JPS6346262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キヤブオーバー型車のフロントパネ
ルのヘツドランプ挿着穴周縁に設けられるグリル
の取付構造に関するものである。

従来、車両の部材の取付、例えばラジエータグ
リルを車体に取付けるなどのものにおいては、特
公昭57−41611号公報に開示されているように、
被取付部材の被取付穴に係止する弾性頭部と、取
付部材の取付穴に係止する弾性脚部とからなるク
リツプを介して取付部材を被取付部材に取付ける
ものがある。そしてフロントパネルのヘツドラン
プ挿着穴周縁にグリルを取付けるものにおいて
は、第６図に示すように、ヘツドランプ挿着穴周
縁ａに突設された取付穴ｂに、筒状にしてかつ外
側面に爪を有したクリツプｃをフロントパネル前
方から装着し、その後グリルｄをクリツプｃにタ
ツピングスクリユｅで取付けたものや、また第７
図に示すように、ヘツドランプ装着穴周縁ａに向
けて開いた係止片ｇをタツピングスクリユｅのね
じ部が挿通する胴部ｆの上下に有し、かつ胴部ｆ
の端部にグリルｄの回り止めガイド突起ｈを有し
たクリツプｃを、裏面に取付ボスｉを突設したグ
リルｄにタツピングスクリユｅで固定し、クリツ
プｃを取付穴ｂに嵌合することにより取付けたも
のがある。

しかし上記したヘツドランプ挿着穴周縁にグリ
ルを取付けるものにおいて、第６図にて示した従
来例では、タツピングスクリユの頭部が外部に露
出しフロントパネルの外観を損うとともに、クリ
ツプ装着→グリル位置決め→タツピングスクリユ
締付、といふうに取付作業が煩雑になる欠点があ
つた。また第７図にて示した従来例では、回り止
めガイド突起の位置や寸法精度を高めないとグリ
ルに変形を生じさせるとともに、クリツプの縦幅
寸法は胴部と係止片とにより大きく、幅の狭いヘ
ツドランプ挿着穴周縁に縦寸法Ｗが大きい取付穴
を設けなければならず、ヘツドランプ挿着穴周縁
を幅広にするとヘツドランプ取付スペースが狭く
なるという不都合があつた。さらにグリルの取付
時の打ち込みの衝撃で前記回り止めガイド突起が
折れやすいという欠点もあつた。

本考案は、上記した従来の欠点を考慮してなさ
れたもので、キヤブオーバー型車のフロントパネ
ルのヘツドランプ挿着穴周縁にクリツプを介して
グリルを取付けるにおいて、グリル裏面に螺合孔
を有した取付ボスを突設し、該取付ボスの左右両
側に横リブを設けるとともに、縦リブを横リブの
側部に設け、前記クリツプは、取付ボスに螺合す
るタツピングスクリユのねじ部の挿通孔を有した
台部と、該台部の左右両側に設けられた支持片
と、台部の上下両側に設けられそれぞれ外方に向
けて傾斜した弾性翼片とからなり、前記支持片の
先端には、タツピングスクリユによりクリツプが
取付ボスに締付されると前記横リブを挾持する突
起を対向して設け、一方、前記弾性翼片の先端に
は、前記ヘツドランプ挿着穴周縁に突設されたク
リツプ取付穴に弾性翼片の弾性により係合する係
止段部を設けるとともに、弾性翼片の対向する内
側面両面にタツピングスクリユのねじ部との接触
を避ける凹部を設けて、前記取付ボスに締付した
前記クリツプをクリツプ取付穴に嵌合したことか
ら、取付幅の狭いヘツドランプ挿着穴周縁に、グ
リルの取付作業を容易にするとともに、タツピン
グスクリユの頭部を露出させずにフロントパネル
の外観を向上させることを目的とするものであ
る。

つぎに、本考案を第１図から第５図に示す実施
例に基づいて詳細に説明する。

車両のフロントパネルにヘツドランプ挿着穴１
が開設され、ヘツドランプ挿着穴周縁１０は段状
に折曲されており、該ヘツドランプ挿着穴周縁１
０にクリツプ取付穴１１が突設されている。２は
合成樹脂から成形され断面略ｃ字型状のグリル
で、ヘツドランプ挿着穴１０に対応した枠状に設
けられている。そして該グリル２の裏面の前記ク
リツプ取付穴１１と対応する位置には、タツピン
グスクリユ７が螺合する螺合孔２１を有した取付
ボス２０が後方に向けて突設されている。さら
に、第３図で示すように、前記取付ボス２０の左
右両側に横リブ２２，２２が一体形成されている
とともに、横リブ２２，２２のグリル長手方向の
それぞれ側部に縦リブ２３，２３が一体形成され
ており、前記取付ボス２０と横リブ２２，２２と
縦リブ２３，２３とのそれぞれ突出端面は面一に
設けられている。

また３は合成樹脂から成形されたクリツプで、
該クリツプ３は、第２図と第３図に示すように、
タツピングスクリユ７のねじ部の挿通孔４０を有
して、タツピングスクリユ７の頭部が係止する台
部４と、該台部４の左右両側に取付側に向けて一
体形成された支持片５，５と、台部４の上下両側
に取付側に向けてかつそれぞれ外方へ傾斜して一
体形成された弾性翼片６，６とからなるものであ
る。そして前記支持片５，５それぞれの先端には
前記横リブ２２，２２を挾持する突起５０，５０
が対向して設けられている。さらに前記弾性翼片
６，６それぞれの先端には、第２図に示すよう
に、クリツプ取付穴１１にクリツプ３が嵌合され
た際クリツプ取付穴１１の周縁に係合する係止段
部６０，６０が設けられているとともに、弾性翼
片６，６の対向する内側面上部には、クリツプ３
の嵌合の際にタツピングスクリユ７のねじ部との
接触を避けて弾性翼片６，６がタツピングスクリ
ユ７側に倒れ込めるようにした凹部６１が設けら
れている。

上記クリツプ３はグリル２のヘツドランプ挿着
穴周縁１０への取付前にタツピングスクリユ７を
介してグリル２に締付固定されるもので、クリツ
プ３の台部４の挿通孔４０を通して取付ボス２０
の螺合孔２１にタツピングスクリユ７を螺合させ
ると、第４図に示すように、凹溝５２を介して対
向した突起５０，５０は横リブ２２，２２を挾持
するとともに、突起のグリルの長手方向側の外側
面５１が縦リブ２３，２３の内側面２４に接合し
て、螺合の際のクリツプ３のズレを防止する。さ
らに横リブ２２，２２が凹溝５２底面に当接し、
かつ縦リブ２３，２３が突起の側部に形成された
段部５３，５３に当接して、クリツプ３が確実に
取付ボス２０へ締付固定される。

そして取付ボス２０にクリツプ３を締付固定し
たグリル２は、前記クリツプ３をクリツプ取付穴
１１に嵌合し弾性翼片６，６の係止段部６０，６
０がクリツプ取付穴１１の周縁に係合することに
より、ヘツドランプ挿着穴周縁１０に取付けられ
るものである。

なお、第５図に示すように、クリツプ取付穴１
１の横幅を広め、右半分或いは左半分の縦幅をク
リツプ３の縦幅以上にすれば、グリルを側方にス
ライドさせてクリツプ３が外れグリルの取外しが
容易にできる。

したがつて、本考案によれば、タツピングスク
リユの頭部を外方に露出させることなく、またグ
リルにはクリツプのズレを起こさず確実に締付固
定でき、幅の狭いヘツドランプ挿着穴周縁に縦幅
の大きいクリツプ取付穴を必要とせずにグリルを
容易にヘツドランプ挿着穴周縁に取付けることが
できるなど、実用性にすぐれた効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るグリルの取付構造を実施
した車両の前部斜視図、第２図は第１図−線
要部拡大断面図、第３図は本考案に係るグリルの
取付構造の一実施例を示す説明図、第４図は第２
図−線断面説明図、第５図は本考案における
クリツプ取付穴の説明図、第６図と第７図は従来
例を示す説明図である。 １０……ヘツドランプ挿着穴周縁、１１……ク
リツプ取付穴、２……グリル、２０……取付ボ
ス、３……クリツプ、４……台部、５……支持
片、６……弾性翼片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤブオーバー型車のフロントパネルのヘツド
   ランプ挿着穴周縁にクリツプを介してグリルを取
   付けるにおいて、グリル２裏面に螺合孔２１を有
   した取付ボス２０を突設し、該取付ボス２０の左
   右両側に横リブ２２を設けるとともに、縦リブ２
   ３を横リブ２２の側部に設け、前記クリツプ３
   は、取付ボス２０に螺合するタツピングスクリユ
   ７のねじ部の挿通孔４０を有した台部４と、該台
   部４の左右両側に設けられた支持片５と、台部４
   の上下両側に取付側に向けて設けられそれぞれ外
   方へ傾斜した弾性翼片６とからなり、前記支持片
   ５の先端には、タツピングスクリユ７によりクリ
   ツプ３が取付ボス２０に締付されると前記横リブ
   ２２を挟持する突起５０，５０を対向して設け、
   一方、前記弾性翼片６の先端には、前記ヘツドラ
   ンプ挿着穴周縁１０に突設されたクリツプ取付穴
   １１に弾性翼片６の弾性により係合する係止段部
   ６０を設けるとともに、弾性翼片６，６の対向す
   る内側面両面にタツピングスクリユ７のねじ部と
   の接触を避ける凹部６１を設けたことを特徴とす
   るグリルの取付構造。