JPH033010Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は移動体用TVのダイバーシテイー受信
装置、特に受信状態に基づきTVアンテナを切替
え、最適なTVアンテナを用いてTV放送用電波
の受信を行う改良されたダイバーシテイー受信装
置に関する。

［従来の技術］ 近年、自動車等の移動体にTV受像器が搭載さ
れるケースが増加しており、このようにして用い
られる車両用TVは、公共テレビ放送の受信用と
してはもちろんのこと車両の各種データ表示用と
しても用いられている。

従来、このような車両用TVとして、TV放送
用電波の受信信号を映像信号と音声信号とに分離
し、車速が一定速度以下の停止時には映像信号及
び音声信号の双方をTVから出力し、また車速が
一定速度以上の走行時には音声信号のみをTVか
ら出力するものが知られている。

このようなTV装置によれば、車両運転中には
音声のみが出力されるため、ドライバーは画面に
気を取られることなく車両進行方向に注意力を集
中し運転することができ安全運転上極めて好まし
い。

ところで、このような車両用TV装置は、車両
の走行状態により電波の受信状態が変るため、画
質の劣化が問題となる。

このため、従来このような車両用TV装置にお
いては、複数の車両用TVアンテナを設け放送用
電波の受信状態に応じて最適なTVアンテナを選
択使用するダイバーシテイー受信システムが採用
されている。

このようなシステムとして、従来複数の車両用
TVアンテナを予め設けておき、受信信号から分
離された映像信号の受信状態に基づき最適TVア
ンテナを選択使用する車両TVのダイバーシテイ
ー受信装置が周知である。この装置は、映像信号
の垂直帰線期間に同期して、映像信号レベルを基
準レベルと比較し最適TVアンテナを選択する選
択切替動作を行つているため、TV画面上に常に
良好な画像を表示することができる。

ところで、前述したようにこのような車両用
TV装置においては、画像表示は車両の停止時に
おいてのみ行い、車両走行中においては受信信号
から分離した音声信号の出力のみを行う。

しかし、従来のダイバーシテイー受信装置は、
車両走行中にも映像信号に基づいた最適TVアン
テナの選択切替を行つていたため、車両走行中に
変化する音声信号の受信状態に応じてTVアンテ
ナの切替を迅速に行うことができないという欠点
があつた。

すなわち、車両走行中にはTV放送用電波の電
界変動が頻繁に発生し、受信信号から良好な音声
出力を得るためには、この電界変動に追従して
TVアンテナの切替を迅速に行う必要がある。

しかし、従来の装置は、アンテナの切替動作を
映像信号の垂直同期の帰線期間に同期して行つて
いるため、最適アンテナ切替動作は１秒間に最大
60回しか行うことができず、この結果、走行中に
発生するTV放送用電波の電界変動にアンテナ切
替動作が追従せず、良質な音声を出力することが
できないという欠点があつた。

考案の目的 本考案は、このような従来の課題に鑑み為され
たものであり、その目的は、移動体の停止時には
良好な映像信号を得ることができ、移動体の移動
時には良好な音声信号を得ることの可能な移動体
用TVのダイバーシテイー受信装置を提供するこ
とにある。

［問題点を解決するための手段］ 前記目的を達成するため、本考案の装置は、複
数の移動体用TVアンテナと、映像信号に基づき
最適TVアンテナを指定する第１のアンテナ指定
回路と、音声信号に基づき最適TVアンテナを指
定する第２のアンテナ指定回路と、を含む。

そして、移動体の停止時には第１のアンテナ指
定回路により指定されるTVアンテナを用い、移
動体の移動時には第２のTVアンテナ指定回路に
より指定されたTVアンテナを用い、TV放送用
電波の受信を行うことを特徴とする。

［作用］ 以上の構成とすることにより、本考案の装置
は、移動体停止時において映像表示及び音声出力
の双方を行う場合には、映像表示用の良好な映像
信号を得ることができる。

更に、本発明によれば、移動体の移動時に、音
声のみを出力する場合には、音声出力用の良好な
音声信号を得ることができる。

このようにして、本考案によれば、移動体の移
動状態に応じて最適なタイミングでTVアンテナ
の選択切替を行い、良好な受信信号を得ることが
可能となる。

［実施例］ 次に本考案の好適な実施例を図面に基づき説明
する。

本考案のダイバーシテイー受信装置は、各種移
動体用TVに適用可能であり、実施例においては
本考案を車両用TVに適用した場合を例に取り説
明する。

第１実施例 第１図には本考案に係るダイバーシテイー受信
装置の好適な実施例が示されており、本考案の装
置には、ダイバーシテイー受信用の複数の車両用
TVアンテナ１０が設けられている。

実施例において、TVアンテナは１０Ａ，１０
Ｂの２本設けられており、これら各TVアンテナ
１０Ａ，１０Ｂの受信信号は切替回路１２に入力
される。

切替回路１２は、TV放送用電波の受信用に用
いるTVアンテナ１０Ａ，１０Ｂの切替を行うも
のであり、受信アンテナのいずれか１方の受信信
号を選択しチユーナー１４に向け出力する。

このチユーナー１４は受信信号の選局を行うも
のであり、高周波増幅器１６、局部発振器１８及
び混合器２０の周知の回路をもつて構成されてい
る。そして、チユーナー１４にて選局された受信
信号は、映像中間周波増幅器２２にて増幅され、
画像表示回路２４及び音声出力回路２６に向けそ
れぞれ出力される。

ここにおいて、前記画像表示回路２４は、映像
検波回路２８、映像増幅器３０、垂直偏向及び水
平偏向回路部を介してブラウン管３６の偏向回路
に接続された同期偏向回路３２、ブラウン管３６
のグリツドに接続された色度回路３４、の周知の
構成からなる。そして、映像中間周数増幅器２２
を介して出力される信号から映像検波回路２８に
て映像信号を検波し、これの検波信号映像増幅器
３０にて増幅した後、ブラウン管３６のグリツ
ド、同期偏向回路３２及び色度回路３４にそれぞ
れ入力し、これによりブラウン管３６に映像信号
の映像表示を行つている。

また、実施例の音声出力回路２６は、音声分離
回路４０、音声中間周波増幅器４２、音声検波回
路４４及び音声増幅器４６の周知の構成からな
り、映像中間周波増幅器２２から出力される信号
から音声信号を分離しこれを検波してスピーカ４
８から音声信号を出力する。

このように実施例の車両用TVは受信信号から
映像信号と音声信号とを分離し映像信号をブラウ
ン管３６上に画像表示するとともに、音声信号を
スピーカ４８から出力する。

また、本実施例の装置は、車両の停止、走行を
判別するドライブ状態判別回路５０と、映像検波
回路２８及び映像増幅器３０の間に設けられ検波
信号をオンオフするスイツチ５２と、を含み、ド
ライブ状態判別回路５０が車両停止状態を検出し
た際スイツチ５２をオンし車両走行状態を検出し
た際スイツチ５２をオフする。

第２図には、ドライブ状態判別回路５０の回路
構成が示されており、実施例の回路は、パーキン
グスイツチ、サイドブレーキが共にオンされかつ
車速が一定の基準速度以下の場合に車両停止状態
を判別しアンドゲートからＨレベルの信号を出力
してスイツチ５２をオンし、これ以外の場合には
車両が走行状態であると判別しアンドゲートから
Ｌレベルの信号を出力しスイツチ５２をオフす
る。ここにおいて、車速の検出は、車速検出パル
スをハイパスフイルタを介して比較器に入力し、
ここで該パルスを所定の基準値と比較することに
より行つている。

従つて、実施例の装置は、車両が停止している
状態では、スイツチ５２がオンされるため、ブラ
ウン管３６上に画像が表示されかつスピーカ４８
からは音声が出力される。また、車両走行時には
スイツチ５２がオフされるため、ブラウン管３６
上における映像表示は行われず、スピーカ４８か
ら音声のみが出力される。

このようにして、実施例の装置は、車両走行時
にはスピーカ４８から音声のみを出力し、走行中
にブラウン管３６上に画像表示することによつて
引起こされるドライバの注意力の低下を防止して
いる。

ところで、このような車両用TV装置は車両走
行中にテレビ放送用電波の受信状態が変化するた
め、良好な画像と音声を得るためには、このよう
な電波の受信状態の変化に応じて受信に使用する
TVアンテナ１０Ａ，１０Ｂを最適なアンテナに
切替えるダイバーシテイー受信システムを採用す
ることが好ましい。

本考案の特徴的事項は、映像信号に基づき最適
TVアンテナを指定する第１のアンテナ指定回路
と、音声信号に基づき最適TVアンテナを指定す
る第２のアンテナ指定回路と、を含み、車両停止
時には第１のアンテナ指定回路により指定される
TVアンテナを用い、また車両走行時には第２の
アンテナ指定回路により指定されるTVアンテナ
を用い、TV放送用電波の受信を行うダイバーシ
テイー受信システムを採用したことにある。

ここにおいて、前記第１のアンテナ指定回路６
０は、映像検波回路２８から出力される映像信号
の同期信号レベルを予め設定されたアンテナ切替
基準レベルと比較し、映像信号が基準レベルを下
回つた場合には他のアンテナへの切替を指定する
Ｈレベルのアンテナ切替信号を出力する。ここに
おいて、このような第１のアンテナ指定回路６０
による最適アンテナ指定動作は、映像信号に基づ
き、画像の垂直同期の帰線期間内に行われる。

従つて、実施例の第１のアンテナ指定回路６０
によるTVアンテナ１０Ａ，１０Ｂの指定は、ブ
ラウン管３６上に１画面が表示される毎にその垂
直同期の帰線期間に同期して１秒間に最大60回行
われることになる。

また、実施例の第２のアンテナ指定回路６２
は、音声中間周波増幅器４２からアンテナ誘起電
圧に比例した音声信号を取出し、該音声信号を予
め設定したアンテナ切替基準レベルと比較し、音
声信号が該基準レベルを下回つた際アンテナの切
替を指示するＨレベルのアンテナ切替信号を出力
する。ここにおいて、第２のアンテナ指定回路６
２は、前記第１のアンテナ指定回路６０と異な
り、このような最適アンテナ指定動作を画像の垂
直同期の帰線期間に限ることなく常時行つてい
る。

そして、これら第１のアンテナ指定回路６０及
び第２のアンテナ指定回路６２の出力は切替回路
６４により選択され、選択された出力はＴ型フリ
ツプフロツプ６６の入力端子Ｔに供給される。そ
して、このフリツプフロツプ６６は切替回路６４
を介して第１又は第２のアンテナ指定回路６０又
は６２からＨレベルの切替信号が入力される毎
に、切替回路１２から出力される受信信号の切
替、すなわちTV放送用電波の受信用に用いるア
ンテナ１０Ａ，１０Ｂの切替を行う。

ここにおいて、第１及び第２のアンテナ指定回
路６０，６２の切替回路６４は、フリツプフロツ
プ６８よりその切替動作が行われ、このフリツプ
フロツプ６８はドライブ状態判別回路から車両停
止時を表すＨレベルの信号が出力されると切替回
路６４に第１のアンテナ指定回路６０の出力を選
択させ、またドライブ状態判別回路５０から車両
走行時を表すＬレベルの信号が出力されると切替
回路６４に第２のアンテナ指定回路６２の出力を
選択させる。

本実施例のダイバーシテイー受信装置は以上の
構成からなり次のその作用を従来の受信装置と比
較して説明する。

第３図には従来のダイバーシテイー受信装置が
示されており、この従来装置は、映像検波回路２
８の出力に基づき最適TVアンテナ１０Ａ，１０
Ｂの指定を行う第１のアンテナ指定回路６０のみ
を有し、アンテナ１０Ａ，１０Ｂの切替を、車両
の走行停止にかかわりなく常にこの第１のアンテ
ナ指定回路６０の出力に基づき行つている。

ここにおいて、車両停止時における動作を比較
すると、本考案に係る装置も従来装置も、ドライ
ブ状態判別回路５０から出力されるＨレベルの信
号に基づきスイツチ５２をオンし、ブラウン管３
６上に映像信号を画像表示するとともに、スピー
カ４８から音声信号を出力する。

この際、本考案の装置は、ドライブ状態判別回
路５０の出力に基づき、切替回路６４が第１のア
ンテナ指定回路６０の出力を選択し、フリツプフ
ロツプ６６に入力する。

従つて、本考案に係る装置も、従来装置も、映
像検波回路２８から出力される映像信号に基づき
最適TVアンテナ１０Ａ，１０Ｂを指定し、切替
回路１２にこの出力信号に応じた切替動作を行わ
せる。

この結果、車両停止時においては、本考案に係
る装置も、従来装置も、画像表示の垂直同期の帰
線期間に同期して１秒間に60回の最適アンテナ指
定動作を行い、ブラウン管３６上に良好な画像を
表示しかつスピーカ４８から音声を出力すること
ができる。

次に、車両走行時における本考案に係る装置と
従来装置の動作を比較すると、いずれの装置もド
ライブ状態判別回路５０から出力されるＬレベル
の信号によりスイツチ５２をオフし、ブラウン管
３６上に画像表示を行うことなくスピーカ４８か
ら音声信号のみを出力する。

ここにおいて、従来の装置は、車両走行時にも
第１のアンテナ指定回路６０の出力に基づきアン
テナの切替動作を行つているため、車両走行中に
発生する放送用電波の電界変動に対するアンテナ
の切替タイミングが遅れ、良質な音声を出力する
ことができないという問題がある。

すなわち、第１のアンテナ指定回路６０は、ア
ンテナの切替動作を前述したように垂直同期の帰
線期間に同期して行つているため、最適アンテナ
切替動作は１秒間に最大60回しか行うことができ
ず、この結果走行中に発生するTV放送用電波の
電界変動にアンテナ切替動作が追従せず、良質な
音声を出力することができないという問題があ
る。

これに対し、本考案に係る装置は、ドライブ状
態判別回路５０から出力されるＬレベルの信号に
より切替回路６４に第２のアンテナ指定回路６２
の出力を選択させ、音声信号に基づき最適アンテ
ナ指定動作を常時行つている。

この結果、本考案によれば、車両走行中にTV
放送用電波の電界変動が発生してもこの電界変動
にリアルタイムで追従してTVアンテナ１０Ａ，
１０Ｂの切替を行うことができるため、従来の装
置に比し、良好な音質の音声を出力することが可
能となる。

なお、前記実施例の装置においては、第２のア
ンテナ指定回路６２の最適アンテナ指定動作を、
音声中間波増幅器４２から得られる音声信号に基
づき行つていたが、本考案はこれに限らず、第４
図に示すごとく、音声検波回路４４からハイパス
フイルタを介して音声信号に含まれる雑音を取出
し、該雑音レベルの大小により最適アンテナ指定
動作を行うことも可能である。この場合には、第
２のアンテナ指定回路６２は、音声検波回路４４
から入力される雑音レベルを予め設定された基準
レベルと比較し、雑音レベルが基準レベルを上回
つた場合に受信状態が低下したと判断しアンテナ
切替信号を出力する。

なお、前述した各実施例はいずれも本考案の装
置を車両用TVに適用した場合であるが、本考案
はこれに限らず、他の移動体TV用のダイバーシ
テイー受信装置にも用いることが可能である。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、TV放
送用電波の電界変動に応じた最適TVアンテナの
選択を、車両停止時には映像信号に基づき行い、
車両走行時には音声信号に基づき行うことによ
り、TV放送用電波の受信を常に良好に行うこと
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る移動体用TVのダイバー
シテイー受信装置の好適な実施例を示すブロツク
図、第２図は第１図に示す装置のドライブ状態判
別回路の回路図、第３図は従来の車両用TVのダ
イバーシテイー受信装置を示すブロツク図、第４
図は本考案の他の実施例を示すブロツク図であ
る。 １０Ａ，１０Ｂ……TVアンテナ、４０……音
声分離回路、４４……音声検波回路、６０……第
１のアンテナ指示回路、６２……第２のアンテナ
指示回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) TV放送用電波の受信信号を映像信号と音声
   信号とに分離し、移動体の速度が一定値以下の
   停止時には映像信号及び音声信号の双方をTV
   から出力し、速度が一定値以上の移動時には音
   声信号のみをTVから出力する移動体用TVの
   ダイバーシテイー受信装置であつて、 複数の移動体用TVアンテナと、 前記映像信号に基き最適TVアンテナを指定
   する第１のアンテナ指定回路と、 前記音声信号に基き最適TVアンテナを指定
   する第２のアンテナ指定回路と、 を含み、停止時には第１のアンテナ指定回路に
   より指定されるTVアンテナを用い、移動時に
   は第２のTVアンテナ指定回路により指定され
   るTVアンテナを用い、TV放送用電波の受信
   を行うことを特徴とする移動体用TVのダイバ
   ーシテイー受信装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)記載の装置におい
   て、 第２のアンテナ指定回路は、音声分離回路に
   より分離出力される音声信号のアンテナ誘起電
   圧に比例した電圧に基づき最適TVアンテナを
   指定することを特徴とする移動体用TVのダイ
   バーシテイー受信装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲(1)記載の装置におい
   て、 第２のアンテナ指定回路は、音声分離回路及
   び音声検波回路を介して出力される音声信号の
   歪み量に基づき最適TVアンテナを指定するこ
   とを特徴とする移動体用TVのダイバーシテイ
   ー受信装置。