JPH03293703A - 強磁性金属粒子およびその製法 - Google Patents

強磁性金属粒子およびその製法

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JPH03293703A
JPH03293703A JP2199057A JP19905790A JPH03293703A JP H03293703 A JPH03293703 A JP H03293703A JP 2199057 A JP2199057 A JP 2199057A JP 19905790 A JP19905790 A JP 19905790A JP H03293703 A JPH03293703 A JP H03293703A
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iron
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ferromagnetic metal
oxyhydroxide
film
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JP2199057A
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English (en)
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Mikiteru Tagawa
公照 田川
Seiichi Takahashi
清一 高橋
Noritoshi Utsuno
宇津野 徳利
Hideki Umehara
英樹 梅原
Fujio Hayashi
林 富士男
Shigeo Koba
繁夫 木場
Satoru Suda
覚 須田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高密度記録に適した磁気記録媒体に於ける磁
性粉末として、粒子表層部が亜鉛、ニッケル、マンガン
、アルミニウム、クロム、銅から選択される少なくとも
1種の金属とコバルトと鉄とからなるスピネル構造を持
つフェライト化合物の皮膜として積層被覆していること
を特徴とする強磁性金属粒子及びその製造方法に関する
〔従来の技術〕
オーディオテープ、ビデオテープに代表される磁気記録
媒体に用いられる磁性粉末は、従来のT−酸化鉄やCo
−7酸化鉄が主体であった。
近年更なる高密度記録が望まれるようになり、オキシ水
酸化鉄あるいは酸化鉄を主体とする粉末を還元性ガスに
よる気相接触還元反応させることによって得られる金属
鉄もしくは合金を主体とする強磁性金属粒子が、高い保
磁力、高い飽和磁化を有するので、検討されるようにな
ってきた。
磁気記録用媒体は、オーディオ用、ビデオ用を問わず広
い記録周波数帯域での高出力化、低ノイズ化が要求され
る。
そのため、磁性粉末に要求される項目としては、例えば
、その形状としては針状若しくは角柱状のものであり、
粒子のサイズとしてはより微細なものであり、酸化に対
するより安定性のあるものであり、環境劣化又は耐候性
試験に対する高飽和磁化を維持するものである。
従来、鉄もしくは鉄を主体とする金属化合物を出発原料
として還元性雰囲気中で加熱還元し、鉄もしくは鉄を主
体とする強磁性金属粒子粉末を得るために、幾つかの方
法が提案されている。
■ 例えば、特開昭52−134858に提案されてい
る方法では、オキシ水酸化鉄もしくは酸化鉄に、特定の
元素をドープしたものを出発原料として、Si、AIの
水酸化物を付着させる処理した後、加熱還元し強磁性金
属鉄を得る方法である。
■ また、特開昭54−122663.54−1226
64に提案されている方法は、オキシ水酸化鉄もしくは
酸化鉄又はこれらに特定の元素をドープしたものに、Z
nI Cr、 Cu+ Co、 Nt + Mn、 s
bの水酸化物を付着させる処理をした後、加熱還元して
強磁性金属鉄を得る方法である。
■ また、特開昭59−173209に提案されている
方法は、M g + T x + M n + Co 
+ N i + Cu + Z nの化合物と第1鉄イ
オン(Fe”″)の水溶液をそれぞれ中和し、水酸化物
とした後、空気を吹き込みスピネル型化合物とし、これ
をオキシ水酸化鉄粒子に被着し、その後還元を行い、強
磁性金属粒子とする方法である。
■ また、加熱・還元によって得られた鉄もしくは鉄を
主体とした金属は、そのままでは大気中で酸化燃焼した
り、強磁性金属の酸化が進行することによる磁気特性の
経時劣化する。
そこで、大気中で安全に取り扱うことを可能にし、磁気
特性の経時劣化を防止するために、加熱・還元によって
得られた鉄もしくは鉄を主体とした強磁性金属粒子の金
属表面を意図的に部分酸化し、急激な酸化反応を防ぐ方
法が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述のように、磁気記録媒体の更なる高出力・低ノイズ
化が要求されるために、高密度記録用の磁性粉末として
の強磁性金属粒子に対する要求は、高い飽和磁化を損な
うことなく、更に微粒子化されることである。
したがって、微粒子の酸化に対する安定性付与、又、微
粒子の焼結を防止し形態を制御することなどの更に困難
な問題点が多く残されている。
例えば、従来の技術において ■ オキシ水酸化鉄≠にSi、AIの水酸化物を付着し
、その後還元により強磁性金属粒子を得る方法では、微
粒子に対する焼結等に起因する形態保持が難しい。
更にこの金属鉄粒子をゆるやかに酸化して表面に酸化皮
膜を形成しても、酸化鉄の皮膜しか形成されず、酸化の
進行を防止することには間邪が残っている。
■ Zn、Cr、Cu、Co、Ni、Mn、Sbの化合
物の水溶液を中和することにより水酸化物とし、オキシ
水酸化鉄もしくは酸化鉄又はこれらに特定の元素をドー
プしたものに付着した後、還元により金属鉄粒子を得る
方法では、とくに、中和により得られる金属水酸化物粒
子は、結晶化速度が速く、オキシ水酸化鉄粒子と同サイ
ズかそれより大きいサイズの結晶まで成長するために、
付着効果に乏しく、またこれらの金属水酸化物の結晶粒
子とオキシ水酸化鉄の結晶粒子が独立に存在し、単なる
混合物となっている。
そのために、加熱還元の工程で、これらの金属水酸化物
によるオキシ水酸化鉄粒子の形態保持する効果が乏しく
、還元後の金属鉄粒子は、形態が崩れているものが多く
観察される。更に、これらの金属水酸化物粒子が還元さ
れることにより発生した金属粒子または酸化物粒子が混
在している。
更に、還元後の強磁性金属鉄粒子を微量の酸素により緩
やかに酸化を行い、酸化皮膜を形成しても、酸化鉄の皮
膜を形成するに止まり、酸化の進行を防止することには
問題が残っている。
■ またMg+Ti、Mn、Co、Ni、Cu、Zn 
 イオンと第1鉄イオンとを中和し水酸化物を形成し、
その後空気酸化を行いスピネル型化合物とし針状のオキ
シ水酸化鉄に被着を行いその後加熱還元し強磁性金属粒
子を得る方法では、次のような問題点が残っている。
まず、これら特定の金属と第1鉄イオンを中和し水酸化
物を形成する過程で、水酸化第1鉄の結晶粒子およびこ
れら金属の水酸化物の結晶粒子が形成されて後、これら
を空気酸化することによってスピネル型化合物を形成す
る。このスピネル型化合物の粒子をオキシ水酸化鉄粒子
に被着するのであるが、その量は、オキシ水酸化鉄中の
Fe腺子に対しスピネル化合物中の構成元素が6原子%
以上では効果が飽和に達すると共に、スピネル型化合物
がオキシ水酸化鉄表面から遊離する量が増えて(るため
マイナスの効果が出てくるという欠点があった。
そこで、本発明は、高い保磁力、高い飽和磁化を有して
いながら、その形状としては針状若しくは角柱状のもの
であり、粒子のサイズとしてはより微細なものであり、
酸化に対するより安定性のあるものであり、環境劣化又
は耐候性試験に対する高飽和磁化を維持する強磁性金属
粒子を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の課題を解決するために鋭意検討を
した結果本発明に到達したのである。
本発明の基本的な技術思想について、より明確に把握で
きるように説明する。
まず、Zn+ L + Mn、 AI+ Cr、 Cu
の2価及び3価イオンとCoの2価イオンと第2鉄イオ
ン(Fe” )  と或いはAI Crの3価イオンと
COの2価イオンと第1鉄イオン(Fe” )とを同時
に中和し、直接複合金属水酸化物とする。この複合金属
水酸化物、例えばZn”とCo”とFe”との複合金属
水酸化物のX線回折スペクトルを図1に示す、この図か
ら■回折角度からスピネル構造を有していること。
■線幅が広いことから微小な結晶であること。
■ハローのあることからその結晶は不完全であること(
結晶化度が低い結晶であるともいう)。
等が判る。
すなわち、結晶化度の非常に低い局所的にスピネル型空
間格子構造を持つ超微細粒子のフェライトである複合金
属水酸化物が形成されていることが確認される。
また、ここで生成した複合金属水酸化物の磁気特性を測
定すると、常磁性的なものであり、スピネル構造から推
定するに超常磁性粒子となることが推定される。このこ
とからも局所的にスピネル型空間格子構造を持つフェラ
イトであることが確認される。
そこで、鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子が分散した
スラリー中で、亜鉛、ニンケル、マンガン、アルミニウ
ム、クロム、銅から選択される少なくとも一つの金属と
コバルトと鉄とを同時に中和し、中和と同時に直接スピ
ネル化合物として生成するゲルを、ただちに該オキシ水
酸化物粒子表面に積層被覆した皮膜として形成させる。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察すると、オキシ水酸化
物粒子全表面に積層被覆した皮膜が形成されていること
が判る。
また、粒子表面、例えば、鉄を主体とするオキシ水酸化
物粒子とZ n” とC02゛とFe” とにより形成
した粒子表面のχ線光電子スペクトル(Xrays  
P hotoelectron  S pectros
copy以下χPSと略す、)を測定した。この結果か
ら、粒子表面に存在する金属の原子価が、Zn”°とC
o”とFe”であることが判る。
このように、本発明により得られる超微細粒子のスピネ
ル構造を持つフェライトは、オキシ水酸化物粒子に対し
て極端に微細な単位で成り立っており、つまり局所的に
スピネル型空間格子構造となっており、オキシ水酸化鉄
粒子の存在下で同時に中和し、直接スピネル構造を持つ
フェライトとすれば表面全体に堆積が進行し、積層被覆
した皮膜が形成される。しかも、多量に堆積させても、
剥離などの現象はほとんど見られないので、スピネル構
造を持つフェライト皮膜層の厚みを自由に制御できるも
のである。
本発明により得られる超微細構造のスピネル構造を持つ
フェライト皮膜を、表面に有する鉄を主体とするオキシ
水酸化物粒子は、加熱・還元により強磁性金属粒子とし
ても、この皮膜の性質により形態保持効果が優れている
更に緩やかな表面酸化後に強磁性金属粒子の全表面に形
成される酸化皮膜は、上記の超微細構造のスピネル構造
を持つフェライト皮膜構造が継承されており、酸化安定
性の良好な緻密な酸化皮膜が得られるのである。 ここ
で、本発明と比較するのために、Mg、Ti、Mn、C
o、Ni、Cu、Zn  イオンと第1鉄イオンと(2
価と2価の系である)を中和し水酸化物を形成し、その
後空気酸化を行いスピネル型化合物とし針状のオキシ水
酸化鉄に被着を行いその後加熱還元し強磁性金属粒子を
得る従来技術について簡単に述べる。
まず、これら特定の金属と第1鉄イオンと(2価と2価
の系である)を中和し水酸化物を形成する過程で、水酸
化第1鉄の結晶粒子およびこれら金属の水酸化物の結晶
粒子が形成される。これらの粒子をX線回折スペクトル
により解析すると、これらの粒子はスピネル構造を有し
ていないこと、線幅が狭く結晶が大きいことなどが判る
次の工程で、これらを空気酸化することによって生成す
る粒子をX線回折スペクトルにより解析すると次のこと
、 ■スピネル構造を持つ化合物を形成していること。
■線幅が狭く結晶が大きいこと。
■ハローもなく結晶が完全である(結晶化度が非常に高
い)こと。
が判る。
このスピネル型化合物の粒子をオキシ水酸化鉄粒子に被
着するという技術思想に基づいている。
また、これとは別に、オキシ水酸化鉄粒子に金属イオン
をドープして後、高温で合金にして強磁性金属粒子を製
造する技術思想もある。
本発明者らは、前述の目的を達成するために、この様な
基本技術思想の基に開発した強磁性金属粒子である。
すなわち、本発明は、粒子表屓部が亜鉛、ニッケル、マ
ンガン、アルミニウム、クロム、銅から選択される少な
(とも1種の金属とコバルトと鉄とからなるスピネル構
造を持つフェライト化合物の皮膜として積層被覆してい
ることを特徴とする強磁性金属粒子である。
更に該スピネル構造を持つフェライト化合物が2価の金
属、3価の金属からなる複合酸化物であることを特徴と
するものである。
また、更には該構造を有する金属微粒子は、出発原料と
して鉄を主体とする針状のオキシ水酸化鉄の表面に前記
構造を基本単位とするスピネルフェライト及びスピネル
フェライト水和物の皮膜を有するものを加熱・還元する
ことにより得られ、空気と接触させ安定化させた後、強
磁性金属粒子として利用できるのである。
本発明の強磁性金属粒子表面にある亜鉛、ニッケル、マ
ンガン、アルミニウム、クロム、銅から選択される少な
(とも1種の金属とコバルトと鉄とのスピネル構造を持
つフェライト化合物の皮膜とは、強磁性金属粒子の粉末
法のX線回折像を調べること及びXPSを調べることに
より特定される。
XPSは、同体表面の構成元素やその化学状態を知るた
めの電子分光法による分析手法である。
固体試料表面にX線を照射し、X線によって励起された
表面の元素から光電子が放出される。この光電子の運動
エネルギーを測定することにより電子の結合エネルギー
が求められ、元素の同定と化学結合状態を調べることが
出来る手段である。
この様な手段により、表面部に存在する特定元素とその
原子価が求められる駅である。
更に粉末X線回折からの情報から主な構造を求める手段
とを組み合わせることにより、本発明である亜鉛、ニッ
ケル、マンガン、アルミニウム、クロム、銅の少なくと
も一種の金属とコバルトと鉄とからなるスピネル構造を
有するフェライトの皮膜として積層被覆していることを
特徴とする強磁性金属粒子が、本発明の目的とする微粒
子に於いて良好な形状を有することが判明し本発明に到
達した訳である。
また本発明でいうスピネル構造を持つフェライト化合物
とは、微細構造を持つ結晶性の低い構造を有するもので
あり、粉末X線回折の測定では、フロートな広がりを持
つ特性を有しているものである。
本発明のスピネル構造を持つフェライト皮膜は、粉末X
線回折により詳細に調べたところ、例えば、2価の亜鉛
イオンと2価のコバルトイオンと第2鉄イオンの同時中
和により得られる超微細粒子の回折ピークと、本発明で
得られるコバルトのスピネルフェライト皮膜を有する強
磁性金属粒子のスピネルフェライト部の回折ピークは非
常に類領しており、基本的な皮膜構造をオキシ水酸化鉄
の表面の皮膜を良く継承していることが判るる。
また、本発明でいう鉄を主体としたオキシ水酸化物粒子
表面にある亜鉛、ニッケル、マンガン、アルミニウム、
クロム、銅から選択される少なくとも1種の金属とコバ
ルトと鉄とのスピネル構造を持つフェライト化合物の皮
膜は、スピネル構造を主体とした、2価の金属、3価の
金属の複合酸化物または複合水酸化物からなるものであ
り、粉末法X線回折、電子顕微鏡観察による皮膜の判定
とxPSによる表面部の状態分析により特定されるもの
である。
また、鉄を主体としたオキシ水酸化物粒子又は強磁性金
属粒子の大きさ或いは形状については、特に制限はない
が、本発明の効果が著しい高密度磁気記録媒体用の金属
磁性粉末としては、粒子形状が針状であり、長軸の粒子
の長さが少なくとも0.3μ麟以下である強磁性金属微
粒子が好ましい。
また、本発明で得られる鉄を主体とする強磁性金属粒子
は耐酸化安定性に優れている特徴を有するものである。
耐酸化安定性の測定方法としては、強磁性金属粒子を高
温度、高湿度の条件下、例えば60°C,902相対温
度下に放置し、一定時間、例えば−週間経過させた後の
飽和磁化(σs申)の測定により判定することができる
このような耐蝕性試験後の飽和磁化の値は、構成元素、
積層皮膜の厚み、粒子の長さ、軸比により種々変化する
ことから、値としての制限はないが、高密度磁気記録媒
体用の金属粒子として好ましくは、粒子の長さを変数と
した次式で表してみた。
すなわち、60°C190χ相対湿度下で一週間放置後
の飽和磁化(σ31)とすれば σs*(emu/g) > 80 + 100X粒子長
さ(μm)ここで、定数には次の範囲である。
K ≧ 100 また更に好ましくは、 a s本(emu K   ≧   150である。勿
論、この飽和磁化(σB)は、物質固有の飽和磁化を越
えないことは言うまでもない。
更に、強磁性金属粒子中に含まれる(フェライト被膜と
粒子本体との合計で)コバルト、亜鉛、ニッケル、マン
ガン、アルミニウム、クロム、銅の金属成分の量として
は制限はないが、鉄との重量比に於いて3%以上50%
以下が好ましい、またその他の成分として他金属及び非
金属元素が含有することに制限はないが、上記のフェラ
イト皮膜を構成する以外の非磁性元素を多量に含有する
ことは、磁化の低下を招き好ましくない、非磁性元素で
あれば少なくとも5%以下が好ましい。
形態の保護の効果を付与するために、Si、P、Bを少
量添加することは好ましい。
本発明の具体的な実施方法を更に説明する。
本発明は、鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子が分散し
たスラリー中で亜鉛、ニッケル、マンガン、アルミニウ
ム、クロム、銅から選択される少なくとも一つの金属と
コバルトと鉄とを同時に中和し、中和と同時に直接スピ
ネル化合物として生成するゲルをただちに該オキシ水酸
化物粒子表面に皮膜として形成させる工程と、該粒子を
出発原料として加熱・還元する工程からなる強磁性金属
粒子の製造方法である。更に発火性を止める為にゆるや
かに酸化することで磁気記録用強磁性金属粒子粉末とし
て利用できる。
更に詳細には、鉄を主体としたオキシ水酸化物粒子が分
散したスラリー中で亜鉛、ニッケル、マンガン、アルミ
ニウム、クロム、銅から選択される少なくとも1つの金
属の2価及び3価イオンとコバルトの2価イオンと第2
鉄イオン(Fe” )とを同時に中和し、直接スピネル
化合物として生成するゲルを該オキソ水酸化物粒子表面
に皮膜として形成させる手法またはアルミニウム、クロ
ムから選択される少なくとも一つの金属の3価イオンと
コバルトの2価イオンと第1鉄イオン(Fe”ゝ)とを
同時に中和し、直接スピネル化合物として生成するゲル
を該オキソ水酸化物粒子表面に皮膜として形成する手法
が利用できる。
鉄を生体とするオキシ水酸化物粒子表面に皮膜を形成す
る方法を更に具体的に説明する。
鉄主体とするオキシ水酸化物粒子を分散したスラリー水
溶液が利用できる。
分散の方法としては、ホモジナイザー、ディスノ々−等
の高速攪拌器により分散することが可能である。また、
分散にあたり分散剤、例えばオルトリン酸ソーダ、トリ
ポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸
塩類やメタ珪酸ソーダ、オルト珪酸ソーダ、水ガラス等
の珪酸塩類等を添加することは分散性を向上する上で好
ましい。
鉄主体とするオキシ水酸化物粒子を分散したスラリー水
溶液のpHは、スピネル構造の粒子の構成成分を同時に
中和する必要性からアルカリ性にすることが望ましい。
少なくともpH9以上の範囲が良好に利用でき、更に好
ましくはPI(10〜14である。
オキシ水酸化物粒子を酸性溶液で分散し、構成元素を溶
液中に溶解した後、アルカリ剤で中和する方法では、同
時に中和することが難しいためあまり好ましくない。
pH!II整のアルカリ剤としては、無機アルカリ塩類
であればよいが、工業的に安価なものとしてNaOHが
利用できる。またアルカリ側で製造した鉄を主体とする
オキシ水酸化物粒子スラリーであればそのまま利用でき
る。
スピネル皮膜の形成について、亜鉛、ニッケル、マンガ
ン、銅の2価イオンとコバルトイオンと第2鉄イオンの
場合について説明する(この他のイオンの場合について
も同様の方法となる)。
該金属の2価イオンとコバルトイオンと第2鉄イオンの
酸性混合水溶液を作成し、上記のスラリー中に徐々に添
加し、中和と同時にスピネル皮膜を形成する。
該金属と第2鉄イオンとは中和する限界PHが異なる為
、独立した沈澱とならないように、添加量を調整し、更
にアルカリ剤の添加調節し、pHの範囲は厳密に調整す
ることが望ましい、皮膜は、混合溶液の添加と同時に形
成される。
添加後のスラリーを一部とり電子顕微鏡により観察して
も、中和ゲルは観察されない、中和を速やかに完了させ
るために、スラリーの混合攪拌を充分に行うことが望ま
しい。
スラリーの混合攪拌が不充分であったり、pH節囲が酸
性側となれば、2価金属イオンとコバルトイオンと第2
鉄イオンは同時に中和されず、それぞれ独立の水酸化物
粒子となり、皮膜は形成されず、異物として点在する結
果となる。
中和温度は、沸点以下、氷点以上であれば良いが、工業
的に利用するには、20〜50’Cの範囲が好ましい。
本発明に利用できる2価金属と2価のコバルトと第2鉄
の塩類は、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などの無I!酸塩又
は、酢酸などの有IIflI塩であればよい、また3価
金属と第1鉄の塩類に関しても同様である。硝酸鉄に関
しては酸化性が強いため、第2鉄イオンで利用すること
が好ましい。
本発明に使用される鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子
は、それ自体公知の方法により製造されたものであって
も、特に限定するものではないが、比表ifi7mが4
0〜150ya”7g程度ノ微粒子テアリ、針状のもの
が好ましく、α−Pe00H,β−Felon、  7
FeOOHいずれの形態のものでも使用できる。
また、オキシ水酸化鉄そのものの他P、St、AI、T
i、Cr、Mn、CoJi、Zn等の元素から選ばれる
少なくとも一種の元素が共沈しているものも良好に使用
することができる。
本発明において、重要な点は、繰り返し述べるが、上記
金属単独のみでは本発明の効果が認められず、必ず、鉄
とコバルトと金属Meを「同時に中和し直接スピネル構
造を持つフェライトとして、ただちに皮膜とする」こと
にある、このことにより超微細な単位からなる不完全結
晶のスピネル構造を持つ鉄とコバルトと金属Meからな
るフェライト皮膜を形成することにある。
更に加熱・還元を行い目的とする強磁性金属粒子とした
後、ゆるやかに酸化すると、強磁性金属粒子表面にスピ
ネル構造を持つフェライト皮膜が形成され、磁気記録用
強磁性粒子として驚くべき効果を発揮するものが得られ
る。
ここで、積層被覆する鉄(Fe)と金属(Me)との原
子比は、0.1/1.0〜10.0/1.0の範囲であ
り、且つコバルト(Co)と金属(Me)との原子比は
、0.1/1.0〜10.0/1.0の範囲であり、且
っ鉄(Fe)とコバルト(Co)との原子比は、0.1
/1.0〜10.0/1.0の範囲で効果を発揮できる
。更に、スピネルフェライトの組成比を内包する範囲も
含まれる。かかる範囲で同時に中和することで皮膜を形
成し、より顕著な効果を示すのが本発明の特徴である。
 本発明において、焼結防止・形態保持のためにS++
^I、B、P等を同時にもしくは前後の別工程で添加す
ることは好ましい。
ここで使用するSi、A1.P、Bは、水溶性塩類、水
酸化物コロイド、金属アルコキシド及びキレート化合物
を使用することができる。
Siとしては、コロイダルシリカ、メタ珪酸ソーダ、オ
ルト珪酸ソーダ、水ガラス、メトキシシラン等である。
AIとしては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、これらの部分
加水分解物、コロイダルアルミナ、アルミン酸ソーダ等
のアルミン酸塩類、アルミニウムイソプロポキシド等の
アルコキシド類、アルミニウムトリスアセチルアセトナ
ート等のキレート化合物及びその複合塩類等である。B
としては、硼酸、硼酸ソーダ等の硼酸塩類、テトラメト
キシボラン等のアルコキシド類及びキレート化金物等で
ある。Pとしては、リン酸、ヘキサメタリン酸ソーダ、
トリポリリン酸ソーダ等のリン酸塩類である。
積層被覆する量としてはオキシ水酸化物粒子の金属成分
の量に対して特に制限はないが、Feとして0.3〜2
00χまで可能である。好ましい範囲としてFeとして
100〜3%程度である。 200%を越えても、積層
被覆しないわけではないが、粒子の肥大化したり、操作
上や経済上から、一応の目安としている。また、0.3
%以下では、本発明の目的の効果に乏しい。
本発明において、加熱・還元は常法によっても実施でき
る。例えば、水素もしくは水素を主体とする還元性ガス
雰囲気下で300°C〜600°Cの温度範囲で還元す
ることにより達成される。予備的に300°C〜800
°Cの温度範囲で脱水・焼成を行ってもよい。
還元水素ガスの流量は速やかに還元反応が進行する充分
な量でよく、強磁性金属粒子Kg当たり、38m’/)
lr 〜4ONm3/Hr程度でよい。
発火性を防止するための酸化処理については、常法に従
って行ってもよい、また、トルエン等の有機溶媒に浸漬
し、乾燥する方法或いは、空気を希釈して緩やかな酸化
を行う方法を適用することもできる。
本発明により得られる強磁性金属粒子粉末は、磁気テー
プに代表される磁気記録媒体に作成することができる。
磁気記録媒体の製造方法としては、従来の方法が適用で
きる。例えば、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂等の結合樹脂成分と溶削成分と混合し、分散剤及
び分散IR器を用いて高度に分散し磁気塗料とし、各種
塗工機を用いて、ベースフィルム上に塗布し、磁場配向
、乾燥の後、カレンダーによる表面仕上げを行い磁気記
録媒体として利用することができる。
[実施例〕 以下に具体的に実施例を記載するが、これらのもののみ
が本発明とするものではない。
実施例1゛ 常法により製造したオキシ水酸化鉄粒子(αFe00)
1 )を用意した。長軸平均長さ0.2μ、軸比12で
あった。該オキシ水酸化鉄1.0Kgを純水30kに撹
拌分散し、その後pH・13.6まで水酸化ナトリウム
溶液を加え更に攪拌分散を行った。
次に硝酸第二鉄(Fe(NOi)i  ・9HzO)1
446 gr、 と硝酸コバルト(Co(NO3)2 
 ・6H20) 266 gr、  と硝酸亜鉛(Zn
(NO3)z  ・68zO) 272 gr  を計
量し、純水31に熔解し、Fe”とCo”とZn”の混
合?8液を作成した(Fe/Co+Znモル比= 2/
1 、 Co/Znモル比・l/1)。該混合溶液を咳
スラリー溶液に添加し、50゛Cで60分間、攪拌を続
けた。添加後のスラリー?容液のpHは122であった
該スラリーを濾過・洗浄・乾燥し、TEM(iWi過型
電型電子顕微鏡より観察を行った。観察の結果、オキシ
水酸化鉄表面部に皮膜状に形成した微細構造物が観察さ
れた。
更に該粒子を粉末xm回折により構造解析を行った所、
α−FeOOHの構造とは別に結晶化度の低いスピネル
構造ををする構造を示すものの存在が確認された。この
結晶化度の低いスピネル構造を有する構造を示すものを
同定するために、硝酸第二鉄と硝酸コバルトと硝酸亜鉛
とを純水に溶解し、Fe”°とCo”とznhの混合溶
液を作成しくFe/Coモル比= 2/1 、 Co/
Znモル比= 1/])、これを中和L7生成する不溶
物を作成する。
この物を乾燥して粉末X線回折により構造解析を行った
所、図1に示すスペクトルが得られ、上述と同様な結晶
性の低いスピネル構造を有する構造を示すものであるこ
とが判る。すなわち、このようなモデル的に作成した、
鉄とコバルトと亜鉛のスピネル型フェライトと同種の構
造を持つことが確認できた。
また、該粒子をXPSにより粉末表面の元素の状態分析
を行ったところ、第2図と第3図と第4図及び第5図に
示す通りFe”とGo”とZn”が確認され、皮膜は複
合酸化物または水酸化物であることが確認された。
上記粒子粉末を、500℃で焼成し、常法に従い水素気
流中で400°Cの温度で還元を行った。
次いで、還元粒子をトルエン中に浸漬後、常法で乾燥し
空気中に取り出した。
磁気特性の測定の結果、He −16150e 、 a
s w154 emu/g 、 R−0,53である。
また、透過型電子顕微鏡観察により、粒子観察を行った
結果、酸化皮膜を有する長軸平均長さが0.19μmの
微粒子であった。
60℃、90χRH(相対湿度)下での劣化促進試験を
行ったところ、−週間後のas = 142 emu/
gであり、僅か8χの低下率であり、優れた耐蝕性を有
していた。
高密度磁気記録用強磁性金属粒子として優れた特性を有
していることが判る。
該金属粒子粉末を粉末X線回折により観察した結果、α
−Feとは別に結晶化度の低いスピネル構造を持つ酸化
物が観察された。またXPSによる表面元素の状態分析
を行った結果、第6図と第7図と第8図及び第9図に示
すとおり、Zn”とCo”とp e 2 +が観察され
、皮膜構造に鉄とコバルトと亜鉛との複合酸化物がある
ことが確認された。
該金属粒子を分析電子顕微鏡(Analytical 
Elec−tron Microscol)31)によ
り観察し、針状粒子の表面部と粒子内部に存在する金属
元素の量を相対的に比較した結果、表面部にコバルトと
亜鉛元素が多く存在していることが判明した。
比較例1 実施例1のオキシ水酸化鉄を使用した。実施例1と同様
に、水酸化ナトリウムを添加し攪拌分散した後、硝酸コ
バルトのみを266 gr、溶解した溶液を添加し攪拌
混合した。濾過・洗浄・乾燥後、実施例1と同様の方法
により、TEM観察を行ない皮膜を調べた。
観察の結果、オキシ水酸化鉄の針状粒子とは別に六角板
状の粒子が多数観察され、またオキシ水酸化鉄表面部に
皮膜はra認されながっ・た。
粉末X線回折及び電子線回折により六角板状の粒子を同
定した結果、βCo (Oll) zであり、加水分解
により生した水酸化コバルトは独立した粒子であり、被
覆されていないことが確認された。
実施例1と同様に、加熱・還元を行い、強磁性金属粒子
とし更に実施例1と同様の処理を行い、TEM、磁気特
性、耐候性を調べた結果、針状粒子以外に粒状の粒子が
観察され、He・9800eas −135emu/g
 IR寓0.45であった。
また劣化後のas = 96es+u/gであり、高密
度磁気記録用材料として、不適性であった。
粒状の粒子を分析電子顕微鏡により金属元素を同定した
結果、コバルトが多量に検出された。
上記の結果からコバルトを単独で加水分解し、沈澱とし
ても鉄とコバルトとのスピネル構造を持たず、スピネル
構造を持つ積層被覆した皮膜がない強磁性金属粒子であ
ることが判明した。
比較例2 実施例1のオキシ水酸化鉄を使用した。実施例1と同様
に、水酸化ナトリウムを添加し攪拌分散した後、硫酸第
1鉄(FeSO,・7HzO) 50Rgr、と硫酸コ
バルト(CoSO,・7HzO) 257 gr、 と
を溶解した溶液を添加し攪拌混合した(Fe/Coモル
比・2/1) 。
添加後のスラリー溶液のp+(は工2.7であった。
その後空気を11/win  導入し酸化を続け3時間
混合を続けた。酸化の温度は50℃で行った。
該スラリーを濾過・洗浄・乾燥し、TEMにより観察を
行った。観察の結果、視野中にオキシ水酸化鉄粒子の長
さと同じくらい(0,2μm)の立方体の粒子が所々に
観察された。
この立方体の粒子を電子線回折及び分析電子顕微鏡によ
り解析し、同定した結果、コバルトフェライトであるこ
とが判明した。
これらの結果から、Fe”″とCol + との系では
、スピネル型フェライト粒子として独立に混在し、オキ
シ水酸化鉄粒子表面に皮膜として形成されていないこと
が判った。
実施例1と同様の方法により、加熱・還元を行い、強磁
性金属粒子とし更に実施例1と同様の処理を行い、TE
M、磁気特性、耐候性を調べた結果、針状粒子以外に粒
状粒子が観察されると共に、Hc= 9500e、  
cs = 140 emu/g 、 R= 0.43で
あった。
また、劣化後のcs = 95 emu/g  であり
、高密度磁気記録用金属粒子として、不適性であった。
粒状の粒子を分析電子顕微鏡により金属元素分析を行っ
た結果、COO量が多量にみられ、スピネルフェライト
粒子がそのまま還元されていることが判明した。また針
状の粒子を観察した結果、Coはほとんど検出されなか
った。
実施例2〜6 硝酸ニッケルと硝酸コバルトと硝酸第二鉄、硝酸マンガ
ンと硝酸コバルトと硝酸第二鉄、硝酸アルミニウムと硝
酸コバルトと硝酸第二鉄、硝酸クロムと硝酸コバルトと
硝酸第二鉄、硝酸銅と硝酸コバルトと硝酸第二鉄を使用
した以外は、実施例1と同様の方法でオキシ水酸化鉄粒
子に中和共沈により積層被覆を行った。
その結果、TEM、粉末X線回折、XPSの結果から、
表面にスピネル構造を持つフェライト化合物の皮膜を有
するオキシ水酸化鉄粒子であることが、確認された。
実施例1と同様の方法により、加熱・還元を行い強磁性
金属粒子粉末を得た。
実施例1と同様の処理を行い、TEM、磁気特性、耐候
性試験、粉末X線回折、XPSの測定を行った。主な結
果を第1表に示す。
TEM、磁気特性、耐候性試験の結果、高密度磁気記録
用磁性粉末として適した特性を有する強磁性金属粒子で
あることが確認された。
また粉末χ線回折、xPSの結果から、表面に、ニッケ
ルとコバルトと鉄、マンガンとコバルトと鉄、アルミニ
ウムとコバルトと鉄、クロムとコバルトと鉄、銅とコバ
ルトと鉄のスピネル構造を持つフェライト化合物の皮膜
を有することが確認された。表面にこれらの皮膜を有す
る事により、粒子の形態と磁気特性更に耐候性に優れた
特性を有する強磁性金属粒子となることが判った。
実施例7 実施例1で得られた、表面に亜鉛とコバルトと鉄のフェ
ライト皮膜を有するオキシ水酸化鉄粒子を純水に分散し
、コロイダルSing (日産化学製スノーテックス0
)をオキシ水酸化鉄に対し2%添加し、表面に吸着させ
た。
該オキシ水酸化鉄を乾燥し、実施例1と同様の方法で加
熱・還元し強磁性金属粒子粉末を得た。
実施例1と同様の処理を行い、TEM、l気持性、耐候
性試験、粉末X線回折及びXPSの測定を行った。TE
M、 M!を気持性、耐候性試験の結果を第2表に示す
。保磁力の更に増加があり、高密度磁気記録材料として
適した強磁性金属粒子であることが確認された。
粉末X線回折及びXPSの測定の結果、鉄とコバルトと
亜鉛のスピネル構造を持つ皮膜を有する強磁性金属粉末
であることが確認された。この結果から31を含有する
ことも、より良好な特性が得られることが判った。
実施例8〜10 実施例1で得られた、表面に亜鉛とコバルトと鉄のフェ
ライト皮膜を有するオキソ水酸化鉄粒子を、実施例7の
方法に従い、Si化合物に代えて、A1.P、Bの化合
物を吸着した。A1はアルミン酸ソーダ、Pi!燐酸、
Bはホウ酸を使用した。
濾過・洗浄乾燥後、実施例1と同様に加熱・還元を行い
強磁性金属粒子粉末を得た。実施例1と同様の処理を行
い、TEM、磁気特性、耐候性試験、粉末X線回折及び
xPSの測定を行った。
得られた主な結果を第2表に示す、高密度磁気記録用金
属粒子として適した材料であった。また鉄とコバルト亜
鉛とのスピネル構造を持つフェライト皮膜を有する強磁
性金属粒子粉末であった。
この結果からAI、P、Bを含有することも、より良好
な特性が得られることが判った。
比較例3 実施例1のオキシ水酸化鉄を使用した。スピネル構造の
フェライト皮膜を形成せず、実施例7とX様の方法によ
りコロイダルSiO□を吸着した。
実施例1と同様の方法により加熱・還元を行い強磁性金
属粒子粉末を得た。実施例1と同様の処理を行い、TE
M、磁気特性、耐候性試験を行った結果を第2表に示す
、TEMによる形態保持及び磁気特性は良好であるが、
耐候性試験による劣化が激しく高密度磁気記録用磁性粉
末として実用に不適性な強磁性金属粒子であった。
鉄とコバルトと亜鉛等の特定の金属とのスピネル構造を
持つフェライト皮膜を持たない強磁性金属粒子では効果
がないことが判明した。
実施例11 常法により、NiをFeに対して1%共沈した長軸平均
長さ0.25μm、軸比15のオキシ水酸化鉄粒子(α
−Felon )を原料とした。
実施例1と同様の方法により鉄とコバルト亜鉛とを共沈
により積層被覆した。TEM、粉末X線回折、xPSの
測定の結果、表面にスピネル構造を持つフェライト皮膜
を有するα−FeOOHであった実施例1と同様にして
、強磁性金属粒子粉末を得た。得られた主な結果を第3
表に示す。
また粉末X線回折、XPSの結果から表面にスピネル構
造を持つフェライト皮膜があった。
以上の結果より、共沈成分としてNiを含有するオキシ
水酸化鉄粒子でも、本発明の効果があることが判った。
実施例12 常法により作成した、粒子平均長さ0.27μ霧、軸比
10の7−Fe1onを原料として使用した。実施例1
と同様の方法で鉄とコバルト亜鉛を共沈により積層被覆
した。TEM、粉末XvA回折、XPS(7)測定の結
果、表面にスピネル構造のフェライト皮膜を有するr−
FeOOHであった。
実施例1と同様の方法で、強磁性金属粒子とし、各種特
性について測定した。主な結果を第3表に示す。
また粉末X線回折、XPSの結果から、表面にスピネル
構造を有するフェライト皮膜が観察された。オキシ水酸
化物の種類を変更しても、本発明の効果があることが判
った。
〔発明の効果) 本発明の作用・効果を纏めると、以下の通りとなる。
表面層部に特定の金属元素とコバルトと鉄からなるスピ
ネル構造を持つフェライト皮膜を有することを特徴とす
る本発明によれば、 (1)粒子形状は、オキシ水酸化物粒子とほぼ相偵形と
なり、その針状性をよく保持する。
(2)粒子の大きさについて、オキシ水酸化物粒子が微
粒子であっても、加熱・還元に対して焼結などの弊害も
起こし難く、微細な強磁性金属粒子が得られる。
(3)積層被覆する皮膜厚を任意に制御できる。
(4)高い保磁力を有する。
(5)高い飽和磁化を有する。
(6)酸化に対して安定性に優れている。
■ 環境劣化又は耐候性試験に対する高飽和磁化を維持
する。
(8)常法により磁気記録用媒体として、オーディオ用
、ビデオ用を問わず広い記録周波数帯域での高出力化、
低ノイズ化の要求に対して十分満足する特性を有する。
などの効果が得られる0以上の効果から判るように、本
発明は、高密度磁気記録に適した磁気粉末として、品質
改良の著しい強磁性金属粒子およびその製造方法を提供
するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、硝酸第二鉄と硝酸コバルトと硝酸亜鉛との混
合水溶液(Fe/Co/Znモル比= 4/1/l)を
中和して生成する不溶物(複合金属水酸化物)を粉末X
線回折により測定して、得られたスペクトルを示す図で
ある。 第2図は、オキシ水酸化物粒子表面に積層被覆した皮膜
の表面、例えば、鉄を主体とするオキジ水酸化物粒子と
Zn”と(o M aとFe”とを共沈により積層被覆
した粒子表面のX線光電子スペクトル(X −rays
  Photoelectron  5pectros
copy以下XPSと略す、)のうち、Z n”の結合
エネルギー状態スペクトルを示す図である。 第3図は、オキシ水酸化物粒子表面に積層被覆した皮膜
の表面、例えば、鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子と
7.ntoとCo”とFe”とを共沈により積層被覆し
た粒子表面のXPSのうち、Z n”の運動エネルギー
状態スペクトルを示す図である。 第4図は、オキシ水酸化物粒子表面に積層被覆した皮膜
の表面、例えば、鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子と
Zn”とco!+とFe’°とを共沈により積層被覆し
た粒子表面のXPSのうち、(o t *の結合エネル
ギー状態スペクトルを示す図である。 第5図は、オキシ水酸化物粒子表面に積層被覆した皮膜
の表面、例えば、鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子と
Zn”″とCo”とFe3°とを共沈により積層被覆し
た粒子表面のXPSのうち、Fe”の結合エネルギー状
態スペクトルを示す回である。 第6図は、実施例1で得られた積層被覆した皮膜ををす
る強磁性金属粒子の表面部のXPSのうち、Zn”″の
結合エネルギー状態スペクトルを示す図である。 第7図は、実施例1で得られた積層被覆した皮膜を有す
る強磁性金属粒子の表面部のXPSのうち、Zn”の運
動エネルギー状態スペクトルを示す図である。 第8図は、実施例1で得られた積層被覆した皮膜を有す
る強磁性金属粒子の表面部のXPSのうち、Co”の結
合エネルギー状態スペクトルを示す図である。 第9図は、実施例1で得られた積層被覆した皮膜を有す
る強磁性金属粒子の表面部のXPsのうち、Fe”の結
合エネルギー状態スペクトルを示す図である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)粒子表層部が亜鉛、ニッケル、マンガン、アルミ
    ニウム、クロム、銅から選択される少なくとも1種の金
    属とコバルトと鉄とからなるスピネル構造を持つフェラ
    イト化合物の皮膜として積層被覆していることを特徴と
    する強磁性金属粒子。
  2. (2)粒子表面に亜鉛、ニッケル、マンガン、アルミニ
    ウム、クロム、銅から選択される少なくとも1種の金属
    とコバルトと鉄とからなるスピネル構造を持つフェライ
    ト化合物の皮膜が積層被覆していることを特徴とする鉄
    を主体とするオキシ水酸化物粒子。
  3. (3)粒子が針状であり、長軸の粒子長さが少なくとも
    、0.3μm以下である特許請求の範囲第1項記載の強
    磁性金属粒子。
  4. (4)粒子が針状であり、長軸の粒子長さが少なくとも
    、0.3μm以下である特許請求の範囲第3項記載のオ
    キシ水酸化物粒子。
  5. (5)耐蝕性試験後の飽和磁化(σs*)が、次式で示
    される値をこえるもの σs*(emu/g)=80+100×粒子長さ(μm
    )であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    強磁性金属粒子。
  6. (6)積層被覆した皮膜中の鉄(Fe)と金属(Me)
    との原子比(Feのグラム原子/Meのグラム原子を言
    う。以下同じ。)が、0.1/1.0〜10.0/1.
    0の範囲である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の
    強磁性金属粒子。
  7. (7)オキシ水酸化物中の鉄に対する積層被覆した皮膜
    中の鉄Feの量比が、0.3〜200重量%であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の強
    磁性金属粒子。
  8. (8)鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子が分散したス
    ラリー中で亜鉛、ニッケル、マンガン、アルミニウム、
    クロム、銅から選択される少なくとも一つの金属とコバ
    ルトと鉄とを同時に中和し、中和と同時に直接スピネル
    化合物として生成するゲルを、ただちに該オキシ水酸化
    物粒子表面に積層被覆した皮膜として形成させる工程と
    、該粒子を出発原料として加熱・還元する工程からなる
    強磁性金属粒子の製造方法。
  9. (9)特許請求の範囲第8項の方法において、亜鉛、ニ
    ッケル、マンガン、アルミニウム、クロム、銅から選択
    される少なくとも1つの金属の2価イオン及び3価イオ
    ンと2価のコバルトイオンと第2鉄イオンを同時に中和
    し、直接スピネル化合物として生成するゲルを、鉄を主
    体とするオキシ水酸化物粒子表面に積層被覆した皮膜と
    して形成させる工程を有する強磁性金属粉末の製造方法
  10. (10)特許請求の範囲第8項の方法において、アルミ
    ニウム、クロムから選択されるすくなくとも1種の金属
    の3価イオン2価のコバルトイオンと第1鉄イオンを同
    時に中和し、直接スピネル化合物として生成するゲルを
    、鉄を主体とするオキシ水酸化物表面に積層被覆した皮
    膜として形成させる工程を有する強磁性金属粒子の製造
    方法。
  11. (11)特許請求の範囲第8項の方法に於いて、鉄を主
    体とするオキシ水酸化物粒子を分散剤存在下で分散した
    スラリーであることを特徴とする強磁性金属粒子の製造
    方法。
  12. (12)特許請求の範囲第8項の製造方法において、該
    共沈積層被覆形成を行う前工程又は後工程又は同時に、
    Si,Al,P,Bから選択される少なくとも一種の化
    合物を被着処理する工程を有する事を特徴とする強磁性
    金属粒子の製造方法。
  13. (13)鉄を主体とするオキシ水酸化物粒子が、P,S
    i,Al,Ti,Cr,Mn,Co,Ni,Znの少な
    くとも一種とオキシ水酸化鉄とを共沈しているものであ
    り、また、α−FeOOH,β−FeOOH,γ−Fe
    OOHのいづれかの形態であることを特徴とする特許請
    求の範囲第8項〜第12項記載の強磁性金属粒子の製造
    方法。
  14. (14)積層被覆した皮膜中の鉄(Fe)と金属(Me
    )との原子比(Feのグラム原子/Meのグラム原子を
    言う。以下同じ。)が、0.1/1.0〜10.0/1
    .0の範囲であり、且つ皮膜中のコバルト(Co)と金
    属(Me)との原子比が、0.1/1.0〜10.0/
    1.0の範囲であり、且つ皮膜中の鉄(Fe)とコバル
    ト(Co)との原子比が、0.1/1.0〜10.0/
    1.0の範囲である特許請求の範囲第8項〜第13項の
    いづれかに記載の強磁性金属粒子の製造方法。
  15. (15)オキシ水酸化物粒子中の鉄に対する積層被覆し
    た皮膜中の鉄Feの量比が、0.3〜200重量%であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第8項〜第13項の
    いづれかに記載の強磁性金属粒子の製造方法。
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