JPH0335254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、集塵室内に袋状の集塵フイルターを
着脱自在に装着してなる電気掃除機に係り、集塵
フイルターに口枠などを設けなくとも集塵フイル
ターが容易に装着できるようにした構造に関す
る。

（従来の技術） 従来、集塵室内に袋状の集塵フイルターを着脱
自在に設け、この集塵フイルター内に塵埃を貯溜
するようにしたこの種電気掃除機においては、集
塵フイルターの着脱を容易かつ確実にするため、
例えば実公昭45−26455号公報に記載されている
ように、集塵フイルターの開口端部に剛性を有す
る口枠を接着し、この口枠を集塵室内に設けられ
た保持板に着脱する構造が採られている。

あるいは、実公昭45−36399号公報に記載され
ているように、集塵フイルターに口枠を設けず、
集塵フイルターの装着に際して、その開口端部を
吸込管の周囲に被せてゴムなどからなる保持リン
グを装着することにより弾性的にで保持する構造
も知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の構造では、紙袋などからなる集塵フ
イルターの他に、ボール紙などからなる口枠ない
し弾性環などの部材を用いる必要があるため、コ
ストが高くつく問題があつた。

また、実公昭45−36399号公報に記載されてい
る構造では、集塵フイルターの開口端部を吸込管
の周囲に被せた状態で、保持リングを装着する作
業を必要とし、集塵フイルターの装着に手間がか
かる問題があつた。

さらに、実公昭45−26455号公報に記載されて
いるように、集塵フイルターに口枠を接着する構
造では、互換性に欠けるとともに、接着剤の特
性、接着強度、接着位置および季節による伸縮率
の変化等の不安定要素が多いため、不良品の発生
率が高く、また、集塵フイルターの開口面積およ
びこの集塵フイルターに接着される口枠の接着面
積が相互に制限されるため、特に口枠の小型化が
難しい問題があつた。

本考案は、上記問題点に鑑みなされたもので、
集塵フイルターを集塵室内に保持するための部品
が少なく安価にでき、しかも、この集塵フイルタ
ーが容易に着脱可能であるとともに、確実に保持
でき、さらに、この集塵フイルターに不良品の発
生が少ないとともにその大きさ等に関して融通性
を有する電気掃除機を得ることである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の電気掃除機は、電動送風機を内蔵しこ
の電動送風機に連通する集塵室を内部に設けこの
集塵室に臨んで開口部を形成した掃除機本体と、
前記掃除機本体にクランプにより前記開口部を開
閉する蓋体と、前記集塵室と外部とを連通する吸
込口部材と、前記開口部を介して集塵室内に着脱
自在に装着される袋状の集塵フイルターとを備
え、前記掃除機本体には前記吸込口部材を挟持す
る本体側挟着部を設け、前記蓋体には前記吸込口
部材を挟持する蓋体側挟着部を設け、前記吸込口
部材には前記袋状フイルターの開口端縁を着脱自
在に被せて取付ける取付け壁部を設け、前記袋状
の集塵フイルターの開口端部を、前記吸込口部材
に集塵室側から着脱自在に被せこの吸込口部材と
前記掃除機本体の本体側挟着部および蓋体の蓋体
側挟着部とにより挾着保持したものである。

（作用） 本考案の電気掃除機は、蓋体を開いた状態で、
例えば掃除機本体に回動自在に支持された吸込口
部材の取付け壁部に、集塵室側より袋状の集塵フ
イルターの開口端部を被せ、ついで、蓋体により
掃除機本体の開口部を閉じると、これら蓋体の蓋
体側挟着部および掃除機本体の本体側挟着部と吸
込口部材の取付け壁部とにて集塵フイルターの開
口端部が挟着され、集塵フイルターが集塵室内に
保持される。また、掃除時には、吸込口部材を介
して吸込まれた塵埃が集塵フイルター内に貯溜さ
れる。さらに、集塵フイルターの廃棄時などに
は、蓋体を開けることにより、集塵フイルターの
開口端部の挟着が解かれ、集塵フイルターを引い
てその開口端部を吸込口部材から抜くことによ
り、この集塵フイルターを脱すことができる。

（実施例） 本考案の電気掃除機の一実施例の構成を第１図
および第２図について説明する。

１は掃除機本体で、略函形状に形成されてい
る。そして、この掃除機本体１の内部は、その略
中央部に一体的に立設された仕切壁２により前後
に区画され、この仕切壁２より前側の空間部が集
塵室３となつているとともに、後側の空間部が電
動送風機室４となつており、これら集塵室３と電
動送風機室４とは、前記仕切壁２に開口形成され
た連通口５により連通されている。また、この掃
除機本体１の内部の後端部には、下面を開口した
函形状の電池収納部６が形成され、この電池収納
部６の下面開口は、ねじ７などにより掃除機本体
１に取着されるカバー体８によつて開閉されるよ
うになついてる。さらに、この掃除機本体１に
は、前記電動送風機室４の上方に位置してハンド
ル９が一体的に形成されている。

１１は電動送風機で、モータ１２と、このモー
タ１２により回転されるフアン１３とからなつて
いる。そして、この電動送風機１１は、そのフア
ン１３を前記連通口５に対向させた状態で、前記
掃除機本体１の電動送風機室４内に配設されてい
る。また、１４は前記電動送風機１１の電源であ
る鉛蓄電池で、この電池１４は、前記掃除機本体
１の電池収納部６にその下面開口を介して着脱さ
れるようになつている。また、前記掃除機本体１
のハンドル９の前端部には、前記電動送風機１１
を制御するための押釦スイツチ１５が設けられて
いる。さらに、前記掃除機本体１の電動送風機室
４内には、図示しない充電アダプターを介して前
記電池１４を充電するための充電回路を形成する
回路基板１６が設けられている。

前記掃除機本体１の前部上側には、その集塵室
３に臨む開口部２１が形成されている。そして、
この開口部２１に臨んで前記仕切壁２の前面に、
その両側に嵌合段部２２が形成されているととも
に、上端部に溝状の係合受部２３が形成されてい
る。また、前記掃除機本体１の両側面前端部に
は、側面略逆Ｌ字形状の係合段部２４が形成され
ている。また、前記掃除機本体１の前端部には、
本体側挟着部としての前後面および上面を開口し
た凹窪状の嵌合凹部２５が形成され、この嵌合凹
部２５の前縁は後方に向つて下方へ傾斜されてい
る。さらに、この嵌合凹部２５の下側および両側
を囲繞して、ブラシ毛２７を植設したブラシ体２
８が、掃除機本体１に揺動自在に枢着されてい
る。

３１は吸込口部材で、前記掃除機本体１の嵌合
凹部２５と略同形な角筒形状に形成され、この角
筒形状の外周壁は後述の集塵フイルター５１の開
口部を被せて取付ける取付け壁部を構成してい
る。そして、この吸込口部材３１は、その両側面
の前端部上側に形成された支軸３２が、前記嵌合
凹部２５の両側面に形成された軸受孔に回動自在
に挿入されることによつて、掃除機本体１に上下
回動自在に支持されており、その回動に伴つて前
記嵌合凹部２５に嵌合されるようになつている。
また、前記支軸３２には弾性体例えばばね３３が
支持されており、このばね３３の一端は吸込口部
材３１の側面に形成された突起３４に係合されて
おり、他端は前記掃除機本体１に係合されてい
る。そして、このばね３３により、吸込口部材３
１は、図示反時計廻り方向、すなわちその内側の
集塵室３側が開口部２１に向つて移動する方向へ
付勢されている。さらに、この吸込口部材３１の
後端面には、弁体３５が開閉自在に設けられてい
る。

４１は前記掃除機本体１の開口部２１を開閉す
る蓋体で、後面と下面を開口し前方に向つて薄く
なる函形状に形成されている。そして、この蓋体
４１の上面後端部には、ばね４２により図示時計
廻り方向に付勢されたクランプ４３が揺動自在に
枢着されており、このクランプ４３の後端部に
は、前記掃除機本体１の係合受部２３に係脱自在
に係合される係止爪部４４が形成されている。ま
た、この蓋体４１の前端部両側には、前記掃除機
本体１の係合段部２４に係脱自在に係合される側
面略Ｌ字形状の係合突片４５が一体的に垂設され
ている。さらに、この蓋体４１の前端部の下面側
には、蓋体４１の掃除機本体１への取着時に、前
記吸込口部材３１の上面に当接される蓋体側挟着
部としての当接片部４６が形成されている。

５１は前記掃除機本体１の集塵室３に着脱自在
に装着される集塵フイルターで、通気性を有する
紙袋等からなり、この集塵フイルター５１の開口
端部５２の開口面積は、前記吸込口部材３１の後
端面の面積より大きくなつている。

次に、この実施例の作用について説明する。

集塵フイルター５１の装着は、蓋体４１を開い
た状態で行なう。このとき、第２図に示すよう
に、ばね３３の付勢により、吸込口部材３１はそ
の集塵室３側が嵌合凹部２５から離反する方向へ
傾いている。そして、この吸込口部材３１の集塵
室３側の端部、すなわち、取付壁部に、集塵フイ
ルター５１の開口端部５２を被せ、ついで、蓋体
４１を閉じる。蓋体４１を閉じるには、まずその
係合突片４５を掃除機本体１の係合段部２４に係
合し、つぎに蓋体４１をその前縁を中心として図
示時計廻り方向へ回動させる。そうすると、クラ
ンプ４３の係合爪部４４が揺動して掃除機本体１
の係合受部２３に係合されるとともに、蓋体４１
の両側面の後縁部が掃除機本体１の嵌合段部２２
に嵌合されて、蓋体４１が掃除機本体１に取着さ
れる。

この状態で、集塵フイルター５１の開口端部５
２にその全周に亘つて、吸込口部材３１の外周面
と掃除機本体１の本体側挟着部としての嵌合凹部
２５の内周面および蓋体４１の蓋体側挟着部とし
ての当接片部４６の下面とが気密に挟着されて、
集塵フイルター５１が集塵室３内に保持される。

掃除時には、使用者は、ハンドル９を把持し
て、吸込口部材３１を被掃除面上で摺動させる。
そうして、電動送風機１１の駆動により、吸込口
部材３１より吸込まれた塵埃が集塵フイルター５
１内に貯溜される。なお、このとき、吸込口部材
３１の弁体３５は風圧により開く。

集塵フイルター５１内にある程度塵埃が溜つた
ら、この集塵フイルター５１を捨て、新しい集塵
フイルター５１に交換する。そのためには、まず
蓋体４１を開く。蓋体４１を開くには、まずクラ
ンプ４３を押して、その係止爪部４４を掃除機本
体１の係合受部２３から脱し、ついで蓋体４１の
係合突片４５を掃除機本体１の係合段部２４から
脱す。このように蓋体４１を開くと、ばね３３の
付勢により、吸込口部材３１が回動して、その集
塵室３側が開口部２１方向へ移動する。この状態
では、集塵フイルター５１の開口端部５２に掃除
機本体１と蓋体４１とは当接されていないので、
開口端部５２を閉じるように摘んで集塵フイルタ
ー５１を引くだけで、その開口端部５２が吸込口
部材３１から抜け、集塵フイルター５１が脱れ
る。

つぎに、新しい集塵フイルター５１を前述のよ
うに装着し、蓋体４１を閉じる。

このような集塵フイルター５１の交換は、第１
図に示すように掃除機本体１をその下面を下にし
て載置した状態で行なうこともできるが、第２図
に示すように掃除機本体１をその後面を下にして
立てた状態で行なうこともできる。このように立
てた状態で作業を行なえば、特に塵埃の溜つた集
塵フイルター５１を脱す際、その開口端部５２か
ら塵埃がこぼれてしまうことはない。

上記構成によれば、集塵フイルター５１の開口
端部５２に口枠を設けておらず、開口端部５２を
吸込口部材３１に保持するための保持リングなど
も必要ない。したがつて、この口枠を保持する保
持板などを集塵室３に設ける必要がなく、製造時
に口枠を集塵フイルター５１に接着する手間を要
さないので、安価な電気掃除機を提供できるとと
もに、不良品の発生率も小さくすることができ
る。そして、上記実施例に示したようなハンデイ
タイプの小型掃除機において、かりに口枠を集塵
フイルター５１に設けたとすると、口枠は小さな
ものとならざるを得ず、製造時に口枠の接着作業
等が難しくなるとともに、使用時に集塵フイルタ
ー５１の装着作業が難しくなるから、上述のよう
に集塵フイルター５１に口枠を設けないことは小
型掃除機に対して特に効果的である。

また、前述のように、集塵フイルター５１の開
口端部５２に保持リングを装着することなく、開
口端部５２を単に吸込口部材３１に被せ、つい
で、蓋体４１を閉じるだけで集塵フイルター５１
を容易に装着でき、その作業に手間を要さない。
そして、装着状態では、集塵フイルター５１の開
口端部５２にその全周に亘つて吸込口部材３１と
掃除機本体１および蓋体４１とが挟着されるの
で、この集塵フイルター５１は確実に保持され
る。さらに、集塵フイルター５１を脱す際も、蓋
体４１を開けてこの集塵フイルター５１を引くだ
けでよく、その作業は容易である。

また、上述のように、集塵フイルター５１の開
口端部５２を、吸込口部材３１と掃除機本体１お
よび蓋体４１とで挟着保持するようにしたので、
開口端部５２の開口面積の相異に対する許容性が
大きく、互換性に優れた電気掃除機とできる。

なお、吸込口部材３１を付勢するばね３３を設
けなくとも、この吸込口部材３１の上面前端部を
押せば、この吸込口部材３１が回動するので、集
塵フイルター５１の着脱は当然行なえる。しかし
ながら、このようにばね３３を設けない構造とし
た場合、特に掃除機本体１を立てて着脱作業を行
なう際、上方に位置した吸込口部材３１を押さな
ければならないため安定性に若干問題がある。一
方、上記実施例のように、ばね３３により吸込口
部材３１を付勢する構造とすれば、蓋体４１を開
いた際、吸込口部材３１が開口部２１方向へ自動
的に回動するので、集塵フイルター５１の着脱を
見易く容易に行なえるとともに、安定した状態で
作業を行なうことができる。

また、吸込口部材３１は例えば掃除機本体１に
着脱自在としてもよいが、上記実施例のように、
吸込口部材３１を掃除機本体１に回動自在に支持
する構造とすれば、吸込口部材３１を着脱する手
間を要さないとともに、集塵フイルター５１の着
脱もより容易に行なえる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、袋状の集塵フイルターの開口
端部を、吸込口部材の取付け壁部に着脱自在に被
せ、この吸込口部材の取付け壁部と、掃除機本体
の本体側挟着部およびその開口部を開閉する蓋体
の蓋体側挟着部とにて挟着保持することにより、
開口端部に保持リングなどを装着することなく容
易に集塵フイルターの着脱を行なえるとともに、
この集塵フイルターが集塵室内に確実に保持さ
れ、また集塵フイルターに口枠を接着したり、こ
の口枠を保持する保持板を設けたりする必要がな
いので、不良品の発生率を小さくでき、かつ、安
価な電気掃除機とできるとともに、集塵フイルタ
ーの開口端部の開口面積にある程度の差異があつ
てもこの集塵フイルターが装着可能であり、しか
も、集塵室の容積が小さい場合にも集塵フイルタ
ーを容易に装着することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電気掃除機の一実施例を示す
縦断側面図、第２図は同上蓋体を開けた状態の斜
視図である。 １……掃除機本体、３……集塵室、１１……電
動送風機、２１……開口部、２５……本体側挟着
部としての嵌合凹部、３１……吸込口部材、３３
……弾性体としてのばね、４１……蓋体、４３…
…クランプ、４６……蓋体側挟着部としての当接
片部、５１……集塵フイルター、５２……開口端
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電動送風機を内蔵しこの電動送風機に連通する
   集塵室を内部に設けこの集塵室に臨んで開口部を
   形成した掃除機本体と、 前記掃除機本体にクランプにより前記開口部を
   開閉する蓋体と、 前記集塵室と外部とを連通する吸込口部材と、 前記開口部を介して集塵室内に着脱自在に装着
   される袋状の集塵フイルターとを備え、 前記掃除機本体には前記吸込口部材を挟持する
   本体側挟着部を設け、 前記蓋体には前記吸込口部材を挟持する蓋体側
   挟着部を設け、 前記吸込口部材には前記袋状フイルターの開口
   端縁を着脱自在に被せて取付ける取付け壁部を設
   け、 前記袋状の集塵フイルターの開口端部を、前記
   吸込口部材に集塵室側から着脱自在に被せこの吸
   込口部材と前記掃除機本体の本体側挟着部および
   蓋体の蓋体側挟着部とにより挾着保持した ことを特徴とする電気掃除機。