JPH0331703Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は紙箱内が複数個に区画されるように中
仕切板があり、しかも中仕切板と一緒に組越しが
でき、かつ使用前には折畳んでおける中仕切りに
関するものである。

【従来の技術】 紙箱内に中仕切板を収納し、中仕切板の仕切部
を箱の組立て時に起立させることができる中仕切
箱としては、実公昭54−40337号公報に示されて
いるような箱にかぎらず多数存在する。 これらの箱は多数のそれぞれの平行な斜切込線
の上下端部から、それぞれ垂直な折曲線を設けた
構造の仕切板を設けたものであるが、この中仕切
りについて特に実願昭60−3326号（実開昭61−
119917号）には従来のものに比して改善が施され
ている。その要旨とするところはその明細書及び
図面に詳しく記載されているが、仕切中に納まる
ビン類やとくにアンプル等の破損しやすいものの
場合、ビンの下部に来る中仕切が間にないため、
中にビンを収納した場合に隣りのビンが接触して
割れることがあつた。

【考案の目的及び問題点】

上述の従来例に見られる中仕切板を有する箱で
は仕切中に収納したビン類がとくに底の周囲で接
触して破損することがあるのでこれを防止できる
ようにすることを目的とし、そのため中仕切りに
ついて一層の構造上の検討を加えてこれを改善し
とくに隣接仕切中のビン類の底外縁が互に接触し
ないように、しかもビンにクツシヨン性を与える
ようにするものである。

【問題点を解決するための手段】

上述の問題点を解決するために本考案ではとく
に中仕切の構造を改善した。すなわち少なくとも
側板、前板、後板、底板、蓋板からなる紙箱の前
板、後板または紙箱内を二分する内部仕切板の上
部または下部に中仕切板が連設されるか、あるい
は紙箱と別個に設けられて、組み立て成形される
紙箱内に収納する中仕切板において、該中仕切板
は、上下方に貼着部を有する仕切板、および該仕
切板の側方に折曲線を介して貼着片が連設され、
かつ仕切板には帯状の中央貼着部、該貼着部を介
して上下に等間隔に複数個の階段状切目を、一方
の階段状切目が他方の階段状切目に対して水平部
の長さの略1/2ずつずらして対称位置に設け、そ
してそれぞれの階段状切目の始端と終端が一つお
きに一致して、この一致した階段状切目の始端と
終端とを結ぶ折曲線を設けてなり、かつ中仕切板
の上下の階段状切目は、始端側水平部分が始端よ
り中央側に突出する形状とし、それぞれ仕切部と
支え部を形成し、上下階段状切目の対称軸線上
に、階段状切目による仕切部の仕切片の先端と支
え部の支え片の先端が位置するごとく形成され、
前記中央貼着部を箱の一方板に、他貼着部を対向
板に固着してなることを特徴とする仕切としたも
のである。

【作用】

本考案の仕切りは実開昭61−119917号の明細書
および図面に記載された仕切りを改善したもの
で、上記のように、中仕切板上下の段階状切目の
仕切部と支え部が、上記対称軸線上にそれぞれ仕
切部の仕切片の先端（下端）と支え部の支え片の
先端（上端）が位置するように形成して、各仕切
中に収納されている隣接のビンの底周が互に接触
しないようにした。

【実施例】

本考案の仕切を以下図示の実施例によつて説明
する。第１図は本考案の仕切りを有する紙箱のブ
ランクシートを示し、該ブランクシートにおいて
側板１、前板２、側板３、後板４および貼着片５
がそれぞれ順に連設されている。 側板１，３の下端に舌片６が、また前板２、後
板４の下端には底板７がそれぞれ折曲線を介して
連設されていて、側板１，３の上端には舌片８が
連設され、前板２には中仕切板９が、後板４には
蓋板１０が連設されている。 上記中仕切板９は、上下方に貼着部１１，１
１′を有する仕切板１２、該仕切板１２の両側方
を貼着部１１′上方に折曲線を介して貼着片１３，
１３が連設されている。 前記貼着部１１の上方中央に帯状の中央貼着部
１４を有し、該中央貼着部１４を中心として上下
に等間隔に複数個の段階状切目１５ａ，１５ｂ
を、一方の階段状切目１５ａが他方の階段状切目
１５ｂに対して、その水平部分の長さの略ほぼ1/
２ずつずらして対称の位置に設け、また前記上下
に設けた階段状切目１５ａ，１５ｂのそれぞれの
両端を上下に垂直に結ぶ折曲線１６ａ，１６ｂを
前記階段状切目１５ａ，１５ｂの水平部分を交わ
るようにする。 すなわちそれぞれの階段状切目の始端（中仕切
板の中央側）と終端一つの階段状切目おきにその
上下位置関係を一致し、この一致した始端と終端
とを折曲線にて結ばれている。 そして中央貼着部１４の中心線を対称軸線ａと
し、これより上を支え部１７ａ、下を仕切部１７
ｂとしており、また階段状切目１５ａ，１５ｂの
始端側水平部分がこの始端より中央側に突出する
形状とされていて、前記支え部１７ａの階段状切
目１５ａの始端（下端）側の曲線部に囲まれた部
分を支え片１８ａとし、同様に仕切部１７ｂの階
段状切目１５ｂの上端側の曲線部に囲まれた部分
を仕切片１８ｂとしている。 さらに、この支え片１８ａの下端と、仕切片１
８ｂの上端が中央貼着部１４の中央である対称軸
線ａの位置に配列されるように構成する。これに
よつて、支え片１８ａと仕切片１８ｂは上下で1/
２ピツチずつずらして設けられることになる。 第２図は第１図のブランクシートに組立方の説
明図である。中仕切板９の貼着部１１，１１′の
表面、及び中央貼着部１４の裏面、貼着片１３の
表面に接着剤を塗布した後、仕切板１２および貼
着片１３をそれぞれ手前に折曲げ、前板２に接着
後、貼着片５を貼り合わせて筒状体を形成する。
第３図は組立て状態であり部分破断面を示す。筒
状体を方形に起立させると同時に底板７を貼り合
わせ、折曲線１６ａ，１６ｂを直角に起立させ
る。 本考案の仕切板は上記実施例のように箱の前、
後板に設けるだけでなく、前、後板と同幅で箱を
二分割する内部仕切板を設けた箱において、前
板、後板、あるいは内部仕切板と一体に折線を介
して設け、二列に配置させることもできる。また
箱とは別個に中仕切板を設け、後で各貼着部を介
して一体に設けても良い。

【作 用】

本考案の仕切は上述のようになつており、実開
昭61−119917号の考案のものは仕切片１８′ｂと
支え片１８′ａとは第４図の組立破断面説明図の
ようになつており、これを側面から見れば第５図
の通りで両者の先端部には開きがある。従つて例
えばアンプルなどのビンＡを入れると隣接仕切り
に入つているビンの底の周縁が接触して破損する
ことがあるが、本考案のものの場合は側面から第
５図同様に見ると第６図の側断面説明図のよう
に、仕切片１８ｂと支え片１８ａの先端は「面
一」に配列されているので、従つて各仕切りに隣
接して収容されているビンの周縁は互いの接触に
よる破損が起こらず、支え片によるクツシヨン性
もよい。上記の支え片１８ａと、仕切片１８ｂの
先端は面一に配列されていなくても、例えば多少
交錯してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の「仕切」を有する紙箱のブラ
ンクシートの平面図、第２図は上記紙箱の組立説
明図、第３図は同じく組立て後の紙箱の一部破断
を示す説明図、第４図は従来例（実開昭61−
119917号）の組立て後の箱の一部破断説明図、第
５図は第４図の紙の支え片と仕切片の関係を示す
側断面説明図、第６図は本考案の仕切における支
え片と仕切片との関係を示す側断面説明図であ
る。 １，３……側板、２……前板、４……後板、５
……貼着片、６，８……舌片、７……底板、９…
…中仕切板、１０……蓋板、１１，１４……貼着
部、１２……仕切板、１３……貼着片、１５ａ，
１５ｂ……階段状切目、１６ａ，１６ｂ……折曲
線、１７ａ……支え部、１７ｂ……仕切部、１８
ａ……支え片、１８ｂ……仕切片、ａ……中央貼
着部１４の対称軸線、Ａ……ビン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 組み立て成形される紙箱内に収納する中仕切板
   において、 該中仕切板は、上下方に貼着部を有する仕切
   板、および該仕切板の側方に折曲線を介して貼着
   片が連設され、かつ仕切板には帯状の中央貼着
   部、該貼着部を介して上下に等間隔に複数個の階
   段状切目を、一方の階段状切目が他方の階段状切
   目に対して水平部の長さの略1/2ずつずらして対
   称位置に設け、そしてそれぞれの階段状切目の始
   端と終端が一つおきに一致して、この一致した階
   段状切目の始端と終端とを結ぶ折曲線を設けてな
   り、かつ中仕切板の上下の階段状切目は、始端側
   水平部分が始端より中央側に突出する形状とし、
   それぞれ仕切部と支え部を形成し、上下階段状切
   目の対称軸線上に、階段状切目による仕切部の仕
   切片の先端と支え部の支え片の先端が位置するご
   とく形成され、前記中央貼着部を箱の一方板に、
   他貼着部を対向板に固着してなることを特徴とす
   る仕切。