JPH0325999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は熱転写によつて被服等にネームを簡
単に取り付けることができる使用便利なネーム板
に関するものである。

従来の技術 従来より熱転写することによつて被服等に取り
付けることができるネーム板は知られている。

考案が解決しようとする問題点 ところで、このものは店頭販売に際しての不足
ネームの補充が円滑に行なわれず、又更に熱接着
する個所の色彩がネームの色と同じであると判別
できない等のおそれがあつた。この考案は上記の
問題点を解決したものであり、使用便利なネーム
板を得ることを目的としたものである。

問題を解決するための手段 上記の目的を達成するためこの考案の構成を耐
熱性を有した透明の剥離用母フイルム１に透明又
は半透明の仮接着層２を設け、レーヨン、ナイロ
ン、ポリエステル、テトロン等の素材にて形成し
た白色の短繊維３を仮接着層２に密度高く植毛仮
着させて植毛層４を形成し、更に植毛層４の短繊
維３を顔料、染料等の着色剤にて着色して着色短
繊維８を設けたネーム文字層５と記号着色層６を
形成し、且又ネーム文字層５の周縁より食み出し
た食み出し縁７を設けて仮接着層２よりも強力な
接着力並びに伸縮性を有する接着剤により、ネー
ム文字層５に位置した短繊維３の先端部９が埋没
する状態にてネーム文字接着層１０を形成すると
共にネーム文字接着層１０の表面にホツトメルト
接着剤層１１を形成したものである。

実施例 以下図面についてこの考案の実施例を説明する
と、耐熱性を有した透明で且つ強靭な剥離用母フ
イルム１の全面又は必要な部分に剥離用母フイル
ム１に強力に接着する糊状の接着剤を、スクリー
ン印刷方式、スプレー方式その他の手段により塗
布し透明又は半透明の仮接着層２を形成し、且つ
仮接着層２を設けた剥離用母フイルム１に強力に
接着する糊状の接着剤で形成した仮接着層２にレ
ーヨン、ナイロン、テトロン、ポリエステル等の
白色の素材にて形成した長さ0.3mm〜３mm位の短
繊維３を電気的、又は機械的の手段により密度高
く直立した状態に植毛して植毛層４を形成し、熱
乾燥等の手段により仮接着層２の接着剤の溶剤を
蒸発させて剥離用母フイルム１に短繊維３を固着
させ、植毛生地１２を形成する。更に植毛層４の
短繊維３をスクリーン版や、その他の印刷手段に
より顔料、染料等の着色剤にて着色して着色短繊
維８を設けたネーム文字層５と記号着色層６と連
設目印層１３を形成し、且つ仮接着層２を透明又
は半透明としたことによりネーム文字層５と記号
着色層６と連設目印層１３の色彩が同一に表われ
て剥離用母生地１の裏面から色彩を知ることがで
きるものである。又ネーム文字層５を形成した着
色短繊維８及び短繊維３の上にスクリーン方式、
スプレー方式、その他の手段により、ネーム文字
層５の周縁より食み出した食み出し縁７を設け
て、仮接着層２よりも強力な接着力並びに伸縮性
を有する糊状の接着剤、例えば酢酸ビニール系、
アクリル系、ラテツクス系等により、ネーム文字
層５に位置した短繊維３の先端部９が埋没する状
態にしてネーム文字接着層１０を形成し、更にネ
ーム文字接着層１０にホツトメルト樹脂の粒子又
は粉末のホツトメルト剤をネーム文字接着層１０
に一部埋没させ散布し、密度高く接着させると共
にネーム文字接着層１０の表面にホツトメルト接
着剤層１１を形成し、ネーム文字層５，５……、
記号着色層６，６……、連設目印層１３，１３…
…を備えたネーム板１４を形成したものである。

よつてネームの転写に際してははさみ等で切断
しネーム板片１５を形成し、第６図に図示したよ
うに所望のネーム板片１５，１５を夫々の連設目
印層１３，１３が一致するように並べてアイロン
で熱転写するものである。。

尚１６は被転写部材であつて、１７は被転写部
材１６の被加工面、１８は転写ネーム、１９は縁
取り層である。

考案の作用効果 この考案は以上のような構成であり、耐熱性を
有した透明の剥離用母フイルム１に透明又は半透
明の仮接着層２を設け、レーヨン、ナイロン、ポ
リエステル、テトロン等の素材にて形成した白色
の短繊維３を仮接着層２に密度高く植毛仮着させ
て植毛層４を形成し、更に植毛層４の短繊維３を
顔料、染料等の着色剤にて着色して着色短繊維８
を設けたネーム文字層５と記号着色層６を形成
し、且又ネーム文字層５の周縁より食み出した食
み出し縁７を設けて仮接着層２よりも強力な接着
力並びに伸縮性を有する接着剤により、ネーム文
字層５に位置した短繊維３の先端部９が埋没する
状態にてネーム文字接着層１０を形成すると共に
ネーム文字接着層１０の表面にホツトメルト接着
剤層１１を形成したので、Ｔシヤツ等の衣料品、
カバン等の被転写部材１６である被加工面１７に
ネームを転写するには、必要とするネーム文字着
色層５を備えたネーム板１５のホツトメルト接着
剤層１１を被加工面１７に当て、アイロン等の加
熱器でホツトメルト接着剤層１１が溶解する温度
で加熱すると溶解したホツトメルト接着剤層１１
は被転写部材１６の被加工面１７の組織に流入
し、加熱後被加工面１７が冷却すると共に、流入
したホツトメルト接着剤層１１は固着し強力な接
着状態となる。

次に被加工面１７が冷却した時、第８図に示し
たように剥離用母フイルム１を剥離すると、ネー
ム文字着色層５の部分はホツトメルト接着剤層１
１が被加工面１７に流入することにより、強力に
接着し、美麗な立体図柄を形成することができる
ことが可能であり、更に伸縮性を有するような被
転写部材１６への転写も容易であつて、被転写部
材１６の伸縮に際しては着色短繊維８，８……間
の間隙がネーム文字接着層１０によつて適宜調節
されてネーム文字接着層１０に先端部８を埋設し
た着色短繊維８，８……の脱落が防止され、立体
的で美麗なネームを得ることができるものであ
る。

又剥離用母フイルム１は耐熱性の透明であり、
更に仮接着層２が透明又は半透明でネーム文字層
５が裏面より明瞭に透視でき、ネーム文字層５と
転写される衣料品との向き不向きを貼着前に十分
に検討することができ、且つ被転写部材１６への
転写貼着に際しては貼着位置の確認が容易で失敗
がなく転写作業ができるもので取扱いが簡便であ
ると共に高価な衣料品に対する貼着を安心して行
うことができるものであり、且つネーム文字層５
の周縁より食み出した食み出し縁７を設けてネー
ム文字接着層１０とホツトメルト接着剤層１１を
設けたので熱転写に際して転写ネーム１８の周縁
に白色の縁取り層１９が表れてどのような色彩の
被転写部材１６にも鮮明な転写ネーム１８が表れ
るものであり、更に記号着色層６を設けたことに
よつて店頭販売に際しての不足ネームの補充が円
滑に行なわれて好都合である。

又更に構造が極めて簡単であり、大量生産に適
し安価に提供できると共に婦女子が簡単な操作で
アイロンを使用して転写することができるもので
ある等の幾多の実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は一部切欠背面図、第３図は第１図に
於けるＡ−Ａ断面図、第４図は他のネーム板の正
面図、第５図は第４図に於ける一部切欠背面図、
第６図は転写時の正面図、第７図は第６図に於け
るＡ−Ａ断面図、第８図は剥離時の説明断面図、
第９図は転写後の正面図、第１０図は植毛生地の
一部切欠正面図である。 １……剥離用母フイルム、２……仮接着層、３
……短繊維、４……植毛層、５……ネーム文字
層、６……記号着色層、７……食み出し縁、８…
…着色短繊維、９……先端部、１０……ネーム文
字接着層、１１……ホツトメルト接着剤層、１２
……植毛生地、１３……連設目印層、１４……ネ
ーム板、１５……ネーム板片、１６……被転写部
材、１７……被加工面、１８……転写ネーム、１
９……縁取り層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐熱性を有した透明の剥離用母フイルム１に透
   明又は半透明の仮接着層２を設け、レーヨン、ナ
   イロン、ポリエステル、テトロン等の素材にて形
   成した白色の短繊維３を仮接着層２に密度高く植
   毛仮着させて植毛層４を形成し、更に植毛層４の
   短繊維３を顔料、染料等の着色剤にて着色して着
   色短繊維８を設けたネーム文字層５と記号着色層
   ６を形成し、且又ネーム文字層５の周縁より食み
   出した食み出し縁７を設けて仮接着層２よりも強
   力な接着力並びに伸縮性を有する接着剤により、
   ネーム文字層５に位置した短繊維３の先端部９が
   埋没する状態にてネーム文字接着層１０を形成す
   ると共にネーム文字接着層１０の表面にホツトメ
   ルト接着剤層１１を形成したことを特徴としたネ
   ーム板。