JPH0328559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は電子部品を基板に植設乃至挿入するた
めの自動挿入機に係り、殊にかかる自動挿入機に
おける基板搬送装置に係る。

（従来の技術） 従来、基板搬送装置はNC制御される基板保持
用Ｘ−Ｙテーブルの前後に搬入用ガイド台及び搬
出用ガイド台を有しており、これら両ガイド台は
電子部品の挿入作業時にはＸ−Ｙテーブルの運動
範囲外へ移動せしめられ、基板の搬送時にはＸ−
Ｙテーブルと連結せしめられる。また、両ガイド
台には基板を送り方向へ搬送するためのベルトコ
ンベヤ等の移送手段が設けてあり、更に搬入用ガ
イド台には基板を搬入用ガイド台からＸ−Ｙテー
ブルへ送り出すためのプツシヤーが設けてある。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来装置の場合、Ｘ−Ｙテーブル上から搬
出用ガイド台上への基板の搬送は、プツシヤーに
よつて後続の搬入用ガイド台上の基板をＸ−Ｙテ
ーブル上へ送り出す際に、この後続基板によつて
後方から押すことによつて行なわれる。通常、自
動挿入機は、挿入すべき電子部品の種類に応じ
て、複数台直列に配置して用いられる。従つて、
基板は種々異なる部品の挿入のために次々に次段
の挿入機へ送られるが、基板の種類によつて部品
挿入を行う必要のない挿入機があり、従つて基板
をそのまま次段へ空送りしたい場合がある。

このような要求に対し、上記の従来の搬送装置
では、後続の基板への挿入作業が前段の挿入機に
おいて終了した後、プツシヤーによつて新規の基
板をＸ−Ｙテーブル上へ送り出すことによつての
み対処し得るものであり、従つて、後続の基板へ
の挿入作業が終らない限り、たとえば次段の挿入
機が受け入れ可能の状態になつていたとしても、
次段へ送り込むことはできず、待機させておかね
ばならない。これは作業効率や経済性の上から極
めて不利である。

（問題点を解決するための手段） 本考案によれば上記の問題点は下記の特徴を有
する基板の搬送装置によつて解消される。即ち、
本考案の基板の搬送装置は、回転自在に保持され
た少なくとも一対の回転軸と、直接或は間接的に
該回転軸間に懸け渡されたベルトとによつて構成
される第１のベルトコンベアを有し、該ベルト上
に載置される基板に部品を挿入するヘツド手段に
対しＸ軸方向及びＹ軸方向へ制御移動せしめられ
る基板保持用Ｘ−Ｙテーブルと、前記Ｘ−Ｙテー
ブルの一端側に隣接して設けられ、基板搬送時に
は上記第１のベルトコンベアと接続されると共に
部品挿入作業時には上記Ｘ−Ｙテーブルの運動範
囲外へ移動され、且つ回転自在に保持された少な
くとも一対の回転軸と、直接或は間接的に該回転
軸間に懸け渡されたベルトと、駆動源とによつて
構成された第２のベルトコンベアを有する搬入用
ガイド台と、前記Ｘ−Ｙテーブルの他端側に隣接
して設けられ、基板搬送時には上記第１のベルト
コンベアと接続されると共に部品挿入作業時には
上記Ｘ−Ｙテーブルの運動範囲外へ移動され、且
つ回転自在に保持された少なくとも一対の回転軸
と、直接或は間接的に該回転軸間に懸け渡された
ベルトと、駆動源とによつて構成された第３のベ
ルトコンベアを有する搬出用ガイド台と、前記基
板搬送時に、前記第２と第３のベルトコンベアの
うちの少なくとも一方の前記回転軸の回転力を前
記第１のベルトコンベアの回転軸に伝達する回転
軸接続手段とを有することを特徴とする。

（作用） Ｘ−Ｙテーブルの基板移送手段は、このテーブ
ルが搬入用ガイド台又は搬出用ガイド台もしくは
その両方に接続されたときに、このガイド台の基
板移送手段と駆動結合され、従つてＸ−Ｙテーブ
ルの基板移送手段は搬入用ガイド台又は搬出用ガ
イド台もしくは両者の基板移送手段を駆動するこ
とによつて駆動せしめられ、Ｘ−Ｙテーブル上の
基板は後続の基板に関係なく任意に搬出用ガイド
台上へ搬送される。

（実施例） 第４図は本考案による基板搬送装置を有する自
動挿入機を概略的に示しており、図中１は基板搬
送装置、２は挿入すべき電子部品を保持している
キヤリヤホルダ、３はキヤリアホルダから順次送
られてくる部品の待機部、４は部品を保持し挿入
するヘツド手段、例えばチヤツク、ばね作用によ
る保持装置、或いはエアーによる吸引装置であ
り、５はヘツド手段の駆動機構である。

基板搬送装置１は中央部にＸ−Ｙテーブル１０
を有し、その前後に搬入用ガイド台１１及び搬出
用ガイド台１２を有している。基板は搬入用ガイ
ド台１１に設けてあるコンベヤ等の基板移送手段
及び場合によりプツシヤーによつてＸ−Ｙテーブ
ル１０上へ送り込まれ、そこでヘツド手段４の作
動によつて電子部品を挿入され、この作業が終る
と搬出用ガイド台１２へ搬送される。

第１図及び第２図は本案の上記基板搬送装置を
詳細に示している。Ｘ−Ｙテーブル１０は基板の
送り方向に対して直角に延在するＹ軸１０ａ上に
軸線方向移動可能に支持されている。Ｙ軸１０ａ
は基板の送り方向に延在しているＸ軸１０ｂ上に
軸線方向移動可能に支持されたＸ軸テーブル１０
ｅ上に固定されている。従つて、Ｘ−Ｙテーブル
１０はヘツド手段４に対してＸ軸及びＹ軸方向に
水平移動することができ、この移動は従来の駆動
機構及び制御装置によつてNC制御することがで
きる。

Ｘ−Ｙテーブル１０の基板の送り方向に延びる
２本の平行に案内枠１０ｄを有しており、この両
案内枠は連結棒１０ｋによつて一体的に結合され
ている。この案内枠の内側にはそれぞれベルトコ
ンベヤ１０ｃから成る基板移送手段が設けてあ
る。ベルトコンベヤ１０ｃの上側走行部は案内枠
１０ｄから内方に水平に突出している支持片１０
ｆ（第３図）に支持されている。案内枠１０ｄは
更に支持片１０ｆの上方にそれと平行の縁部１０
ｇを有しており、かくしてベルトコンベヤ１０ｃ
の上側走行部と縁部１０ｇとの間には基板の側縁
部を支持案内する溝部１０ｈが形成されている。

搬入用ガイド台１１も上記のＸ−Ｙテーブル１
０の場合と同様に、基板の送り方向に延びる２本
の平行な案内枠１１ａを有しており、この案内枠
は連結棒１１ｂによつて結合され一体的になされ
ている。この案内枠１１ａの内側にも同様にベル
トコンベヤ１１ｃから成る基板移送手段が設けて
あり、それと共に基板の側縁部を支持案内する溝
部（図示せず）も設けてある。上記のベルトコン
ベヤ１１ｃはガイド台１１に設けたベルト駆動モ
ータ１１ｄによつて循環駆動せしめられ、一方の
ベルトコンベヤに加えられた駆動力は駆動伝達軸
１１ｅによつて他方のベルトコンベヤにも伝達さ
れ両ベルトの同期駆動がもたらされるようになさ
れている。

ガイド台１１は図示のように一方端が機枠１３
に枢軸支され、ピストン・シリンダー装置１４に
よつて傾動するように構成されている。基板をＸ
−Ｙテーブルへ搬入する際にはガイド台１１は第
１図において実際にて示す水平位置即ち、Ｘ−Ｙ
テーブル１０との連結位置へもたらされ、また挿
入作業の際にはＸ−Ｙテーブル１０の水平移動範
囲から外れた仮想線で示す個所へ傾動せしめられ
る。

ガイド台１１が水平位置、即ち連結位置へもた
らされたとき、ガイド台１１のベルトコンベヤ１
１ｃの駆動をＸ−Ｙテーブル１０のベルトコンベ
ヤ１０ｃへ伝達する手段１５が両者の間に設けて
あり、この手段は具体的には、ベルトコンベヤ１
１ｃの折り返し部において同ベルトコンベヤによ
つて回転駆動せしめられる軸１１ｆに固着された
駆動歯車１１ｇと、この歯車に噛合した状態に保
持されている係合歯車１１ｈと、ガイド台１１が
水平の位置にある際に上記の係合歯車１１ｈと噛
合する位置に設けたＸ−Ｙテーブル側の被動歯車
１０ｉとを有しており、この被動歯車１０ｉはベ
ルトコンベヤ１０ｃの前方折り返し部を支持する
軸１０ｊに固着されている。

上記の駆動歯車１１ｇと係合歯車１１ｈは、第
３図に示すように、軸１１ｆに回動可能に支持さ
れたく字状のレバー１１ｉに支持されており、こ
のレバーはねじりコイルばね１１ｊによつて係合
歯車１１ｈを歯車１０ｉ方向へ押動させるように
賦勢されている。この場合レバー１１ｉの回転範
囲はストツパー１１ｋによつて規制されている。
かかるねじりコイルばね１１ｊの作用により、係
合歯車１１ｈは被動歯車１０ｉとの係合状態が常
に良好に維持され、駆動歯車１１ｇの回転駆動は
確実に被動歯車１０ｉへ伝達される。

搬出用ガイド台１２は搬入用ガイド台１１と
略々同様の構成を有しているのでその細部の説明
は省略する。

上記の本考案による搬送装置の作動は以下のと
おりである。

Ｘ−Ｙテーブル１０は、その上に載置した基板
に電子部品を挿入すべく、基台１３及びＸ軸テー
ブル１０ｅに設けられたＸ軸１０ｂ、Ｙ軸１０ａ
に沿つてヘツド手段４の降下位置に応じて水平移
動する。このとき、搬入搬出用ガイド台１１，１
２はピストン・シリンダー装置１４，１６により
基台１３に設けられた回転軸１１ｅ，１２ｅを支
点として所定の傾斜角に保たれている。ガイド台
１１，１２のベルトコンベヤ１１ｃ，１２ｃはこ
のときも駆動状態にあり、搬入用ガイド台１１上
の基板はストツパ１１ｍにより規制され、ガイド
台１２上の基板は後段に送られる。部品の挿入が
終了するとＸ−Ｙテーブル１０がリフアレンスポ
ジシヨンに戻り、その後、ガイド台１１，１２が
回動せしめられて水平状態となる。この時ストツ
パ１１ｍが解除されると共に係合歯車１１ｈが被
動歯車１０ｉに係合してＸ−Ｙテーブル１０のコ
ンベヤベルト１０ｃが駆動される。従つて、各台
上の基板がそれぞれ移動し、Ｘ−Ｙテーブル１０
上に未挿入基板が送り込まれる。Ｘ−Ｙテーブル
上の所定位置に未挿入基板が到来すると、これを
検出する検出手段（図示せず）からの信号により
再びガイド台１１，１２が傾斜位置へ持ち上げら
れる。

尚、搬入用ガイド台１１にベルトコンベヤ１１
ｃとは別にプツシヤーを設け、これにより所定の
距離だけ基板を押し進め、その移動を速やかに行
うように構成してもよい。

（考案の効果） Ｘ−Ｙテーブルの前後に設けたガイド台を水平
に保つことにより、全体的に単なるベルトコンベ
ヤとしても使用できるので、部品挿入を行わない
とき、即ち基板を空送りしたいときには、挿入機
の配置を変えることなく前段の挿入機から基板を
後段の挿入機へ速やかに送ることができ、効果的
且つ経済的な部品入が可能となる。更に、係合歯
車１１ｈのような駆動結合手段により、Ｘ−Ｙテ
ーブル１０のコンベヤベルト１０ｃがガイド台１
１のベルトコンベヤ１１ｃの駆動力によつて駆動
されるため、独自の駆動源を必要とせず、構成の
簡略化及びコストダウンをもたらす。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による基板搬送装置の概略的側
面図、第２図は同装置の概略的平面図、第３図は
Ｘ−Ｙテーブル及び搬入用ガイド台双方のベルト
コンベヤの駆動連結部の概略的側面図、第４図は
本考案による基板搬送装置を有する自動挿入機の
斜視図である。 ４……ヘツド手段、１０……Ｘ−Ｙテーブル、
１０……Ｘ−Ｙテーブルの基板移送手段、１１…
…搬入用ガイド台、１１ｃ……搬入用ガイド台の
基板移送手段、１２……搬出用ガイド台、１２ｅ
……搬出用ガイド台の基板移送手段、１５……駆
動結合手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転自在に保持された少なくとも一対の回転軸
   と、直接或は間接的に該回転軸間に懸け渡された
   ベルトとによつて構成される第１のベルトコンベ
   アを有し、該ベルト上に載置される基板に部品を
   挿入するヘツド手段に対しＸ軸方向及びＹ軸方向
   へ制御移動せしめられる基板保持用Ｘ−Ｙテーブ
   ルと、 前記Ｘ−Ｙテーブルの一端側に隣接して設けら
   れ、基板搬送時には上記第１のベルトコンベアと
   接続されると共に部品挿入作業時には上記Ｘ−Ｙ
   テーブルの運動範囲外へ移動され、且つ回転自在
   に保持された少なくとも一対の回転軸と、直接或
   は間接的に該回転軸間に懸け渡されたベルトと、
   駆動源とによつて構成された第２のベルトコンベ
   アを有する搬入用ガイド台と、 前記Ｘ−Ｙテーブルの他端側に隣接して設けら
   れ、基板搬送時には上記第１のベルトコンベアと
   接続されると共に部品挿入作業時には上記Ｘ−Ｙ
   テーブルの運動範囲外へ移動され、且つ回転自在
   に保持された少なくとも一対の回転軸と、直接或
   は間接的に該回転軸間に懸け渡されたベルトと、
   駆動源とによつて構成された第３のベルトコンベ
   アを有する搬出用ガイド台と、 前記基板搬送時に、前記第２と第３のベルトコ
   ンベアのうちの少なくとも一方の前記回転軸の回
   転力を前記第１のベルトコンベアの回転軸に伝達
   する回転軸接続手段とを有することを特徴とする
   基板の搬送装置。