JPH0324241Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、熱間連続粗圧延機の入側に設置し、
熱間連続圧延に供給される熱間スラブを連続巾圧
下するためのプレスの金敷間距離調整装置に関す
るものである。

（従来の技術） 熱間連続圧延に供給されるスラブは、近年連続
鋳造技術の進歩により、その経済性の優位さから
いわゆる連鋳スラブを用いることが多い。ところ
が、連鋳スラブは連続鋳造の作業上、巾寸法が或
程度限られたものになる欠点がある。そのため、
従来は熱間連続粗圧延機列の中に竪ロール機を配
置して、多岐に亘る製品巾になるようにいわゆる
垂直、水平圧延を行つて、スラブ巾の調整を行つ
ていた。ところが、この圧延方法でも巾圧下効率
が充分でなく、余り大きな範囲の巾調整はでき
ず、又、圧延後のクロツプロスが増加する等の問
題があり、十分満足できるものではなかつた。

そこで、最近は熱間連続粗圧延機の入側にプレ
スを設置し、熱間スラブの連続巾圧下を行う技術
が特開昭59−101201号として提案されている。こ
の技術は、相対する１対の金敷間にスラブを間欠
的に送り込みながら、金敷を往復運動させて、ス
ラブを順次巾圧下するものである。

又、プレス装置で、プレス作業中に金敷間隔を
自由に調整できるようにして、１枚のスラブ中で
圧下巾の変更等が簡易にできる装置も本実用新案
登録出願人は提案した。

この装置は、クランクシヤフトの回転により、
コネクテイングロツドを介して金敷を一定巾で移
動させるものである。このような構成のプレスで
は金敷の圧下巾は常に一定になるため、スラブ巾
の変化には対応し難く、又、１枚のスラブの圧下
作業中に何んらかの理由（例えば、異巾スラブを
作る場合等）には巾変更が困難である。

そこで、本実用新案登録出願人は第５図乃至第
７図に示す装置を提案した。即ち、本体Ａの内部
に対向する金敷１，１を保持した内ブロツク２，
２を設ける。以下左右対称につき一方についての
み説明する。内ブロツク２の外側には外ブロツク
３を間隔をおいて設けている。この外ブロツク３
には両側（入側と出側）にピン４，４を水平に突
設し、コネクテイングロツド５，５の一端を枢着
している。一方、コネクテイングロツド５，５の
他端には本体Ａに挿通したクランクシヤフト６に
設けたクランク部６ｃが回転自在に嵌合されてい
る。

又、内ブロツク２には入側と出側の夫々上下に
ねじ軸７，７，７′，７′の一端を回転自在に取付
けている。各ねじ軸７，７，７′，７′は夫々ねじ
部７ａを外ブロツク３に螺合し、他端にはスプラ
イン部７ｂを設け、本体Ａの外側に取付けた歯車
装置８，８，８′，８′内を貫通している。

歯車装置８，８，８′，８′は第７図に示すよう
に、内部に互いに噛合う歯車９，１０を内蔵し、
一方の歯車９は前記ねじ軸７のスプライン部７ｂ
にスプライン嵌合しており、他方の歯車１０には
ユニバーサルジヨイント１１を軸着している。そ
して、上下に位置した歯車装置８，８と８′，
８′のユニバーサルジヨイント１１，１１は夫々
ユニバーサルジヨイント軸１２ａ，１２ｂを介し
て分配装置１３，１３′（１３′は図示省略）に取
付けたユニバーサルジヨイント１４，１４に接続
している。両側の分配装置１３，１３′は夫々内
部上下に前記ユニバーサルジヨイント１４，１４
に軸着する歯車１５ａ，１５ｂを設け、両歯車１
５ａ，１５ｂと夫々噛合う主動歯車１６を中央に
位置させている。そして、主動歯車１６は電動機
１７で駆動するようになつている。

前記装置においては、クランクシヤフト６の回
転によりクランク部６ｃの偏心量に応じてコネク
テイングロツド５，５により外ブロツク３を移動
させ、外ブロツク３に４本のねじ軸７，７，７′，
７′で連結している内ブロツク２を摺動させて金
敷１を移動させ、スラブｓの圧下巾を調整する。
外ブロツク３が移動する際には各ねじ軸７，…も
共に移動するが、ねじ軸７は歯車９とはスプライ
ン部７ｂでスプライン嵌合しているので、円滑に
移動する。そして、両電動機１７，１７′を駆動
して主動歯車１６を駆動し、両歯車１５ａ，１５
ｂに分配し、夫々ユニバーサルジヨイント軸１２
ａ，１２ｂを介して歯車９，９を駆動し、ねじ軸
７，７，７′，７′を回動させて内ブロツク２，２
の外ブロツク３，３に対する間隔Ｃを調整して金
敷１，１の間隔Ｂを調整する。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、ねじ軸７，７，７′，７′はプレスの
入側と出側に夫々１対ずつ設けているので、夫夫
駆動する駆動系が２系列設けられている。そのた
め電動機１７，１７′の起動特性の違い等でねじ
軸７，７′の回転角度が必ずしも一致せず、いず
れかのねじ軸に回転遅れが生じると、内ブロツク
２に傾きが生じる。これは金敷１を正しく保持し
得ないのみならずねじ軸７，７′等がよじれる等
の無理な力が作用することにもなる。従つて、正
確な巾圧下を行うことができず、又駆動系の保守
上にも問題があつた。

又、駆動系の慣性GD²をできるだけ小さくする
ためには電動機を複数台設置して駆動系を分離
し、夫々別々に駆動させるのが有利であるため、
必要な手段である。

そこで、本考案においては、ねじ軸の駆動系を
複数に分離しても、前記の問題を生じないように
することができるプレスの金敷間距離調整装置を
提供しようとするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案におけるプレスの金敷間距離調整装置
は、クランクシヤフト６の回転で一定巾を往復運
動する左右１対の外ブロツク３，３と、外ブロツ
ク３，３の中央側に位置する金敷１を保持する外
ブロツク３，３に対して距離調整できる１対の内
ブロツク２，２と、外ブロツク３，３に螺合し、
先端を内ブロツク２，２に回転自在に取付けた複
数の駆動源で駆動される複数のねじ軸７，７，
…，７′，７′…と、ねじ軸７，…の駆動系相互間
に連結して複数のねじ軸７，…を同調駆動する機
械的連結手段Ｅとから成るものである。

（作用） 本考案においては、クランクシヤフト６，６の
回転で外ブロツク３，３を一定巾往復運動させる
と、複数本のねじ軸７，７′で連結されている内
ブロツク２，２が移動して金敷１，１を一定巾で
往復運動させる。

又、機械的連結手段で連結されている駆動系に
より複数本のねじ軸７，…を同調駆動し、内ブロ
ツク２，２を傾むいた状態で移動することなく、
金敷１，１を正確に保持し、駆動系に無理な力を
作用させずに円滑に内ブロツク２，２を移動させ
る。

（実施例） 本考案の第１実施例を第１，２図に基いて説明
すると、機械的連結手段Ｅは下記のように構成し
ている。即ち、両側（入側と出側）に設置した分
配装置１３，１３′の電動機１７，１７′側の中央
に夫々歯車箱１８，１８を固定する。そして、分
配装置１３，１３′内に設置された主動歯車１６，
１６′の先端に夫々傘歯車１９，１９′を軸着し、
歯車箱１８，１８内に傘歯車１９，１９′と噛合
う傘歯車２０，２０′を設け、両傘歯車２０，２
０′を１本の連結軸２１に軸着する。

他は全て従来と同一なので、同一符号を付し、
説明を省略する。

第１実施例においては、電動機１７，１７′を
駆動した際、両側の主動歯車１６，１６′は機械
的連結手段Ｅの連結軸２１で機械的に連結されて
いるので、いずれか一方の駆動系に遅れが生じて
も互に駆動力の授受が行われて、完全に同調した
回転駆動を各ねじ軸７，７，７′，７′に与えるこ
とができる。

他の作用は従来と同様である。

次に、第２実施例を第３，４図に基いて説明す
ると本実施例はねじ軸７，７，７′，７′間の距離
が比較的に短かい場合である。この場合の機械的
連結手段Ｅは下記のように構成している。即ち、
本体Ａの外側に一つの歯車装置８を設ける。そし
て、入側のねじ軸７，７のスプライン部７ｂに嵌
合した歯車９，９は夫々中間の歯車２２で噛合
い、出側のねじ軸７′，７′のスプライン部７ｂに
嵌合した歯車９′，９′も同様に中間の歯車２２′
に噛合つている。そして、電動機１７，１７′で
駆動する主動歯車１６，１６′は夫々中間の歯車
２２，２２′と噛合い、主動歯車１６，１６′は連
結用歯車２３に互いに噛合つて拘束している。

第２実施例は前記のように構成したもので、電
動機１７，１７′で駆動する主動歯車１６，１
６′は中間に連結用歯車２３を介在して相互に連
結しているので、両電動機１７，１７′のいずれ
か一方に遅れが生じても互に駆動力の授受が行わ
れて、完全に同調した回転駆動を各ねじ軸７，
…，７′，…に与えることができる。

尚、連結用歯車２３は１個ではなく、電動機１
７，１７′の距離によつては複数個設置すること
ができる。又、主動歯車１６，１６′と歯車２２，
２２′間に歯車を介在させてもよいものである。

〔考案の効果〕

本考案においては、複数のねじ軸７，…７′，
…間に回転角の差が生じることがないので、金敷
１，１が傾むいたり、ねじ軸の駆動系に無理な力
が作用しないので、駆動系の故障防止にも効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るプレスの金敷間距離調整
装置の第１実施例の要部のみを示す正面図、第２
図は第１図矢印で示す部分の断面図、第３図は
第２実施例の平面図、第４図は機械的連結手段の
みを示す側面図、第５図は従来のプレスの正面
図、第６図は第５図の線に沿つた横断平面図、
第７図はその一部の拡大正面図を夫々示す。 １……金敷、２……内ブロツク、３……外ブロ
ツク、６……クランクシヤフト、７，７′……ね
じ軸、Ｅ……機械的連結手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクシヤフト６の回転で一定巾を往復運動
   する左右１対の外ブロツク３，３と、外ブロツク
   ３，３の中央側に位置する金敷１を保持する外ブ
   ロツク３，３に対して距離調整できる１対の内ブ
   ロツク２，２と、外ブロツク３，３に螺合し、先
   端を内ブロツク２，２に回転自在に取付けた複数
   の駆動源で駆動される複数のねじ軸７，７，…，
   ７′，７′…と、ねじ軸７，…の駆動系相互間を連
   結して複数のねじ軸７，…を同調駆動する機械的
   連結手段Ｅとから成るプレスの金敷間距離調整装
   置。