあって、
このバキュームポンプのロータと一体に設けられたシャフトと、
このシャフトを回転駆動させる駆動軸と前記シャフトとの間に配設され、前記駆動軸から前記シャフトに潤滑油を送る貫通穴が形成されたジョイントと、
このジョイントが挿通され、かつ前記シャフトの端面と前記駆動軸の端面に係合するカップリング部材を有して、
このカップリング部材と、前記シャフトの端面と、前記駆動軸の端面から、オルダムカップリングを構成するようにしたベーン式バキュームポンプにおいて、
前記ジョイントの外周に1個のスナップリングを装着し、このスナップリングを前記カップリング部材および前記シャフトに係合させることにより、これらジョイント、カップリング部材およびシャフトを一体に連結したことを特徴とする。
【0016】
また、上記記載のベーン式バキュームポンプにおいて、前記ジョイントの前記シャフト側先端に、前記シャフトに設けた穴と嵌合する突起部を設けたことを特徴とする。
【0017】
さらに、上記記載のベーン式バキュームポンプにおいて、前記シャフトに設けた穴に対応する前記ジョイントの外周に、シール部材を嵌着したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図3に示すように、バキュームポンプのロータ軸と一体のシャフト1の先端には、給油ジョイント2の一端が入る穴3が形成されている。この給油ジョイント2の他端は、エンジンのカムシャフトの一端であるカム軸4(駆動軸)に形成した穴4aに挿入されて、カム軸4に対して、同軸で配置される。
【0020】
この給油ジョイント2の内部には、給油穴5(貫通穴)が貫通して形成され、この給油穴5を介して、後述するポンプ部品の各部分の潤滑を行なうオイルが供給される。
【0021】
また、シャフト1の先端(端面)には、二面幅部6が突出して形成され、その先端に配置されるカップリング部材7には、その二面幅部6が係合されるメス側の係合穴8が設けられている。また、これら2面幅部6に設けた穴3と係合穴8の、ジョイント2と接するそれぞれの円弧面の内部には、スナップリング溝9が、二面幅部6と係合穴8の組付状態で軸方向に同じ位置にくるように形成されて、このスナップリング溝9にスナップリング10が嵌まり込むことで、給油ジョイント2の位置を保持する。
【0022】
また、カップリング部材7には、シャフト1の反対側に、カム軸4の端面に形成したメス側の係合溝11と係合させるための2面幅形状の突起部12が設けられている。
【0023】
シャフト1の二面幅部6とカップリング部材7の係合穴8の軸線(長手方向の中心軸線)と、カップリング部材7の突起部12とカム軸4の係合溝11の軸線(長手方向の中心軸線)は、直角に交わっていて、いわゆるオルダムカップリングを構成している。ポンプのシャフト1の軸と、それに接続するカムシャフト4のカム軸は、完全な同心に設定することは困難であり、両方の軸がずれていると、ポンプを駆動した場合、騒音や振動が発生するおそれがあるため、その芯ずれを吸収する構造が、このオルダムカップリングである。
【0024】
給油ジョイント2の外周には、組付状態でシャフト1およびカップリング部材7と対応する位置に、スナップリング10を装着するスナップリング溝13が形成されている。この溝13にスナップリング10を装着して、スナップリング10が、カップリング部材7とシャフト1に設けたスナップリング溝9に係合されることにより、給油ジョイント2とカップリング部材7とシャフト1とが連結され、お互いに軸方向に不動になる。
【0025】
また、給油ジョイント2は、シャフト1に設けた穴3の内部に入る部分は、その外径が、先端部分を除けば、穴3の内径より小さく形成されている。またその先端部分には、全周にわたって円弧状で、穴3の内径とほぼ同じ外径からなる突起部2aが構成される。そして両者を組付けると、この突起部2aが穴3の内面に接触して、給油ジョイント2はシャフト1に対して、ほぼシール機能を保つことができ、かつその先端は両者の多少の傾きに対して自由度を有するようになる。
【0026】
そして、給油ジョイント2のカム軸4に形成した穴4aの内部に入る部分には、その外周に環状溝14が形成され、その環状溝14にOリング15を配置して、給油ジョイント2の一端が穴4aに挿入された際のシールを行なっている。
【0027】
以下に、この構成におけるオイルの流れを、主に図1と図2に基づいて説明する。
【0028】
カムシャフトのカム軸4を経て、給油ジョイント2の給油穴5に達したオイルは、シャフト1に設けた穴3の内部から半径方向に設けた絞り穴20を通り、ハウジング30の内面の180度対称の位置に設けたオイルポケット21及びオイルポケット22に達して、シャフト1をスムーズに回転できるようにする。また、オイルポケット22は、連通溝23を介して、ポンプ室の内部と連通していて、この連通溝23を経てオイルは、ポンプ室の内部に導かれる。
【0029】
以下に、ポンプ部分の構成及びその作用を、図4と図5に基づいて説明する。ベーン式バキュームポンプは、ハウジング30の内部に形成される変形円形等の曲面からなる内周面を有するカムシリンダ31と、このカムシリンダ31に対して偏心した位置で回転運動をするロータ32と、このロータ32内に設けたスリット溝33内にあり、このスリット溝33を摺動運動するとともにその両端部がカムシリンダ31の内周面を沿うように回転運動するベーン34と、このベーン34の先端部に形成した凹溝内にあり、ロータ32が回転運動を開始したときにこの回転運動に伴なってカムシリンダ31の内周面上を転動運動するローラ35から構成される。このようなバキュームポンプの構成部品は、ハウジング30内に収納され、かつその一端は、Oリング36を介してカバー37がボルト等で取付けられて、これらポンプ部品が気密に保持されている。
【0030】
そして、ロータ32の回転運動により、スリット溝33内に収納されるベーン34が、図4の矢印に示す方向に回転運動をして、エアを吸入ポート38から吸引し、排出ポート39から排出して、ポンプ作用を行なう
その際、オイルは、連通溝23を経てバキュームポンプの内部に供給され、ベーン34の両側面や、ベーン34とローラ35の間のエアのシール性を確保する作用を行なう。
【0031】
本発明は、従来技術の構成とは異なり、給油ジョイント2と、カップリング部材7に設けた穴8と、シャフト1の二面幅部6に設けた貫通穴3とを、スナップリング10で保持する簡単な構成で、オルダムカップリング7における潤滑油供給の構成を達成することができ、精度をラフにして、コスト低減に寄与することができる。また、部品点数も少なくなり、コスト低減に寄与することができる。さらに給油ジョイントの形状が簡易になり、コスト低減ができる。
【0032】
また、本発明では、給油ジョイント2の先端に突起部2aを設けて、シャフト1の穴3と嵌合するようにしているので、このような簡単な構成で、シャフト1に対して給油ジョイント2を揺動することができ、これにより芯ずれ誤差を吸収して、かつ組付けにおいてこじりの発生を抑制し、組付性能を向上することができる。
【0033】
他の実施形態例として、給油ジョイント2の先端に突起部2aを設ける代わりに、図6に示すように、シャフト1と給油ジョイント2の間に、Oリング40を設けた構成にしてもよい。この構成にすると、給油ジョイント2とシャフト1の間のシール性能を、さらに向上することができるとともに、給油ジョイント2の揺動がさらに有利になり、かつ組付性能をさらに向上することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の構成は、給油ジョイントと、カップリング部材に設けた穴と、シャフトの二面幅部に設けた貫通穴とを、スナップリングで保持する簡単な構成で、オルダムカップリングにおける潤滑油供給の構成を達成することができる。したがって、精度をラフにし、コスト低減に寄与することができる。また、部品点数が少なくなり、コスト低減に寄与することができる。さらに給油ジョイントの形状が簡易になり、コスト低減ができる。
【0035】
また、本発明では、給油ジョイントの先端に突起部を設けて、シャフトの穴と嵌合するようにしているので、このような簡単な構成で、シャフトに対して給油ジョイントを揺動することができ、これにより芯ずれ誤差を吸収して、かつ組付けにおいてこじりの発生を抑制し、組付性能を向上することができる。
【0036】
さらに、他の発明では、給油ジョイントの先端に突起部を設ける代わりに、シャフトと給油ジョイントの間に、Oリングを設けた構成にしたので、給油ジョイントとシャフトの間のシール性能を、さらに向上することができるとともに、給油ジョイントの揺動がさらに有利になり、かつ組付性能をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主要部である、カム軸とポンプ軸の接続構造を示す展開斜視図である。
【図2】本発明の主要部である、カム軸とポンプ軸の接続構造を示す断面図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】本発明におけるポンプの全体構成を示す図である。
【図5】本発明におけるポンプの全体構成を示す縦断面図である。
【図6】他の実施の形態における、カム軸とポンプ軸の接続構造を示す断面図である。
【図7】従来技術における、カム軸とポンプ軸の接続構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1  シャフト
2  給油ジョイント
2a 突起部
3  穴
4  カム軸
5  給油穴
6  2面幅部
7  カップリング部材
8  嵌合穴
9  スナップリング溝
10  スナップリング
11  嵌合溝
12  突起部
30  ハウジング
31  カムリング
32  ロータ
33  スリット溝
34  ベーン
35  ローラ

Claims (3)

  1. ハウジングの内部に形成される変形円形等の曲面からなる内周面を有するカムシリンダと、
    このカムシリンダに対して偏心した位置で回転運動をするロータと、
    このロータ内に設けたスリット溝内にあり、このスリット溝を摺動運動するとともに、その両端部が前記内周面を沿うように回転運動するベーンからなるベーン式バキュームポンプにあって、
    このバキュームポンプのロータと一体に設けられたシャフトと、
    このシャフトを回転駆動させる駆動軸と前記シャフトとの間に配設され、前記駆動軸から前記シャフトに潤滑油を送る貫通穴が形成された給油ジョイントを備え、
    前記給油ジョイントが挿通され、かつ前記シャフトの一端と前記駆動軸の一端に係合するカップリング部材を有して、
    このカップリング部材と、前記シャフトの一端と、前記駆動軸の一端から、オルダムカップリングを構成するようにしたベーン式バキュームポンプにおいて、
    前記給油ジョイントの外周にスナップリングを装着し、このスナップリングを前記カップリング部材および前記シャフトに係合させることにより、これらジョイント、カップリング部材およびシャフトを一体に連結したことを特徴とするベーン式バキュームポンプ。
  2. 請求項1頁記載のベーン式バキュームポンプにおいて、前記給油ジョイントの前記シャフト側先端に、前記シャフトに設けた穴と嵌合する突起部を設けたことを特徴とするベーン式バキュームポンプ。
  3. 請求項1項記載のベーン式バキュームポンプにおいて、前記シャフトに設けた穴に対応する前記ジョイントの外周に、シール部材を嵌着したことを特徴とするベーン式バキュームポンプ。
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