JPH032231A - 皮革様合成樹脂材 - Google Patents

皮革様合成樹脂材

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JPH032231A
JPH032231A JP13589989A JP13589989A JPH032231A JP H032231 A JPH032231 A JP H032231A JP 13589989 A JP13589989 A JP 13589989A JP 13589989 A JP13589989 A JP 13589989A JP H032231 A JPH032231 A JP H032231A
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Japan
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synthetic resin
resin material
gelatin powder
molded
molded synthetic
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JP13589989A
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Sadao Nishibori
貞夫 西堀
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AIN KK
Original Assignee
AIN KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は表面に多数の孔を有している皮革様の成形合
成樹脂材、及び多数の孔を塗膜面に有する各種の皮革様
表面を有する製品並びに多数の孔を有するフィルムと、
これらのフィルムをラミネート層として持つ各種の皮革
様の製品の提、供に関し、より詳細には成形合成樹脂材
を特定の条件下にある有機溶剤又はこれらの有機溶剤の
希釈水溶液を用いて膨潤させ、この成形合成樹脂材に含
ませておいたゼラチン粉の抜き出しを行なうことによっ
て提供される皮革様の特性を有する合成樹脂材の開示に
関する。
[従来の技術] 合成樹脂成形品や、合成樹脂フィルムないしは表面に樹
脂の塗膜層あるいは皮膜層を有する製品は、いずれも樹
脂特有の表面艶を有すると共に、接触時のべたつき感が
避けられず、冬期等の寒冷乾燥時には逆に接触抵抗が少
なく、接触面に滑りを生ずることが一般的であった。
そこで、これらの合成樹脂成形品の表面や、フィルムな
いしは表面に塗布形成される塗膜層あるいは皮膜層を、
ポリウレタン脂の水混和性有機溶剤溶液の塗布等により
形成すると共に、これを水中に浸漬して溶媒を除去し、
ポリウレタン樹脂を凝固して湿式微多孔層として皮革様
表面を形成することが試みられている。
かよるボリウレンタ樹脂の湿式微多孔層からなるフィル
ムや合成皮革生地ないしは各種の塗膜又は皮膜では、接
触時のべたつき感が少なく適度のドライ感が接触表面に
もたらされると共に、適度の保湿性から、しっとりとし
た肌触り感があり、ハンドル等ではグリップ性が良好と
された。又、湿式微多孔層の存在に伴って光線の反射が
避けられ艶消し状のソフトな風合いが製品表面にもたら
されていた。
しかしながら、かよる方法で形成された多孔状の孔は、
孔の径が極端に不揃いであると共に、孔の分布にもばら
つきがあり、均一の表面特性、均一の風合いを成形品の
表面等にもたらすことができなかった。
特に、成形品の表面、フィルム面あるいは塗膜部あるい
は皮膜面等に微細な均一の孔径からなる孔を、均一の分
布密度となるように形成することは殆ど不可能に近く、
かjる方法で形成される多孔状の層による皮革様の特性
の奏効には自ずと限界があった。
か\る点から、合成樹脂塗液等に均一の粒径に揃えた微
細なゼラチン粉を混配合しておき、この塗液等をもって
成形品表面、フィルム、塗膜ないしは皮膜等を形成した
後、これらの成形品表面、フィルム、塗膜ないしけ皮膜
から、これらに含まれているゼラチン粉を溶出すること
が試みられている。
かSる成形品表面、フィルム、塗膜ないしは皮膜等から
、これらに含まれているゼラチン粉を溶出するには、該
成形品、フィルム、塗膜、皮膜等を水中に漬は込み、又
は洗滌等を施し、これらの成形品、フィルム、塗膜、皮
膜等に含まれているゼラチン粉を冷水、温水ないしは熱
水をもちいて膨潤させて、これらの成形品等から該ゼラ
チン粉を溶出し、微細な孔を該成形品、フィルム、塗膜
、皮膜等に形成していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、かSる従来の水によってゼラチン粉を膨
潤、溶出することにより形成された微細な孔を有する成
形品、フィルム、フィルムラミネート層、塗膜、皮膜等
では、これらの成形品表面等にある孔の形状が完全でな
く、しかも溶出し切れなかったゼラチンの一部が、これ
らの孔内に残留する不都合があった。
か\る不都合は、成形品等を低温の処理水を用いて短か
い処理時間で、これらの成形品等に含まれていたゼラチ
ン粉の溶出をなした場合に特に顕著に認められた。
1))>ろ水を用いたゼラチン粉の溶出では、成形合成
樹脂材中に含まれているゼラチン粉を水で先ず膨潤させ
、且つこれを成形合成樹脂材に溶出させる必要がある。
しかしながら成形合成樹脂材中に含まれているゼラチン
粉は、これらの成形合成樹脂材の表面に必ずしもその一
部を露出しているとは限らず、その多くは成形合成樹脂
材の内部に取込まれた状態とされている。かSる点から
、これらの成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の
膨IfI処理が難しく、且つ膨潤後における溶出処理に
多くの難があった。特に、水分子は分子会合をしている
ことから成形合成樹脂材に浸透することがなく、これら
の成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉に到る僅か
の間隙から該ゼラチン粉の膨潤をなすにとyまっていた
。この結果、水を用いたゼラチン粉の溶出には比較的長
い処理時間を要すること工なる。
又、成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉は、この
成形合成樹脂材に含まれているま\の状態で膨潤され、
その状態で、この成形合成樹脂材から溶出するものであ
ることから溶出の効率が悪く、成形合成樹脂材に揉み処
理、押揉み処理ないしは超音波洗滌等の処理を施す必要
があり、ゼラチン粉の成形合成樹脂材からの抜き出し処
理が煩雑であった。
かよる点から成形合成樹脂材を熱水中に浸漬して、この
成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の膨潤、溶出
効果を高めるようにした場合、この成形合成樹脂材又は
、この成形合成樹脂材からなる塗膜等を有する成形品そ
のものが損傷されたり、品質が劣化する等の不都合を生
じた。特に、かよる溶出効果を高める意図からゼラチン
粉を含んでいる成形合成樹脂材を熱水中で長時間に亙っ
て揉み洗いをした場合、表面皮膜層等として形成されて
いる成形合成樹脂材が破断ないしは7り離する不都合が
あった。
又、このように成形合成樹脂材に含まれているゼラチン
粉が膨潤−溶出のみで取り除かれていることから、この
ゼラチン粉の取り去りに無理があり、前記の種々の処理
を別途施す必要があり、成形合成樹脂材に形成された孔
が、これらに含まれていたゼラチン粉の形状通りになり
難く、不完全な花形状とされる不都合があった。
特に、この水によるゼラチン粉の膨潤、溶出の手段によ
る孔の成形では、成形合成樹脂材に含まれているゼラチ
ン粉が1ミクロン前後の微細なものである場合、その溶
出が難しく、成形合成樹脂材中に、そのまSの状態で残
留される不都合があった。か\る不都合は表面層から隔
った部分の成形合成樹脂材中に含まれたゼラチン粉の溶
出において特に顕著に生じ、か\る成形合成樹脂材の内
奥の部分に含まれたゼラチン粉は殆どそのまSの状態で
残留された。
か\る成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の残留
は、一方において成形合成樹脂材に斑なく孔が形成され
るのを妨げると共に、他方において成形合成樹脂材に変
色等の不都合をもたらし、成形合成樹脂材の品質管理等
に難を有するものであった。
又、成形合成樹脂材に形成される孔が充分でないことか
ら吸湿性と保湿性とに難があり、適度のドライ感と、し
っとりとした肌触り感をもたらし難く、風合いも充分で
はなかった。
本発明にか\る皮革様合成樹脂材は、か\る従来の成形
合成樹脂材における不都合に鑑み、成形合成樹脂材に含
まれているゼラチン粉を僅かの処理時間で、しかも成形
合成樹脂材を傷めることのない処理温域で、確実に抜き
出し、成形合成樹脂材に、ゼラチン粉の抜き出し形状を
残した孔を形成すると共に、特に1ミクロン前後の微細
な粒径のゼラチン粉の扱き出しと、表面から隔った位置
の成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の抜き出し
とを確実になし、吸湿性と保湿性とを合せ有するソフト
な風合いの皮革様合成樹脂材の1価な提供を目的として
いる。
[課題を解決するための手段] 本発明にかシる皮革様合成樹脂材は、か\る目的を達成
するものとして、請求項1の発明は、ゼラチン粉を含む
成形合成樹脂材に対し、この成形合成樹脂材を溶解しな
い有機溶剤であって、水との溶解性が良好で、その分子
量が80より小さい有機溶剤を含侵し、又は、この有機
溶剤を水で希釈した水溶液を含浸することによって、前
記の成形合成樹脂材を膨潤させ、この膨潤した成形合成
樹脂材を水で洗い又は水中に漬は込むことによって該成
形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の抜き出しをし
て皮革様合成樹脂材としてい次いで請求項2の発明では
前記のゼラチン粉の抜き出されている成形合成樹脂材を
、成形品表面に形成されている合成樹脂皮膜層とした皮
革様合成樹脂材を、請求項3の発明では、同様の成形合
成樹脂材を合成樹脂塗膜とした皮革様合成樹脂材を、請
求項4の発明では、同様の成形合成樹脂材を合成樹脂フ
ィルムとした皮革様合成樹脂材を、更に請求項5の発明
では、同様の成形合成樹脂材を合成樹脂フィルムのラミ
ネート層として皮革様合成樹脂材としている。
[作用] 成形合成樹脂材を溶解せず、しかも水との溶解性が良好
な、分子量が80より小さい有機溶剤又は、この有機溶
剤を水で希釈した水溶液は、成形合成樹脂材に浸透し易
く、この成形合成樹脂材を溶解することなく膨潤させる
このように膨損された成形合成樹脂材を水で洗ったり、
水中に漬けた場合、この成形合成樹脂材に含まれていた
前記の有機溶剤は、液の濃度差から、この処理水の方向
に移行し、膨潤状態から収縮し、この収縮によって既に
成形合成樹脂材との間に縁切れ状態とされているゼラチ
ン粉を、この成形合成樹脂材から押し出すように機能す
る。
又、このゼラチン粉は前記の有機溶剤によって膨潤され
た成形合成樹脂材の微細な孔を伝わって、前記の有機溶
剤の処理水方向への移行に追随して押し出される。
分子会合をしている水の場合、前記の有機溶剤と混合す
ることによって分子会合が解かれ、成形合成樹脂材に浸
透し、前記有機溶剤と同様に機能する。
[実施例] 以下本発明の典型的な皮革様合成樹脂材の一実施例を添
付の図面について説明する。
lは基材であって、合成樹脂成形品であっても、金属成
形品ないしは木製成形品であっても良い。
第3図は合成樹脂フィルムであって、この基材1を有し
ていない実施例であり、第4図は基材1を織、編布、不
織布、合成皮革シート、樹脂シート等の柔軟性のある素
材で構成した実施例である。
2は成形合成樹脂材であて、ゼラチン粉3を含んで形成
されている。この成形合成樹脂材2は、例えばポリウレ
タン樹脂皮膜層として成形品である゛基材1の面に一体
に成形されている場合、各種の基材1の面にポリウレタ
ン樹脂膜等として塗布形成されている場合、各種基材1
の面にポリウレタン樹脂層等としてラミネートされてい
る場合と、極薄状のポリウレタン樹脂フィルム等として
形成されている場合等がある。
このポリウレタン樹脂等からなる成形合成樹脂材2は、
この成形合成樹脂材2に含まれているゼラチン粉3を抜
き出す都合上、数ミクロンから30ミクロン(以下μm
と表示する。)前後に形成されているのが好ましい。
又、このポリウレタン樹脂等からなる成形合成樹脂材2
は単層で形成されてい”Cも多層に形成されていても良
い。
尚、この成形合成樹脂材2をポリウレタン樹脂で形成す
る場合、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系
ポリウレタン、ポリカプロラクトン系ポリウレタン1、
ポリカーボネート系ポリウレタン、シリコン変性ポリウ
レタン、アミノ酸変性ポリウレタン、ポリアミド変性ポ
リウレタン等を用いるのが好ましい。
この成形合成樹脂材2について更に詳細に説明する。こ
の成形合成樹脂材2は、例えばポリエステル系ポリウレ
タン樹脂溶液にゼラチン粉を含ませたゼラチン粉の配合
樹脂溶液とし、これを成形型内に注入ないしは工大して
、樹脂成形物として構成することがある。
又、成形型の型面にゼラチン粉を含ませたポリウレタン
樹脂溶液等を塗布し、10〜20μmの薄い塗膜を形成
した後、この成形型内にポリエチレン、ポリプロピレン
、ポリアセタール、ポリアミド、ポリウレタン、P■C
,ABS、ポリエステル系の樹脂を注入又は圧入して、
表面にゼラチン粉を含む薄い成形合成樹脂材2を有する
成形物として構成することがある。この場合用いられる
方法は射出成形、トランスファー成形、リム成形、スラ
ッシュ成形ないしは注入成形法のいずれであっても良い
更に、ゼラチン粉を配合したポリエステル系ポリウレタ
ン溶液等を用いて、織編布、不織布、合成樹脂シート、
合成皮革等の基布となる基材1の面に数ミクロンから3
0μm前後の表皮層を成形合成樹脂材2として構成する
ことがある。この場合、ドクターナイフコーターその他
のロールコーテング法と共に刷毛塗り、とぶ漬等で表皮
層となる成形合成樹脂材2を形成する。又、か−る表皮
層となる成形合成樹脂材2の面に、ゼラチン粉を含むポ
リウレタン樹脂のトップスキン層をグラビアコート等の
手段で積層して、これらの全体を成形合成樹脂材2とす
ることがある。
更に、基材1である基布の面にポリウレタン樹脂の水混
和性有機溶剤溶液を塗布し、これを水中に浸漬して該溶
液中の溶剤を除去してポリウレタンを凝固させて、該基
材1の面にポリウレタン樹脂の湿式微多孔層を形成した
後、ゼラチン粉を含むポリウレタン樹脂溶這等を前記の
方法で塗布し、この湿式微多孔層の表面にゼラチン粉を
含むトップスキン層を成形合成樹脂材2として構成する
ことがある。
次いで、各種の樹脂成形品や、家具等の木製成形品、パ
ネル等の金属成形品である基材1の面に、ゼラチン粉を
含むポリウレタン樹脂溶液等を塗布し、表面塗膜層とし
て成形合成樹脂材2を構成することがある。この表面塗
膜層はポリウレタン樹脂i′g液等をロール、刷毛等を
用いて塗布し、又はスプレーガンを用いて塗布形成する
他、基材1をポリウレタン樹脂溶液等に漬は込んで形成
しても良い。
更に、成形合成M4脂材2が樹脂フィルムである場合、
例えばゼラチン粉を含むポリウレタン樹脂溶液を剥離紙
の面にドクターナイフコーテング等の方法で塗布し、薄
い樹脂層を形成した後、この樹脂層を剥離紙より引き離
して成形合成樹脂材2とする。又は、ゼラチン粉を含む
合成樹脂材を用いてインフレーション成形によりフィル
ム状の成形合成樹脂材2を構成することがある。
又、前記で剥離紙面上に形成されたポリウレタン樹脂層
を織編布、不織布、合成樹脂シート、合成皮革等の基材
1の面に転写、接着したラミネートフィルムとして成形
合成樹脂材2を構成する。この場合ラミネートフィルム
は接着材を用いて基材1に積層一体としても良く、接着
材を用いずに基材1の面に融着させても良い。
3はゼラチン粉であって、航記の成形合成樹脂材2に含
められる関係上、この成形合成樹脂材2の厚さ内に納ま
る粒径とする。この場合、成形合成樹脂材2に含められ
ているゼラチン粉3の粒径が細かく、しかも一定範囲に
揃えられている場合、成形合成樹脂材2に、均一の孔径
で、しかも微細な径の孔4が形成される。従って、用い
られるゼラチン粉3は、その使用上粒径が揃えられた微
細なものほど好ましい、又、使用されるゼラチン粉は、
その分子量が16,000より小さいもの、特に分子量
が1,000〜8.000の範囲にあるものが、成形合
成樹脂材2からゼラチン粉3を抜き出すのに都合が良か
った。
又、ゼラチン粉の粉砕においても、粉砕粒径を揃える点
から、ゼラチン粉をジェットミル等の乾式粉砕の手段で
分級をしながら粉砕するのが良く、この乾式粉砕におけ
る粉砕効率の点からも分子量が16.000より小さい
ゼラチン粉を用いるのが好ましい。
か\る分子量の小さいゼラチン粉を、ジェットミル等の
乾式粉砕の方法で風量分級をしながら粉砕したところ、
粒径が略3μm前後のゼラチン粉を比較的短時間で得る
ことができ、しかも10μmオーバー 1μmアンダー
の粒径のゼラチン粉を殆んど無くすことができた。又、
この方法で得たゼラチン粉3は成形合成樹脂材2から容
易、確実に抜き出すことができた。
か\るゼラチン粉3を前記の成形合成樹脂材2に含める
。この成形合成樹脂材2にゼラチン粉3を含める方法及
びその配合量は、成形合成樹脂材2の特性と、基材lの
もつ特性等により好ましい方法と好ましい範囲とする。
この場合、成形合成樹脂材2に適度の皮革様の特性をも
たらすためには、成形合成樹脂材2に含まれるゼラチン
粉3の量を成形合成樹脂材の固形分1001i量部に対
し30重量部〜120重量部が好ましく、理想的には成
形合成樹脂材の固形分100重量部に対しゼラチン粉3
を70重量部とするのが良い。
こSで成形合成樹脂材2をポリウレタン樹脂で成形した
際のゼラチン粉3の配合量について説明する。
このポリウレタン樹脂からなる成形合成樹脂材2に含ま
れるゼラチン粉3の量を、ポリウレタン樹脂の固形部1
00重量部に対し20重量部配合し、且つ該ゼラチン粉
3の抜き出しを行った場合、形成合成樹脂材2は表面が
樹脂成形品特有の艶を残しており、過湿時にべたつき感
があり、しかも乾燥時に滑り感を生ずることから皮革様
の特性が殆ど認められなかった。
これに対し、ウレタン樹脂の固形部100重量部に対し
、ゼラチン粉3を30重量部配合し、これを抜き出した
ポリウレタン樹脂からなる成形合成樹脂材2では、樹脂
成形品特有の艶が少なく、しっとりとした保湿性と、ド
ライ感のある吸湿性とが肥められ、この傾向はポリウレ
タン樹脂固形分に対するゼラチン粉3の混入量を増すこ
とによって更に顕著とされた。
しかしながらポリウレタン樹脂固形分 toog量部に対し、ゼラチン粉3の配合量を120重
量部以上とした場合、ポリウレタン樹脂のバインダーと
しての機能が喪なわれ、形成されるポリウレタン樹脂か
らなる成形合成樹脂材2が極端に脆くなることが認めら
れた。
そこで成形合成樹脂材2を形成するポリウレタン樹脂の
固形分100重量部に対し、ゼラチン粉3を30重量部
〜12031量部、理想的には70重量部を配合してポ
リウレタン樹脂からなる成形合成樹脂材2を形成するの
が好ましい。
尚、成形合成樹脂材2をポリウレタン樹脂で形成し、こ
れにゼラチン粉3を配合する場合、こ\で用いられるポ
リウレタン樹脂は、末端に未反応のイソシアナート基を
有しないのが好ましい。
特に、未反応のイソシアナート基を有するポリウレタン
樹脂に配合するゼラチン粉3の量が多い場合には、ポリ
ウレタン樹脂のイソシアナート基とゼラチン粉3のアミ
ン基、カルボキシル基とが反応し、成形合成樹脂材2の
ポリウレタン樹脂が充分にバインダー機能を果さず、形
成されるポリウレタン樹脂からなる成形合成樹脂材2の
耐摩耗性等の表面特性が損われる。又、未反応のイソシ
アナート基を有する二液型ポリウレタン樹脂液に含ませ
られたゼラチン粉3は、そのポリウレタン樹脂液の有し
ているイソシアナート基と反応して水に対する溶解性を
喪失することがあり、その使用は好ましくない。
か\る構成からなるポリウレタ樹脂等からなる成形合成
樹脂材2に含まれているゼラチン粉3の抜き出しは、こ
の成形合成樹脂材2の面にサンデング処理等を施すこと
によって、より確実となるので、成形合成樹脂材2の面
に予めサンデング、サンドブラスト、バフか(す等の表
面処理を施しておくのが好ましい。
か\るポリウレタン樹脂皮膜層等からなる成形合成樹脂
材2に含まれているゼラチン粉3の抜き出しは、先ず、
この成形合成樹脂材2に、水との溶解性が良く、しかも
分子量が小さく、ポリウレタン樹脂等の成形合成樹脂材
2を溶解することのない有機溶剤を含浸させ、この成形
合成樹脂材2を膨潤させて行う。又は、かする特性を有
する有機溶剤を木で希釈した水溶液を前記成形合成樹脂
材2に含浸させ、この成形合成樹脂材2を同様に膨潤さ
せて行う。
この有機溶剤の分子量は80より小さいのが好ましく、
60より小さいのが理想的である。又、沸点の低い有機
溶剤や、高価な有機溶剤を用いる場合には、これを水で
希釈して用いるのが好ましい、この有機溶剤を水に混合
することによって、通例会合状態にあって成形合成樹脂
材中に浸透されることのない水分子の会合がなくなり、
水目体が成形合成樹脂材2中に浸透される。
この水で希釈される水溶液は、その濃度が25%以上で
あれば良く、アセトンの場合には5%以上の濃度の水溶
液であれば良い。
尚、こ\で、用いられる有機溶剤は、分子量が小さい有
機溶剤であることを要し、分子量の大きい有機溶剤はポ
リウレタン樹脂等の成形合成樹脂材2中に浸透せず、こ
れらの成形合成樹脂材2の膨潤を惹き起すことがない。
又、こぎで用いられる有機溶剤は、水に対する溶解性が
良好であることを要し、水に溶解せず、又は水に溶解し
難い有機溶剤では、膨潤した成形合成樹脂材2からこの
有m溶剤が処理水中に移行せず、この成形合成樹脂材2
に含まれているゼラチン粉3の凄き出しに対する効果が
無い。
更に、こ\で用いられる有機溶剤は、ゼラチン粉3の含
まれている成形合成樹脂材2を溶解するものであっては
ならない。
これらの点をより具体的に説明する。成形合成樹脂材2
がポリウレタン樹脂である場合、仮に親水性の有機溶剤
であってもジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等の溶剤は、この成形合成樹脂材2を溶解
することから、こ\での使用には適しない。
又、トルエンはポリウレタン樹脂からなる成形合成樹脂
材2を溶解することがないもの工、水に溶解せず、これ
又こSで用いるのに適していない。
そこで、ポリウレタン樹脂からなる成形合成樹脂材2を
溶解せず、しかも水に溶解し易い有機溶剤としてメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチル
アルコール等のアルコールとアセトンとを用意した。こ
の有機溶剤においてメチルアルコールの分子量は32、
エチルアルコールの分子量は46、プロピルアルコール
の分子量及びイソプロピルアルコールの分子量は60で
、いずれも小さく、ポリウレタン樹脂からなる成形合成
樹脂材2に浸透し、この成形合成樹脂材2を膨潤するの
に適していた。
これに対しペンチルアルコールの分子量は88と大きく
、成形合成樹脂材2に充分に浸透せず、ポリウレタン樹
脂からなる成形合成樹脂材2の膨潤には好ましくなかっ
た。
又、ブチルアルコールの分子量は74と比較的大きく、
水との溶解性も8%と悪いことからその含浸処理時間等
を考慮する必要があった。
かぎる点から、ポリウレタン樹脂からなる成形合成樹脂
材2の膨潤と、この膨潤した成形合成樹脂材2からゼラ
チン粉3を抜き出すにはメチルアルコール、エチルアル
コール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール
及びアセトンを用いるのが好ましい。尚、基材1又は成
形合成樹脂材2がスチレン樹脂である場合、このスチレ
ン樹脂をアセトンが溶解するので、基材1又は成形合成
樹脂材2がスチレン樹脂である場合にはアセトンを用い
ないのが良い。
又、前記の有機溶剤を用いて成形合成樹脂材2を膨潤す
る場合、使用有機溶剤の取扱い時の気化、引火等の虞れ
、使用済有機溶剤の処理問題、使用有機溶剤コストがゼ
ラチンの抜き出しコストに占める割合等の問題から、前
記の使用有機溶剤を水で希釈した水溶液として用いるの
が好ましい、この場合の希釈水溶液は25%以上の濃度
を有していれば良く、アセトンの場合には5%以上の濃
度をもつ希釈水溶液であれば良い。
かシる有機溶剤又はその希釈水溶液を成形合成樹脂材2
に含浸するには、成形合成樹脂材2に該有機溶剤又はそ
の希釈水溶液を吹付は等により塗着し、又は、これらの
液中に漬は込む、この含浸に要する時間は成形合成樹脂
材2が、これらの有機溶剤又はその希釈水溶液によって
充分に膨潤される時間であり、使用有機溶剤又はその希
釈水溶液のもつ特性、処理条件、成形合成樹脂材2の持
つ特性等によってセツティングする。
このように有機溶剤又はその希釈水溶液で膨潤された成
形合成樹脂材2は、それがポリウレタン樹脂フィルムで
ある場合、略1.3倍に体積を増し、この成形合成樹脂
材2に含まれているゼラチン粉3と、成形合成樹脂材2
との間が剥離して、その隙間4゛に前記の有機溶剤又は
その希釈水溶液が含浸される。
(第5図のB参照) このように有機溶剤又はその希釈水溶液で111nされ
ている成形合成樹脂材2に対し水中への浸漬又は水洗い
等の処理を施す。この成形合成樹脂材2に水処理を施し
た場合、この成形合成樹脂材2に含まれていた前記の有
機溶剤又は該有機溶剤の希釈水溶液は、その濃度差によ
り急速に処理水の方向に移行し、膨潤させていた成形合
成樹脂材2を収縮させる。(第5図のC参照)この成形
合成樹脂材2の収縮と、この成形合成樹脂材2から処理
水の方向に移行される処理有機溶剤又はその希釈水溶液
の移行とによって、該成形合成樹脂材2に含まれていた
ゼラチン粉3が処理水側に抜き出され孔4が形成される
尚、この水処理を、水中に成形合成樹脂材2を浸漬する
方法で施した場合、この成形合成樹脂材2に含゛まれで
いるゼラチン粉3は、この水処理時の水圧によって更に
、短かい時間で確実に該成形合成樹脂材2から抜き出さ
れ孔4が形成される。
又、この水処理に際して、成形合成樹脂材2に超音波撮
動を付加し、又はこの成形合成樹脂材2に揉み処理を施
し、又はロール等を用いて圧絞処理を施したりすること
によって、成形合成樹脂材2に含まれているゼラチン粉
3の抜き出しを助勢するのが好ましい。
このように水を用いてゼラチン粉3の抜き出しを行った
成形合成樹脂材2は、充分に水洗い等によって前記の含
浸有機溶剤を取り除き、この成形合成樹脂材2中の残留
有機溶剤の無い状態で脱水、乾燥する。
このようにして得られた多数の孔4を有する成形合成樹
脂材2の面にサンデング処理、パフかけ処理、サンドブ
ラスト処理等を施す、又、トップスキン層をグラビアコ
ート法等で形成する。又、型づけ処理、シボづけ処理、
着色処理等の合成皮革に対する一般的な表面処理を施す
実施例1 ハンドル用のリム成形型の型面にシリコン系離型剤をス
プレーガンで5μm程度の厚さに吹付けた後、ポリウレ
タン樹脂皮11i層となる薄膜を該型面に形成した。
この薄膜は、固形分(不揮発分)が30重量%の乾式用
ウレタン樹脂溶液1001i量部にゼラチン粉2111
i量部を含むジメチルホルムアミドのゼラチン分散液7
0!i量部との混合液を用意し、この混合液を10〜2
0μmの膜厚となるようにリム成形型の型面にスプレー
ガンを用いて吹付は形成した。
又、こ工で薄膜に含められたゼラチン粉は、8μm未満
、1μm以上の粒径かうなるゼラチン粉がゼラチン粉全
量の90,8重量%のものであって、特に8μm以上の
粒径のゼラチン粉が、ゼラチン粉全量の僅かに0.1重
量%のものを用いた。
又、か\る特異な粒度分布にあるゼラチン粉を用意する
ために、特に分子量が1,000〜3.000の低分子
量のゼラチンをジェットミルを用いて風量分級しながら
粉砕したゼラチン粉を用いた。
又、このゼラチン粉をジメチルホルムアミドに配合、攪
拌するに先立って、このゼラチン粉に含まれている水分
量を7.5重量%未満に調整した。
か\るゼラチン粉21重1部をジメチルホルムアミドに
、そのゼラチン混合液が70重量部となるように混合、
攪拌したところ、ゼラチン粉が懸濁状態でジメチルホル
ムアミド中に分散された。
か\るゼラチン粉の懸濁ジメチルホルムアミド液70重
量部と、ウレタン樹脂固形分30重量%の乾式ウレタン
樹脂溶液100重量部と、必要に応じて顔料15瓜量部
とを混合して前記の10〜20μmの薄膜をリム成形型
の型面に形成した。
こSで、ジメチルホルムアミドに懸濁状に混入されるゼ
ラチン粉の水分量は8風量%未満であることが好ましく
、含水量の多いゼラチン粉を用いた場合、ジメチルホル
ムアミド中でゼラチンが互に溶着し合って液と分離して
使用に適しなかった。
又、水に溶解しない有機溶剤を用いてゼラチン粉の懸濁
液を作った場合、成形後の成形品表面の皮膜から混入ゼ
ラチン粉の抜き出しが難しく、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ジオキサン、N−メチル−2−
ピロリドン、テトラヒドロフラン等を用いるのが好まし
い。
次いでリム成形型に鉄芯をセットして型締めを行なった
後、成形樹脂を該型内に注入した。
この注入成形樹脂は、ポリエーテル、架橋剤、触媒、発
泡剤の混合液からなるA液と、イソシアナートのB液と
をポンプを用いてミキシングヘッドに注入し、A液、B
液を衝突混合させた状態で成形型に注入して用いた。
この結果、成形型に注入されたポリウレタン樹脂には未
反応のイソシアナート基が残されておらず、前記の型面
に塗布形成された薄膜に含まれているゼラチン粉の変性
は認められなかった。
このようにして表面にゼラチン粉を含む薄い成形合成樹
脂材を設けられたハンドルを50%濃度のメチルアルコ
ール水溶液中に浸漬し、ハンドル表皮層の成形合成樹脂
材を充分に膨潤させた。
次いで、このハンドルを水中に浸漬して、超音波振動を
付加しながら、ハンドル表面に手の押し揉み処理を施し
、ゼラチン粉をハンドル表面から押し出した。
更に、ハンドルに洗滌水を噴きつけて、このハンドル表
面を膨潤させているメチルアルコールを取り除誇、脱水
後、乾燥させた。
このようにして成形されたハンドルは表面に含有ゼラチ
ン粉の抜き出された形状の数ミクロンの微細な孔を無数
に有し、残留ゼラチンが殆どなく、しかも成形品表面に
微細な凹凸が形成された。
この結果、ハンドルを握った際にべとつき感が全く無く
ドライな感覚があった。又、乾燥した冬期でもハンドル
表面がしっとりとした適度の接触抵抗をもった肌触り感
があった。
又、ハンドル表面にある凹凸と、微細な孔とによって光
線が互に干渉し合って、ソフトな艶消し状態とされた。
更に、ゼラチン粉の抜き出しに伴って成形合成樹脂材で
ある表面皮膜層が脆くなることもなく、耐摩耗性、引っ
張り強さ等の表面特性が純粋なポリウレタン樹脂皮膜に
略近い値をホした。
比較例1 前記実施例1におけるゼラチン粉の抜き出しを50℃の
温水を用いた溶出とした以外の他の条件を同一としてハ
ンドルの成形をした。
このハンドルの成形では、ゼラチン粉の溶出に40〜9
0分の処理時間を必要とし、前記実施例の処理時間(膨
潤−押し揉み処理)を大幅に上回った。
又、成形されたハンドル表面の成形合成樹脂材に含まれ
ていたゼラチン粉の一部が溶出せず残留していた。特に
、成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の1μm未
満のもの\残留が目立った。又、ハンドルの表面層でな
く、その内部に含まれていたゼラチン粉は略そのま\残
留されていた。
そこで、別途前記実施例1のハンドルを120℃の熱水
中で加熱しながら40分間処理した。この処理ハンドル
ではハンドル表面の孔縁が裂けたり歪んだりしたものが
多く、手触り感が良くなかった。
比較例2 前記実施例1におけるハンドルをペンチルアルコール液
中に浸漬した後、水中に浸漬した以外の他の条件を同一
としてハンドルの成形をした。
このハンドルの成形では、ハンドル表面の成形合成樹脂
材°であるポリウレタン樹脂皮膜層は膨潤せず、このペ
ンチルアルコール液に浸漬処理したハンドルを水中に浸
漬して揉み洗いしたところ、ポリウレタン樹脂皮膜層中
のゼラチン粉のほとんどが残留しており、抜き出し効果
が認められなかった。
比較例3 前記実施例1におけるハンドルをトルエン液中に浸漬し
た後、水中に漬は込んで処理した以外の他の条件を同一
としてハンドルの成形をした。
この比較例で得られたハンドルは、ハンドル表面の成形
合成樹脂材であるポリウレタン樹脂皮Ilj層中のゼラ
チン粉が全く抜き出されておらず、そのま\の状態で残
留されていた。
比較例4 前記実施例1におけるハンドルをジオキサン液中に浸漬
した後、水中に漬は込んで処理した以外の他の条件を同
一としてハンドルを成形した。
この比較例で得られたハンドルは、ハンドル表面の成形
合成樹脂材であるポリウレタン樹脂皮膜層が破断状態に
あり特に荒れた脆い表面のハンドルとなワた。
比較例5 前記実施例1におけるゼラチン粉の配合量を6重量部と
した以外の他の条件を同一としてハンドルを成形した。
この成形されたハンドルはゼラチン粉を用いないポリウ
レタン樹脂のみによる成形合成樹脂材としての表面皮膜
層と路間−の耐摩耗性等の表面特性を有しているのに対
し、発汗時に接触した手にべたつき感を生じた。又、冬
期の乾燥した状態で、グリップが甘く、ハンドル操作時
に把持部にスリップを生じた。
又光線の反射が強くハンドル操作の障害になった。
実施例2 前記実施例1におけるゼラチン粉の配合量を9重量部と
した以外の他の条件を同一としてハンドルの成形をした
この成形されたハンドルは接触時に若干のべとつき感が
あったもの\、しっとりとした感触があり、グリップ感
が良く、光線の反射もさほど気にならなかった。特に、
このハンドル表面の成形合成樹脂材である皮膜層の機械
的特性が良好であった。
実施例3 前記実施例1におけるゼラチン粉の配合量を36重量部
とした以外の他の条件を同一としてハンドルの成形をし
た。
この成形されたハンドルは接触時の感覚が皮革に近く、
べたつき感の全く無いドライな感覚であり、グリップ性
が特に良好であった。又、風合いも皮革に近いソフトな
ものとなったが、成形合成樹脂材の表面に粗さが目立ち
表面を強くこすった際に表面の一部が僅かに剥離するこ
とが認められた。
比較例6 前記実施例1におけるゼラチン粉の配合量を43重量部
とした以外の他の条件を同一としてハンドルの成形をし
た。
この成形されたハンドルは表面が粗面状とされ、成形合
成樹脂材である皮膜層が充分に形成されておらず使用に
は適しなかった。
実施例4 ポリウレタン樹脂の固形分(不揮発分)100重量部に
対しゼラチン粉70重量部を配合されたポリウレタン樹
脂溶液を成形型に注入し、成形パネルを得た。
次いで、このパネルに、30%濃度のエチルアルコール
水溶液を噴露して、該パネルにエチルアルコール水溶液
を含浸させた。
この状態で、パネルを50℃の温水中に漬は込み、表面
を手で押し揉むように処理してパネルを得た。
この得られたパネルは、パネル表面に近い層に含まれて
いたゼラチン粉が略完全に抜き出されており、パネルの
表面に、このゼラチン粉の抜き出された微細な孔が形成
された。
実施例5 固形分(不揮発分)を30重量%有する乾式用のポリウ
レタン樹脂溶液100重量部と、ゼラチン粉を20重量
部含んでいるDMF−MEにのゼラチン分散液70重量
部とを混合し、金属パネルの表面に膜厚15μmで成形
合成樹脂材を吹付け、乾燥した後、この金属パネルを5
0%濃度のメチルアルコール水溶液中に浸漬した後、さ
らに超音波振動を付加した水中で20分間、水洗いをし
た。
こぎで得られた金属パネルは表面の成形合成樹脂材に含
まれていたゼラチン粉が抜き出されて金属パネル表面に
皮革様の皮膜を有し、接触時の冷たさが解消されている
と共に接触時のべたつき感が無くなっていた。又、金属
パネル特有の滑り感も無く、しっとりとした肌触り感が
あった。更に、金属パネル表面の発汗及び、結露の発生
が少なかった。
実施例6 塗膜の形成対象が木製の椅子の肘かけであり、形成され
る成形合成樹脂材としての皮膜の膜厚が25μmである
以外の他の条件を前記実施例5と同一にして肘かけを作
成した。
こ\で得られた肘かけは木製の肘かけと異なって柔かな
艶消し状の風合いとされ、べたつき感が木製の肘かけよ
り少なかった。又接触時のしっとりとした肌触り感も木
製の肘かけより優れていた。又、木製の肘かけが必要以
上に濡れるのを防止すると共に、適度の湿度を肘かけの
木製部にもたらすことが認められた。
実施例7 離型紙の表面に、ゼラチン粉を50重量%含んでいる1
00%モジュラスが60kg/cm’のポリエステル系
ポリウレタン樹脂の20%DMF−MEに溶液を、乾燥
時の厚さが30μmとなるようにナイフコーターで塗布
、乾燥した後、この離型紙のポリウレタン樹脂塗膜面に
ブチルアルコールを塗布、含浸し、この成形合成樹脂材
であるポリウレタン樹脂塗膜を膨潤させた6次いで、こ
のポリウレタン樹脂塗膜を有する離型紙を水中に浸漬し
、ロール間で絞りながら、このポリウレタン樹脂塗膜に
含まれているゼラチン粉の抜き出しを行なった後、脱水
、乾燥を施し、離型紙から成形合成樹脂材であるポリウ
レタン樹脂塗膜を引ぎ剥し、多孔質のフィルムを得た。
こ工で得られた30μm厚のフィルムには、ゼラチン粉
の抜き出された後に、そのま\孔が形成されており、残
留ゼラチン粉は殆ど見受けられなかった。
実施例8 ポリエステル織布の粗起毛面に、100%モジュラスが
20J/cm”のポリエステル系ポリウレタン樹脂の!
2%DMF溶液を目付量が700g/m2 となるよう
に塗布した後、20t:の水中で脱溶媒して凝固させ、
これを脱水後に120℃の熱風で乾燥して0,6■の湿
式微多孔層をもつポリエステル織布を形成する。
又、離型紙の面に、50重量%のゼラチン粉を含有する
100%モジュラスが60kg/cm2のポリエステル
系ポリウレタン樹脂の20%DMF−MEに溶液を乾燥
時の厚さが30μmとなるように塗布し、90℃で2分
間乾燥する。
次いで、前記のポリエステル織布面の湿式微多孔層を加
熱しながら前記離型紙面のポリウレタン樹脂層上に重ね
、130℃で張り合せ、離型紙を剥離する。
更に、このポリエステル織布上にラミネートされた成形
合成樹脂材であるポリウレタン樹脂層に50%濃度のメ
チルアルコール水溶液を塗布し、このポリウレタン樹脂
層を膨潤させた後、布速250m/分、圧力1.5kg
/cm”の条件で25℃の水中で10分間揉み処理を施
して皮革様合成樹脂材を得た。
得られた皮革様合成樹脂材のポリウレタン樹脂ラミネー
ト層にはゼラチン粉の残留が切なく、混入ゼラチン粉の
抜き出された後に微細な孔が形成された。
[効果] 本発明にか\る皮革様合成樹脂材では、成形合成樹脂材
をメチルアルコール等の分子量が小さく、しかも水との
溶解性の良好な有機溶剤又は、この有機溶剤の希釈水溶
液を用いて膨■させた状態で、この成形合成樹脂材を解
かすことなく、この成形合成樹脂材に含まれているゼラ
チン粉の抜き出しをなしたことから以下の特長が該皮革
様合成樹脂材にもたらされている。
先ず、成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の抜き
出し処理を数分〜数十分間の短かい時間でなすことが可
能であり、皮革様合成樹脂材の効率の良い成形をなすこ
とができる。
又、この成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉の抜
き出しが、比較的低温域の処理水に対する単なる浸漬処
理で確実、円滑になさ、れることから、成形合成樹脂材
からのゼラチン粉の抜き出しが特に容易とされる。
更に、ゼラチン粉の抜き出しに際して成形合成樹脂材を
熱水中で、長時間に互って、揉み洗う必要がなく、成形
合成樹脂材の損耗、品質の劣化等が無く、しかも形成さ
れる孔が変形したり、破断することが無い。
更に又、成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉は溶
は出されるのでなく、抜き出しの方法で取り除いている
ことから、このゼラチン粉のI友き出された後に、すっ
ぎりとした内周面を有する孔が連続、又は非連続の状態
で形成される特長がある。
次いで、成形合成樹脂材に含まれているゼラチン粉は、
粒径が1μm未満のものも確実に抜き出されていると共
に、比較的内部に含まれているゼラチン粉も抜き出され
、相互に連続し、又は連続していない微細な、すっきり
とした孔が形成される特長を有している。
か\る点から、外観が艶消し状態のソフトな風合を有し
、しかも接触面が適度の吸湿性と、適度の保湿性とを併
せ有する皮革様合成樹脂材を庶僅に提供することが可能
とされる。
そこで、本発明にかする皮革様合成樹脂材は、日常身の
回りにある全ての商品に応用することができる0例えば
各種の合成皮革生地類、フィルム類、鞄、小物ケース、
バックル等の身の回り品、椅子等の家具類、床材等の建
築材料、各種機器の操作用グリップ、キ−ボード類、ス
テアリングホイール、ホーンパッド、シフトノブ、アー
ムレスト、コンソールボックス等の自動車内装部品等と
して用いられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にか\る皮革様合成樹脂材のゼラチン粉
を取除く前の要部拡大断面図、第2図はゼラチン粉を取
除いた状態の要部拡大断面図、第3図は皮革様合成樹脂
材がフィルムである実施例の要部拡大断面図、第4図は
皮革様合成樹脂材がラミネートフィルム層を有する皮革
様生地である実施例の要部拡大断面図、第5図A−Dは
ゼラチン粉の抜き出し状態を示した要部拡大断面図であ
る。 1・・・基材、2・・・成形合成樹脂材、3・・・ゼラ
チン粉、4・・・孔、4°・・・隙間。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ゼラチン粉を含む成形合成樹脂材に、該成形合成樹
    脂材が不溶で、且つ水との溶解性が良く、分子量が80
    より小さい有機溶剤又は該有機溶剤の希釈水溶液が含浸
    され、前記成形合成樹脂材が膨潤された後、該成形合成
    樹脂材が水洗又は水中に浸漬されて該成形合成樹脂材に
    含まれているゼラチン粉が抜き出されてなる皮革様合成
    樹脂材。 2、ゼラチン粉を含む成形合成樹脂材が、成形品表面の
    成形合成樹脂皮膜層である請求項1記載の皮革様合成樹
    脂材。 3、ゼラチン粉を含む成形合成樹脂材が、合成樹脂塗膜
    である請求項1記載の皮革様合成樹脂材。 4、ゼラチン粉を含む成形合成樹脂材が、合成樹脂フィ
    ルムである請求項1記載の皮革様合成樹脂材。 5、ゼラチン粉を含む成形合成樹脂材が、合成樹脂フィ
    ルムラミネート層である請求項1記載の皮革様合成樹脂
    材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6156172A (en) * 1997-06-02 2000-12-05 Sadao Kadkura Facing target type sputtering apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6156172A (en) * 1997-06-02 2000-12-05 Sadao Kadkura Facing target type sputtering apparatus

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