JPH0334928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は電気部品をプリント基板上に固定する
装置に係り、特に比較的大型で背の高い電気部品
に適した固定装置に関する。

従来の技術 従来、電解コンデンサのような比較的大型の電
気部品をプリント基板上に実装する場合、電解コ
ンデンサの底面にボンド等の接着剤を付してプリ
ント基板に固定するのが一般的であつた。

考案が解決ようとする問題点 しかし、そのような固定のし方では電解コンデ
ンサが比較的大きいためプリント基板における実
装スペース及び高さ方向のスペースが大きくな
り、しかも縦長のものであれば作業中に作業者の
手や治工具に当り易くプリント基板裏側のパター
ン面においてリード線のハンダ付部分がパターン
はがれを起こす危険性があつた。

このパターンはがれを防止するために電解コン
デンサを横向きに倒して高さを低くしプリント基
板と対向する箇所に接着剤を付してプリント基板
に固定する方法もとられている。しかし、その場
合、プリント基板における実装スペースは一層大
きくなる。

本考案は、このような従来の問題点を解決し、
比較的大型の電気部品をプリント基板上に実装す
る際、その安定性を高めると共に高さ方向のスペ
ースを小さくし、また実装密度を上げることを目
的とする。

問題点を解決するための手段 そのため、本考案では、電気部品をプリント基
板上に固定する装置において、該電気部品を倒し
た状態で載置し保持するホルダと、該ホルダに対
し単一の直線上に設けられ該ホルダの幅よりも小
さい幅を有する支持部から構成され、該支持部の
底面には前記プリント基板上の該支持部と対向す
る箇所に実装された部品に対応する溝が形成さ
れ、該支持部をプリント基板上に固定してなる電
気部品固定装置を特徴とする。

作 用 電気部品はホルダにより支持部を介して他の電
気部品の上部近傍に固定されるため、プリント基
板に直接実装されるのは支持部のみとなり、しか
も、支持部は他の電気部品の間に挿入できるた
め、実装スペースを大幅に低減できる。また、電
気部品を横向にした状態で固定するため縦長の電
気部品の場合高さが低くなり、高さ方向のスペー
スも低減でき、作業中に起こり易いパターンはが
れの危険性も減少する。

考案の実施例 以下、図面を用いて本考案の実施例を説明す
る。第１図は本考案に係る電気部品固定装置を示
す図であり、ａは斜視図、ｂは第１図ａにおける
Ａ−A′断面図である。電気部品固定装置１は電
解コンデンサ４を保持するための中空部を有する
ホルダ２と、ホルダ２をプリント基板上に支持す
る支持部３からなる。ホルダ２の内径は電解コン
デンサ４の外径とほぼ等しく、その中空部に電解
コンデンサ４を挿入して固定する。支持部３はホ
ルダ２の下部に沿つて単一の直線上に細長に形成
されており、その幅は電解コンデンサ４の外径よ
りも短く設定されている。この固定装置１の材質
として例えばゴム（ネオプレンゴム、ウレタンゴ
ム等）又はABS樹脂が採用でき、特にゴムが耐
振性に優れ好ましい。

第２図はこの固定装置を用いて電解コンデンサ
をプリント基板に固定したときの斜視図を示す。
電解コンデンサ４は横向きに倒した状態でホルダ
２の中空部に挿入されて保持され、そのリード線
６はプリント基板５の裏面でハンダ付される。電
解コンデンサ４をより強固にホルダ２に保持させ
るならば、両者間を接着剤で固定すればよい。支
持部３は接着剤によりプリント基板５に固定され
電解コンデンサ４をプリント基板５上に強固に固
定する。尚、支持部３は電解コンデンサ４を他の
電気部品７，８の上部近傍で固定できるような高
さに設定されており、それにより支持部３の近傍
まで他の電気部品を実装することができ、実装密
度を上げることができる。本実施例では固定装置
１とプリント基板間の固定は接着剤で行つたが、
場合によつてはプリント基板の裏面からネジ止め
することも可能であり、そうすることにより電解
コンデンサをより強固に固定できる。

以上のように本実施例では電解コンデンサのプ
リント基板上に占める実装スペースが細長の支持
部３の実装スペースのみとなるため他の電気部品
間に挿入でき、実装密度が向上する。しかも電解
コンデンサを横向きに倒した状態で強固に固定で
きるため高さ方向のスペースも減少でき、電解コ
ンデンサの固定にも信頼性を増す。

第３図は電気部品固定装置の他の実施例を示す
斜視図であり、１１はホルダ、１２は支持部であ
る。本実施例の場合、電解コンデンサはホルダ１
１上に接着剤を用いて保持される。支持部１２は
２つに分割しているが、第１図の如く一連のもの
としてもよい。この実施例では第１図に示す固定
装置よりも構造が簡単なため、低コストになり、
電解コンデンサの固定作業も容易になる。

以上の実施例ではプリント基板表面上の空地を
利用して電気部品固定装置の支持部を固定した
が、現在のより高密度な実装が要求される状況に
おいてはその支持部の接合面積すら確保出来ない
場合も多い。

第４図はそのような問題を解決する実施例を示
す斜視図である。プリント基板２５にはジヤンパ
ー線２６，２７がすでに実装されており、その場
所に固定装置２１の支持部２３を固定する場合に
ついて説明する。図中、破線で囲んだ部分が支持
部２３を実装する場所である。支持部２３の底面
３０、即ちプリント基板２５との接合面にはジヤ
ンパー線２６，２７に夫々対応した溝２８，２９
が形成されている。そのため、溝２８，２９によ
りジヤンパー線２６，２７をさけることができ
る。そして接着剤を底面３０において溝２８，２
９を除いた分に塗布してプリント基板２５に固定
する。従つて、ジヤンパー線等の線材が実装され
ている場所でも、それをさけて且つ接着強度をあ
まり低下させることなく固定装置、ひいては電解
コンデンサを固定できる。

尚、本実施例ではジヤンパー線上に実装する場
合に限られるものではく、横置き型の抵抗、ダイ
オード等の小型部品上に実装する場合にも適応で
きることはもちろんである。

以上の実施例では電解コンデンサを固定する場
合について述べたが、他の比較的大型な電気部品
にも本考案は適応できる。

考案の効果 以上、詳細に説明したように本考案によれば電
解コンデンサのような比較的大型の電気部品は他
の電気部品の上部近傍に固定されて、プリント基
板上の実装スペースは電気部品固定装置の支持部
底面のみとなり、しかも支持部は他の電気部品間
に挿入できるため実装密度が大幅に向上する。ま
た、当該電気部品を倒した状態で強固にプリント
基板へ固定できるため、高さが低くなり高さ方向
のスペースが減少し、安定した固定状態を得るこ
とができる。また、固定装置の構造が非常にコン
パクトなため低コストで実現できる。

更に他の部品上に当該固定装置を固定する場合
は、支持部の底面に該他の部品と対応する溝を設
けるようにしたため、より一層実装密度を上げる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す
図、第３図は本考案の他の実施例を示す図、第４
図は本考案の更に他の実施例を示す図である。 図中、１，２１は電気部品固定装置、２，１１
はホルダ、３，１２，２３は支持部、４は電気
部、５，２５はプリント基板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気部品をプリント基板上に固定する装置にお
   いて、該電気部品を倒した状態で載置し保持する
   ホルダと、該ホルダに対し単一の直線上に設けら
   れ該ホルダの幅よりも小さい幅を有する支持部か
   ら構成され、該支持部の底面には前記プリント基
   板上の該支持部と対向する箇所に実装された部品
   に対応する溝が形成され、該支持部をプリント基
   板上に固定してなることを特徴とする電気部品固
   定装置。