JPH0335644Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、車両各部に固定されるモールデイン
グに関し、特にリテーナによつて車体に固定する
モールデイングのエンドカバーの取付構造に関す
る。

〈従来技術およびその問題点〉 従来モールデイングのエンドカバー（端末パツ
ド）は、モールデイングとの一体性を高めて脱落
を防止するために、モールデイングの端末部に孔
を明け合成樹脂材料の射出成形によつてモールデ
イングの端末に一体成形するのが一般的であつ
た。しかし射出成形は大掛かりな設備を必要と
し、またこれによるエンドカバーの一体成形は工
数が多くなるためコスト高となる。

エンドカバーを予めモールデイングとは別部材
として形成し、これを接着剤によつてモールデイ
ング端末に固定するタイプも知られているが、接
着剤による固定は信頼性が低く、経年変化、車両
に加わる振動等で脱落するおそれがある。

〈考案の目的〉 本考案は、従来のモールデイングのエンドカバ
ーについての上記問題点を解消し、射出成形によ
ることなく、モールデイングに対する固定性、作
業性に優れたエンドカバーを得ることを目的とす
る。

〈考案の概要〉 本考案は、モールデイングを車体に固定するた
めのリテーナをエンドカバーの固定に利用すると
いう発想に基づいてなされたもので、エンドカバ
ーをモールデイングとは別部材として用意し、こ
のエンドカバーとリテーナとに、互いに係合する
係合部を形成して、リテーナを介しエンドカバー
をモールデイングに固定するようにしたことを特
徴としている。

〈考案の実施例〉 以下図示実施例について本考案を説明する。こ
の実施例は、車両のドア１０等の側部に固定され
るサイドモールデイング２０（第３図）に本考案
を適用したものである。このサイドモールデイン
グ２０は、ステンレス等の金属製の芯材２１の外
側に合成樹脂層２２を被着してなつていて、全体
として断面略Ｃ字状をしている。

このサイドモールデイング２０を車体に固定す
るためのリテーナ３０は、サイドモールデイング
２０の外面装飾壁２４、および内側のフランジ部
２５，２６の間に挿入た係止板部３１と、この係
止板部３１からフランジ部２５，２６の間を通つ
て車体パネル１０側に突出する固定ねじ３２を有
する。さらに係止板部３１には、サイドモールデ
イング２０の端末方向に延長された延長板部３３
が一体に設けられ、この延長板部３３の端部に傾
面３５と係合爪３６を形成した係合部３４が突設
されている。また３７はリテーナ３０を成形する
際の抜き孔である。

サイドモールデイング２０の端末に装着するエ
ンドカバー４０は、合成樹脂材料から予めサイド
モールデイング２０とは別体として形成したもの
で、サイドモールデイング２０の端面形状に対応
する形状のカバー部４１と、このカバー部４１か
ら、サイドモールデイング２０の内側に延びる係
合板部４２を一体に有し、この係合板部４２の先
端部に、前記係合部３４が嵌合するため係合孔４
３が形成されている。

上記エンドカバー４０は、その係合板部４２を
サイドモールデイング２０の内方（→印）に挿入
すると、係合板部４２の先端裏面がリテーナ３０
の係止部３４の傾面３４に当接することにより弾
性変形し、さらに前記係合板部４２の係合孔４３
がリテーナ３０の係合部３４に嵌合され、その係
合爪３６が前記エンドカバー４０の係合板部４２
に掛止される。この後固定ねじ３２を車体パネル
１０の固定孔１２に挿入し、車体パネル１１の内
面からナツト３５を螺合させてサイドモールデイ
ング２０を固定する。するとリテーナ３０とエン
ドカバー４０とは、延長板部３３の係合部３４と
係合孔４３とで係合しているため、エンドカバー
４０は確実にサイドモールデイング２０の端末に
固定される。勿論、車体パネル１１の固定孔１２
の位置は、エンドカバー４０の係合孔４３の位置
およびリテーナ３０の係合部３４の位置を勘案し
て、エンドカバー４０がサイドモールデイング２
０の端末に正しく固定されるように定める。

上記実施例のリテーナ３０は、固定ねじ３２を
有するタイプであるが、車体パネル１１の係止孔
に係止されるクリツプタイプのリテーナも知られ
ている。このクリツプタイプのリテーナにも本考
案は、同様に適用可能である。

また上記実施例は、サイドモールデイング２０
に本考案を適用したものであるが、本考案は、リ
テーナを介して車体に固定するサイドモールデイ
ングであれば、ベルトモールデイング５０（第３
図）等の他のモールデイングに対しても同様に適
用できる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案は、モールデイングとは別
部材として形成したエンドカバーを、モールデイ
ングを車体に固定するリテーナを介してモールデ
イングの端末に固定するようにしたので、射出成
形によることなく、確実に固定することができ
る。しかもエンドカバーの固定とモールデイング
の車体への固定とが同時に行なわれるため作業性
に優れており、全体として安価なモールデイング
のエンドカバーを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のモールデイングのエンドカバ
ーの実施例を示す分解状態の斜視図、第２図は同
組立固定状態の断面図、第３図はサイドモールデ
イングの装着部位を例示する車両ドアの正面図で
ある。 １１……車体パネル、１２……固定孔、２０…
…サイドモールデイング、２１……芯材、２２…
…合成樹脂層、２４……外面装飾壁、２５，２６
……フランジ部、３０……リテーナ、３１……係
止板部、３２……固定ねじ、３３……延長板部、
３４……係合部、３５……傾面、３６……係合
爪、３７……孔、４０……エンドカバー、４１…
…カバー部、４２……係合板部、４３……係合
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に固定するためのリテーナを有するモール
   デイングと、このモールデイングの端末に装着す
   るエンドカバーとを、別部材として用意し、この
   エンドカバーとリテーナとに、互いに係合する係
   合部を形成した取付構造に於いて、前記エンドカ
   バーのモールデイングの内方に延びる係合板部の
   先端部に形成した係合孔であり、リテーナの係合
   部はモールデイングの端末方向に延びる延長板部
   の先端上面に形成した傾面と係合爪からなり、こ
   の該係合爪を前記係合孔に係合するようにしたこ
   とを特徴とするモールデイングのエンドカバー取
   付構造。